東京23区の西側に位置し、中野区や渋谷区、三鷹市など6つの自治体と隣接する杉並区。街中に閑静な住宅地や豊かな自然が広がっており、若年層からシニア層まで幅広い年代の人々が暮らしています。
JR中央線や地下鉄丸ノ内線、京王井の頭線などの人気の路線も乗り入れている杉並区は、新宿駅や東京駅をはじめとした都心部までのアクセスに優れています。
杉並区は「子育てしやすい街」として紹介されることもよくありますが、実際はどうなのでしょうか。今回は杉並区で4年暮らしている私が、区内の子育て情報や実際に育児をしてみて感じたこと、子育て世帯におすすめのエリアなどを紹介します。
杉並区で子育てを検討している方の参考になれば幸いです。
利便性と自然環境が両立する杉並区で子育て中
まずは杉並区の基本情報と、わが家が杉並区で子育てをしようと考えた理由について説明します。
杉並区の概要
杉並区は東京23区の西部にある都市で、2022年10月現在、区内には約57万人が暮らしています。面積は約34km2で、杉並区は東京23区の中で8番目に広い自治体です。
交通の利便性に優れており、鉄道路線ではJR中央線・東京メトロ丸ノ内線・京王井の頭線・京王線・西武新宿線が利用可能。利用者数が多い駅として、荻窪駅・高円寺駅・阿佐ヶ谷駅・西荻窪駅・高井戸駅が挙げられます。
区内からは、新宿駅まで最短8分、東京駅まで最短24分、渋谷駅まで最短13分で行ける、交通の利便性の高いエリアです。
善福寺川・神田川・妙正寺川が流れており、自然環境に恵まれているのも杉並区の特徴です。善福寺川周辺には緑地が広がり、さまざまな動植物が見られます。
杉並区の住まいを探そう
わが家が子育て環境に杉並区を選んだワケ
杉並区に来る前は、近隣のエリアで暮らしていたわが家。当時住んでいた1LDKの賃貸マンションが手狭だと感じるようになったのは、上の子が1歳を過ぎたころです。
もう少し広いお部屋に移りたいと考え、複数のエリアの物件を内覧し、杉並区への引越しを決めました。わが家が子育てをするのに杉並区を選んだ理由を説明します。
充実した周辺環境が子育て世帯にぴったり
内見で初めて杉並区を訪れたときに、この場所で子育てをするイメージが湧きました。日常的に遊べる公園や自然が溢れる大型の公園、雨の日の遊び場に最適な児童館など、子育て世帯には欠かせない施設が充実しています。
商店街や駅前の商業施設、スーパーなど、買い物環境が整っている点も魅力的でした。駅周辺は都会的な雰囲気がありながらも、少し離れると落ちついた住宅街や緑が広がっています。利便性と自然の恵みをどちらも享受できる杉並区の環境は、子育て中のわが家にぴったりだと感じました。
予算内の家賃で希望のお部屋に住める
お部屋探しを始めたばかりの頃に見ていたのは、当時住んでいた自治体内の物件です。しかし家賃相場がやや高く、2LDKのお部屋を希望すると築年数や駅からの距離、充実した設備などを諦めなければなりませんでした。
私たちが住んでいたエリア内には、子育て世帯向けの物件よりも一人暮らし向けのコンパクトなお部屋が目立ちました。
杉並区はファミリー向けの間取りのマンションやアパートが豊富で、家賃相場は周辺と比較してそれほど高くない印象です。不動産会社の方から、駅近で設備も充実した予算内の物件を複数紹介していただきました。
食費や生活費、レジャー費など、子育てには何かとお金がかかります。予算内で希望する2LDKの間取りのお部屋で暮らせるのは、わが家にとって非常に魅力的でした。
杉並区の子育てデータ
ここからは、数字から分かる杉並区の子育て事情や主な子育て支援制度を紹介します。
数字で見る杉並区の子育て事情
杉並区の子どもの人数、保育・幼稚園数、待機児童数、小学校の数をまとめました。
〈杉並区の子どもの人数〉 (2021年1月1日時点)
0~4歳:21,566人
5~9歳:20,323人
10~14歳:18,999人
〈保育園・幼稚園の数〉(保育園:2021年4月1日時点、幼稚園:2022年4月27日時点)
保育園:公立37園、私立134園、認可外8園
幼稚園:区立6園、私立36園
〈待機児童数〉(2021年4月1日時点)
0人(3年連続)
〈小学校の数〉(2023年1月18日時点)
区立40校、私立2校
〈学童クラブの数〉(2022年11月15日時点)
51ヶ所
杉並区の子育て支援情報
杉並区の主な子育て支援制度を5つ紹介します。
杉並区の子育て支援情報(1)医療費助成
医療費助成では、15歳までの子どもを養育している親を対象に、医療費の自己負担分が助成されます。所得制限はありません。子どもは思わぬ怪我や病気で通院することが多いため、医療費の負担がないのは、子育て世帯にとってありがたい制度です。
杉並区の子育て支援情報(2)杉並子育て応援券
杉並子育て応援券は、杉並区独自の取り組みです。 券はリトミックや体操などの習いごと、キッズカフェでの食事、インフルエンザの予防接種、家事サポートなど幅広いサービスに利用できます。
子ども1人あたりの年間交付額をまとめました。
妊娠中:10,000円分(ゆりかご券)
出生時:30,000円(無償)
1~2歳児:15,000円(無償)
3~5歳児:30,000円まで有償交付可能
※多子世帯は額が異なります
杉並区の子育て支援情報(3)学童クラブ利用料金
杉並区に住んでいる、もしくは杉並区に通学する小学1年生~6年生のうち、保護者が病気や就労で留守になるお子さんは、以下の料金で学童クラブを利用できます。
月額:4,000円
おやつ代:1,800円/月
延長利用料:1,000円/月
スポット利用料(1回単位の延長利用):500円/回
児童館直接来館制度(2~6年生対象)や、放課後等居場所事業(一部小学校のみ)は無料です。
杉並区の子育て支援情報(4)一時保育、一時預かり、ひととき保育
通院や仕事、リフレッシュなどの目的で、子どもを預けられる制度で、実施場所や料金は次のとおりです。
実施場所:子育てサポートセンター、保育園、子ども・子育てプラザなど15ヶ所以上
料金:500円~800円/時
杉並区の子育て支援情報(5)産前・産後支援ヘルパー
妊娠中から子どもが1歳の誕生日を迎える前日まで、ヘルパーによる家事や育児のサポートが受けられます。食事の準備や整理整頓、上の子の保育園の送迎などに対応しています。料金や時間数は以下のとおりです。
料金:1,000円/時
時間:産前20時間、産後60時間まで (出生時に3歳未満の兄姉がいる場合は、180時間以内)
わが家は、医療費助成や子育て応援券、一時保育・一時預かり・ひととき保育の制度を利用しました。最新情報は、杉並区の公式ホームページでご確認できます。
杉並区での子育て体験談
実際に杉並区で子育てをしてみて感じたのは、杉並区は非常に子育て世帯に適した街だということです。ここからは、わが家の杉並区での子育て体験談を詳しく紹介します。杉並区の住まい情報や子育て世帯におすすめのエリアについても説明するので、ぜひ参考にしてください。
杉並区はイメージ通り子育て世帯にぴったりな街
「杉並区は子育てがしやすい」以前ほかの自治体に住んでいたときに、よく耳にした言葉です。実際に杉並区で子育てをしてみて、そう言われるのも納得しました。
わが家には2人の子どもがいますが、上の子は幼稚園、下の子は保育園に通っています。上の子は幼稚園に入園するまで自宅で育てていましたが、子育て応援券や一時保育の制度に大変助けられました。
一時保育は子育てサポートセンターや保育園で行われており、専業主婦でもリフレッシュや通院などの目的で利用可能です。子育て応援券を使うと料金の自己負担が軽くなるので、あまり家計の心配をすることなく子どもを一時保育に預けられました。
下の子は1歳児クラスの途中から、保育園に入りました。私はフルタイム勤務ではないので入園審査の指数は低かったのですが、保育園の数が近年増えたので入園できたのでしょう。2023年にも区内には複数の新設保育園ができる予定があり、今後も保育園の環境は整っていくと考えられます。
杉並区内の小・中学校では、普通教室に電子黒板の機能が付いたプロジェクターが設置されており、ICTの活用が進められています。乳幼児期の支援が手厚いだけでなく、小学生以降の教育環境も整備されている点は、杉並区で子育てするうえでの大きな魅力に感じました。
杉並区の子育て環境
わが家の週末の過ごし方などに触れながら、杉並区の子育て環境を説明します。
週末は大きな公園でピクニックを満喫
杉並区には300以上の公園が点在しており、中には家族でゆっくり過ごせるような公園もあります。わが家が週末によく遊びに行く公園は、桃井原っぱ公園と杉並児童交通公園です。
桃井原っぱ公園は、以前は中島飛行機の東京工場や日産自動車の荻窪工場があった場所に整備された公園です。約40,000m2の面積があり広大な芝生が特徴で、防災公園としての機能も併せ持ちます。
大きなレジャーシートを持っていき、フリスビーやボール、モルックというフィンランド発のスポーツを楽しむのが、わが家の定番の過ごし方。近くにスーパーがあり、飲み物やちょっとしたおやつはそこで調達できます。公園内には小さな人工の川が流れており、夏には水遊びが楽しめるのもうれしいポイントです。
施設名:杉並区立桃井原っぱ公園
所在地:東京都杉並区桃井3-8-1
アクセス:JR中央線西荻窪駅より徒歩20分
杉並児童交通公園は、善福寺川沿いに位置しています。その名のとおり、交通ルールを学びながら遊べる公園です。
公園内には、本物そっくりの小さな信号や標識、交差点があり、初めて同公園を訪れたときには、あまりのリアルさに驚きました。無料の貸し出し自転車やゴーカートがあり、夢中になって遊ぶ子どもたちが多く、小さな子ども向けのコンビカーの準備もあります。
乗り物のほかに、すべり台やブランコなどの遊具が充実している点も同公園の大きな魅力です。長時間遊んでも子どもたちはなかなか飽きず、わが家は4~5時間ほど公園内で過ごすこともあります。
公園の近くには緑地が広がっているので、子どもたちが疲れたらシートを敷いて、おやつを食べながら休憩しています。
施設名:杉並区立杉並児童交通公園
所在地:杉並区成田西1-22-13
アクセス:京王井の頭線浜田山駅より徒歩12分
開園時間:8:30~17:00
休業日:年末年始(12月29日から1月3日)
交通の便がよく子連れのお出かけもスムーズ
JR中央線が走っており、新宿駅・東京駅方面のみならず、多摩地域方面へのアクセスに優れているところが杉並区の強みです。荻窪駅からの場合、吉祥寺駅まで約5分、立川駅まで約25分、八王子駅まで約30分でアクセス可能です。
多摩エリアは自然環境が豊かで、子どもと遊べるスポットが豊富にあり、わが家はよく、週末に吉祥寺駅や立川駅エリアに遊びに行きます。電車に乗って短時間で行けるので、子どもたちが退屈して不機嫌になることもありません。
車を持たないわが家ですが、たまにレンタカーを借りて、千葉方面にキャンプなどのレジャーに出かけることも。杉並区内には高井戸ICや永福出入口があり、高速道路もスムーズに利用できます。
杉並区の住まい事情
杉並区内には個性豊かなエリアがそろっており、どのエリアを選ぶかによって住まい事情は若干異なります。全体的に共通しているのは、杉並区が住みやすい割に、周辺エリアと比べても家賃が高いわけではないというところです。
杉並区内の家賃相場を、お部屋タイプ別に隣接する中野区・世田谷区・練馬区・武蔵野市と比較してみました。
〈1LDK・2K・2DKの家賃相場〉
杉並区:13.99万円
中野区:14.58万円
世田谷区:14.87万円
練馬区:11.99万円
武蔵野市:15.05万円
〈2LDK・3K・3DK〉
杉並区:19.31万円
中野区:18.34万円
世田谷区:21.32万円
練馬区:13.88万円
武蔵野市:21.91万円
〈3LDK・4K・4DK〉
杉並区:25.08万円
中野区:22.32万円
世田谷区:24.75万円
練馬区:18.59万円
武蔵野市:29.11万円
家賃相場と交通利便性の高さや自然の豊かさ、子育て支援の充実度などを総合的に考えると、杉並区はバランスのとれた街といえるでしょう。
杉並区の子育て世帯におすすめのエリア
10以上の駅が利用できる杉並区。どの駅の周辺に暮らすか迷うこともあるでしょう。子育て世帯にとくにおすすめのエリアを3つ紹介します。
杉並区の子育て世帯におすすめのエリア(1)荻窪駅周辺
杉並区の交通の要所でもある荻窪駅エリア。JR中央線と地下鉄丸ノ内線が利用可能です。
JR中央線は隣の西荻窪駅や阿佐ヶ谷駅と違い、休日でも快速が停車するのでストレスなく生活できます。丸ノ内線は始発駅で、座って通勤・通学することが可能です。
駅の北口にはルミネ荻窪や荻窪タウンセブンがあり、買い物には困りません。北口・南口ともに商店街も複数あり、昔ながらの温かみのある雰囲気も残っています。
荻窪駅周辺の魅力的な公園としては、大田黒公園が挙げられます。同公園は、大田黒元雄氏の屋敷跡地を整備して開園されました。趣のある正門やイチョウ並木、池が特徴です。
遊具などはありませんが、四季や日本の文化に触れながら親子でお散歩してみてはいかがでしょうか。秋には紅葉のライトアップもありますよ。
施設名:杉並区立大田黒公園
所在地:東京都杉並区荻窪3-33-12
アクセス:JR中央線・東京メトロ丸ノ内線荻窪駅より徒歩10分
開園時間:9:00~17:00
休業日:年末年始(12月29日から1月1日)
荻窪駅の住まいを探そう
杉並区の子育て世帯におすすめのエリア(2)井荻駅周辺
井荻駅は、杉並区の北部に位置する西武新宿線の駅です。周辺には、一戸建て住宅を中心としたゆとりある住宅街が広がっています。
井荻駅エリアの最大のおすすめポイントは、区立公園では最大の広さを誇る井草森公園がある点です。園内には、アスレチック遊具で遊べる原っぱゾーン、自然を感じられる森と水のゾーン、サッカーなどができる天然芝の多目的運動場ゾーンがあります。
中央線エリアと比べると井荻駅周辺は落ちついていますが、スーパーやコンビニ、飲食店などは点在しているので普段の生活には困らないでしょう。井草森公園の近くには、コジマ×ビックカメラ井草店もあり、遊んだ後にはショッピングもできます。
施設名:杉並区立井草森公園
所在地:杉並区井草4-12-1
アクセス:西武新宿線井荻駅より徒歩6分
井荻駅の住まいを探そう
杉並区の子育て世帯におすすめのエリア(3)方南町駅周辺
方南町駅は、東京メトロ丸ノ内線分岐線の始発駅です。近年、方南町駅からの新宿方面への直通運転が始まり、乗り換えなしで新宿駅や大手町などの都心エリアまで行けるようになりました。方南町駅から新宿駅までは、約11分でアクセス可能です。
方南町駅エリアからは新宿の高層ビル群を望めますが、駅のそばには善福寺川が流れており、少し足を延ばすと緑地が広がっています。善福寺川沿いには和田堀公園があり、古代遺跡に触れたりバードウォッチングを楽しんだりすることが可能です。
方南町駅一帯の東側は中野区と隣接しているところが特徴となっており、広町みらい公園という比較的新しい中野区の公園も徒歩圏内にあります。
方南町駅前には方南銀座商店街があり、個性的な店舗が軒を連ねるほか、子どもが参加できるイベントが頻繁に開催されています。地域との関わりを感じながら子育てをしたい方には、方南町駅エリアがおすすめです。
方南町駅の住まいを探そう
杉並区は制度や周辺環境が充実していて子育てしやすい街
杉並区はイメージ通り、子育てのしやすい街だと私は感じています。広い公園や交通・買い物の利便性、子育て支援制度など、ストレスなく子育てするために必要なものがぎゅっと詰まった杉並区。
都内で子育てしやすい街を探している方は、杉並区も検討してみてはいかがでしょうか。
落ちついた環境の中で、ゆったりとした気持ちで子育てできますよ。