エスニック料理と聞くと、「自分で作るのはハードルが高そう」というイメージがありませんか? 私も昔は、エスニック料理は外食で食べるものだと思っていました。しかし試しに自宅で作ってみると、意外と簡単。今では自宅でいろいろなエスニック料理を作るようになりました。
最近では家庭菜園でハーブを育てるようになったこともあり、トッピングに自家製ハーブを使うとそれだけでおいしさが増すことを発見。日々の生活の充実度が増しています。
今回は、自宅でエスニックスープをよく作っている私が、レシピやエスニック料理についてご紹介。まだエスニックスープに挑戦したことがない方でも気軽に作ることができるので、ぜひ参考にしてくださいね。
- エスニック料理とは? 初心者におすすめしたいスープ
- エスニックとは? 意味と実際の使われ方
- エスニック料理に欠かせない、そろえておきたい調味料とは?
- 初めてエスニック料理にチャレンジするなら、スープがおすすめ
- 意外と簡単! エスニックスープを作ってみよう
- タイ料理の王道「トムヤムクン」のレシピ・作り方
- さっぱりとしたベトナム料理「鶏肉のフォー」のレシピ・作り方
- スパイスと肉の組み合わせがおいしい! インドネシアの「ルンダン」のレシピ・作り方
- エスニックスープをよりおいしく! おうちでハーブを育てよう
- バジルを育ててみよう
- パクチーを育ててみよう
- レモングラスを育ててみよう
- 自家製エスニックスープを楽しむ暮らし
エスニック料理とは? 初心者におすすめしたいスープ
今回は、初心者の方でもおいしく作れるよう、エスニック料理の中でも手軽なスープレシピをご紹介します。材料をそろえるまでは難しく感じるかもしれませんが、スープの作り方自体はとても簡単です。
エスニックとは? 意味と実際の使われ方
そもそも、“エスニック”とはどのような意味なのでしょうか。定義としては、「服装・料理・音楽などの文化において、アジア・アフリカ・中南米など、その民族風であること」とされています。
もともとは、”Ethnic=民族的”という意味で、広義の意味としてはアジアも西欧も分け隔てなく使える言葉です。現代の日本においては、ブラジルなどの中南米の料理のほかに、タイ・カンボジア・ベトナム・インドネシア・フィリピンなどの東南アジア地域を表している言葉といえるでしょう。
そして、服装・料理・音楽などの文化の中でも、料理になると”エスニック”という言葉は主に東南アジアの料理を表す言葉として使われていることが多いようです。
エスニック料理に欠かせない、そろえておきたい調味料とは?
エスニック料理の代表ともいえるタイ・カンボジア・ベトナム・インドネシア・フィリピンなどの東南アジアの料理ですが、特徴的なのが使用する調味料です。
1つ目に、ナンプラー。魚醤(ぎょしょう)とも呼ばれる、魚やエビを発酵させて旨みを出した調味料です。日本でいうと、秋田県の「しょっつる」や、石川県の「いしる」が近い調味料といえるでしょう。
2つ目は、唐辛子。南国である東南アジアのエスニック料理には欠かせません。ちなみに、唐辛子は乾燥したものではなく、生の唐辛子をよく使います。
3つ目は、ココナッツミルク。辛味をまろやかにしたいときに加えると、まろやかさの中にコクのある味付けになります。料理だけではなく、デザートにも使うことができますよ。
この3つの材料があれば、気軽にエスニック料理を作れるようになります。
初めてエスニック料理にチャレンジするなら、スープがおすすめ
初めてエスニック料理に挑戦するなら、前述のとおりスープがおすすめです。スープは、材料をそろえればあとは煮るだけなので、簡単に作ることができますよ。
意外と簡単! エスニックスープを作ってみよう
本場のスパイスや食材にこだわって作るのもオツなものですが、今回は手に入りやすいスパイスで気軽に作れるレシピをご紹介します。ぜひチャレンジしてみてください。
タイ料理の王道「トムヤムクン」のレシピ・作り方
トムヤムクンはタイ料理の中で最も有名なスープで、”世界3大スープ”ともいわれています。トムは煮る、ヤムは和える、クンはエビの意味です。実はタイでは、日本人が味噌汁を作るような感覚で作られている身近なスープなのです。
トムヤムクンには、ナームサイというさっぱりスパイシーなタイプと、ナームコンというクリーミーなタイプの2種類があります。今回はナームサイを作ってみます。
〈材料 2人分〉
・殻付きエビ 8尾
・水 800ml
・平茸(しめじなど) 1パック
(A)乾燥レモングラス 3g
(A)生姜 1片(15g)
(A)生唐辛子 2本〜お好みの辛さ
・柑橘類果汁 50ml
・ナンプラー 大さじ1
・チリペースト 大さじ1.5
・砂糖 小さじ1
(B)レッドオニオンの薄切り 1/4個
(B)パクチー お好みで
(B)ミントの葉 お好みで
(B)三つ葉 お好みで
(B)レモンなどの柑橘類 お好みで
〈作り方〉
1. 水800mlを沸騰させたら、殻付きエビを入れ、蓋をして15~20分茹でる。
2. エビを取り出して、粗熱を取る。
3. エビを茹でた湯の中に(A)を入れ、5分ほど弱火にかけて香りをつける。
4. 平茸を入れたら、チリペースト・ナンプラー・砂糖を加えて混ぜる。
5. 茹でたエビは殻を取っておき、鍋に入れる。火を消す直前に柑橘類果汁を回し入れる。
6. 最後に、(B)のレッドオニオンやハーブを盛り付ける。パクチーが苦手な方は、ミントの葉や三つ葉などをお好みで。
レモンなどの柑橘類も添えておくとさっぱりとした爽快感が増します。うちでは、手軽に手に入るシークワーサーを使っていますよ。具材はお好みで豚肉を入れるのもおすすめです。
さっぱりとしたベトナム料理「鶏肉のフォー」のレシピ・作り方
ベトナム料理を代表する、鶏肉のフォー。こだわりたい方は骨付き肉を使用して骨から出汁を取ってみましょう。時短をして簡単に出汁を取りたい場合は、鶏がらスープの素で代用できます。今回紹介するレシピも、鶏がらスープの素を使っています。
レモングラスは使用しなくてもおいしいですが、入れるとエスニック料理特有のレモンの香りと爽快感が感じられるようになるのでお試しください。
〈材料 2人分〉
・フォー 120g(乾麺で40g)
・鶏もも肉 1枚
・水 4カップ
(A)ナンプラー 大さじ2
(A)鶏がらスープの素 小さじ2
(A)乾燥レモングラス 3g
(A)塩 少々
(A)小ねぎの小口切り 4本分
(B)もやし 100g
(B)レッドオニオンの薄切り 1/4個
(B)パクチー お好みで
(B)ミントの葉 お好みで
(B)三つ葉 お好みで
(B)レモンなどの柑橘類 お好みで
〈作り方〉
1. レッドオニオンを薄切りにして10分ほど水にさらした後、水を切ってトッピングの準備をしておく。
2. 鍋に4カップの水と鶏肉を入れて火にかける。鍋底から小さな気泡が出てきたら、弱火にしてアクを取りながら15〜20分茹でる。
3. 鶏肉を取り出したら、水気を切って食べやすい大きさに切る。
4. 鶏肉を取り出した鍋に(A)を入れてスープを作る。3分ほどしたら、レモングラスを取り除く。
5. 別の鍋に、乾麺のフォーを戻すためのお湯を沸かす。乾麺が戻ったら、茹で汁は捨てずに、水気を切りながら器に盛り付ける。
6. 乾麺のフォーの茹で汁で、1分ほどもやしを茹でる。茹でたら、水気を切りながら器に盛り付ける。
7. スープを器に注ぐ。
8. (B)をトッピングして出来上がり。
乾麺のフォーは商品によって戻し方が異なるので、記載された手順に従って戻してください。
スパイスと肉の組み合わせがおいしい! インドネシアの「ルンダン」のレシピ・作り方
インドネシア料理のルンダンは、いくつものスパイスを組み合わせて肉を煮込んだコクのある料理です。使用するお肉は、牛・豚・鶏のどれでもお好みのものを調理しましょう。
さまざまな種類のスパイスを使用する料理ですが、今回は身近でそろえることのできるスパイスを使用して作れるレシピです。
〈材料 2人分〉
・牛塊肉 300g
・塩 適量
・ココナッツミルク 200g
・水 100g
(A)玉ねぎ 1/2個
(A)にんにく みじん切り 1片
(A)生姜 みじん切り 1片
(A)コリアンダーパウダー 大さじ1
(A)クミンパウダー 大さじ1
(A)カシューナッツ 8個
(B)チリペッパー 大さじ1
(B)ターメリックパウダー 大さじ1
(C)レッドオニオン 1/4個
(C)カシューナッツ お好みで
(C)パクチーや三つ葉など お好みで
〈作り方〉
1. 牛塊肉を一口大に切り、2時間煮込む。
2. (A)をフードプロセッサーでペーストにし、ココナッツミルクと水、(B)の材料を混ぜて火にかける。
3. 煮込んだ肉を合わせ、塩を適量加えて一緒に煮込む。
4. (C)と一緒に盛り付けて出来上がり。
牛すじや鶏の手羽元で作るのもおすすめです。また、うちではガス代節約のために、肉を煮込む工程は炊飯器を利用し、「55分設定で2度炊く」といった方法で調理しています。炊飯器を使用して調理するときは、肉が浸るくらいの水を入れ、上にクッキングペーパーをのせることで、吹きこぼれを防げます。
準備が終われば、あとは煮込むだけの簡単な料理ですので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
エスニックスープをよりおいしく! おうちでハーブを育てよう
エスニック料理に欠かせないのが、香りの強いハーブです。種から育てるのはもちろん、苗を買って育てることもできますが、今回は水やりなどの管理方法も難しくない3つのハーブをご紹介します。
ぜひおうちで育てたハーブを料理のトッピングや味付けなどに使ってみてください。
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バジルを育ててみよう
イタリア料理のイメージが強いバジルですが、実はエスニック料理にもよく使われているハーブです。
熱帯原産で寒さに弱いバジルの発芽適温は、20度以上。気温が10度を下回ると一気に枯れてしまいますが、逆に夏の暑さにはとても強いので、40度を超えても生育します。
水はけのいい鉢に植え、水やりは土の表面が乾いたら鉢の底から水が出るほどたっぷりとやりましょう。水やりの際にはね返った土が葉に付くと病気の原因になるため注意しましょう。
葉の枚数を6枚ほど残し、先端部分を収穫してしまいます。先端を収穫されたことで成長点を失ったバジルは、代わりにほかの成長点から成長していきます。成長点を切るごとに成長点が増えるので、収穫期間の間は何度でも繰り返し収穫することができる、うれしいハーブなのです。
そして、摘みたてのフレッシュバジルの香りはとっても強烈。エスニック料理のトッピングにすることで、香りを楽しむこともできます。
パクチーを育ててみよう
パクチーは、エスニック料理のトッピングに欠かせないハーブです。葉を収穫してトッピングにしたり、初夏に種をまけば約3~4ヶ月で種をつけますので、種をコリアンダーとして楽しむこともできますよ。
パクチーは、真夏の暑さを嫌い、20〜25度でよく育ちます。日当たりのいい場所と水はけのいい土を好みます。
パクチーの種は、茶色の2つの半球が合わさっており、1粒の種から芽が2つ出ます。種は殻の中に入っており、そのままでは発芽しにくいので、種まきの前日に一晩水に漬けた後、種を手で2つに分けてまくと発芽しやすくなります。
水やりは、ハス口のついたジョウロでたっぷりと与えましょう。バジルと同様、水を与えたときにはね返った土が葉に付着すると病気の原因になるので、ハス口は下に向けてそっと水やりをするのが基本です。水やりのタイミングは、土の表面が乾燥していたら午前中に1回だけ、鉢の底から水が流れ出るくらいたっぷりとあげましょう。
パクチーの収穫は、葉を使う場合、柔らかい食感を楽しむために早めに収穫します。葉だけを収穫する場合は、使う分だけ摘み取ります。下の大きくなった葉から収穫していきましょう。
種を収穫する場合は、花芽を摘まずに茎を残しておきます。葉の収穫時期の後に花が咲き、その後に実ができます。この実が茶色くなって乾燥したら、株ごと収穫しましょう。
レモングラスを育ててみよう
レモングラスは、レモンの香りがすることからその名前がついており、エスニック料理特有のさっぱり感を出すために欠かせないハーブの一つです。
熱帯地方原産で、高温多湿を好み、寒いのが苦手。5度を下回ると越冬できないので、冬を迎える前には地上に出ている部分を刈り取ります。
レモングラスに最適な環境の条件は、日当たりがあり風通しのいい場所で、水はけのいい土です。鉢植えにする場合は、ハーブ用の土で育てることができます。
水やりはあまり必要ありません。表面の土が乾いていると感じたら、たっぷりと水やりをしましょう。
レモングラスは、収穫したばかりのフレッシュなものと乾燥したドライのもので香りが変わりますので、お好みで使い分けるのをおすすめします。フレッシュなものを使いたい場合は、使用するときに使用したい分だけカットしましょう。
収穫するときは、株元をハサミでカット。このとき、レモングラスの葉の両脇で手を切る可能性があるので気をつけてください。
自家製エスニックスープを楽しむ暮らし
ハードルが高いイメージとは裏腹に、実際にチャレンジしてみると意外と簡単に作れるエスニック料理。特にスープ系はとても作りやすく、特別な調味料やさまざまなハーブを使用することでエスニック料理独特の香りを楽しむことができますよ。
そして、そのハーブは自分で育てたものを使用するだけで、不思議とおいしさが増すのを感じられるでしょう。ハーブはベランダにプランターを置くスペースさえ確保できれば、育て方自体はそれほど難しくありません。
ぜひ皆さんも、自宅で育てたハーブを使ってエスニック料理作りにチャレンジしてみてくださいね。