「宅飲み」という言葉は、いつから使われるようになったのでしょうか。そして、どんなシーンを指しているのでしょう。
気になって調べてみると、「友人知人らと集まって家でお酒を飲む行為」を表し、若者言葉の範疇にある言い回しでした。
とうの昔に若者を卒業した身分ではありますが、私は根っからの宅飲み好きです。ただし、仲間とワイワイやるタイプではなく、自宅一人でしっぽり飲むスタイルが日常に染みついて、早十数年が経過しています。
今回は宅飲み愛好家の私が、宅飲みのメリットや宅飲みをグレードアップさせる簡単なつまみレシピをご紹介します。
宅飲みを週5で楽しむ暮らし
一人宅飲みは気楽でおすすめ
わざわざ一人でお酒を飲むくらいなので、当然お酒好きな私。しかし「酒豪」と呼ぶには程遠く、少量でしっかりいい気分になってしまえるコスパのいいタイプの酒飲みです。さらに、根っからの朝型人間なので深夜までの深酒は苦手です。
そんな私が心からくつろげるお酒の席は、一人宅飲み。帰宅していそいそと部屋着に着替え、メイクを落としたら好きなお酒とそれに合うつまみをちょこちょこ並べます。この時間は何にも変えがたい、極上のリラックスタイムです。
友人知人らとワイワイ持ち寄る宅飲みもいいけれど、相手のペースや盛り上がりが気になってしまいます。ホスト側ならおもてなしの準備や片付け、ゲスト側なら帰り道の気だるさなどなどが億劫になることもあります。心の根っこまでゆるめられる気楽さを求めるなら、一人でする宅飲みに勝るものはありません。
宅飲みにハマったきっかけ
今ではすっかり宅飲みの魅力を知ってしまった私ですが、もともとは付き合いでしかお酒を飲まず、自宅で飲むことはしていませんでした。ところが、ある日を境に突然、一人宅飲みにハマったのです。
きっかけは、夏の日の昼ビールでした。
真夏の週末、早起きして掃除洗濯を済ませて買い物に出向き、近所の屋台のたこ焼きとお供に買った缶ビール。熱々のたこ焼きをよく冷えたビールでゴキュッと流し込む快感に、缶ビールのCMが酒飲みの心を掴む理由がわかった気がしました。「あの出会いで人生が変わった」とかなんとかよく聞きますが、私の人生を変えたのは、あの日のたこ焼きとビールだったのです。
それから私は宅飲みの楽しさに目覚めました。以前は興味のなかったビールが好きになり、日本酒や自作のつまみを肴にゆっくり晩酌を楽しむスタイルを徐々に構築。今では週5で宅飲みする生活に落ち着きました。
ちなみに、週1は外食、残りの1日は休肝日にしています。
私流、宅飲みの流れ
ここからは仕事終わりの宅飲みの流れをご紹介します。
宅飲みは帰宅する前からすでに始まっています。帰路につく電車の中で、今夜のお酒とつまみの献立や調理手順について熟考し、宅飲みシミュレーションをしておくのです。
私はここ数年ずっと夕食が晩酌になっていて、メニュー構成は汁もの、漬物、小鉢、メインでほぼ固定しています。このテンプレートに本日のつまみを当てはめていくイメージで、本日の宅飲みメニューを頭の中で完成させます。
普段の宅飲み準備にはあまり時間をかけないのもマイルールです。調理から配膳、軽い後片付けを含めて15〜30分程度に収まるようにしています。
つまみを4〜5品用意する日でも、まともに調理するのは汁ものとメインの2品程度。あとは用意していた漬物を切ったり、ゆでた野菜を和えたりするだけの「調理未満の手数」で、つまみになるものを加えています。
もちろん、使う調味料も必要最小限にしています。なぜなら、いくつもの調味料を混ぜ合わせる複雑な料理は味が決まりにくく、失敗のリスクがあるからです。
このように手間をかけないシンプルなおつまみを美味しくいただくポイントは、盛り付けにあります。切っただけ、ゆでただけの料理でも、お気に入りの器に盛り付けて配膳すれば、手の込んだ料理に見えてきます。
一人分の食事はついつい出来合いの惣菜をパックのまま温めて食べる、というスタイルになりがちです。でも、器によそって見た目を変えるだけで宅飲み気分が上がり、決して無駄になりません。もちろん、洗い物は発生してしまうけれど、一人分の食器の量はそこまで多くないですから、負担はそこまで大きくありません。
準備が整ったら、お気に入りの酒器に1合程度のお酒を注ぎ、あとはちびちびとやるのみです。私の場合、食事に添えるお酒は1合程度を目安にしています。これは最近新たに自分に課したルールで、酔っ払ってしまうことなく、後片付けがイヤにならない程度の量で晩酌することにしました。
その後、片付けなどを済ませ、時間と気持ちに余裕がある日はチーズやナッツをお供にワインを楽しむ。これが、最近の宅飲みスタイルです。
自作のつまみで彩る宅飲み
宅飲みのいいところは、自分の好きなお酒とつまみを好きなバランスで、好きなだけ並べられるところです。
外での一人飲みでは1品の分量が多すぎたり、「あと一口だけビールが飲みたい」といったワガママが叶わなかったりするもの。しかし宅飲みならすべてが自分の思いのまま、食卓は小さな宇宙、自分自身が創造主なのです。ああ、なんという贅沢でしょうか。
さらに近頃はテイクアウトやデリバリーが充実してきて「プロの料理で気軽に宅飲み」も、簡単に実現できます。先日は、ケバブをデリバリーして昼ビールを楽しみました。
でも、一番落ち着くのは、やっぱり自分で作ったシンプルなつまみです。豪華さゼロの素朴で地味なつまみこそが、心やすらぐ宅飲みの真骨頂です。自分好みのつまみを、自らの手でささっと準備できるようになると、人生そのものがほんの少し豊かになる気がします。
お手軽でも幸福度高めな、つまみレシピ3選
「料理が苦手」、「面倒くさいからテイクアウト専門」という人でも、気軽にチャレンジできるつまみはたくさんあります。そんな簡単つまみのレシピを紹介しますので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
フライパンに油とつぶしたにんにく、唐辛子を入れて火にかけ、香りがたったら小松菜の茎部分を入れて炒めます。時間差で柔らかい葉部分を投入してナンプラーで味付けし、ざっと全体を炒め合わせたら完成です。
写真は小松菜を使ったものですが、ほうれんそうや青梗菜、空芯菜などほかの青菜でも同様に調理できます。ナンプラーとにんにく・唐辛子の組み合わせは、間違いなくビールが進む味です。
片付けが楽なさんまのしょうが蒸し
頭と腹わたを取り除いたさんまは筒切りにしておきましょう。塩を振ってフライパンに並べ、しょうがの薄切りをのせたらお酒をまわしかけます。蓋をして火にかけ、身がふっくらするまで蒸しあげたら器に盛り、たっぷりの大根おろしとすだちを添えて、完成です。お好みでしょうゆをたらすのもおすすめですよ。
さんまの定番料理といえば塩焼きです。しかし、塩焼きより作るのも後片付けも簡単で、匂いが気にならない酒蒸しは、日本酒のあてにうれしいお手軽つまみです。フライパンひとつで作る酒蒸しは、材料の組み合わせ次第でバリエーションが無限に広がる便利な調理法ですよ。
手羽先のローズマリー焼き
フライパンに鶏手羽先・にんじん・じゃがいも・玉ねぎを並べ、スライスしたにんにく・ローズマリー・粗塩・胡椒をまぶします。そこへオリーブオイルと白ワインをまわしかけて蓋をし、火にかけたらじっくり蒸し焼きにして材料に火が通れば完成です。器に盛り付け、ベビーリーフとレモンを添えましょう。
メインはフライパンひとつで作り、サラダと一緒に大皿に盛り付けるだけのお手軽ワンプレートは、ランチにもおすすめです。肉料理ではありますが、野菜もたっぷり食べられる1品です。
自宅ならではのおすすめカクテル
ワインに合うつまみを準備したけれど、一口目は泡を飲みたい。スパークリングを一人で1本空けるのは多すぎるし、ビールって気分でもないときにおすすめのカクテルが、スプリッツアーです。
お手軽カクテル、スプリッツアー
ワインを同量の炭酸水で割るだけの簡単カクテルです。通常白ワインで割りますが、赤ワインを使えばスプリッツアー・ルージュになります。レモンスライスを加えるとさらに爽やかになりますよ。
宅飲みに便利な住まい
一人暮らしのコンロ問題
思い返してみれば、一人宅飲みに目覚めた頃に住んでいたマンションのキッチンには、コンロが1口しかありませんでした。
1口コンロと電子レンジを駆使しているうちに、シンプルで美味しい、お酒が進むつまみをさっと作れるスキルが身についた気がします。だからこそ、1口コンロでも、狭いキッチンでも、食生活を豊かにすることは可能であると断言します。
しかし、2口コンロが便利なのは紛れもない事実です。もっと欲をいえば魚焼きグリルも欲しいところ。汁ものとメインを同時に作りたいとか、ごはんを鍋で炊きたいという希望を叶えるなら、魚焼きグリルのついた2口コンロがあると便利です。はじめから付属していなくても、その大きさのコンロが入るキッチンのある住まいを選びましょう。
いつでもゴミ捨て可能な住まい
住まい選びにあたって、私がコンロの口数以上にこだわるのが、ゴミ捨て環境です。マンション専用のゴミ捨て場があり、いつでもゴミ捨てが可能な住まいが理想です。
自作のつまみを作るキッチンからは、毎日のように生ゴミが発生していますが、ゴミを家に溜めておくことにストレスを感じます。加えて私は極度の虫嫌いなもので、リスク回避のためにも生ゴミは常に部屋から出しておきたいのです。
ゴミ収集日に出し忘れてしまったときの絶望感は想像するだけでもつらいので、物件探しではゴミ捨て環境を必ずチェックしています。
ミニ冷蔵庫付きの住まい
単身者マンションには備え付けのミニ冷蔵庫が準備されている物件が増えているようです。初めての一人暮らしで自分に合う冷蔵庫サイズがまだわからない場合や、荷物を増やしたくない場合に便利です。
幸せな宅飲みを楽しもう
一人宅飲みを楽しむポイントをいくつかお伝えしてきましたが、最後に大切なことをひとつ。お酒は楽しく飲みましょう。
「飲まないとやってられない」とか、ヤケ酒なんて言葉もあるように、お酒はなぜかネガティブな現実逃避の道具として使われがちです。しかし、それは日々私たちに癒やしを与えてくれているお酒に対して失礼というもの。
お酒を愛しているのであれば、健康な肉体と精神状態で真剣に対峙し、一人宅飲みであってもその姿勢は崩さずにいたいです。だらだら飲みは控え、節度をもって付き合っていきましょう。
健康的で愉快な宅飲みスタイルを支えてくれるのが、お酒との向き合い方であり、自作つまみであり、心地よい住空間だと思います。皆さんも、宅飲み時間を楽しくて幸せな時間にしてくださいね。