東京都「練馬区」での子育て体験談。子育て支援が充実している練馬区の魅力とは

練馬区は埼玉県との県境に位置し、主要駅である練馬駅から新宿駅までは約17分と、都心へのアクセスが良好です。一方で区内には大きな公園がいくつかあり、それぞれ四季折々の植物が植えられていて、季節を感じられます。

わが家が練馬区に引越したのは2019年の冬のことでした。翌年に練馬区で第3子を出産し、慣れない環境の中でも楽しく子育てできたのは、練馬区の充実した子育て支援施策があったからこそだと感じています。

そこで今回は、現在子育て中の私が練馬区の魅力や子育て事情についてご紹介します。これから練馬区で子育てを考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

練馬区で子育て中

はじめに、練馬区の概要と私が練馬区を選んだ理由についてご紹介します。

練馬区の概要

練馬区は東京都の北西部、埼玉県との境に位置します。区内には緑の多い閑静な住宅街や農地が多く存在し、地形はほとんど高低差がなく、なだらかです。

2023年12月1日現在で練馬区の人口は約74万1,000人、世帯数は約38万9,000世帯です。2018年に約73万2,000人だった人口が、5年間で約1万人増加しています。

＜練馬区を通る鉄道路線＞
・西武鉄道（池袋線・豊島線・新宿線・有楽町線）
・東武東上線
・東京メトロ（有楽町線・副都心線）
・都営大江戸線

JRの停車駅はありませんが、私鉄が多く乗り入れており、都心への通勤や通学に便利です。池袋・新宿・渋谷・六本木・横浜中華街などの主要都市まで、一本で行けるところが魅力です。

練馬区は、日本のアニメ制作が本格的に始まった地として知られています。西武池袋線の大泉学園駅北口の広場は、「大泉アニメゲート」と名付けられています。広場にはアニメキャラクターの等身大モニュメントが並び、アニメ好きにはたまらないスポットです。近くに映画撮影所やアニメーションスタジオがあり、道ばたや飲食店で俳優さんと遭遇することもしばしば。

練馬区の農地面積は、東京23区にある農地の4割を占めています。農家さんが愛情を込めて育てた、大根・キャベツ・柿・ミカンなどの野菜やフルーツが豊かに実っています。中でも「練馬大根」が有名で、身が締まっていて歯ごたえが特徴です。練馬大根は小学校の給食メニューにもよく登場します。

区が行っている貸し農園も盛んで、休日には家族連れが畑作業をする姿を見かけることも多いです。都内に住みながら、自然に触れ合える点は練馬区ならではの魅力といえます。

わが家が子育て環境に練馬区を選んだワケ

わが家は、夫の転勤がきっかけで練馬区に引越しをすることになりました。夫婦ともに地方出身で、ビルや高層マンションが立ち並ぶエリアは慣れていないため、自然の豊かな場所を中心に探すことに。

最終的な決め手は、広大な敷地面積の「光が丘公園」と、公園に隣接するショッピングモールでの買い物のしやすさでした。

実際に練馬区に住んでみると、共働き夫婦でも子育てしやすい環境だと感じます。例えば、日曜日や夜間でも小児科の受診ができる、区役所東庁舎にある「練馬区夜間救急こどもクリニック」があるのは助かりました。

また、急な残業で帰りが遅くなってしまうときでも、午後10時まで保育が可能な「子どもトワイライトステイ」の制度があるなど、いざというときも安心です。

実際どう？練馬区の子育て

それでは、練馬区の子育てに関する具体的なデータ、子育て支援情報について見ていきましょう。

数字で見る練馬区の子育て事情

練馬区は保育施設が充実しているので子どもに合った保育園を選べます。
2023年4月時点で、練馬区は3年連続待機児童ゼロを達成しています。これは、全国初となる幼保一元化施設「練馬こども園」の制度により、預かり保育が可能な幼稚園が増加したおかげです。

わが家は2020年度に兄妹の2名同園を希望しましたが、待機児童になることなく、無事に第13希望の保育園に入園できました。共働きの夫婦にとって保育園は、生活には欠かせないライフラインです。待機児童にならず、スムーズに入園先が決めることができる点は魅力だと感じています。

練馬区の子育て支援情報

実際に練馬区が取り組む子育て支援情報をご紹介します。今回紹介する制度は今後見直される可能性もあるため、利用される場合は練馬区の公式ホームページで確認してみてくださいね。

練馬区の子育て支援情報(1)子育てスタート応援券

出産直後の不安や負担を軽減し、育児をスムーズに行うために、練馬区では子育てスタート券が配布されています。子どもが2歳になるまで利用でき、出産や転入の際に8枚もらえます。

＜子育てスタート応援券が使えるサービス＞
・育児支援ヘルパー事業
・助産師ケア事業
・産科医療機関実施事業
・子育て支援講座
・ファミリーサポート事業
・乳幼児一時預かり事業
・民設子育てのひろば一時預かり事業

練馬区の子育て支援情報(2)第3子誕生祝金

第3子以降に出生した児童1人につき10万円を区が支給してくれます。祝い金を受け取ることのできる支給対象は以下の条件を満たした父または母です。

〈支給対象〉
・出生した第3子以降の児童を含めた子どもと同居し養育している
・保護者および児童が、第3子出生日の1年以上前から練馬区内に住民登録をしている
（1年未満の場合でも、練馬区に転入して1年以上経過すれば申請が可能。申請期限は出生日から1年間で、練馬区に転入した日から1年以上経過すれば申請できます。）
・祝い金を受けて取ってから1年以上、第3子を含め練馬区内に引き続き居住する意思がある

練馬区の子育て支援情報(3)おひさまぴよぴよ

「おひさまぴよぴよ」は、3歳以下の子どもと保護者が自由にのびのびと外遊びが楽しめる場所です。少しぐらい服が汚れても気にしない、たくさん外遊びをさせたいという方はぜひ利用してみてください。

例外はありますが、基本的には毎週火〜金に実施され、お母さん同士の友だち作りの場にもなっています。

＜おひさまぴよぴよ開催場所＞
火曜日
・練馬区立豊玉公園
　練馬区豊玉北6-8-3
・都立大泉中央公園（砂場周辺）
　練馬区大泉学園町9-4-3

水曜日
・練馬区立立野公園
　練馬区立野町32-1
・練馬区立井頭の森緑地
　練馬区東大泉7-26-8

木曜日
・練馬区中村かしわ公園
　練馬区中村1-17-1
・都立光が丘公園（芝生広場南側）
　練馬区光が丘4-1-1
・都立城北中央公園
　練馬区氷川台1-3-1

金曜日
・都立石神井公園（野球場隣くぬぎ広場）
　練馬区石神井台1-26-1
・都立光が丘公園（芝生広場南側）
　練馬区光が丘4-1-1

開催日程や詳細は運営元である特定非営利活動法人PLAYTANKのサイトをご確認ください。

練馬区の子育て支援情報(4)1歳児1年保育

待機児童の解消対策として、練馬区では「1歳児1年保育」を実施しています。各年の4月1日時点で、入園保留となってしまった1歳のお子さんを対象に、最長同年度の3月31日まで保育を行う制度です。

通常の保育園とは仕組みが異なるため、利用される場合は練馬区の公式ホームページからよく確認をしてから申請してみてくださいね。

練馬区の子育て支援情報(5)練馬こどもカフェ

練馬こどもカフェは、タリーズなどの民間カフェと協働し、保護者が交流したり子どもと一緒にリラックスできたりする場を提供しています。私立幼稚園や保育園などの協力を得て子育て講座なども実施しています。

私は普段、子ども連れてカフェに行ける機会が少なかったので、練馬こどもカフェを利用してリフレッシュするのが毎回楽しみでした。おいしいドリンクとともに、子育て講座を受け、たくさんしゃべるとスッキリできますよ。

ただし、これらは人気のイベントのため、月2回までの参加と制限されています。先着順なので早めの申し込みがおすすめです。

練馬区の子育て支援情報(6)子ども医療費の助成

子ども医療費の助成は、健康保険に加入している区内在住の高校生の年代までが対象で、医療費の負担額が無料になる制度です。所得制限はありません。

＜助成内容＞
・保険適用の自己負担分
・入院時食事療養費標準負担額（入院時の食事代）
・小児慢性疾患、養育医療、育成医療等の医療費助成の自己負担限度額

練馬区での子育て体験談

ここでは、練馬区で子育てをしている私の体験談を交えて練馬区の魅力や子育て環境をご紹介します。

練馬区で子育てをする魅力

練馬区で子育てをする魅力は、23区内にもかかわらず、自然豊かな場所でのびのびと子育てができる点です。

閑静な住宅街には一戸建ての家が多くあり、貸し農園や畑が点在しています。特に夏はトマトやきゅうりなどの農作物の栽培が盛んです。若いファミリーが畑仕事をする姿を見かけることも多く、子どもと野菜の栽培を経験することもできます。畑仲間同士で、とれたばかりの野菜の交換をするのも楽しいですよ。

保育面では、区が待機児童の対策をしっかり行った結果、より子育てしやすい場所になりました。待機児童が減ったため、共働き世帯が働きやすい環境が整っています。子どもが病気になっても預けられる病児保育制度も充実していて、共働き世帯でも安心して子育てができます。

練馬区の子育て環境

練馬区には、子どもが喜ぶ大きな公園が充実しています。

＜練馬区の大きな公園＞
・光が丘公園
・大泉中央公園
・練馬区立こどもの森
・城北中央公園
・石神井公園
・大泉橋戸公園
・大泉交通公園

遊具が充実している公園や四季折々の植物や虫と触れ合える公園など、さまざまな特色があります。夏は家族で区民プールに行くのも楽しいです。

光が丘公園にあるイチョウ並木は紅葉の時期が過ぎると、黄色い葉のじゅうたんが一面に広がっています。公園の中には、バスや電車では行きにくい場所もあるため、車や自転車を活用することで、子どもを飽きさせずに公園めぐりを楽しめます。

練馬区の住まい事情

東京23区内である練馬区は埼玉県との県境に位置し、車移動や電車など交通の利便性に優れています。隣接する板橋区や杉並区と比べると家賃相場はやや安くなっています。

都心部まで乗り換えすることなく、通勤・通学が可能で、練馬駅から新宿駅までは電車で約17分です。自然が豊かで子どもを育てる環境が整っているという点を考えると、妥当な金額に感じます。

＜1LDK・2K・2DKの家賃相場＞
・練馬区：11.64万円
・板橋区：11.81万円
・杉並区：14.37万円
・品川区：17.50万円

＜2LDK・3K・3DKの家賃相場＞
・練馬区：15.10万円
・板橋区：18.22万円
・杉並区：21.45万円
・品川区：25.14万円

練馬区の子育て世帯におすすめエリア

ここからは、練馬区で子育て世帯におすすめのエリアを3つご紹介します。

おすすめエリア(1)練馬駅周辺エリア

練馬駅には、池袋線・西武有楽町線・豊島線・都営大江戸線の計4路線が乗り入れているため、都心部へのアクセスが良好です。例えば、練馬駅から新宿駅までは乗り換えすることなく約17分でアクセス可能です。

交通の利便性だけでなく、駅周辺の施設も充実しています。駅と直結している「西友」や駅に隣接する「ココネリ」などの商業施設があり、スーパーやカフェ、ドラッグストアなどが入っています。「ココネリ」には、病児保育が可能な保育園や区が運営する一時預かり保育室、小児科など子育て世帯に嬉しい施設もそろっていて助けられました。

おすすめエリア(2)光が丘駅周辺エリア

光が丘駅前はファミリー層に人気のエリアです。駅周辺にはマンションが立ち並び、付近には大型商業施設の「光が丘IMA」や「光が丘公園」があります。

おすすめエリア(3)大泉学園駅周辺エリア

大泉学園駅周辺はマンションや閑静な住宅街が広がり、街中に緑が多く大小さまざまな公園が点在しています。そのため、自然が豊かな場所で子育てしたいという方に特におすすめのエリアです。

大泉学園駅周辺には商業施設もそろっています。駅から屋根つきで行ける「グランエミオ大泉学園」は、スーパーやレストラン、パン屋さんなどが入っています。

利便性が高く、緑や自然が多い練馬区は子育て世帯におすすめ

練馬区は子育て支援が充実していますし、都心へのアクセスがよく、緑豊かな大きな公園があるので子育て世帯には嬉しい環境が整っています。