「タケノコって分厚い皮で覆われていて、どう下処理するのか分からない」
「タケノコを茹でるとき、米ぬかがなくても簡単にできる方法が知りたい」
「おいしいタケノコの見分け方や食べ方は?」
春の味覚であるタケノコは独特の形をしていて、一般的な野菜と比べて調理のハードルが高そうに見えるかもしれません。しかし旬が短いタケノコを上手に処理できれば、出回っている時期にたくさん味わえます。
そこでこの記事では、毎年自宅の庭でタケノコを掘って食べている私が、おいしいタケノコの見分け方や茹で方、食べ方などを紹介します。
茹で方については、米ぬかがなくてもできる簡単な方法を紹介しますので、ぜひ気軽に挑戦してみてください。また、私が自宅で実践している基本のタケノコの掘り方やおすすめの料理など、体験談も紹介していますので、参考にしていただければ幸いです。
- タケノコの基本情報と特徴
- 食用タケノコの種類と旬
- タケノコの生産地
- おいしいタケノコの見分け方
- 毎年庭でタケノコ掘りをしている私の体験談
- 春になると庭にタケノコ探しに行く
- 剣先スコップでタケノコを掘る楽しみ
- おすすめの食べ方はタケノコの炊き込みご飯
- タケノコを茹でよう!ぬかなしでアク抜きする4つの手順
- 手順(1)タケノコの皮を剥ぐ
- 手順(2)タケノコの不要な部分を切る
- 手順(3)米のとぎ汁を用意する
- 手順(4)タケノコを一定時間茹でる
- タケノコをおいしく食べる2つのコツ
- タケノコは収穫後すぐにアク抜きをする
- タケノコを一度に食べきれなければ冷蔵・冷凍保存する
- 料理が好きな人におすすめの住まい
- 料理を楽しめる住まい
- 専用庭で家庭菜園にチャレンジ
- 春の味覚・タケノコを自宅で上手に処理して食べよう
タケノコの基本情報と特徴
まずはタケノコの基本情報を紹介します。タケノコは種類によって味や旬が異なってきますので、比較しながら読んでみてください。
また、おいしいタケノコの見分け方は「タケノコ掘り」などの場面で役立つほか、買い物の際に新鮮な個体を選ぶ基準となりますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
食用タケノコの種類と旬
店頭で見かけることが多く、食用として最も一般的なタケノコは「モウソウチク(孟宗竹)」です。旬は3~5月頃で、産地は九州から徐々に本州を北上していきます。竹の中では一番太くて大きいタケノコが収穫でき、柔らかく香りがいい点が特徴です。
「マダケ(真竹・苦竹)」は国内でモウソウチクの次に多く販売されています。細身で黒いまだら模様が見られる皮は食料品の包装として使用されることもあるため、見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。旬は5~6月頃で、アクが強く苦味があるのが特徴です。太い個体の方がおいしいといわれています。
「ハチク(淡竹・甘竹)」は、店頭ではあまりお目にかかることのない品種です。やや細身で赤茶色の薄皮をしており、アク抜きの必要がありません。旬は5月頃で、えぐみが少なく、甘みがあるのが特徴です。柔らかいため、生食もできます。
タケノコの生産地
林野庁「令和4年特用林産基礎資料」によると、2022年の「全国タケノコの総生産量」は21,797トンでした。その中でもトップ4県は以下のとおりで、いずれも1,000トン以上の生産量になっています。
・1位 福岡県(5,875トン)
・2位 鹿児島県(5,250トン)
・3位 京都府(3,052トン)
・4位 熊本県(1,481トン)
そのほか、石川県・愛媛県・静岡県・千葉県・三重県・高知県なども全国の中で上位の生産量を誇ります。
おいしいタケノコの見分け方
おいしいタケノコを見分けるために、以下の3点に注目しましょう。これらの特徴が見られたら、おいしいタケノコの可能性が高いです。
・穂先が黄色や茶褐色
・根元の切り口が白くみずみずしい
・皮は薄茶色
穂先が黄色や茶褐色ということは新芽がまだ土の中にあるタケノコが掘り出され、えぐみの原因となる光合成が行われていない証拠です。逆に緑色になっている個体は光合成が行われているため、なるべく控えましょう。
根元の色と水分量にも注目してみてください。タケノコは収穫してから時間が経つと、水分が抜けて茶色く変化します。また、水分が抜けると軽くなるので、重たいものがおすすめです。
皮の色が黒や緑だと日光にあたっており、アクが強いです。なるべく皮が薄茶色のタケノコを選んでみてください。
毎年庭でタケノコ掘りをしている私の体験談
ここでは主に私の暮らしと体験談を紹介します。私は現在、地方の田舎町で暮らしており、毎年春になると庭でタケノコが収穫できます。品種は太くて大きいモウソウチクです。
最初は初心者からスタートしたタケノコ掘りや下処理も、年数を重ねるごとにコツを掴んできました。タケノコの掘り方やおすすめの食べ方など実体験を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
春になると庭にタケノコ探しに行く
毎年3月に入る頃、庭でウグイスが鳴き始めます。花粉症の症状も出始めて、春の訪れを感じるのとほぼ同時期に、「タケノコもそろそろかな」と裏庭を散策し始めます。
タケノコは、地中にある「地下茎」と呼ばれる根っこから生える芽です。そのため、竹やぶを散策すれば、点々と出ている穂先に出会えます。「タケノコみーつけた!」という瞬間は、いくつになっても宝探しの感覚で、たまらない楽しさがあります。
土からひょっこり顔を出すタケノコの穂先は「生き物のツノ」のようです。タケノコを探すときはこのツノを頼りにするのですが「昨日はなかったのに今日は出ていた」という状況がよくあります。タケノコは一日で本当によく成長するため、毎日こまめに観察します。特に雨上がりは狙い目です。
剣先スコップでタケノコを掘る楽しみ
私が使っている道具は「剣先スコップ」といって、先端が三角形になっている大きめのスコップです。タケノコの穂先が土から少し出ている場所を見つけたら、いよいよタケノコ掘りのスタートです。
まずは穂先の周囲に散らばっている落ち葉や土を軽くどかし、スコップが入りやすいように整えます。その後、スコップで円を描くようにタケノコ周辺の土を力強く刺していきます。このとき、根の位置関係によって硬くてスコップが奥まで進まないポイントがあるので避けるようにして、柔らかくてスコップがギュッと入るポイントを探しましょう。
柔らかなポイントを見つけたらスコップを勢いよく突き刺して、タケノコを土ごと一気に掘り出します。
てこの原理を使うイメージで、自分の体重をスコップにのせると割と簡単に力を入れずに、スポンとタケノコが姿を現します。
おすすめの食べ方はタケノコの炊き込みご飯
タケノコの食べ方で私が最も好きなのは、王道の「タケノコの炊き込みご飯」です。タケノコを炊き込みご飯にすると、ご飯全体にタケノコの旨味と香りが染み込み、口いっぱいに春を感じられます。
「タケノコの炊き込みご飯」に必要な材料は以下のものです。ただしこれは一例であって、そのほかの野菜や調味料でお好みのアレンジを加えることもできます。
・米
・アク抜きが済んだタケノコ
・油あげ
・人参
・しめじ
・醤油
・みりん、砂糖
・三つ葉、木の芽など(飾り用)
米2合に対してタケノコは150グラム程度が理想です。小さめなら1本、大きめなら半分を目安にしてみてください。みりんを多めにするとお米が引き締まり、砂糖を多めにすると柔らかくなりますので、好みに合わせて調整しましょう。
上手に作るコツは、飾り用に使うタケノコは大きめにカットし、お米と混ぜる用は1センチ角など小さくカットする方法があります。基本は小さくした方が食べやすいですが、飾り用が少量あると見た目が華やかになります。
タケノコを茹でよう!ぬかなしでアク抜きする4つの手順
ここではタケノコの茹で方を紹介します。茹でることでえぐみの原因となる成分がとれるため、この作業は必ず行ってください。
通常、アク抜きの過程で米ぬかを使用します。しかし米ぬかを常に自宅に備えているご家庭は少ないと思いますので、ここでは手軽にできる「ぬかなし」の方法を解説します。具体的な手順は以下のとおりです。
(1)タケノコの皮を剥ぐ
(2)タケノコに切り込みを入れる
(3)米のとぎ汁を用意する
(4)タケノコを一定時間茹でる
順番に解説していきますので、参考にしてみてくださいね。
手順(1)タケノコの皮を剥ぐ
アク抜きの下処理として、まずはタケノコの皮を「下から穂先」へ向かって剥いでいきます。皮をどの程度剥くかは好みの仕上がり具合によるため、以下を参考にしてみてください。
・アクも若干感じられるがタケノコの香りを存分に楽しみたい方:全部は剥がずに数枚で止めておく
・アクをしっかり抜いてタケノコのさっぱりクリアな味を楽しみたい方:全部剥ぐ
初心者の方やタケノコの量が多い場合は、全部剥いでしまった方が茹で時間が少なく済み、アクもきちんと抜けるためおすすめです。
また、皮が強く張り付いて剥ぎにくく感じる場合は、タケノコ全体に縦1本の切り込みを入れると剥ぎやすくなります。
手順(2)タケノコの不要な部分を切る
タケノコの皮を剥いだら、アクが強い先端部分を切り落とします。また、根元も包丁を入れて筋っぽく繊維質を感じる部分は遠慮なくカットしましょう。
タケノコの根元部分に「赤いぶつぶつ」が見られる場合は、全体を切るか、表面だけを削ぎ落とします。ここは将来根っこになる部分でアクが強いので、茹でる前の段階でなくすようにしましょう。
皮を少し残して茹でる場合は、可食部を傷つけないように、皮に縦1本の切れ目を入れます。こうすることで茹でた後に簡単に皮が剥げるようになるため、コツとして覚えておいてください。
手順(3)米のとぎ汁を用意する
皮を剥ぎ、赤いぶつぶつを取り除き、皮に縦1本の切れ目を入れたら(皮を全部剥いで茹でる場合は不要)、いよいよアク抜き作業へと移ります。準備するものは以下のとおりです。
・大きめの鍋
・お米のとぎ汁(鍋がいっぱいになる程度)
・とぐ前のお米(大さじ1~2杯程度)
アク抜きでは通常米ぬかを使用しますが、米のとぎ汁と少量のお米があれば十分可能です。できるだけ濃度の高いとぎ汁を用意したいので、4合分くらいのとぎ汁を用意します。
手順(4)タケノコを一定時間茹でる
お米のとぎ汁が入った大ぶりの鍋に、適量のお米とタケノコを入れます。その後は一定時間、火にかけるだけです。皮を残している場合は1時間以上、皮を全部剥いだ場合は20分程度が目安です。
火にかけている最中にアクがどんどん浮いてきますので、お玉ですくって捨てていきます。
竹串などで根元部分を刺して、スッと入ればきちんと茹でられている証拠です。
大切なのは、茹だった後すぐには取り出さず、冷めるまで鍋の中にタケノコを入れっぱなしにすることです。こうすることで、一度とぎ汁に出た旨味成分が再びタケノコに吸収されます。
タケノコをおいしく食べる2つのコツ
ここでは、タケノコをおいしく食べるためのコツを以下2つ紹介します。
・収穫後すぐにアク抜きをする
・冷蔵、冷凍保存する
タケノコは収穫後すぐにアク抜きをする
タケノコは「収穫直後」にアク抜きをしましょう。タケノコは掘ってから時間が経過していくと、酵素の働きによってアクが強くなり、えぐみの原因となります。タケノコにはチロシンというアミノ酸の一種が豊富に含まれていますが、これが酵素の働きによってえぐみ成分へと変化してしまうのです。タケノコには、シュウ酸も含まれています。
スーパーや八百屋で購入するなど、収穫直後に対応できない場合は、入手したその日中にアク抜きをしてしまいましょう。
タケノコを一度に食べきれなければ冷蔵・冷凍保存する
タケノコは冷蔵・冷凍保存します。冷蔵の場合、タッパーに水を張っていれておくと約1週間は日持ちします。ポイントは、1日1回はタッパー内の水を取り替えることです。
冷蔵では食べきれない場合、解凍後にやや水っぽさも出てしまいますが、冷凍保存する方法もあります。冷凍の際は、細切りや短冊切りなど、形を整えてから保存しましょう。
こうすることで、春が終わってもしばらくタケノコを堪能できます。季節的にピーマンが出回る夏頃まで待てると、チンジャオロースとして楽しめますよ。
料理が好きな人におすすめの住まい
ここでは、春の味覚であるタケノコを楽しめる住まいを紹介します。
料理を楽しめる住まい
三口以上のコンロがあれば、タケノコのアク抜きも楽に行えます。タケノコは旬が短くあっという間に過ぎていくため、一度にたくさん手に入ることもしばしば。そのようなときも、コンロの口数が多いと便利です。
システムキッチンやカウンターキッチンがある住まいもおすすめです。タケノコはたくさんの皮に包まれており、剥ぐとそれだけゴミになります。システムキッチンのような広々とした空間があれば、ゆとりを持って作業できます。
また、カウンターキッチンを活用し、お子様とタケノコの下処理を楽しむのもよいでしょう。家族みんなで春の味覚を味わえば、貴重な思い出になるほか、食育の効果も期待できます。
専用庭で家庭菜園にチャレンジ
「タケノコ料理と合う野菜」を家庭菜園で育ててみましょう。例えば「炊き込みご飯」の彩りになる人参は、種まきから収穫までプランターで行えます。飾り用に使う木の芽(山椒の新芽)は、とてもいい香りが漂うため、食用以外でも楽しめます。
タケノコ料理の定番、チンジャオロースに必要なピーマンやパプリカも家庭菜園で挑戦しやすい野菜です。特にミニパプリカは使いやすいサイズ感で、糖度も高い品種です。
専用庭のある賃貸物件を探す
エリア別に住まいを見る
春の味覚・タケノコを自宅で上手に処理して食べよう
タケノコは地面に芽を出してから10日間(一旬・いちじゅん)で竹になってしまうことから、漢字で「筍」と書くそうです。タケノコの成長速度はすさまじく、ピーク時は1日に1メートル以上伸びることもあるのだとか。私は自宅のタケノコをうっかり収穫しそびれてしまうことがあり、そのときはあっという間に身長と同じかそれ以上に成長していました。タケノコ掘りをしても間に合わないときは、思い切って根元から倒す方法もあります。
タケノコのアク抜きは米ぬかがなくても、米のとぎ汁と少量のお米を活用することで簡単にできます。初心者の方は、皮を全部剥いでから茹でるのがおすすめです。
ある程度慣れてきたら、皮つきでのアク抜きに挑戦してみてください。いずれにしても、手に入れたらすぐに作業に取りかかるのがポイントです。一度に食べきれなければ、冷蔵・冷凍保存を活用し、春の味覚を長く楽しみましょう。
ぜひタケノコを自宅で上手に処理して、おいしく召し上がってみてくださいね。