板橋区は東京23区の北西部に位置し、住宅地としてのイメージが強く、庶民的な印象を持つ人が多いかと思います。都心部へのアクセスも良好で、最近では都営三田線が相鉄線と乗り入れを開始したため、横浜方面まで乗り換えなしで行けるようになりました。
私は、生まれも育ちも板橋区で、現在も夫と子ども2人と板橋区で生活しています。この記事では、私が実際に子育てをする中で感じた板橋区の魅力や暮らしやすさ、板橋区の支援制度や子育て環境についてお伝えします。
板橋区で子育て中
まずは、板橋区の概要と私が子育ての地として選んだ理由を紹介します。
板橋区の概要
板橋区は、東京23区の北西部に位置し、面積は32.22平方キロメートル(2023年全国都道府県市区町村別面積調)で、23区中9番目の広さです。人口は、2025年4月時点で58万912人でした。
区内は、板橋地域・常盤台地域・志村地域・赤塚地域・高島平地域の 5 つの地域に分かれていて、それぞれの歴史があります。
「板橋」の名前の由来になったといわれている石神井川にかけられた橋は、板橋地域の仲宿に現在も残っていて、春には桜の名所としてライトアップされ、賑わいをみせたりしています。
わが家が子育て環境に板橋区を選んだワケ
わが家は、結婚するタイミングでマンションを購入しました。もともと板橋区で生活していたことや子育て環境に魅力を感じて、そのまま住み続けたいと思い、板橋区での購入に至りました。
ここからは、私が板橋区を子育て環境として選んだ理由を紹介します。
板橋区を子育ての地としてこそ選んだ理由(1)大きな公園や子どもの遊び場が豊富
わが家の住まいの近くには、公園が点在していて、都立公園は自転車で行ける範囲に2ヶ所あります。出産前から、子どもが多くて賑やかな環境を見ていたため、自分がここで子育てをするイメージが湧きました。
板橋区は、公園の数が354ヶ所(2024年4月時点)と23区で4番目に多い緑の豊かな環境で、子育て世帯におすすめの街です。
板橋区を子育ての地としてこそ選んだ理由(2)徒歩圏内に医療機関があった
わが家の近くには、徒歩圏内に総合病院が2ヶ所あります。私は自宅近くの総合病院で2度の出産をしました。タクシーであれば5分ほどで病院まで行けたので、安心感と心強さがありました。現在も子どもの受診には困ることがなく、助かっています。
板橋区を子育ての地としてこそ選んだ理由(3)自宅からいたばし花火大会が楽しめる
板橋区は、毎年8月上旬に大規模な花火大会を行っています。会場の最寄り駅は、都営三田線の西台駅と高島平駅です。当日は電車も道も非常に混雑するため、自宅から花火が見られることで贅沢な気分を味わえます。
板橋区を子育ての地としてこそ選んだ理由(4)商店街で野菜や果物が安く買える
高島平団地周辺には、野菜や果物が新鮮で安く購入できる八百屋さんや精肉店、惣菜店があり、団地下にある商店街が賑わっています。高島平近隣の西台駅にはダイエーがあるので生活に必要なものをそろえられます。
蓮根駅周辺は商店街に活気があり、業務スーパーもあるので買い物には便利な場所です。
実際どう?板橋区の子育て
私は現在、板橋区にある分譲マンションで夫と6歳の娘、3歳の息子と暮らしています。ここからは実際に住んでみて感じた、板橋区の子育て事情ついてお伝えします。
数字で見る板橋区の子育て事情
板橋区の2025年現在の人口は、58万912人で10年前の2015年と比較すると人口は増加傾向にあります。しかし14歳以下の人口は、2015年の6万666人(人口比率11%)に対し、2025年現在は5万7,191人(9.9%)と少子化の傾向です。
私の生活している高島平地区では最近、児童館や公園も外国人親子の方々を見かけることが増えました。言葉が通じなくても、子ども同士で一緒に遊ぶ様子を見ていると、国際交流ができているようでほほえましいです。
板橋区の保育施設、幼稚園の数は以下の通りです(2025年4月時点)。
区立保育園 34ヶ所
私立認可保育園 117ヶ所
認定こども園 4ヶ所
小規模保育園 38ヶ所
幼稚園 31ヶ所
板橋区の待機児童数は、2024年4月の調査では0人でした。2025年5月時点の板橋区公式だ意図での保育園の空き情報によれば、どの年齢も空きがあります。幼稚園でも預かり保育や給食が実施されるなど、働く親が預けやすい環境が整っているところが多いため、板橋区は保育環境も良好で安心して預けられる街といえるでしょう。
板橋区の子育て支援情報
板橋区は、子育て政策の「いたばし子ども未来応援宣言2025」において、「いたばしで未来のおとなが育っています ~みんなの力で 人づくり・まちづくり~」を基本理念のもと、5つの目標を柱として子育て支援を行っています。
基本目標1 安心して妊娠・出産、子育てできるまち いたばし
基本目標2 子どもの健康と安全が守られるまち いたばし
基本目標3 すべての子どもが健やかに育つまち いたばし
基本目標4 豊かな人間性と生きる力を育成するまち いたばし
基本目標5 子育てでみんなが協力するまち いたばし
ここでは板橋区の子育て支援情報のうち、独自性の高いものを5つ紹介します。最新情報は、板橋区の公式ホームページで確認しましょう。
板橋区の子育て支援事業(1)いたばし版ネウボラ事業
ネウボラ(neuvola)とは、フィンランド語で「アドバイスの場」を意味しています。いたばし版ネウボラ事業では、身近な場所で子育ての不安な気持ちや悩みを相談でき、さまざまなサービスを利用することで安心して出産や子育てができるように、成長に合わせて切れ目のない支援をしています。
私の経験では、息子が先天性難聴で生まれた際に、地区を担当する保健師が産後すぐに自宅を訪問してくれました。その際、今後の受診先や療育の情報を早期に提供していただくなど、次に進むためのアドバイスを受けられました。
行政の支援を受けることで、子育てに対する不安が軽減し、安心して育児を続けられたように感じています。
板橋区の子育て支援事業(2)子ども医療費の助成
板橋区は、健康保険診療の範囲内で、自己負担分の医療費を助成しています。板橋区に住民登録があり、健康保険に加入している子どもが対象となる助成制度です。子どもの年齢によって医療証の種類が異なります。
【医療証とその対象】
・乳幼児医療証:出生日から6歳になった日以降の最初の3月31日まで
・子ども医療証:15歳になった日以降の最初の3月31日まで
・高校生等医療証:18歳になった日以降の最初の3月31日まで
特に子どもが小さい頃は、風邪をひいたり予防接種を受けたりと、何かと病院に行く機会が多いです。そのたびに医療費がかかるのは大きな負担に感じていましたが、助成があるおかげで、自己負担が軽減され、安心して通院できています。
板橋区の子育て支援事業(3)板橋区CAP‘S児童館
板橋区には、児童館が26ヶ所あります。月曜日から金曜日の午前9時から午後5時までの間に、月齢や年齢別に毎日さまざまなプログラムが組まれています。プログラムの参加費は無料で、専門の講師が教えてくれる、ベビーマッサージやヨガなどのレッスンもあり、楽しみが盛りだくさんです。
保育士が常駐していて、遊びに来ている親子に積極的に声をかけてくれるため、子育て相談がいつでもできる心強い施設です。私は産後2ヶ月から児童館に子どもと通い始め、充実した時間を過ごせました。毎月のプログラム内容は、児童館ごとに発行されている「活動カレンダー」で確認できます。
土日も児童館は民間委託で開放されているため、私は雨で外遊びができないときなどに利用することが多いです。スタッフの方もいるので安心して子どもを遊ばせられます。
板橋区の子育て支援事業(4)保育園で一時保育の利用が可能
保護者の育児疲れや急病、断続的・短時間勤務などの理由で子どもを保育できないときには、保育園の一時保育を利用することが可能です。
区内35ヶ所の私立保育園と小規模保育園、2ヶ所の区立保育園で受け付けているので、それぞれの保育園に直接申し込みをします。利用前に一度保育園との面談は必要になりますが、その後は希望日を伝えると保育をしてくれます。私は、自分が美容院に行くときなどに一時保育を利用して、息抜きをしました。
板橋区の子育て支援事業(5)板橋区放課後対策事業 あいキッズ
板橋区では、放課後の時間をより有意義に過ごせるよう、「あいキッズ」というプログラムを区内すべての公立小学校(全51校)で実施しています。
親が仕事をしていなくても、放課後から午後5時まで学校の施設を使い、子どもたちは安心できる場所で遊びながら、いろいろな活動に取り組めます。仕事をしている家庭の子どもは、事前に申し込めば午後7時まで預かってもらえ、土曜日も利用可能です。
長期休暇中は仕出し弁当の注文ができるので、毎日お弁当を作らなくてもいいという点が特に助かります。あいキッズには保育士やスタッフが常にいて、子どもたちが安心して過ごせる環境が整っているため、保護者も安心です。
さらに、出入りの管理にはICTが導入されていて、入退室の時間が保護者にメールで届く仕組みになっていて、安全面の配慮もしっかりされています。
板橋区での子育て体験談
板橋区で子育てする魅力
板橋区での子育てをする魅力(1)バスや電車の交通網が発達している
板橋区内の移動方法は、自転車があれば都立公園をはじめとした近くの公園や公共施設に、10分から15分で気軽に行けます。公共交通機関は、国際興業バスやコミュニティバスの路線が充実しているため、ちょっとした移動に便利です。
電車での移動なら、東武東上線や都営三田線を利用して、都心・副都心へ乗り換えせずに短時間で行けるため、車がなくても生活がしやすいです。
板橋区での子育てをする魅力(2)
行政の支援も手厚い板橋区ですが、実際に板橋区で生活しているママが活躍している「イタバシーナそだて隊」というコミュニティがあります。参加しているママたちで子育てタウン情報誌「イタバシーナ」を発行し、板橋区の子育て世代に有益な情報をアナウンスしています。
子連れで参加できるお祭りやさまざまなイベントが企画されているため、誰でも気軽に参加できるコミュニティといえるでしょう。
板橋区の子育て環境
私が実際によく行く板橋区の子連れおでかけスポットを紹介します。
板橋区の子育て環境(1)板橋区立熱帯環境植物館
板橋区立熱帯環境植物館は、東南アジアの熱帯雨林を再現しています。海に見立てた水族館から始まり、高山帯までのジャングルを登っていくような気分を味わえる4つのゾーンに分けて造られています。熱帯や地球環境をテーマにさまざまな企画展示やイベントを行っているため、小さい子どもから大人まで、楽しみながら学べる博物館型植物園です。
施設名:板橋区立熱帯環境植物館
所在地:東京都板橋区高島平8丁目29番2号
アクセス:都営三田線「高島平駅」下車 徒歩7分
営業時間:午前10時~午後6時
定休日:月曜日(祝日、休日の場合は翌日)、年末年始
板橋区の子育て環境(2)板橋区立教育科学館
板橋区立教育科学館は、常設している科学展示とプラネタリウムがあり、体験型の展示物も多いので、いつでも楽しい体験ができます。専門的で面白い科学教室やイベントが行われているため、訪問前にイベント情報の確認をおすすめします。
施設名:板橋区立教育科学館
所在地:東京都板橋区常盤台4-14-1
アクセス:東武東上線「上板橋」駅 徒歩5分
4館送迎無料バス(教育科学館・エコポリスセンター・熱帯環境植物館・リサイクルプラザ)土日祝に定時で巡回
営業時間:午前9時~午後4時半
定休日:月曜日(祝日、休日の場合は翌日)、年末年始
板橋区の子育て環境(3)都立赤塚公園
赤塚公園には、競技場(300mトラック)・野球場(1面)・テニスコート(7面)や、バーベキュー広場(25区画)・噴水池(じゃぶじゃぶ池)・ニリンソウ自生地・赤塚城址・梅林があります。広大な土地で、自然ともふれあえる公園です。夏には、大きな噴水から滝のように水があふれていて、小さな子どもから大人まで、一緒に楽しめるじゃぶじゃぶ池があります。
じゃぶじゃぶ池の開始時期は、板橋区のホームページにて毎年案内がありますので確認してみてください。
施設名:都立赤塚公園
所在地:東京都板橋区高島平3-1
アクセス:都営三田線「高島平」駅 徒歩8分
定休日:年中無休
板橋区の子育て環境(4)都立浮間公園
都立浮間公園には、野球場・テニスコート・浮間ヶ原桜草圃場・こども運動広場・じゃぶじゃぶ池・ゲートボール場・冒険広場・ちびっ子広場・風車・芝生広場・浮島・バードサンクチュアリ・水生植物園などがあります。公園の面積の約40%が、浮間ヶ池になっています。
公園のシンボルになっている風車があり、春にはチューリップを始めとした花壇が綺麗に整備され、桜の名所としても有名です。駅前の公園なので、飲食店も近くにあり、公園内にはコメダ珈琲があるため、テイクアウトをして公園で気軽にピクニックを楽しめます。
施設名:都立浮間公園
所在地:東京都板橋区舟渡2-15
アクセス:JR埼京線「浮間舟渡」駅 徒歩1分
定休日:年中無休
板橋区の住まい事情
実際に板橋区に住むとなったら、家賃などの住まい事情が気になると思うので、近隣地域の家賃相場を比較しました。板橋区の2LDK・3K・3LDKの家賃相場は、20.5万円に対し、お隣の北区は22.04万円、豊島区は24.57万円でした。
板橋区は、東武東上線・都営三田線・東京メトロ有楽町線・副都心線・JR埼京線などが通っていることから、都心部へアクセスしやすい交通の利便性がありながらも、家賃の出費を抑えられるでしょう。
板橋区の子育て世帯におすすめエリア
板橋区内で子育て世帯におすすめしたいエリアを2つ紹介します。
板橋区の子育て世帯におすすめエリア(1)西台駅・高島平駅周辺
西台駅・高島平駅周辺を子育て世帯におすすめする理由は、西台駅前にダイエーがあり、買い物が非常に便利だからです。ダイエーの中には、西松屋があり、子ども用品の購入に困ることはありません。2023年には大型店舗のユニクロ・GU・スターバックス・JINSが西台駅から徒歩8分の場所にできたため、駅周辺の活気が増しています。
高島平地区は、区内でも特に公園が多い地域で、自然が豊かで子どもたちがのびのびと遊ぶ姿をよく見かけます。思い切り体を動かせる場所が近くにあることは、子育て世帯にとって嬉しいポイントといえるでしょう。
板橋区の子育て世帯におすすめエリア(2)ときわ台駅周辺
ときわ台駅周辺を子育て世帯におすすめする理由は、2021年に建て替えされた板橋区立中央図書館と平和公園、隣駅に板橋区立教育科学館があり、落ち着いた街の雰囲気の中で生活ができるからです。
東武東上線を利用すれば副都心や都心部方面にアクセスしやすく、バスの利用で赤羽方面にも向かえます。赤羽方面に向かう途中で、前野原温泉「さやの湯」や商業施設のイオンスタイルがあり、周辺は賑わっています。
板橋区は、のびのび子育てしたい人・子育ても仕事も頑張りたい人にもぴったりな街
板橋区は、子育て支援が手厚く、自然と触れ合える場所も多い街です。また、都心へのアクセスも便利で子育て世帯が暮らしやすい街だと思います。
おでかけスポットが多いだけでなく、毎年行われる「こどもわくわくフェスタ」を始め、子どもと一緒に楽しめるイベントが1年を通していくつも企画されています。楽しく子育てができる街、板橋区での生活をぜひ検討してみてください。