コンセントは毎日の生活で使用する設備。とはいえ、間取りや設備を自由に決められる注文住宅では、設計の段階から選択を求められる項目も多く、コンセントの配置まではあまりこだわらずに決めてしまうケースも多いようです。

しかし、暮らしはじめて後悔しないよう、コンセント配置を考えるポイントを確認しておきましょう。また、既存の住宅にコンセントを増設することは可能なのかも解説していきます。

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家電をはじめ、インターネット関連機器・ゲーム機・スマホ・タブレット機器など、数多くの電気製品に囲まれた現代の暮らし。

 

電気製品を便利に使用するためには、やみくもに沢山のコンセントを設置するよりも、使いやすい場所に的確に配置することが大切です。

 

コンセントを配置するべき場所は、生活スタイルによって異なりますが、その部屋でどのように過ごすのか、どんな家電をどこに配置するのかをできるだけ具体的に考えることが大切です。

 

近年は、部屋数を多く確保するよりも、キッチン・ダイニング・リビングをひと続きにするなど、ゆったりとした間取りが人気傾向です。部屋が広いと、床面積に対して壁が少なくなるため、コンセントの設置場所を確保しにくくなります。

 

そのため、室内の中心に近い場所で電気製品を使用する場合、壁のコンセントを利用すると床にコードを長く這わせることになり、見た目も良くないほか足を引っ掛ける危険性などもあり危険です。

 

そこでおすすめなのが、“フロアコンセント”。

 

ポップアップ型のフロアコンセント

ポップアップ型のフロアコンセント

フロアコンセントとは、床に配置するタイプのコンセントで、使用する時だけ飛び出させる“ポップアップ型”と、ふたを開けてプラグを奥に差し込む“収納型”があります。

例えば、ダイニングテーブルの側にフロアコンセントを設置しておけば、食卓でホットプレートやIHコンロなどを利用する際に便利です。

 

リフォームで壁へコンセントを増設するのは比較的容易ですが、フロアコンセントの設置は大掛かりな工事が必要となるため、新築時の設置がおすすめです。

 

キッチンや洗面台など、水回りのコンセントは水がかかりにくい高めの位置に配置するのがおすすめです。

 

水がかかると、漏電やショートの原因になります。また、電気シェーバーなど、使わない間に充電しておきたいものは、収納内にコンセントを設置すると便利です。

 

熱帯魚などの水槽を置く予定の場所では、電気設備を接続するコンセントを水面よりも上に配置しましょう。

 

近年普及が進む家電のひとつが“掃除ロボット”。一戸建てでは階ごとに複数台の掃除ロボットを使用するケースもあります。

 

ロボットが自動的に帰れる場所に充電台の設置が必要となるので、合わせてコンセントを配置しましょう。間取りの決定と同時にロボットが掃除を行う範囲を考えると、コンセントの位置も決めやすいです。

 

室内だけでなく、屋外にも目を向けてみましょう。駐車場や玄関付近に屋外コンセントがあれば、高圧洗浄機や掃除機などを使用する際に便利です。

 

屋外コンセントがないと、窓を開けて室内のコンセントまで長い延長ケーブルを伸ばすことになります。

 

また、あとからセンサーライトを取り付けたり、クリスマスのイルミネーションを飾り付けたりする際にも便利です。

 

意外と室外でも様々な用途があります。

意外と室外でも様々な用途があります

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子ども部屋だからといってコンセントを少なめにすると、あとで増設を考えることになるかもしれません。

 

子どもが小さいうちは、使用する電気製品の数はそれほど多くありませんが、成長とともに大人と同様にさまざまな電気製品を使用するようになるものです。

 

一般的に、コンセントの設置数は2畳あたり1つ(2口)が目安(※)とされています。今だけではなく、先を見据えたコンセントの配置計画を立てましょう。

 

また、家族に高齢者がいる場合は、少し高めのコンセント配置がおすすめです。

 

一般的には床から25cmほどの高さですが、40〜45cmにすると腰を深くかがめなくても手が届くようになるため、高齢者や腰痛のある人も使いやすくなります。

※ 東京電力エナジーパートナー「でんきガイド 新築、増改築時に考慮するべきポイントは?」

 

先を見据えた設計が大事です。

先を見据えた設計が大事です

 

コンセントが足りないからと、テーブルタップ(電源タップ)を使用している場合は注意が必要です。

 

一般家庭におけるコンセントの定格容量はひとつあたり10Aで、消費電力に換算すると1500W(ワット)までとなります。

 

テーブルタップにたくさんの電器製品をつなぐ“タコ足配線”は、定格容量を超えた電気によって発熱・発火することがあります。

 

テーブルタップで消費電力の大きい電器製品を複数使用しているなら、コンセントの増設を考えたほうが良いでしょう。(※)

 

便利なテーブルタップですが使いすぎには注意が必要です。

便利なテーブルタップですが使いすぎには注意が必要です

既存の住宅にリフォームでコンセントを増設することは可能です。

 

もっとも手間の掛からない方法は、配線を壁の外に通す“露出配線”で、価格は1ヶ所あたり5,000円ほどからとなっています。

 

配線を壁の内部に通す場合、工事の内容はコンセントを増設したい場所と既存の配線の位置関係により異なります。

 

例えば、増設したい場所の裏側にちょうど線が通っていれば、工事は比較的簡単に完了します。配線が記載された図面があれば、用意しておきましょう。

 

配線が遠い位置にある場合は、壁に穴を開けて線を引くことになるため、壁紙の張替えが必要になることがあります。

 

壁紙の1面だけを新しくすると他の壁の色あせや汚れが目立ってしまうため、新しい壁紙は全く違う色や柄のアクセントクロスにするのがおすすめです。

 

また、コンセント増設と同時に、部屋全体の壁紙をリフォームするのも良いでしょう。

 

なお、“電気工事士法”により、電気の配線工事は電気工事士の資格を持った人のみが行うよう定められています。

 

素人による電気工事は、のちの漏電や火災につながる可能性もあり危険です。必ず専門会社に依頼してください。

 

※ でんきガイド‐東京電力エナジーパートナー「電気やプラグの正しい使い方│安全な電気の使い方」

 

コンセントを増設することもできます。

コンセントを増設することもできます

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  • 広い部屋ではフロアコンセントを設置すると便利
  • 水回りでは水が掛かりにくい位置に配置する
  • ロボット掃除機を利用する場合は、充電台の位置を考える
  • 屋外コンセントがあれば、屋外ライトの設置や掃除機の使用に便利
  • 子ども部屋のコンセントも、先を見据えた計画を立てるべき
  • 高齢者にとっては、コンセントが低すぎないほうが使いやすい
  • コンセントの増設工事は必ず専門家に依頼すること

 

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更新日: / 公開日:2017.10.15