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住宅幸福論 Episode1 住まいの幸福を疑え

いよいよ本格化する人口減少がもたらす家余りと不動産価値の下落。大都市圏にも侵食する急速な高齢化や単身世帯の急増、共働きの一般化が要請する家族とコミュニティの変容。イノベーションによって書き換えられる産業構造によって促進される雇用の流動化。テクノロジーが後押しする働き方と暮らしの同時並行的な変化。ポスト平成の時代には、昭和の経済成長期から日本人の住まい観を規定してきた社会構造が根底から崩れていきます。住宅のあり方や住宅不動産業界の価値観もアップデートが必要です。

LIFULL HOME'S総研は、「住まいの幸福」を考え直してみたいと思います。これからあらわになる家族と不動産の変化を展望し、芽生え始めた新しい住まい方/暮らし方の事例を訪ね、大規模な生活者調査によって、持ち家vs賃貸、新築vs中古、マンションvs戸建て、などなど、住宅不動産市場で大きな関心を持たれてきた問いの有効性を検証します。

2018.04.13

HOUSING SHIFT

賃貸にせよ持ち家にせよ、住み替えをする人は、住処を変えることによって何を手に入れようとしているのだろうか。 ほとんどの人にとって住宅は人生で最大の買い物であるだけでなく、「住むこと」は時間的にも空間的にも「生きること」それ自体と密接に重なる概念である。住む場所を変えること・選ぶことは、すなわち生き方を変えること・選ぶことに他ならない。そのような住み替え行動についてのインサイトを突き詰めていけば、究極的には「住み替えとは、今までよりも幸福になるための行為である」という命題にたどり着く。

21世紀に入って20年近くが過ぎようとしている。今、人生100年時代を目前にして、『LIFE SHIFT』=新しい生き方が求められている。これまで長く論じてきたように、戦後の昭和を通して共有されてきた経済的な豊かさによる幸福は形を失って、人それぞれのマイベストライフを探すことが求められるようになっている。にもかかわらず、私たち日本人の住まいは、消費者の価値観においても業界の在り方においても、昭和の幸福像に囚われたままである。そこになんらかの違和感を感じることがあったとしても、市場の常識や同調圧力は目に見えない壁のように、自分らしくあろうとする自由な心を昭和の夢に閉じ込める。

「もっと、住むことの自由を。」を活動コンセプトに掲げるLIFULL HOME’S総研として、ポスト平成の時代の、幸福な住まいの在り方を考えてみようと思う。本報告書を「住宅幸福論 Episode1」とタイトルしたのは、LIFULL HOME’S総研では今後住宅幸福論を中長期の研究テーマとして設定し、来年度以降も引き続き取り組んでいくことを表明するためである。シリーズのゴールイメージは現段階では未定である。しかし、ポスト平成の幸福な住宅はこうだ、と宣言するようなものではないだろう。本質的に「正しい答え」が出せるテーマではない。3LDKに取って代わる新しい住宅プランを提案しようというような意図もない。幸福な住宅や暮らし方は人それぞれであるという基本スタンスの上で、それぞれの人がマイベストライフにたどり着くための戦略やコツのようなものを、最終的に提出できればいいと考えている。

シリーズ第一弾となる本報告書では、これまでなんとなく無意識に、“いい家” “幸せな家” “豊かな住まい”と信じ込んでいたコード(code: 記号、規約、和音、慣例)を解体することを試みる。新しい住まい観を構想する前に、これまで住まい手と業界を縛りつけていた昭和の価値観をいったん解体する必要があると考えている。例えば、「家を買うこと」で賃貸時代に比べてどの程度幸せが増すのか。「新築であること」の満足度はどの程度持続するのか。中古に比べてどの程度うれしいのか。戸建てとマンションで幸福度はどう違うのか。他にも、広さは、部屋数は、設備の充実は、などなど。われわれの住まいの選択を無意識のうちにも昭和に縛りつけているスペック神話の神話性を問い直し、白日のもとに晒してみたいと思う。

住まい手も含めて市場関係者に対して、現状の市場での住宅の存在の仕方を疑い、新しい暮らし方・住まいの在り方を議論するきっかけを作ることができれば、とりあえず本報告書の目論見は成功である。まもなく平成が終わりを迎える今、幸福という究極の動機から住まいを捉え直す意義は大きいと思われる。(PROLOGUEより)

文:LIFULL HOME'S 総研所長 島原万丈

報告書

全データ

報告書全体(17.0MB)

各章データ

  1. PROLOGUE(1.1MB)
    1. LIFULL HOME'S 総研 所長 島原万丈

  2. 1. SCOPE(2.6MB)
    1. 1-1 世帯の未来ー「住むことの幸せ」を人口動態推移から読み解くー

      株式会社アンド・ディ 取締役 橋口理文、奥田理

    2. 1-2 幸せの家ー人間にとっての家とは?ー

      日本大学教授・マサチューセッツ工科大学不動産研究センター研究員 清水千弘

    3. 1-3 IoT・AI時代で実現する「スマートホーム」の現在と未来

      フリーランスライター/編集者 福島朋子

    4. 1-4 INTERVIEW LIFULL HOME'S総研 所長 島原万丈が学ぶ[幸福学]「幸せのメカニズム」がわかれば住まいの幸せが見えてくる!?

      慶應義塾大学大学院・教授 前野隆司

  3. COLUMN(1.1MB)
    1. 住まいはこんなにも自由である

      LIFULL HOME'S総研 所長 島原万丈

  4. 2. RESEARCH(8.0MB)
    1. 住宅幸福度分析レポート

      株式会社アンド・ディ 取締役 橋口理文、奥田理

    2. i 調査概要

      ii 回答者プロフィール

      iii 居住している住宅のタイプとスペック

      I 「住まいの幸福度」の基本分析

      II 「住まいの幸福度」の源泉

      III 住まいに幸福を感じる人の特徴

  5. 3. CASE STUDY
    (2.9MB)
    1. 3-1 私たちと住まいの幸せな関係ー事例に見る自由な住まいの選び方

      株式会社東京情報堂 代表取締役 中川寛子

    2. 3-2 住宅幸福論ー幸福解体変「家庭の幸福」という呪いを解体する

      劇作家 石神夏希

  6. EPILOGUE(1.3MB)
    1. 住まいの幸福を疑えー平成を超えて

      LIFULL HOME'S 総研 所長 島原万丈

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