建物の一番大切な役割は、台風や大地震に耐え、住む人の命や財産を守ることです。そのために構造上の安全チェックや構造計算は欠かせません。複雑な形、大きな建物では構造専門の設計士が構造計算を行います。
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建築物の設計に必要な構造計算とは?
現在の建築基準法では、木造2階建て以下の住宅であれば、確認申請時に構造計算書の審査を簡略化でき、提出をしなくてよいのですが、木造3階建てや鉄筋コンクリート造等の大規模な建物になると、構造計算書を提出しなくてはなりません。
そのような大規模な建物では設計内容が高度で複雑になるため、構造専門の設計士が設計を分担し、その建物の構造設計や構造計算を行います。
「構造設計」では、建物の骨組みにかかわる部分において、安全性・機能性・経済性を考慮して適切な計画を立てます。その構造設計に基づき、計算によって基礎、柱、梁等の部材の寸法を算定していくことを「構造計算」といいます。

構造計算
鉄筋2階建てや木造3階建てなど、建物による違いは?
構造計算には建物の構法や規模によりいくつかのルート(手法)があります。一般的な木造3階建て住宅では「ルート1(許容応力度計算)」という手法がとられます。
その他大規模マンションになると、「ルート2(許容応力度等計算)」、「ルート3(保有水平耐力計算)」または「限界耐力計算」、高さ60メートルを超えるタワーマンションでは「時刻歴応答解析計算」といった高度な計算が必要になります。
この中で、「ルート1」及び「時刻歴応答解析計算」以外の手法で計算された建物については確認申請時に「構造計算適合性判定」が必要となります。
構造計算適合性判定とは、第三者による構造計算書の再チェックのことで、平成17年の構造計算書偽装事件を受け、平成19年度の建築基準法改正から適用になりました。
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新築や建て替えの際にかかる構造計算の費用は?
構造計算にかかる費用は、建物の規模(床面積、階数等)、形状、構造種別(木造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造等)、構造形式(壁式、ラーメン構造等)、構造計算の手法(ルート)、適合性判定の有無、設計担当者のランク(経験年数等)等によって異なります。
また、設計事務所ごとに報酬基準を設けているケースもあり、一概にいくらと言えるものではありません。インターネット上で費用を公開している構造事務所もあるので、調べてみても良いでしょう。
参考に一例を挙げると、一般的な木造3階建て(200m2)の住宅で20万円程度~、同規模の鉄筋コンクリート造(壁式構造)の住宅ではその1.4倍程度、複雑な形状や適合性判定を受けるような物件ではさらに別途費用が加算されるようです。
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更新日: / 公開日:2013.05.10









