福岡県「北九州市」での子育て体験談。”こどもまんなか応援サポーター”宣言で安心できる子育て環境がある街

北九州市は九州の最北部に位置する、福岡県では福岡市と並ぶ政令指定都市です。公共交通機関が整っており、生活に必要な買い物が生活圏内で完結することが多く、過ごしやすい環境です。

北九州市では、2023年の7月に”こどもまんなか応援サポーター”宣言を行い、行政として子育て世代が過ごしやすい街作りを目指して、民間企業・事業にも協力を呼びかけています。

認可保育園における保育士の配置基準も北九州市独自の基準があり、国の定めよりも手厚い保育が行われています。また、小児救急が整っているため、急な体調不良にも対応できて安心です。

この記事では、生まれも育ちも北九州市、現在は2児の父である私が「北九州市での子育ての魅力」について、伝えていきます。

北九州市で子育て中

まず、北九州市の概要を紹介します。

北九州市の概要

北九州市は、福岡県の北部に位置する市です。人口は90万人を超え、福岡市と並ぶ政令指定都市です。都市としての賑わいはもちろん、長く美しい海岸線や郊外の緑の豊かな山々など、自然と触れ合うこともできます。

“わっしょい百万夏まつり”や、400年の歴史と伝統を誇る”小倉祇園太鼓”などが行われており、お祭りをはじめとするイベントなども大いに盛り上がるのが特徴です。

1901年に誕生した官営八幡製鐵所は、”明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業”に含まれており、世界遺産にも登録されています。産業の街としても、長い歴史があります。

わが家が子育て環境に北九州市を選んだワケ

私は生まれも育ちも北九州市です。幼少期から学生時代、社会人になっても住み続けているのは、交通アクセスや買い物など、生活になくてはならない部分が非常に充実していることが要因です。また、近年行政が子育て世代に対する施策などに力を入れているところも大きなポイントといえるでしょう。

私が特に住みやすいと感じる点は2つあります。

子育て環境に北九州市を選んだワケ：交通アクセスがとにかく充実している

北九州市で子育てをする中で、特に交通の便や買い物などで不便を感じたことがほとんどありません。

小倉北区にある小倉駅は、JR在来線・新幹線・モノレールが分岐する駅となっており、西鉄バスや市営バスも多くの本数が街中を走っています。数駅離れた場所にある折尾駅も、JR在来線の各路線の分岐点となっていたり、黒崎駅は筑豊電気鉄道と連絡していたりと、移動手段に困る機会は少ないです。

子育て環境に北九州市を選んだワケ：”こどもまんなか応援サポーター”宣言を行った

北九州市は2023年7月”こどもまんなか応援サポーター”宣言をし、行政としてはもちろん、民間企業・事業にも協力を呼びかけ、ますます子育てがしやすい環境整備が進められています。私は、民間事業の代表の1人として、同宣言を行った定例会見に出席しました。

“こどもまんなか応援サポーター”宣言により、さまざまな民間企業・事業が、それぞれ独自の支援の仕方を打ち出しています。詳細はぜひ、北九州市のウェブサイトをご覧になってください。

実際どう？北九州市の子育て

私は現在、一戸建ての住宅で妻と子ども2人で暮らしています。ここからは実際に住んでみて感じた、北九州市の子育ての実情について伝えます。

数字で見る北九州市の子育て事情

北九州市は”わっしょい百万夏まつり”というイベントが毎年行われ、名前のとおり、2004年までは人口100万人を超える市でした。人口そのものは減少傾向にありますが、それでも90万人以上をキープしています。（2024年11月時点）

北九州市の保育施設数は以下のとおりです。（2024年4月時点）

・認可保育所（園）123園
・認定こども園65園
・地域型保育事業（家庭的保育）17ヶ所
・地域型保育事業（小規模保育）46ヶ所
・地域型保育事業（事業所内保育）7ヶ所
・認可外保育施設109ヶ所

さまざまな形態の保育施設が多く設置されており、各家庭の状況に合わせて預け先を決められる可能性が高いです。多くの保育施設が見学の受け入れも行っていますので、気になる保育施設があれば、ぜひ問合せてみてくださいね。

北九州市の子育て支援情報

”こどもまんなか応援サポーター”宣言を行っている北九州市の子育て支援情報のうち、独自性の高いものを紹介します。最新情報は、北九州市のウェブサイトをご確認ください。

北九州市の子育て支援情報(1)きたきゅうベビー応援事業

妊娠・出産から子育てまで一貫した”伴走型相談支援”と”経済的支援”を行う、”きたきゅうベビー応援事業（出産・子育て応援交付金事業）”を実施しています。

“伴走型相談支援”では妊娠届出時から出産後まで、面談やアンケートなどを通じてさまざまな不安や悩みを聞き、子育て支援に関する必要な情報提供を行います。また、支援が必要な家庭に対して、適切なサービスにつなげる活動を行っています。

“経済的支援”では、妊娠届出時の面談及び出生届出後の面談後に”出産応援ギフト”と”子育て応援ギフト”が給付され、所得による制限はありません。

申請方法：電子申請
対象：2024年4月1日以降の妊娠・出生
【出産応援ギフト】妊娠届出時の面談後に、妊娠1回につき5万円給付
【子育て応援ギフト】出生後の面談後に、子ども1人当たり5万円給付

各ギフトは、国の”出産・子育て応援交付金事業”に基づく事業で給付された現金・クーポンなどを指します。 北九州市もしくは他の自治体で同ギフトを受給していた場合、再度の申請はできません。

北九州市の子育て支援情報(2)子育て応援パスポート

子育て応援パスポートは、18歳未満の子どもがいる家庭を対象とした福岡県の事業です。パスポートサービス提供店に子育て応援パスポートを提示すると、商品の割引や粗品のプレゼントなど、登録者限定のサービスを受けられます。

利用登録は、”子育て応援パスポートアプリ”やパソコン・スマートフォン・携帯電話・往復はがきから、申し込み可能です。

また、子育て応援パスポートアプリには、現在地からパスポートサービス提供店を探す機能が実装されています。地図アプリのような表示になっていて、近くの対象店舗を簡単に見つけられます。

子育て応援パスポートは、18歳未満の子どもがいる子育て家庭を対象としているため、長い期間利用することができます。

北九州市の子育て支援情報(3)トワイライト事業

トワイライト事業とは、児童だけまたは親子で一緒に児童養護施設に通所し、生活指導や夕食の提供を行い、児童福祉の向上を図る制度です。保護者が仕事などで帰宅が夜間になることが多く、児童の生活指導や家事で困難などが生じている家庭や、児童自身が一時的に保護者と離れることを希望する場合などが対象になります。

＜トワイライト事業の利用について＞
対象者：18歳未満の児童、親子入所の場合は18歳未満の児童とその親
実施施設（児童養護施設）：門司ヶ関学園・天使育児園・双葉学園・若松児童ホーム・暁の鐘学園・聖小崎ホーム・双葉学園みのり
利用時間：1日単位で原則22時までを限度
利用料：
【生活保護受給世帯】基本分0円、宿泊分0円、休日預かり0円
【市民税非課税世帯】基本分300円、宿泊分300円、休日預かり300円
【その他の世帯】基本分700円、宿泊分700円、休日預かり1,300円

各世帯の状況によって利用条件が異なる場合があるため、詳しくは各区役所保健福祉課子ども・家庭相談コーナーでご確認ください。

北九州市の子育て支援情報(4)第2子以降の保育料無料

北九州市では、2023年12月から第2子以降の子どもの保育料を無償化しています。

以前の制度では、複数の子どもが保育所などに在籍していたとしても、卒園すると第2子とカウントされないという仕組みでした。しかし保育所などの同時利用や子どもの年齢にかかわらず、生計を同一にしている子どものうち、最年長者を第1子・その下の子を第2子とカウントできるようになったため、対象が大きく広がりました。

北九州市の子育て支援情報(5)認可保育所における保育士の配置基準

保育士の1歳児に対しての配置基準は、国の定めだと子ども6名に対して保育士1人となっています。しかし北九州市では、子ども5人に対して保育士1人と定めているため、より手厚い保育が提供できています。

北九州市での子育て体験談

ここからは、実際に北九州市で子育て中の私が感じた”北九州市の子育てのしやすさ”について、体験談を交えて紹介します。

北九州市で子育てをする魅力

北九州市で子育てしてみて感じた魅力についてまとめてみました。

北九州市で子育てする魅力(1)公共交通機関が整っている

北九州市は交通インフラが整っているため、どこにお出かけするにも、バス・電車・モノレールなど、多くの選択肢があります。

北九州市で子育てする魅力(2)行政だけではなく、民間企業・事業も協力

西鉄バス北九州株式会社は”こどもまんなか応援サポーター”として、長期休暇及び土曜日・日曜日・祝日の期間限定で、小学生を対象とした「こども50円バス」を実施しています。北九州市営バスや北九州高速鉄道株式会社では、こどもや子連れの方、妊娠中の方に配慮を呼びかける車内アナウンスを実施するなど、民間企業・事業も独自の取り組みをしています。

2024年10月時点でも、33の企業・事業がこの取り組みに参加。地域で子育てがしやすい環境が続々と整えられています。

北九州市で子育てする魅力(3)小児救急の体制が整っていて安心

子育ては子どもの急な体調不良と常に隣り合わせのため、いつもすぐにかかりつけの病院に行けるとは限りません。そのため夜間・休日に小児救急を実施している市内医療機関があり、お子さんの急病などで医療機関の受診を迷ったときや、救急車を呼ぶか迷ったときに連絡できる相談窓口があると、安心できるでしょう。

北九州市の子育て環境

子育ては子どもの成長が楽しいだけではなく、ときに息抜きをしたくなる瞬間が訪れるものです。北九州市にある親子でのんびり過ごせる場所をいくつか紹介します。

北九州市の子育て環境(1)元気のもり

核家族化が進む中で、子育ての悩みや親としての在り方についてなどの、不安を抱えている人が増えているといわれています。「もっと楽しく、安心して子育てをしたい！」という声に応えて、北九州市に”子育てふれあい交流プラザ”が誕生し、“元気のもり”という愛称が付けられました。

“元気のもり”には、さまざまな遊びができる広場や子育ち・親育ちにつながる場所がそろっています。子どもの年齢や遊びに合わせた遊具が多数設置されていて、“ごっこ広場”には、子どもサイズにぴったりの自然素材のキッチン用品・食べ物・家電のおもちゃがずらりと並んでいます。

子どもの一時預かり施設や大人がリラックスしたりつながったりできる場所、親子で楽しめる場所もあり、親子で楽しめる施設といえるでしょう。

施設名：子育てふれあい交流プラザ“元気のもり”
所在地：福岡県北九州市小倉北区浅野3丁目8番1号AIMビル3階
アクセス：JR小倉駅・モノレール小倉駅よりペデストリアンデッキ（動く歩道）で徒歩5分
開館時間：10:00～18:00
休館日：毎月第1・第3火曜日、年末・年始（12月31日～1月1日）（休館日は変更になる場合があります）

北九州市の子育て環境(2)子どもの館

“北九州市立子どもの館”は、キッズハウスやボールプールなど、雨の日でも楽しめる遊具が集まっている施設です。体を動かすだけではなく、あそび工房やふしぎ探検等、好奇心をくすぐるコーナーも充実しています。

施設名：北九州市立子どもの館
所在地：福岡県北九州市八幡西区黒崎3丁目15番3号COMCITY7階
アクセス：JR黒崎駅より徒歩約2分
開館時間：10:00～19:00
休館日：不定期

北九州市の子育て環境(3)cafe ちいさなせかい

“cafe ちいさなせかい”は、保育士が常駐する、保育施設併設のカフェレストランです。子ども連れで来店の際に、保育スペースに子どもを預けることが可能です。子どもの手持ち無沙汰な時間を解消し、保護がゆっくりと食事を楽しめます。

施設名：cafe ちいさなせかい
所在地：福岡県北九州市八幡西区鷹の巣2-14-25
アクセス：筑豊電鉄穴生駅より徒歩6分
営業時間：11:00～21:00
定休日：日曜ほか不定休

北九州市の住まい事情

実際に北九州市に住むとなったら、家賃などの住まい事情が気になるでしょう。ここでは、北九州市と同様に福岡県内の政令指定都市である福岡市と家賃相場を比較します。

家族向けの間取り、2LDK・3K・3DKの家賃相場を見てみましょう。福岡市の家賃相場は、9.49〜17.62万円です。北九州市は、6.51〜9.14万円なので、間取りにもよりますが、3〜9万円程度の差があることが分かります。

ただし、福岡市の人口は160万人を超えていて、都市としての規模感が異なります。賑やかな街で過ごしたい、静かなところで暮らしたいなど、人によって理想の生活スタイルはさまざまなので、自分の肌に合った場所はどこなのかを考えることが重要です。

北九州市の子育て世帯におすすめエリア

ここでは、子育て世代が生活しやすいエリアを紹介します。

北九州市の子育て世帯におすすめエリア(1)小倉駅周辺

JR在来線や新幹線はもちろん、モノレールやバスなどの公共交通機関が充実しており、ショッピングの選択肢が多いのが最大の特徴です。上記でも紹介した”元気のもり“の最寄り駅でもあるため、子どもと過ごすアクティビティがあり、安心して過ごせるでしょう。

交通機関が整っていることもあり、旅行など遠くへお出かけするときも便利です。移動手段が多いため、ライフスタイルの幅が広がります。

北九州市の子育て世帯におすすめエリア(2)黒崎駅周辺

黒崎駅周辺は、”子どもの館“があるエリアになります。黒崎駅はJR鹿児島本線沿いにある駅で、筑豊電気鉄道とも連結しています。駅前の広場では時折イベントも開催されていたり、近くに商店街があったりと、賑わう日も多いです。

ショッピングをするならイオンタウン黒崎があります。小倉駅周辺と同じく、さまざまなライフスタイルに合わせて過ごすことができるでしょう。

北九州市は行政も民間も、子育て世代を受け止めてくれる街

北九州市は交通機関が整っていましたが、さらに”こどもまんなか応援サポーター”宣言という施策が加わり、これからますます子育てがしやすい街に変化していくでしょう。屋内でも楽しめる施設が多数あり、雨の日でもお出かけ先の選択肢が多いことは、子育て世帯にとって嬉しいポイントです。

これからもさらに行政と民間企業・事業が、独自の支援を打ち出していく可能性の高い北九州市。これから子育てを考えている方も、すでに子育てを頑張っている方にも、次に住む街の選択肢としておすすめです。