最近は、街中で「火鍋(ひなべ)」の専門店を見かけることが増えてきました。私は火鍋が大好物ですが、小さな子どもがいるのでなかなかお店に食べに行けません。
そんな私は、どうしても火鍋が食べたくなったとき、おうちで火鍋作りにチャレンジしました。おうちで作るのはハードルが高いと思っていましたが、意外と簡単に本格的な火鍋を味わうことができました。
この記事では、おうちで火鍋作りに挑戦したい方に向けて、火鍋の魅力やわが家で大好評な簡単火鍋レシピをご紹介します。
健康や美容にもいい、火鍋の魅力
火鍋は近年、日本でも定番化しつつある中国発祥の「鍋料理」です。「火鍋ってどんなもの?」という質問をすれば、「見るからに辛そうな真っ赤な鍋」と答える方が多いのではないでしょうか。
わが家で作る火鍋も、香辛料たっぷりの真っ赤なスープの鍋です。辛そうなイメージの火鍋ですが、実は種類が多く、長い歴史があります。火鍋の起源ははっきりとしていませんが、2,000年以上の歴史があるそうです。
火鍋は中国の地方によって味付けが異なり、種類や具材もさまざまです。中国本土だけではなく、香港やマカオ、台湾にも火鍋は広まっていますが、地域によって味付けが異なります。私たちがよく見かける赤い辛そうな火鍋は、重慶発祥の「重慶火鍋」や四川発祥の「四川火鍋」のことです。
日本を代表する鍋料理でもあるしゃぶしゃぶも、中国の火鍋をもとにして作られた料理だったといわれています。しゃぶしゃぶの起源と考えると、火鍋が少し身近な料理に感じられますね。
火鍋が美容や健康にいい理由
火鍋は美味しいだけではなく、美容や健康にもいい料理といわれています。これは私が火鍋の虜になった理由の一つです。食べることで美しくなれると聞くと、進んで食べたくなってしまいます。わが家では風邪を引いたときには、どんなに暑い日でも火鍋を食べて身体の芯から温まるのが定番です。
火鍋が美容や健康にいいといわれる理由は、使われている香辛料や生薬にあるそうです。ここでは、火鍋でよく使われている香辛料と生薬の中で、美容や健康に有効とされているものについてご紹介します。
・ナツメ
ナツメは漢方薬にも使われることがあるほど栄養価のある香辛料です。食物繊維・カリウム・葉酸などが豊富に含まれています。
・クコの実
世界三大美女のひとり、楊貴妃が毎日食べていたといわれるスーパーフードです。クコの実にはビタミン・ミネラル・食物繊維などが豊富に含まれています。
・生姜
世界中で用いられている香辛料です。胃のむかつきや吐き気、風邪の初期症状に効くといわれています。
・良姜
良姜は名前の通りショウガ科の植物の根茎です。生姜は身体の表面を温めるのに対して、良姜は体内を温めてくれるといわれています。
上記はほんの一部ですが、本格的なお店では多くの香辛料や生薬が使われています。美味しいだけではなく、美容や健康にいいものが含まれているので、私は鍋を食べるときは積極的に「火鍋」を作ることが多いです。火鍋は美容や健康に気を使う方にはぜひ、食べていただきたい鍋料理です。
火鍋は辛いだけではない
火鍋といえば真っ赤なスープの辛い鍋を思い浮かべる人も多いでしょう。しかし、火鍋の種類は多く、辛いものが苦手な方や子どもが食べられる味付けのものもあります。
辛くない火鍋で有名なのは「台湾火鍋」と呼ばれるものです。台湾風火鍋はごま油をひいた鉄鍋で具材を炒めた後、スープを加えて作る海鮮がたっぷり入った火鍋です。香辛料も使われていますが、家にあるもので手軽に作れます。料理を簡単に済ませたいときには、「台湾火鍋」がわが家の定番です。
辛い火鍋も辛くない火鍋も両方楽しみたい方には、「鴛鴦火鍋(おしどりなべ)」がおすすめです。鴛鴦火鍋は専門店でも人気があります。陰陽に見立てて仕切られた金属製の鍋に、「白湯スープ」と香辛料をたっぷり使った「麻辣スープ」を入れた火鍋です。
白湯スープの鍋であれば子どもも食べられるので、同時に辛い鍋を食べることもでき、家族で一緒に火鍋を楽しめます。私の娘は離乳食を卒業して大人と一緒のものを食べられるようになったところなので、来年こそは仕切りのある鍋を購入する予定です。
辛いものが苦手な方はぜひ、「台湾火鍋」や「鴛鴦火鍋」作りにチャレンジしてみてくださいね、
おうちで火鍋を作るには何が必要?
おうちで火鍋を作ろう
火鍋を自宅で作るのはハードルが高く感じてしまうかもしれませんが、意外と簡単です。
火鍋専門の調理器具も必要ありません。鉄鍋で作ったほうがより本格的な見た目になりますが、わが家にはないので土鍋で作っています。土鍋でも十分、美味しい火鍋を作れるので、今後も鉄鍋を購入する予定はありません。
ただし、白湯スープと麻辣スープに分ける「鴛鴦火鍋」を作るのであれば、仕切りのある鍋が必要です。こちらの鍋は、今後子どもと一緒に鍋を食べるときのために、購入するつもりです。価格は安いものでは2,000円程度の手頃な価格で販売されています。
火鍋に使う具材は、普通のスーパーで購入できます。火鍋でよく使われるラム肉も、最近ではスーパーで見かける機会が多くなってきました。もちろん、ラム肉を使わなくても別の肉で代用して火鍋を作ることはできます。
火鍋は凝った材料を集めなくても、香辛料さえあれば冷蔵庫にある肉と野菜でも作れます。これから紹介するわが家で定番の火鍋も、家にあるもので簡単に作れるものばかりです。
火鍋作りに必須の「香辛料」とは?
火鍋にはいろいろな香辛料が入っているので、自宅で作るのは大変そうに感じるかもしれませんね。私も火鍋に出会ったばかりの頃は火鍋の素に頼りきりでした。
もちろん、本格的な火鍋を目指すのであれば、大型スーパーや専門店で香辛料や生薬をそろえる必要があります。しかし気軽に自宅で火鍋を楽しむのであれば、スーパーで手に入る材料で十分美味しい火鍋を作れます。
わが家で火鍋に欠かせない香辛料は、以下のものです。
・生姜
・ニンニク
・唐辛子
・花椒(ホアジャオ)
これらの香辛料であれば、ほとんどのスーパーで手に入りますね。唐辛子やニンニク、生姜は火鍋の味を決める香辛料であり、身体を温める作用があるので健康のためにも必ず取り入れています。また、花椒を入れることでピリッとした本格的な火鍋らしい辛さを足すことが可能です。
上記の香辛料さえそろっていれば、美味しくて身体が温まる火鍋を自宅で作れます。さらに香辛料を使って、本格的なお店で食べるような火鍋を再現したいときには、以下のものを追加しましょう。
・クコの実
・ナツメ
・ナツメグ
・八角
これらを加えると、本格的な味わいになるだけではなく、美容や健康への効果も期待できます。大型スーパーなら購入できるものばかりですが、取り扱っていない店舗もあります。本格火鍋を楽しみたい方は、中華食材を取り扱っている専門店を利用してみましょう。
基本的に火鍋に使う香辛料は乾燥しているものなので、多めに買っても保存には困りません。火鍋に限らず薬膳鍋にも使えるような香辛料・生薬なので、ぜひ活用してみてくださいね。
手軽で美味しい、火鍋の素でもOK
火鍋は簡単に自宅でも作れますが、わが家では火鍋の素を使うこともあります。私は基本的にズボラな性格なので、面倒だなと思ったときは火鍋の素を使ってしまいます。
また、火鍋の素には美味しくて本格的な香辛料がたっぷり入ったものもあるので、家の味で満足できないときにも使います。本格的なお店のような火鍋を作りたいと思っても、十数種類もの香辛料を集めて火鍋を作るのは大変です。そのような悩みを、火鍋の素は解決してくれるのです。
しかしながら、火鍋の素の中には唐辛子や花椒などが入っているだけで、ほとんど香辛料が入っていないものもあります。そのような火鍋の素は比較的に安く手に入りやすいですし、日本人の味覚にも合いますが、あまりおすすめできません。
私は、せっかく火鍋の素を購入するのであれば、香辛料がたっぷり入ったものを購入したいです。そのため、火鍋の素を購入するときには香辛料の表記を必ずチェックしています。
代表的な香辛料として、ナツメやクコの実が入っているものであれば本格的な味わいのものが多く美容効果も期待できるでしょう。また、八角やクミンなど普段あまり見かけないような香辛料が入っているものは、本場で食べるような深い味わいものが多いです。
火鍋の専門店はよく見かけるようになってきたものの、火鍋の素を販売しているところは少ないです。もし、どこかで香辛料がたっぷり入った火鍋の素を発見したら、試しに購入してみてくださいね。
おうちで作れる簡単火鍋レシピ
簡単! 本格火鍋の作り方
ここからは、わが家で大好評な火鍋の基本レシピをご紹介します。
<材料(辛さや濃さの好みがあるので、分量はお好みで)>
・野菜(白菜・長ネギ・しめじ・もやし・青梗菜など)
・肉(豚肉・牛肉・鶏肉・ラム肉など、好きなものでOK)
・豆板醤
・唐辛子
・花椒
・クコの実
・ナツメ
・ニンニク
・生姜
・長ネギの青い部分
・水
・中華スープの素
・塩胡椒
・ごま油
① ごま油をひいた鍋で、唐辛子・花椒・クコの実・ナツメ・薄切りしたニンニク・千切りした生姜・長ネギの青い部分を炒める
② 火が通ったら水を足して、中華スープの素、豆板醤を加える
③ 塩胡椒で味を調える
④ 沸騰したら火の通りにくい野菜から順に入れ、肉を加え、火が通ったら完成です。
火鍋におすすめな食材
火鍋といえばラム肉を思い浮かべる方もいるでしょう。ただ、クセが強くて苦手な方も多いですよね。(私も家で食べるラム肉は少し苦手です。)
火鍋に使うお肉は基本的に何を入れても美味しいですが、ラム肉に近くて臭みのないものを選ぶのであれば、牛肉がおすすめです。肉は1種類だけではなく、数種類を混ぜて入れても美味しいですよ。
わが家の定番は、豚肉の薄切り肉と生姜を混ぜた鶏肉の肉団子を入れた火鍋です。エビやたこなどの海鮮を入れると出汁が出るので、コクが増します。
野菜も基本的に何を入れても美味しいのですが、中国発祥の鍋なので青梗菜(チンゲンザイ)がよく合います。しめじやエノキなどのキノコ類を入れれば、食物繊維たっぷりの健康鍋として楽しめますよ。
つけだれでさらに美味しくなる
火鍋は味付けがされているイメージですが、実は本場の中国ではつけだれで食べることが多いです。ごま油・黒酢・塩・刻みネギを混ぜたつけだれが有名ですが、わが家には黒酢がなかったのでお酢で代用しました。(酢とごま油は分離しやすいのでよく混ぜましょう)
つけだれで食べた火鍋は辛さがまろやかになり、とても美味しかったです。市販のごまだれにつけるとさらに辛みを抑えられるので、辛いものが苦手な方は試してみるとよいでしょう。火鍋を食べるときは、つけだれにもチャレンジして、いろいろな味わいを楽しんでくださいね。
火鍋におすすめの〆は何?
火鍋におすすめの〆は、ずばりラーメンです。味がしっかりついた火鍋にラーメンとすりごま、ミンチを加えれば担々麺風になります。
わが家の火鍋は、この〆が定番です。ごはんを入れておじや風にしても美味しいですが、沈殿していた香辛料と混ざってしまうと刺激が強すぎます。ごはんで〆を作りたいときは1回香辛料を取り除いてスープだけにしてから作ってみてくださいね。
おうち火鍋を楽しもう
おうちで火鍋を楽しみたい方には、カウンターキッチンをおすすめします。あらかじめキッチンのコンロでお鍋を作ってから運ぶのもいいですが、テーブルを囲み、家族で鍋の完成を待つ時間も楽しいものです。熱い鍋も、カウンターに置いて渡せば安全ですし、片付けの際に食器を運ぶ手間も減らせますよ。
一見自宅で作るのが難しそうな火鍋ですが、自宅でも簡単に作れます。手軽に作りたいときには、火鍋の素を利用したり、基本的な香辛料だけを入れてみるのでもいいでしょう。
火鍋は健康や美容にも有効で、毎週でも家族で食べたい料理です。わが家では冬に限らず、誰かが風邪を引いたときや元気がないときに、香辛料たっぷりの火鍋を作り、身体の芯から温まります。
みなさんも健康や美容にぴったりな本格火鍋を、ぜひ作ってみてくださいね。