スプラウトは、いろいろな食材と相性がよく、料理のアクセントとしても活躍します。近年は健康や美容など、さまざまな効果が注目を集めているため、名前をよく耳にする方も多いのではないでしょうか。
家庭菜園が趣味の私は、スプラウトを1年中育てています。自宅で野菜を育てるというと「場所をとる」「お世話が面倒」などのイメージがあるかしれませんが、スプラウトはそのような心配が不要です。ちょっとしたスペースで栽培でき、お世話も簡単なので、手軽に野菜を摂りたい方におすすめです。
この記事では、スプラウトの育て方や実際に育ててよかったこと、私の実体験をもとにした栽培のコツなどを紹介しています。スプラウトの栽培に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
- スプラウトの基本情報
- スプラウトは「野菜の新芽」のこと
- ブロッコリーだけじゃない!代表的なスプラウト
- スプラウトを育てる私の体験談
- スプラウトを育て始めたきっかけ
- スプラウトを育ててよかったこと
- スプラウトの育て方
- スプラウトを育てるときの注意点
- スプラウトを育てるために必要なもの
- スプラウトに適した環境
- スプラウトの基本的な育て方
- スプラウトの収穫の目安
- スプラウトを育てるコツ
- 育てたスプラウトの楽しみ方
- スプラウト入りのサンドイッチ
- スプラウトとささみの生春巻き
- スプラウトのスムージー
- スプラウトを育てるならこんな住まいがおすすめ
- 日当たりのよい物件
- カウンターキッチンがある物件
- バルコニーのある物件
- 「あるとうれしい」スプラウト。気軽に育ててみよう!
スプラウトの基本情報
スプラウトは「野菜の新芽」のこと
スプラウトとは、野菜から出たばかりの新芽のことです。日本語では「発芽野菜」や「新芽野菜」といい、食卓でおなじみのもやしや豆苗、かいわれ大根などもスプラウトの一種です。シャキッとした食感や、小さいながらしっかりと野菜の味わいを楽しめます。
スプラウトには、種に蓄えていた栄養と光合成によってできた、ビタミン・ミネラルがたっぷりです。小さくて食べやすいにもかかわらず、栄養は成熟した野菜よりも豊富に含まれています。特に発芽して3日ほどのスプラウトは、栄養価が非常に高いとされています。育て方が簡単で必要な道具も少ないため、室内で栽培するのにぴったりの野菜といえるでしょう。
ブロッコリーだけじゃない!代表的なスプラウト
スプラウトは育て方によって「かいわれタイプ」「もやしタイプ」「中間タイプ」の3つのタイプに分けられます。それぞれの育て方と適した野菜を紹介します。
なお、トマトやモロヘイヤ、ナスなどは種や芽に毒素があるため、スプラウトとしては食べられません。
(1)かいわれタイプのスプラウト
光を遮って発芽させ、ある程度育ってから光に当てて、緑化させるタイプです。
・かいわれ大根
・ブロッコリー
・豆苗(エンドウ豆)
・レッドブロッコリー
・マスタード
・しそ
・そば
・ルッコラ
・ラディッシュ
(2)もやしタイプのスプラウト
収穫まで光に当てずに育てるタイプで、あっさりとしたクセのない味わいが特徴です。
・緑豆もやし
・大豆もやし
・白ごま
・アルファルファ
・グリーンマッペ
(3)中間タイプのスプラウト
暗い場所で発芽させたのち、3日後に光を当てて、すぐに収穫するタイプです。
・ブロッコリースーパースプラウト
スプラウトを育てる私の体験談
スプラウトを育て始めたきっかけ
私がスプラウトを育て始めたのは、自宅に野菜の種が余っていたことがきっかけでした。家庭菜園が趣味の私は、一部野菜から次のシーズン用の種を採取しています。種類は、ルッコラやラディッシュ、しそ、バジルなどです。
種の採取は毎シーズン楽しみにしているベントなので、毎年採りすぎてしまい、たくさん余ってしまうのが悩みでした。植えるスペースがもうないけれど、捨てるのも悲しいと考えていたときに思いついたのが、スプラウトの栽培です。
スプラウトは消毒していない種を使うので、自家採取の種はぴったりです。スプラウト専用の種を買うお金がかからないだけでなく、手間をかけて採取した種を無駄にせず済むところがうれしいです。
家庭菜園をしていると種が余ってしまう方は多いと思うので、自家採取の種が余分にあったら、ぜひスプラウトを育ててみてください。
スプラウトを育ててよかったこと
簡単&短期間で収穫できる
スプラウトは、種と容器と水があれば1年中育てることが可能で、収穫までの期間も1週間ほどとスピーディーです。肥料や剪定のお世話もいらないので、思い立ったら気軽に栽培を始められます。水替えや種まきは子どもでも簡単にできるので、親子で楽しめることも育ててよかったポイントです。
おいしくて栄養たっぷり
スプラウトは一見栄養がなさそうですが、実は「天然のサプリメント」といわれるほど、栄養がたっぷり含まれています。野菜の種類によって異なりますが、主な栄養素はビタミンEやビタミンC、ビタミンK、βカロテン、カリウム、食物繊維などです。特にブロッコリーなどアブラナ科のスプラウトには、スルフォラファンという栄養素が含まれていて、老化防止や美肌、がん予防に効果があるとされています。
私はスプラウトが少ない量でも栄養が豊富と知り、積極的に家族の食事に取り入れるようになりました。
場所をとらない
スプラウト栽培では、大きなプランターや土が必要ないので、場所を選ばずにどこでも育てられるのも魅力です。家庭菜園をしたくても、プランターを置くスペースがないという方におすすめです。
私はキッチンカウンターでスプラウトを育てており、家事の合間に成長を楽しめて、見た目のかわいさにも癒やされています。
スプラウトの育て方
スプラウトの育て方は、種をまき、発芽したら毎日水替えを行うだけのシンプルなものです。私がさまざまな方法を試してうまくいった育て方について、注意点やコツもあわせて紹介します。
スプラウトを育てるときの注意点
スプラウトは加熱せずに食べることが多いので、雑菌が繁殖したり、カビが生えたりしないように注意が必要です。種を触る前に、しっかり手を洗いましょう。容器はアルコールスプレー(食品用)で除菌するか、ガラス製の容器なら煮沸消毒してから使用してください。
また、種はスプラウト用として販売しているものを準備しましょう。販売されている野菜の種は、通常農薬で消毒してあるため、栽培期間が短いスプラウトには適していません。
スプラウトを育てるために必要なもの
スプラウトを育てるために必要なものは、以下のとおりです。
・スプラウト用の種
・容器(スプラウト専用の容器や、ザルがセットになったタッパー、口の広い瓶など)
・種が通り抜けない目の細かいネット(排水溝ネットなど)
・輪ゴム(もやしタイプの場合のみ)
スプラウトに適した環境
スプラウトの栽培に適した気温は、18~25℃です。気温が高いと発芽しやすいものの、その分の雑菌も増えやすくなります。夏場は特に、風通しのよい場所に置きましょう。
スプラウトの基本的な育て方
ここでは、かいわれタイプともやしタイプの育て方をそれぞれ解説します。なお、根元についてくる白いフワフワしたものは、カビではなく根の一部なので、気にせずに育てましょう。
かいわれタイプの育て方
(1)容器やコップに水を張り、種を4~8時間浸しておきます。種が水をたっぷり吸収することで、発芽率が高まります。
(2)種がザルの隙間から落ちないようにネットを敷き(ザルの目が細かい場合や、スプラウト専用容器を使う場合は不要)、浸しておいた種をまんべんなく広げます。
(3)アルミホイルやダンボールで遮光します。茎がある程度の長さになるまで、光に当てないように管理します。
(4)翌日以降は、種を毎日朝と夜の2回水で洗います。弱いシャワーで全体をやさしく洗いましょう。下の容器に水は溜めず、洗ったときの水分だけで育てると、清潔な状態を保てます。
(5)茎が5cmほどに成長したら日光に当てて、葉が十分に緑色になったら食べごろです。根元からカットして収穫しましょう。
もやしタイプの育て方
(1)瓶に種を入れ、かいわれタイプと同じように4~8時間水に浸します。
(2)瓶の口にネットをかぶせてゴムなどで留め、水を捨てます。
(3)アルミホイルやダンボールで遮光します。置くときは逆さにして斜めに立てかけると、瓶の中が蒸れにくいです。
(4)毎日朝と夜、瓶に水を入れて種を洗い流します。
(5)茎が5cmほどの長さになったら食べごろです。お好みで少し日光に当てて、緑化させてもきれいです。もやしタイプはボウルにたっぷりの水を溜めて洗い、できるだけ種のカラを取り除いてから食べましょう。
スプラウトの収穫の目安
スプラウトは、種をまいて7~10日ほどで収穫の時期になります。どちらのタイプも、食べる前に流水でしっかり洗いましょう。
なお、スプラウトの葉には黒い斑点が出ることがあり、これは発芽前の種についた傷が原因で発生するものです。問題なく食べられるので、安心して収穫してください。
スプラウトを育てるコツ
容器はスプラウト専用のものが安心
スプラウトはどんな容器でも育てられますが、これから始める方には専用容器をおすすめします。理由は、水替えがしやすく、衛生的だからです。
私は最初、タッパーとキッチンペーパーを使ってスプラウトを育てていたのですが、毎回嫌な臭いやカビが発生してしまい、最後まで育てられませんでした。そこで専用容器を導入してみたところ、とにかく毎日の水替えが簡単になったのです。通気性がよいことで臭いなども気にならなくなり、それ以降は一度も失敗していません。100円ショップでも手に入るので、ぜひ試してみてください。
水は1日に2回交換する
スプラウトは、常に清潔な環境を保つことが大切です。水替えを怠っていると、腐敗やカビ、嫌な臭いが発生しやすいので、容器と種は毎日朝・晩に水洗いしましょう。特に夏は雑菌が増えやすいので、容器に水が溜まっていたら捨ててください。
風通しのよい場所に置く
スプラウトは湿度が高いと失敗しやすいため、風通しのよい場所で育ててください。できるだけ空気が循環し、直射日光と冷暖房の風が直接当たらない場所が適しています。
育てたスプラウトの楽しみ方
スプラウトは加熱してもおいしいですが、今回は生で楽しめるおすすめの食べ方をご紹介します。
スプラウト入りのサンドイッチ
8枚切りの食パンに、たっぷりのミックススプラウトとハム、ゆで卵、トマト、レタスを挟んだボリューミーなサンドイッチです。さまざまな食材を引き立てるスプラウトは、サンドイッチとの相性が抜群です。ほかにも、ベーコンやカツ、ツナ、卵サラダなどもよく合うので、お好みの具材を合わせてみてください。
スプラウトとささみの生春巻き
ベトナム料理を代表する生春巻きは、ライスペーパーでお肉や魚介、野菜、ハーブなどをまいて食べる料理です。スプラウトを加えると味や食感のアクセントになり、見た目の華やかさもアップします。野菜を生で思い切り食べたいときに、おすすめです。
スプラウトのスムージー
ブロッコリースプラウトなどに含まれるスルフォラファンは、細胞を壊すことで吸収率が高くなります。また、生で食べることにより効率よく摂取できるため、スムージーにぴったりの食材といえるでしょう。豆乳やバナナと合わせると、辛みがまろやかになって飲みやすく、冷凍のフルーツを加えれば子ども向けにもなります。育ちすぎたスプラウトの救済としても、おすすめです。
スプラウトを育てるならこんな住まいがおすすめ
日当たりのよい物件
スプラウトをきれいに緑化させるためには、光が不可欠です。日当たりのよい住まいなら、どこでも手軽にスプラウトを育てられます。
ただし、遮光していたスプラウトを、急に強い光に当てると弱る可能性があるので、真夏の西日や直射日光は避けましょう。
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カウンターキッチンがある物件
コンパクトに栽培できるスプラウトは、カウンターキッチンで育てるのもおすすめです。シンクの近くに置いておけば、水替えや成長具合のチェックも簡単です。そのため、うっかりお手入れを忘れてしまう心配も減るでしょう。スプラウトは、キッチンを彩るグリーンインテリアとしても活躍してくれます。
バルコニーのある物件
スプラウトを育てて家庭菜園に興味が出てきたら、次はプランターと土を使った野菜の栽培に挑戦してみましょう。バルコニーは日当たりと風通しがよいため、家庭菜園をするには最適な場所です。背丈がある野菜や果樹の栽培も楽しめます。
「あるとうれしい」スプラウト。気軽に育ててみよう!
スプラウトは栄養たっぷりで、添えるだけで料理が華やかになります。私にとって「あと少し彩りや栄養をプラスしたい!」というときに重宝する、頼もしい存在です。傷みやすいイメージがあるかもしれませんが、自宅で育てれば、収穫したてのフレッシュな状態を楽しめます。
キッチンまわりや窓際などのちょっとしたスペースで育てられ、基本的なお世話は水替えだけです。種類が豊富なので、食べ比べたり、種をミックスして育てたりするのもおすすめです。家庭菜園初心者の方にもぴったりなので、ぜひ気軽に育ててみてください。