オール電化住宅には欠かせない存在となってきた「エコキュート(自然冷媒ヒートポンプ給湯機)」。
エコキュートには光熱費の節約につながるメリットもありますが、お湯切れになるのでは? といった心配の声も耳にします。
オール電化住宅でエコキュートを使い始めて10年以上になる在宅ワーカーの私が、エコキュートのメリット、デメリットをお伝えします。
- 光熱費、どうすれば節約できる?
- 温かいお湯を低コストで使うには?
- オール電化住宅は他の住宅とどう違う?
- 基本使用料が一本化できる
- ガスに比べて火事のリスクが軽減
- エコキュートでお湯が安くなる
- ライフスタイルによっては昼間の電気料金が増える場合も
- 水道光熱費が節約できるエコキュートとは
- エコキュートのメリットとデメリット
- メリット1:光熱費が安くなる
- メリット2:断水、停電時の水の確保
- メリット3:お湯の需要に合わせた調整が可能
- デメリット1:お湯切れが起こるときも
- デメリット2:深夜などは騒音が気になる場合もある
- エコキュートをさらにお得に使える条件は?
- 電力会社との契約内容を見直し、最適なプランを
- 夜間電力が使える時間帯の確認を
- 季節ごとにモード設定を見直す
- 「自動沸き増し機能」は必要なとき以外はオフにする
- 風呂は「高温足し湯」で省エネ
光熱費、どうすれば節約できる?
温かいお湯を低コストで使うには?
自宅で介護や子育てをしてきた人は「高齢者や子どもだけで留守中に、火事になったらどうしよう?」と心配になったこともあるでしょう。
介護を続けていた私も、高齢者だけを自宅に残して仕事に行かなければならないときは、火の管理がとても不安でした。オール電化の工事を依頼した後は、ほっとしたものです。
ガスの契約を解除し、電気のみの生活となってからは、電気給湯器やエコキュートでお湯を沸かすことになります。介護や子育てをしているときは、十分な量のお湯を使いたい場面も多く、節約はどうしても二の次になるかもしれません。お風呂に入るのが好きなご家族がいると、水道光熱費がかさみがちにもなります。
エコキュートは、安価な夜間電力を使ってお湯を沸かすことができ、光熱費を抑えることもできるんです。
オール電化住宅は他の住宅とどう違う?
ガスを使わず、電気を熱源としても利用するオール電化住宅。どんな特徴があるかご紹介しましょう。
基本使用料が一本化できる
ガスと電気の両方を使う場合は、基本使用料がそれぞれにかかるケースが大半ですが、オール電化であれば基本使用料も電気のみです。電力会社ごとに、オール電化住宅向けの料金プランが設定されていて、光熱費全体が抑えられる場合も多いです。
ガスに比べて火事のリスクが軽減
都市ガスやプロパンガスなどを使うと、台所で調理するときには火を使います。認知症の高齢者や、なんでも挑戦したがるお子さんがいると、火の管理にはとても神経を使います。
でも、IHクッキングヒーターを使って調理をするオール電化住宅では、火災や一酸化炭素中毒などの不安が少なくて済みます。
エコキュートでお湯が安くなる
オール電化住宅に使われることが増えたエコキュートは、電気代が安い夜間電力を利用して翌日に使うお湯を沸かします。そのため、ガス給湯器に比べて、お湯を安く使うことができます。床暖房もエコキュートの熱を利用するものを使うことにすれば、暖房代も安くなります。
ライフスタイルによっては昼間の電気料金が増える場合も
子育て中や介護中、在宅ワークをしているなどの理由で、日中に在宅している時間が長い家庭では、エアコン、調理器具、掃除、PCなどのために、昼間電力を使います。そのため、日中の消費電力量と電気代がかさむこともあります。
水道光熱費が節約できるエコキュートとは
エコキュートは、空気の熱を利用してお湯を沸かす仕組みの給湯機です。電気熱のみを利用するタイプの給湯機に比べ、大気熱も利用するエコキュートは、電力消費量が少なくて済み、節約ができます。
エコキュートのメリットとデメリット
メリット1:光熱費が安くなる
これまでにも触れましたが、料金が安い夜間電力を使ってお湯を沸かす仕組みのエコキュートは、お湯を安く使えることがメリットです。大気熱も利用してお湯を沸かす仕組みなので、より効率よくお湯を沸かすことができます。
メリット2:断水、停電時の水の確保
災害時などには、エコキュートのタンク内の水を生活用水として利用することもできます(飲み水としては使えません)。
メリット3:お湯の需要に合わせた調整が可能
深夜にお湯を沸かす量は、家庭ごとの需要に合わせて変更することもできます。お客様があって、お湯をたくさん使いそうな日は沸き増し運転ができること、旅行などで家を留守にするなら沸き上げ休止ができることも、エコキュートのメリットです。
デメリット1:お湯切れが起こるときも
「あらかじめ沸かしてためておいたお湯を使う」という仕組みなので、ためておく量よりも多くのお湯を使ってしまう日もあるでしょう。お湯が足りなくなったら、沸き増し運転をすることもできますが、安い夜間電力を使うのとは違い、日中の電力は高くつきますので、節約効果が薄れます。
デメリット2:深夜などは騒音が気になる場合もある
エコキュートは深夜に動作します。深夜は他の音が少ない時間帯なので、近隣の人にとって「静かなはずの深夜に、低周波音が響いて気になる」という状況になるかもしれません。できる限り騒音対策を行い、自宅やご近所の家庭の寝室から遠い場所に設置すること、エアコンなど他の機器の室外機との共振を防ぐため、位置関係をよく検討して設置することなどに、注意を払いましょう。
エコキュートをさらにお得に使える条件は?
エコキュートは、ご家族のライフスタイルに合わせて微調整を行い、さらにお得に使うことができます。
電力会社との契約内容を見直し、最適なプランを
電力会社は、エコキュートやオール電化向けの料金プランを提供しています。
安い夜間電力が適用されるようになっていますが、複数のプランがある場合は「日中の消費電力量に合わせたプランになっているか?」も検討してください。日中はほとんど留守になるご家庭と、ペットがいたり在宅ワークをしていたりするといった理由で日中もエアコンなどを利用し続けているご家庭では、選ぶべきプランが異なりますので、よく検討してください。
夜間電力が使える時間帯の確認を
エコキュートの時計は、かならず正確な時刻に合わせておきましょう。
そして、安い夜間電力が使える時間帯の設定も、きちんと行いましょう。夜間電力の設定を間違えたままにすると、電気代がかかる時間帯にお湯を沸かしてしまうことになり、節約効果が得られないのです。
季節ごとにモード設定を見直す
エコキュートには、メーカーが設定する「省エネモード」があり、一般的にはこのモードこそが省エネ効果がもっとも高いと考えられます。
ただし、季節によって日中に多くお湯を使いたい場合には、頻繁に沸き増しをしなければならないことも出てくるでしょう。そのときは多めにお湯を沸かすモードに切り替えたほうがよいでしょう。
あまりお湯を使わない季節には、省エネモードに戻しておかないと、余計な電力を使い続けることになります。
季節ごとにモードを切り替え、電力の無駄遣いを防ぎましょう。
「自動沸き増し機能」は必要なとき以外はオフにする
エコキュートのタンクに残っているお湯の量が少なくなると、自動的に沸き増しを行う「自動沸き増し機能」。お湯切れの心配が減るのですが、「その日にはもうお湯を使わない」という場合は、高い昼間電力を使ってしまう上に、お湯が無駄になります。必要なとき以外は自動沸き増し機能をオフにしましょう。
風呂は「高温足し湯」で省エネ
お風呂の温度を一定に保つ機能を利用すると、電力を多く消費してしまいます。ぬるくなったお湯を循環させて温めなおしているため、電気代がそれだけかかってしまうのです。
それよりも、高温足し湯を行って風呂温度を再び高くするほうが、省エネという面では優れています。また翌朝などに、いったん冷めた風呂のお湯を沸かしなおすよりも、改めてお湯をはりなおすほうが、電気代はかからないこともあります。
賃貸物件にも、オール電化の住宅や、エコキュート導入済みの物件が増えています。介護や子育ても安心して続けられ、光熱費の節約もできる物件を探してみましょう。