パイセンのしくじりに学ぶ 神間取り11 | 第一回 ①キッチン重視 ②二世帯 ③狭小住宅 編
家を建てる際、誰もが一番こだわるのが間取り。にもかかわらず、しくじってしまった家づくりの先輩の嘆きを参考に、“間取りの神”佐川先生と共に理想の“神間取り”を考えましょう! 今回は「①キッチン重視 ②二世帯 ③狭小住宅 編」をご紹介します。

- 佐川旭建築研究所の代表取締役を務める一級建築士。
認定NPO法人の理事、女子美術大学非常勤講師など、多方面で活躍。「最高の住まいをつくる『間取り』の教科書」(PHP研究所)など、住まいや間取りに関する著書も多数
今回ご紹介する神間取りはこの3つ!
1キッチン重視のオープンな回遊間取り

家中の気配を感じられる
オープンな空間に!
ロシアのマトリョーシカ人形をヒントに、階段を中央部に配置。こうすることで家の中心に緩やかな流れを作り、家のどこにいても家族の気配を感じられる間取りにしました。この家は1階の採光が十分に取れなかったため、メインの生活スペースであるリビング・ダイニング、キッチンを2階に設置。
神間取り!
※間取り図は押すと拡大できます
デッキともつながる、全体を見渡せるキッチン
キッチンから直接出られるデッキは、子どもを遊ばせるスペースに。扉を開ければ子どもの様子を確認でき、通路はゴミ置き場にも使える
中央階段に柵を用い、リビングの奥まで見渡せる
大胆な間取りの核となる中央部の階段は、壁ではなく手すりの高さの柵で囲った。キッチンからリビング・ダイニングの奥まで気配を感じられる空間に
2二世帯が適度に交流できる間取り

二世帯の会話を生む
玄関まわりの工夫
2つの玄関を作り、基本的には親世帯と子世帯の生活スペースを分けていますが、子世帯の玄関近くに親世帯のリビングにつながる引き戸、2階へ向かう階段の手前にはユーティリティースペースを配置。
子世帯が必ず通る場所にひと工夫をすることで、二世帯の何げない交流が生まれるように考えました。
神間取り!
※間取り図は押すと拡大できます

2階のリビング・ダイニング。東南の窓と上部の小窓から光が差し込む明るい空間に
1階のリビングへとつながる引き戸
子世帯の玄関を入ってすぐの場所に作った引き戸。親世帯のリビングへつながるほか、お互いの自然な動線の中で気配を感じながら暮らすことが可能
庭と孫を見つつ日なたぼっこするデッキ
1階リビング・ダイニングの角には、庭を見られるデッキスペースを採用。地窓を付けて風通しをよくしたほか、庭で遊ぶ孫を親世帯が見守る場面も想定
自然な会話が生まれるユーティリティースペース
1階に作られたユーティリティースペース。子世帯の子供たちが留守番をする際、親世帯に気軽に見守りをお願いできるパブリックなスペースとしても活用できる
遮音シートを使って階下への音を遮断
子世帯が暮らす2階のリビング・ダイニングには、遮音シートを入れて生活音を遮断。真下に親世帯の寝室があるため、こうした配慮が重要になる
3狭小住宅を広く見せる間取り

明るく開放感を得られる
トップライトを採用
設計力が問われる狭小住宅のポイントは、いかに広く見せられるか。通常は少しでも部屋数を多く、部屋を広くと考えがちですが、無理にそうしてもひずみが生じます。この家ではトップライトを採用してそこから光を取り込むことで開放感を演出。長めの廊下も豊かな空間作りに一役買っています。
神間取り!
※間取り図は押すと拡大できます
採光を工夫すれば北側でも明るい空間に
1階のリビング・ダイニングの上にトップライトを配置。多くの光を取り込むことで、北側にしか窓を取れなくても明るく温かい場所となる
室内干しもできるユーティリティーな廊下
2階の廊下はあえて長めに設計し、室内干しもできるユーティリティーなスペースに。主となるリビングなどに干さないことで、空間の豊かさを保てる
取材・文=越智龍二 / イラスト=にわゆり / イラスト=佐川旭建築研究所
編集= LIFULL HOME'S 編集部
パイセンのしくじりに学ぶ
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更新日: / 公開日:2018.06.13















