薪ストーブと木のぬくもりに癒やされる家族のコミュニケーションを考えた家 | 理想の住まい拝見
「理想の住まい拝見シリーズ」4回目にご紹介するのは、リビングにもなる土間と薪ストーブが魅力のお宅です。玄関を仕切らず建ぺい率を効率よく使う工夫や、建具を最小限にして家族のコミュニケーションを密にする設計など、従来の発想にとらわれない自由さが魅力の首藤邸。まずは、この家の象徴である“リビング代わりの土間空間”から拝見してみましょう。
土地購入から始まった家づくり
いつかは家を持ちたいと思っていた首藤さんご夫妻。そのタイミングは突然やって来ました。15年以上住んでいた市営住宅の近くに破格の安さで土地を見つけ、ほぼ即決で購入。そこから、マイホームの夢を実現すべくご夫妻の奮闘が始まりました。

広い土間空間にあるのが玄関扉
薪ストーブを置く土間空間に採用した十和田石。ほのかな緑色が美しいやや低い建ぺい率を最大限に使い、空間を広くとるため考えた工夫が、玄関を仕切らないことだったそう。玄関の段差はなくし、ドアを開けるとすぐリビング代わりの土間空間が広がります。
こだわりの材質と空調機能
広い土間空間にある薪ストーブ十和田石を敷き詰めた空間には、ご主人自慢の薪ストーブが象徴的に置かれています。石には蓄熱する性質があるため、暖房効率もアップ。これ一つで全館暖房ができる、空調の良い設計が最大の特長です。
首藤さんご夫妻も、薪ストーブは寝る寸前まで燃やし、そのぬくもりの中で眠りに就くとのこと。ピザを焼くなどちょっとした料理もでき、家族の団らんに一役買っています。
2階バルコニーに続くブリッジ部分はすのこ
岐阜県まで探しに行ったトチノキの一枚板のテーブル天板。裏返して両面が使える2階の廊下部分には空気や音が抜けるすのこ床を採用しました。上昇する薪ストーブの温熱で、ここに立つととても暖かい、と首藤さん。光が通るので圧迫感もなく、開放的な雰囲気を醸し出しています。
1階奥には、珪藻土とわらを練り込んだ塗り壁と、無垢材を張ったフローリング。珪藻土と無垢材は奥様が唯一出した希望でした。「無垢材は傷つきやすく色も変わる、塗り壁は削れることもある。でも、それも家族の思い出。経年変化を味わえる家にしたいから」と奥さんは言います。
家族のコミュニケーションを重視した家に
手前は息子さん、奥は娘さんの子ども部屋各部屋の建具も極力つけていません。これは、自然にコミュニケーションが取れるようにとの考えから。隣に並ぶ息子さんと娘さんの部屋も、現在は仕切りなしでつなげているそうです。
「どこにいても声が聞こえる、プライバシーを取っ払った家にしようと思いました。子どもは年ごろですが、屋根裏のロフトを隠れ家にしていますね」と首藤さん。ご家族で過ごす時間を大切にしている様子が伝わってきます。みんなで囲めるアイランドキッチン、家族全員で使うウォークインクローゼットと、風通しの良さは空調だけにとどまらず、家族関係にも鮮やかに反映されているようです。
濃い壁色と煙突が目を引く。休日は庭で薪割りをするのが日課となっている
株式会社グッドリビング TEL:04-7123-8682
住所:千葉県野田市花井1-19-21
HP:www.good-donguri.com
- 出典:家を買Walker (KADOKAWA)
- 撮影=井上洋平/取材・文=丸古玲子
理想の住まいをもっと見る
更新日: / 公開日:2018.01.25









