私は山口市で生まれ育って39年、今では2人の子どもを抱える現役の子育て世代となりました。多忙ながら楽しい毎日を山口市で過ごしています。
山口県山口市は、2024年にアメリカのN・Yタイムズ紙で”今年行くべき52ヶ所“として3番目に選出され、大きな盛り上がりを見せています。
“西の京”と呼ばれ、歴史のある街並みと豊かな自然に囲まれた山口市の子育て事情についてお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてください。現役世代だからこそ感じる山口市での子育てとはどのようなものなのか、実体験や支援情報などを交えながら紹介します。これから子育てを控えている方に、「山口市での子育てっていいかも」と、感じていただけたら嬉しいです。
山口市で子育て中
冒頭でも触れたとおり、山口市はN・Yタイムズで“2024年に行くべき52ヶ所”の3番目に取り上げられたことで、活気づいています。観光名所や歴史を感じられる建造物、多くの自然など、素敵な場所が豊富な山口市は、39年過ごした今も飽きることのない街です。
山口市の概要
山口市は本州最西端に位置する、山口県の県庁所在地です。人口約19万人と小さな都市ですが、瀬戸内海に面した温暖な気候と、“何でもそろっているほどよい田舎”で“住みやすい街”と、市公式HPで謳っています。
白狐が見つけたとされる湯量の豊富な湯田温泉や、北部にある本州最西端の十種ヶ峰スキー場があるなど、自然豊かな街です。
歴史的な観光名所も多く、国宝の瑠璃光寺は山口市を代表する建造物の1つです。現在は、屋根の葺き替え工事中のため、足場に囲まれて直に見ることはできません。しかし、山口市はこれさえも“今しか見れない工事中の瑠璃光寺”として、観光業界を盛り上げています。
西の京と呼ばれる山口市は国宝・瑠璃光寺のほかにも、サビエル記念聖堂やSLやまぐち号など、身近に歴史を感じられます。SLやまぐち号はわが家も度々乗車しており、景色を楽しみながら家族の時間を過ごせました。
山口市で子育てする理由
山口市で生まれ育った私は、高校生活の3年間を除き市外で暮らしたことがありません。卒業後も山口市で就職しました。妻は島根県出身で15年前に同居生活を始めた頃に、山口市へ引越してきました。
お互い市内で就業していたため、山口市を離れることなく結婚。幸い子どもにも恵まれました。生活に必要なものは近場でそろい、自然も豊かな山口市は子育てにも向いていると感じたため、現在も家族で暮らしています。
実際どう?山口市の子育て
ここからは、山口市の子育て事情について具体的にお伝えしていきます。
数字で見る山口市の子育て事情
山口市在住、14歳以下の子ども(年少人口)は約2万3,000人で市全体人口約19万人に対して12%を占めます。15歳から64歳までは57%、65歳以上は31%と、少子高齢化の傾向があります(2024年6月1日現在)。
2020年・2021年の保育園の待機児童数は0人となっており、就学前の子どもを抱える世代には安心できる結果といえるでしょう。わが家も2人の息子を0歳から保育園に預けました。兄弟そろって同じ保育園に入園できたことは、共働きのわが家にとって大きな助けとなりました。
以下、山口市の保育施設数です。
・公立保育 16
・私立保育園 34
・小規模保育 5
・事業所内保育 2
山口市の子育て支援情報
山口市は“すべての子どもが笑顔で喜びに満ち、希望にあふれるまち”という理念のもと、さまざまな子育て支援制度を設けています。
ここからは、わが家が助けられた山口市の子育て支援情報をいくつかご紹介します。ただし、今後は内容が変更される可能性もありますので、最新情報は市公式HPなどでご確認ください。
山口市の子育て支援情報(1)出産・子育て応援給付金
出産・子育て応援給付金は、出産・育児にかかわる負担軽減を図る経済的支援です。山口市の出産・育児応援給付金は新生児1人につき計10万円が支給される制度です。
自治体に妊娠届と出生届を提出すると、5万円ずつ受給できます。自治体から届く申請書とアンケートに必要事項を記入して返信すると給付を受けられ、現金支給のほかにクーポンでの受給も選択可能です。
近年は物価の高騰で金銭面の負担が増えているため、家計の大きな助けとなる子育て支援制度といえるでしょう。
山口市の子育て支援情報(2)乳幼児・こども医療費助成制度
山口市では0歳から中学生を対象に、保険診療による医療費の自己負担分が、全額助成されます(2024年10月から高校生も対象)。
子どもは病気やケガをしやすいため、病院にいく機会が多いです。わが家の次男は保育園児の頃にアスファルトで頭から転倒し、縫合手術を受けました。大きなケガに焦ってしまう気持ちもありましたが、こども医療費助成制度に救われました。
※保険給付外の診療や食事代などは対象外です。
山口市の子育て支援情報(3)おたふくかぜワクチン予防接種費用の一部助成制度
子ども医療費助成制度とならび、こちらもありがたい制度です。1回目の接種は1歳以上2歳未満、2回目の接種は5歳以上7歳未満(年長児の4月1日から3月31日まで)が対象となり、1人1回ずつ3,800円が助成されます。
この制度は2024年4月に始まりました。おたふくかぜは大人になって罹患すると重症化しやすいとされるため、家族全員にとって優しい制度といえます。
※一部対象外の医療機関もあります。
山口市の子育て支援情報(4)子育て・家庭応援講座
子育てにはいろいろな学びがありますが、非常に大変です。ときには夫婦げんかや家族関係がギクシャクすることもあるでしょう。私もこの年になって両親の苦労を理解し、心から感謝しています。
山口市では家族の笑顔を増やすために、さまざまな子育て・家族応援講座を無料で開催しています。私は妻と一緒に妊婦体験講座を受けたときに、お腹に赤ちゃんがいる状態で家事をこなす大変さを痛感しました。講座は夫婦そろって体験できるものだけでなく、ママ同士の交流ができるものなどもあります。
各講座については市公式サイトから開催日程をぜひご覧ください。
山口市での子育て体験談
山口市での子育て13年目のわが家には、2人の育ち盛りの子どもがいます。今年から中学生になった長男は泣き虫ですが、素直な心を持っています。小学生の頃はソフトボールチームに入団し、上手くはありませんでしたが、休むことなく一生懸命に練習していました。中学生からは陸上部に入部し、忙しい毎日を過ごしながらも、弟の面倒をよくみてくれています。
次男はやんちゃな小学3年生で、パワフルな男の子です。バスケットボールのクラブチームに通っており、家の中をバタバタと駆けまわっています。生意気なところもありますが、逞しくて明るいわが家のアイドルです。
毎日けんかの絶えないタイプの異なる兄弟ですが、2人とも大切な自慢の息子たちです。
ここからは、実際に感じた山口市の魅力や子育て体験談をお伝えします。
山口市で子育てをする魅力
山口市は、自然が多く田舎の風景が広がっています。大きな商業施設は市内に数軒しかなく、深夜まで営業しているスポットはコンビニくらいでしょうか。移動手段として自家用車は必須で、買い出しも車移動が基本です。
都会で暮らす方からすると、少し物足りなさを感じるかもしれませんが、私自身はこれといって不便に感じたことはありません。自家用車必須といっても交通の便が悪いわけではなく、新山口駅には新幹線も停車しますし、隣の宇部市には空港もあります。市がほどよい田舎と謳っているように、生活に不便はなく、子連れのお出かけも楽しめます。
わが家では休日になると子どもと一緒になって遊び、天気のいい日はキャッチボールや追いかけっこなどの外遊びで自然を感じながら過ごすことが多いです。雨の日はショッピングモールへ出かけたり、室内でパズルやゲームをしたりして過ごしています。
実際に暮らして感じるのは、地域の方の子育てに対する理解の深さです。子どもと散歩をしていると優しく声をかけてくれることもあります。子どもの登下校中も見守ってくれている方が多く、これは私が小さい頃から変わらずにある日常です。
山口市の子育て環境
山口市には子どもと遊べる大きな公園や家族連れで賑わう施設が複数あります。続いては、わが家もよく利用する代表的な子連れスポットをいくつかご紹介したいと思います。
やまぐちリフレッシュパーク
こちらは、わが家でもよく行く公園の1つです。草野球やサッカーの試合が行われる広々としたグラウンドや、ピクニックができる芝生広場もあり、子育て世代が過ごしやすい施設です。
屋内施設のアリーナでは、バスケットボールや卓球の練習もできます。山口市出身の石川佳純さんによる卓球教室も開催されていました。なお、次男のバスケットボールもここで練習しています。
施設名:やまぐちリフレッシュパーク
所在地:山口県山口市大内長野1107番地
アクセス:JR山口駅前よりJRバス防府行き”大内中学校前”下車 徒歩10分
営業時間:9:00~22:00 ※月曜休館
維新百年記念公園
維新百年記念公園は山口市を代表する公園です。明治100年を記念して建設省(現国土交通省)が、全国10ヶ所指定されたことが名称の由来となっています。
山口県の大規模なスポーツ大会のほとんどは、維新百年記念公園で開催されます。山口県のプロサッカークラブ”レノファ山口FC”のホームグラウンドとしても有名です。
晴れの日は散策コースを歩いてみたり、雨の日は隣接の山口県児童センターでプラネタリウムを眺めたりと、わが家は天候によって遊ぶ場所を変えて利用しています。
施設名:維新百年記念公園
所在地:山口県山口市維新公園4丁目1番1号
アクセス:JR大歳駅より徒歩10分
営業時間:施設により異なります。公式HPをご確認ください。
山口きらら博記念公園
こちらは2001年に開催された山口きらら博(21世紀未来博覧会)の会場として使われた場所で、2006年に都市公園になった際に、山口きらら博記念公園と名付けられました。
海に面した公園では、花火大会やスポーツやフェスなど、多くのイベントが開催されています。BBQ施設にカフェ、大きな遊具施設もあり、家族みんなが楽しめるスポットです。
施設名:きらら博記念公園
所在地:山口県山口市阿知須10509-50
アクセス:JR新山口駅よりタクシーで15分
営業時間:9:00~22:00
山口市の住まい事情
実際に暮らすときには、家賃が気になるものです。子育て世帯の場合、2LDKほどの間取りがあると生活しやすいでしょう。わが家も現在の一戸建てに引越す前は、3DKのアパートに住んでいました。今回はお隣の山口県宇部市と家賃相場を比較してみました。
【2LDKの家賃相場】
山口市:6.16万円
宇部市:6.06万円
【3DKの家賃相場】
山口市:6.20万円
宇部市:5.16万円
お隣の宇部市と比較した結果、家賃相場は山口市が若干高価格となりました。住まい探しの際はぜひ参考にしてください。
山口市の子育て世代におすすめエリア
山口市は基本的にどのエリアも自家用車が必須になるでしょう。ただし、都会から移住する方の場合、自家用車を持っていない可能性があります。そこで今回は、公共交通機関での移動が便利で、商業施設も複数ある、子育てしやすいエリアをご紹介します。
山口市の子育て世代におすすめエリア(1)山口駅周辺
最初のおすすめエリアは山口駅周辺です。山口県庁や市役所も近く、病院・保育園・小学校から高校まで、生活に必要な施設がそろっています。山口駅周辺は商店街もあるため、子ども連れでも安心して日々の生活ができますし、夜は静かで子育てに最適なエリアです。
わが家も山口駅周辺エリアで暮らしており、不便に感じたことはありません。強いていうなら夜遅くまで営業している飲食店が少ないことぐらいでしょうか。
山口駅周辺の住まいを探す
山口市の子育て世代におすすめエリア(2)新山口駅周辺
続いては新幹線の停車駅、新山口駅周辺をおすすめします。高層マンションが立ち並び、商業施設や夜間営業している飲食店が数多くあるエリアです。
街灯が少なく暗い道が多い山口市ですが、新山口駅周辺は賑やかで明るい印象があります。お子さんがいるご家庭にとって、安心できるポイントといえるでしょう。
新山口駅周辺の住まいを探す
山口市の子育て世代におすすめエリア(3)阿知須エリア
最後にご紹介するエリアは阿知須エリアです。山口市の中でも特に自然が豊かなエリアになるため、商業施設は少なめ。しかし、日用品をそろえられる施設として、「サンリブ阿知須」というモールが駅の近くにあるので、普段の生活で困ることはありません。
また、上述したきらら博記念公園があるため、外遊びが大好きな子どもがいる家庭におすすめのエリアです。
隣の宇部市にある宇部空港までは車で約20分、新幹線停車駅の新山口駅までは車で約15分と、少し遠くへ旅行に行きたいときなどにも便利です。
施設名:きらら博記念公園
所在地:山口県山口市阿知須4825-1
アクセス:JR阿知須駅より徒歩30分
営業時間:10:00 ~ 20:00
山口市は自然豊かな環境でのんびりと子育てできる街
山口市は、気候もよく、暮らしやすく素晴らしい場所だと思います。39年間山口市で暮らしている私でも、新しい発見があり、飽きることはありません。
自然に囲まれた大きな公園でキャッチボールや追いかけっこをして過ごした思い出を、子どもたちはきっと忘れることなく育ってくれるでしょう。
実際に生活していると大きなショッピングセンターなどが少なく物足りなさを感じることもありますし、自家用車は必要不可欠です。それでも、「ここで育ってよかった!」と思える魅力が山口市にはあります。
子育て中の方やこれから考えているという方は、ぜひ山口市での暮らしを検討してみてはいかがでしょうか。