藤井聡太さんの活躍を見て「将棋を始めてみたい」と思った方もいらっしゃるでしょう。藤井聡太さんは2024年1月時点で、将棋界の八大タイトルすべてを独占しています。
将棋は将棋盤と駒さえあれば楽しめるボードゲームです。脳トレーニングや気分転換にも適しています。
今回の記事では、小学生時代から将棋を趣味にしているアマチュア三段の私が、将棋の奥深い魅力とメリットを自分の体験を交えて紹介します。将棋を趣味にしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
将棋の基本情報
最初に将棋の概要や魅力、メリットとデメリットについて解説します。
将棋とは
将棋の起源は、古代インドのチャトランガというゲームであるといわれています。チャトランガが各地に広まり、ヨーロッパではチェスとなり、日本にはインドから中国または東南アジアを経由して伝わり、日本の将棋になったという説が有力です。
将棋は2人で行うゲームで、相手の王将という駒を先に捕獲(「詰み」という)した方が勝ちになります。王将が詰まされるかどちらかが「負けました」と投了を告げた時点で勝敗が決まります。
将棋の魅力と楽しみ方
将棋の勝負(対局)をしている間は、将棋の盤面に全神経を注いでいるため、没頭できます。職場や家庭での悩みなど、ほかのことを忘れてしまうほどです。勝負に全集中できる点が、将棋の魅力といえるでしょう。
将棋の対局はもちろん楽しいのですが、最近ではルールをよく知らなくても、将棋のタイトルを決める勝負の観戦を楽しんでいる人も多いです。自分の好きな将棋棋士を応援する方だけでなく、将棋の名人などを決めるタイトル戦で、棋士が注文する食事に注目している方も増えました。この食事を「将棋めし」といいます。
毎回、昼食と夕食で「うな重」を続けて注文する棋士がいました。他にも「唐揚げ定食に唐揚げを追加」したり、「冷やし中華に天ざるそば」を合わせて食べたりする大食いの棋士がいたのは、将棋ファンの間で有名な話です。
将棋は逆転のゲームともいわれており、終盤戦で間違えた方が負けるため、観戦しているだけでも二転三転するスリリングな勝負を楽しめます。
将棋を趣味にするメリット
将棋を趣味にするメリットは、主に以下の3つです。
メリット(1)集中力がつく
将棋には制限時間(「持ち時間」という)が設けられていることが多いです。将棋大会では、チェスクロックという対局用の時計を使います。短い持ち時間の中で、次にどの駒を動かすべきか(「指し手」という)を考えなければならないため、集中力を養えます。
メリット(2)ストレス解消になる
将棋を趣味にすることでストレス解消につながります。たとえ仕事や家庭で嫌な気分になったとしても、将棋をしている間には他のことを一切考えず対局しているからです。
将棋の勝敗に関係なく、サッパリと嫌なことを忘れていた自分に気付くでしょう。
メリット(3)先を読む習慣がつく
将棋の対局では「自分がこう指したら、次に相手はどの駒を動かすのかな」と考えるため、先を読む習慣がつきます。日常生活でも、予測して行動するようになる人もいます。
将棋を趣味にするデメリット
将棋を趣味にするデメリットは、上達するまで時間がかかることではないかと思います。私もアマチュア三段になるまでは、数十冊の将棋書籍を読破しプロの将棋対局を視聴して勉強しましたが、約3年かかりました。ただそのおかげで、継続力を身につけることができました。
将棋が趣味の私の体験談
ここでは、小学生の頃から将棋を指し続けた私の体験談を紹介します。
将棋を趣味にしたきっかけ
私が将棋を始めたきっかけは、小学5年生のときに親から足つきの立派な将棋盤を買ってもらったことです。「いい道具を使うことは将棋が強くなる近道」という、名人経験者の発言を聞いたこともあります。
小学生だった私が、友だちのお父さんのダンボール工場で冬休みに手伝いをしてもらったお金で、約1万円の将棋の駒を購入したのも、今となっては懐かしいエピソードです。
将棋を趣味にしていてよかったこと
(1)アマチュア三段免状を取得
将棋によって継続スキルがついたことで、アマチュア三段の免状を取得できました。有段者であれば周囲の目も変わり、履歴書の「免許・資格」欄に書くこともできます。
(2)将棋大会への参加でB級では準優勝に
私は就職してからも将棋を続け、アマチュア4段の職場の先輩と自動車で各地の大会に出かけました。北陸地方に住んでいましたが、県内はもちろんのこと、滋賀県・三重県に至るまで、いろいろな将棋大会に出場していました。
三重県で行われた大会では、アマチュア2級~二段が出場するB級クラスで準優勝したこともあります。3位以上の上位入賞者には、大会を主催する新聞社などから賞状とトロフィーの他に、場合によっては地域の名産品などがもらえます。高速代やガソリン代を使って大会に出場するのですから、手ぶらで帰るわけにはいきません。アマチュア四段の先輩は、大会では常に上位に食い込んでいました。
(3)将棋仲間ができ交友関係が広がる
私の職場では社内の将棋クラブがあり、職場仲間と交流を深めることができます。
将棋大会前にホテルで泊まりこみの練習をすることがあり、そこでは練習後に職場の同僚や普段話すことができないような役員クラスの方とお酒を酌み交わしながら、将棋話で盛り上がります。
また、企業同士の団体戦などに出場すれば、自分の住んでいる地域だけでなく、県内外の方との将棋対局を通じて遠方の会社の方とも良好な交友関係を持つことができます。将棋のおかげで、異業種の情報まで入手可能です。私は職場の将棋クラブに所属していたので、毎年積極的に参加していました。
(4)将棋棋士から学ぶことは多い
羽生善治永世七冠の言葉に次のものがあります。
「成果が出ないときこそ、不安がらずに、恐れずに、迷わずに一歩一歩進めるかどうかが、成長の分岐点であると考えています。」
いつも一歩踏み込んで、より困難な道を選択する羽生永世七冠らしい言葉です。自身が勝っても負けてもタイトルへの挑戦に関係のない対局でも、毎回一歩踏み込んでいる姿勢がこの言葉からも分かります。
私も人生の岐路に立ったときに、どうしたものかと迷ってしまったことがありました。そんなときに「迷わずに一歩一歩進めるかどうかが、成長の分岐点」という言葉を思い出して、困難な道を選んだことでスキルアップし成長することができました。
また、同じように成長を目指し続ける仲間とも巡り合うことができて、私が棋士から学ぶことは非常に多いです。
(5)頭の回転が速いと思われる
会社の昼休みに、対局時計を使用して、1手30秒以内の切れ負けルールで将棋をしていたところ、指し手が早かったためか、周囲の方から「頭の回転が速い」と言われました。一生懸命考えているだけですが、そう言ってもらえたのは将棋を趣味として続けてきたからでしょう。
将棋がうまくなる近道
将棋がうまくなる近道(1)テレビ観戦でプロの指し手を学習
将棋が上達する近道として、テレビ観戦があります。「NHK杯テレビ将棋トーナメント」や「Abema TV」では、解説を聞きながらプロの指し手を勉強することが可能です。最近では勝負の評価をするために、AIが対局者のどちらが有利か点数をつけています。
将棋が上手くなる近道(2)将棋アプリで対戦
将棋のアプリも多く、スマホやタブレットで手軽に将棋を楽しめます。初心者であれば、将棋の勉強や王様を詰ます「詰め将棋」の機能があるアプリがおすすめです。
アプリを使えば、短時間の間に多くの方と対戦することが可能です。
将棋がうまくなる近道(3)実戦によりメキメキ上達
将棋上達には、実戦を重ねるのが1番の近道です。
将棋道場では、自分の実力に応じて対局相手を決めてもらえます。強い方に教えてもらえる可能性もあるでしょう。実力の差が大きいときは、ハンディキャップをつけてもらえるので安心です。
日本将棋連盟内の東京・将棋会館道場では、通常の対局はもちろんのこと、定期的に大会も開催されています。自分の実力を知りたければ、何段・何級かの将棋の棋力認定も行っています。認定された棋力によって、日本将棋連盟発行の正式免状や認定状も申請可能です。
大会などの勝敗によっては、アマチュア級位者から有段者を目指すこともできます。
「大会に出るのはまだ早い」と思われる方は、日本将棋連盟の売店で棋士の直筆扇子や将棋盤・高級駒などを見る楽しみもあります。日本産の将棋盤や将棋駒は、宝石を思わせるほどの美しさです。運がよければ、プロ棋士とばったり出会える可能性もあるでしょう。
将棋を思い切り楽しむならこんな住まいがおすすめ
和室のある住まい
将棋をとことん楽しむなら、和室のある部屋がおすすめです。
将棋には雰囲気も大切です。畳のある部屋でゆったりと将棋盤を使って対局できれば、プロの気分を味わえます。将棋道具も大切で、いい盤と駒を使うのが上達の秘訣ともいわれるほどです。
将棋会館の近くに住んでみよう
将棋会館の近くに住めば、毎週道場にも通えます。道路で将棋会館に向かう人気棋士と出会うこともあるでしょう。
私が東京・将棋会館に行ったときは、売店で将棋グッズを堪能したあとに将棋道場で約1時間の将棋対局を楽しむことができました。受付の方に棋力を伝えると、すぐに棋力に応じた将棋相手を紹介してくれました。家が近くならばぜひ通いたい場所だと思いました。
東京・将棋会館
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷2-39-9
アクセス:「北参道駅」から徒歩5分、 「国立競技場駅」から徒歩6分、 「千駄ケ谷駅」から徒歩7分
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関西将棋会館
住所:大阪府大阪市福島区福島6-3-11
アクセス:JR大阪環状線「福島駅」から徒歩3分
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将棋を趣味にして自分の時間を豊かにしよう
将棋は盤と駒さえあれば、手軽に始められるボードゲームです。駒の動かし方さえ覚えてしまえば、すぐにでも自分の趣味の1つに加えられます。独学では比較的継続することが難しく、道場などで強い人と将棋を指すのがおすすめの上達法です。
働き方改革で、ワークライフバランスが重視される時代になりました。将棋を趣味にして、オンとオフを使い分けて、生活をより一層豊かなものにしましょう。