自宅で食事をする機会が増えた昨今、メニューがワンパターンになっていませんか?
「野菜を栄養バランスよく摂るには?」「おいしいものを食べて元気に過ごしたい!」と、考えている方も多いでしょう。
そこでこの記事では、健康に毎日を過ごしたい方に向けて「ごちそうサラダ」のレシピを3つご紹介します。実際に管理栄養士の私がモリモリ食べているメニューばかりなので、参考にしてみてくださいね。
ごちそうサラダとは?
「ごちそうサラダ」って?
「ごちそうサラダ」とは、デパ地下で売られているようなボリュームも栄養もたっぷりな主役級サラダのことです。この記事では、以下の特徴があるものと定義します。
・1食分の栄養がまかなえるくらいのボリューム感があるもの
・良質なたんぱく質と野菜・果物に多く含まれる、ビタミン・ミネラル類を多く含んだもの
※1食分の栄養として、良質なたんぱく質源(肉類・魚介類・卵・大豆製品)が70~80g、野菜類が120gを目安にします。野菜類が120gなのは、1日に摂りたい野菜の摂取目標量が350gといわれているからです。1回の食事で野菜を120g摂れたら理想的ですね。
・赤・黄・緑がそろった彩りのよいもの
・素材のうま味を生かしたもの
たとえば、うま味成分のグルタミン酸を多く含む、チーズ・昆布・白菜・トマト・ブロッコリー・みそ・しょうゆなどを使ったものも挙げられます。また、イノシン酸を多く含む、豚肉・鶏肉・肉加工品(ハムやベーコン)・かつおなどを使ったものもおすすめです。
ごちそうサラダにハマった理由
私がごちそうサラダにハマったのは3年ほど前のこと。某スーパーの野菜コーナーで試食や栄養相談を受ける仕事をしたときに、ごちそうサラダを作ったことがきっかけでした。
以前はサラダといえばレタス・トマト・きゅうりといった定番食材に、ドレッシングをかけて食べる脇役的な存在でした。しかしごちそうサラダを振る舞う仕事をしてからは自宅でも作るようになり、毎日のメニューに悩む回数が減っています。ごちそうサラダは家族からも好評で、おうち時間での食事が充実したものになりました。
ごちそうサラダにおすすめの食材
ごちそうサラダの食材は「基本的にはなんでもOK!」です。
ツナ缶やカニ缶などの缶詰、ミックスビーンズやお刺身を入れたり、野菜を加熱したりして食べるものもよいでしょう。ごちそうサラダの具材は少し変えるだけでもバリエーションが豊富になるので、食べることも作ることも楽しいです。
サラダの具材を和える調味料は、自分で作ったり市販のドレッシングを利用したりします。ドレッシングはかけるよりもあえるほうが少ない量で味つけできます。カロリーと塩分を抑えられるので、体にもやさしくなりますよ。
また、ごちそうサラダは、キッチンでの作業を最小限に減らしたい、真夏にも適しています。真夏の定番メニューの1つに「冷しゃぶサラダ」がありますが、いつも冷しゃぶサラダだと飽きてしまうものです。そのようなときは具材と調味料を変更すれば、ワンパターンメニューから脱出できます。
体が喜ぶごちそうサラダ!
ここでは、わが家で好評な体が喜ぶごちそうサラダを3つご紹介します。
デパ地下に売っているサラダは、色彩が豊かでどれもおいしそうですよね。あれもこれもと買っているうちにびっくりするようなお値段になることもあるかもしれません。しかし、ごちそうサラダは材料がそろえば自宅でも簡単に作れます。
牛肉とレタスのごちそうサラダ
私がおすすめしたい、手軽に作れるごちそうサラダの1品目は「牛肉とレタスのごちそうサラダ」です。
牛肉とレタスのごちそうサラダは、フライパンでさっと炒めるだけで完成します。レタスは炒めるとカサが減ってたくさん食べられるので、レタスが余ってしまったときにピッタリのメニューです。
【材料2人分】
牛肉しゃぶしゃぶ用:150g
レタス:1/2個(150g)
黄パプリカ:1/4個(30g)
サラダ油:小さじ2
塩コショウ:少々
スナップエンドウ:6さや(30g)
トマト:1/2個(100g)
市販のポン酢しょうゆ:大さじ3
コチュジャン:小さじ1
砂糖:小さじ1
白ごま:大さじ1
1人分:エネルギー量365kcal たんぱく質19.7g 鉄分3.4mg 食塩相当量2.4g 野菜の分量145g
【下準備】
・レタスは食べやすい大きさにちぎります。
・黄パプリカはせん切り、トマトはくし切りにします。
・スナップエンドウはスジを取り、塩ゆでして半分に切っておきましょう。
【作り方】
① フライパンでサラダ油を中火で熱したら、牛肉を炒めていきます。
② 肉の色が変わったら、塩コショウをふって器に盛りつけましょう。
③ レタスと黄パプリカをさっと炒め、牛肉のまわりに盛りつけます。
④ 牛肉と野菜を炒めたフライパンに、ポン酢しょうゆ・コチュジャン・砂糖を入れて、中火にかけます。
⑤ ひと煮立ちしたら器に盛った牛肉とレタスに回しかけ、くし切りにしたトマト、スナップエンドウを盛りつけ、白ごまをふったら完成です。
【ポイント】
・牛肉でごちそう感を出します。牛肉には鉄分と良質のたんぱく質が豊富です。鉄分は野菜に含まれるビタミンCと一緒に摂ることで、吸収率がアップします。
・ドレッシングは市販のポン酢しょうゆをベースにして、ノンオイルでカロリーダウンしました。
・ご飯にも合うごちそうサラダです。
まぐろの韓国風ごちそうサラダ
2品目は、「まぐろの韓国風ごちそうサラダ」です。
まぐろのお刺身だけだと、ボリューム感が少なく物足りない感じがします。しかしサラダの材料として加えるとごちそう感が増し、ほとんど火を使わないので簡単です。
【材料2人分】
まぐろ刺身用:150g
玉ねぎ:1/2個(100g)
しょうゆ:大さじ1
酢:大さじ1
コチュジャン:小さじ1
ごま油:大さじ1
砂糖:少々
白すりごま:小さじ2
乾燥わかめ:4g(水で戻して40g)
トマト:1/2個
スナップエンドウ:3さや(ブロッコリーでもよい)
1人分:エネルギー量227kcal たんぱく質21.4g 鉄分2.0mg 食塩相当量0.8g 野菜の分量135g
【下準備】
・まぐろは厚さ2~3mmに、トマトはくし切りにします。
・玉ねぎはスライサーでスライスし、水にさらしておきましょう。
・乾燥わかめは水で戻しておきます。
・スナップエンドウはさっと塩ゆでし、半分に切ります。
【作り方】
① しょうゆ・酢・コチュジャン・ごま油・砂糖でたれを作ります。
② まぐろと水気を絞った玉ねぎをボールに入れて、たれで和えます。
③ 皿に②を盛りつけ、トマトのくし切りとわかめ、スナップエンドウを添えたら完成です。
【ポイント】
・まぐろは鉄分、良質のたんぱく質が豊富です。まぐろの代わりにかつおでも作れます。
・ご飯がすすむサラダです。
えびと卵とアボカドのごちそうサラダ
3品目は、「えびと卵とアボカドのごちそうサラダ」です。
えびとアボカドの相性は、バツグンです。デパ地下に売っているようなごちそうサラダを食べたくなり、作ってみました。ご飯よりもパンやバゲットに合う、ごちそうサラダです。このサラダも簡単にできるので、ぜひ作ってみてくださいね。
【材料2人分】
むきえび:130g
アボカド:1/2個
マヨネーズ:大さじ2
レモン汁:小さじ1
濃縮つゆ(めんつゆ):大さじ1
卵:2個
ミニトマト:4個(トマトでもよい。その場合は1/2個)
レタス(リーフレタスなど):2枚
ブロッコリー:1/3房(80g)
1人分:エネルギー量373kcal たんぱく質22.1g 食塩相当量1.3g 野菜の分量70g
【下準備】
・えびはそのまま、ブロッコリーは小房に分けてから、塩ゆでしておきます。
・アボカドは皮をむいて、1.5cmの角切りに、ミニトマトは縦にくし切りにします。
・レタスは冷水に浸してパリッとさせてから、ひと口大に切りましょう。
・卵はゆで卵にし、殻をむいて縦にくし切りにします。
【作り方】
① マヨネーズ・レモン汁・めんつゆをボールに入れてドレッシングを作ります。
② アボカドだけをドレッシングとあえます。
(アボカドを先にドレッシングにからませると、変色を防止できます)
③ ②に塩ゆでしたえびを加えてあえます。
④皿にレタスをしき、③とミニトマト・ブロッコリー・ゆで卵を添えたら完成です。
【ポイント】
・マヨネーズをカロリーハーフのタイプにすると、カロリーダウンできます。
・えびと卵は、良質のたんぱく質が豊富です。えびとアボカド以外にミックスビーンズを加えるのもおすすめです。
【ゆで卵の裏技の作り方】
① 卵をふたつきの鍋に並べて入れ、底1cmの水を入れてふたをします。
② 強火で5分ゆで、蓋をしたまま冷めるまで置いておきましょう。
ゆで卵はこの方法でゆでると、少ない水で卵をゆでられ、殻がツルンとむけますよ。
ごちそうサラダが楽しめる空間
最後に、ごちそうサラダが楽しめる住まい選びについて紹介します。
キッチンが広い物件
ごちそうサラダを作るためには、キッチンの広い物件が適しています。大容量の冷蔵庫が置けるキッチンが理想的です。冷蔵庫は大きいサイズのものだと材料の買い置きができるので、忙しい人にピッタリです。
缶詰や乾物などのサラダの材料をストックできる、収納スペースが広いキッチンもよいでしょう。材料をストックしておけると、お腹がすいたときにすぐに作れます。
また、広い作業台があると、ごちそうサラダの材料をすべて並べたまま調理できます。その都度冷蔵庫から出していると手間取ってしまうため、作業をスムーズに進められますよ。
コンロの数が多い物件
コンロの数が多い物件も、ごちそうサラダ作りに向いています。コンロの数が多いほうが、ゆでたり炒めたりする作業を一度に進められるので、効率的です。
ごちそうサラダで元気に過ごそう
今回は体が喜ぶ「ごちそうサラダ」のレシピを3種類ご紹介しました。
「食」と書いて「人を良くする」とも読めます。食べることは体の栄養をとるだけでなく、心の栄養でもあります。
私は管理栄養士です。しかし栄養のアドバイスを行っているときよりも、私が作ったものをおいしそうに食べる姿を見るほうが好きです。いつまでも食を通して、たくさんの笑顔を見ていきたいと思っています。
みなさんがこの記事をきっかけに、ごちそうサラダを日々の食事に取り入れて、心と体が元気に過ごせる助けとなることを願っています。