青々と草木が生い茂る夏。この一見ただの雑草に見える草の中に、食べられる草があることを知っていますか?
夏の野草は、味や香りが特徴的で、取り入れることで食卓が彩り豊かになります。また、夏の体に必要な栄養素も含まれています。
私は、田舎育ちで今は東京で料理人をしていますが、田舎で食べた野草や山菜の味が忘れられません。帰省した際には、野草や山菜を探しに行ったり、知人から取り寄せたりして、お店でお出ししています。
この記事では、食べられる夏の野草の種類と、野草を採りに行くときの注意点、おいしい食べ方レシピなどをご紹介します。散歩やハイキングをしながら食べられる野草を摘んで、調理してみませんか?
夏の食べられる野草の種類と注意点
雑草の中にまぎれて生えている食べられる野草は、結構あります。ここからは、夏の食べられる野草の種類と野草を採りに行くときの注意点、食べられない毒草についてご紹介します。
夏の食べられる野草とは?
夏は適度な雨と照りつける太陽により、自然の草木がぐんぐん成長する季節です。建物の壁に植物を這わせて緑のカーテンを作ったり、日陰として利用したりすることもありますが、たいていの野草は雑草として扱われます。雑草は厄介者として扱われているため、除草剤や草刈りが必須と認識している人も多いでしょう。
しかしよく見てみると、実はそこら辺に生えている野草の中には食べられるものも混じっています。食べられる野草とされているのは、毒性のないものです。(毒があるものは中毒症状を引き起こし、最悪の場合、死に至ることもあるので注意しましょう。)
シソ・オオバコなど、どこにでもよく生えていて、食べると香りや味が面白いものやドクダミのように古くから薬草として用いられたものなど、種類はさまざま。夏の野草はビタミンCやカロテンなどのビタミン類やミネラルなど栄養が豊富です。
田んぼや畑の横の草むら、沢や渓流、川沿いなどを注意して歩くと、そこはもしかしたら宝の山かもしれません。
野草と山菜の違いとは?
自然の中に自生している植物の中から採取して食べる植物といえば、山菜をイメージする方もいらっしゃるでしょう。食べられる野草と山菜の違いについて調べてみました。
山菜…自然の中に自生する野生植物のうち、食用にできるもの。
野草…山野に自生している植物すべてのこと。食用、薬草、毒草を含む。
このように、食べられる野草には山菜も含まれていました。
夏の食べられる野草の種類
夏の食べられる野草(山菜)の種類をいくつかご紹介します。
ドクダミ
日影などの湿地に群生。ハート形の葉を持ち、白い花をつける。古くから薬草としても利用されている。葉を干したドクダミ茶や天ぷら、ハーブとして食用可能。
ツユクサ
道端の植え込みなどに群生。小さな青い花をつけ、新芽はクセがない。おひたしなどにおすすめ。
コヒルガオ
道端に地面を這うように生えている。朝顔のようなピンク色の花をつけるが、朝顔と違って昼に咲く。花をサラダなどの食用にする。
アオミズ
シソのようなギザギザの葉を持ち、湿った草地に生える。草丈は低い。アクが少なく、そのままでもハーブのようにサラダなどで食べられる。
ウワバミソウ
別名ミズと呼ばれる山菜。ギザギザの葉を持ち、茎の根元は赤い。草丈は30〜50センチくらい。きれいな沢の近くや湿地帯に生える。食べると粘り気のある独特の食感があり、おひたしやたたきに。
ヤナギタデ
タデ食う虫も好き好きということわざの元になった野草。細長い葉を持ち、食べるとピリッと辛い。合わせ酢と混ぜてタデ酢として鮎の塩焼きに添えて食べる。
スベリヒユ
道端や畑に生える。小さい丸い葉と黄色い花をつけ、茎は赤い。茎ごと採取し、茹でておひたしやスープなどの具にする。
ツルナ
砂地に這うように蔓を伸ばして生える。ざらついた厚手の葉と黄色い小さな花をつける。クセがないのでおひたしなどに。
オオバコ
道路脇やアスファルトの隙間などに生える。穂のような細長い白い花と大きな葉をつける。おひたしや葉を天ぷらに。
シソ
日当たり、水はけのいい道端に生える。葉を薬味や天ぷらに、穂につく実は刺身の飾りにしたり、醤油漬けにしたりすることが多い。
※参考文献
『食べる薬草・山野草早わかり』主婦の友社編(主婦の友社)
『道草を喰う』岡本信人著(ぶんか社)
『野草と暮らす365日』山下智道(山と渓谷社)
『ひと目でわかる! おいしい山菜・野草の見分け方・食べ方』金田初代/金田洋一郎(PHP研究社)
野草を採取するときの注意点
野草の採取をするときには、採取場所や毒草などの食べられない野草との区別が必須。農林水産省のホームページでも、食べられない野草を間違って採取しないよう、注意喚起されています。
必ず野草図鑑やアプリ、野草の本などを参考にして、採取するときは見間違えないよう、慎重に判断しましょう。
食べられない毒草
ここでは、食べられない毒草の一例を挙げます。見間違いやすい毒草があることを知っておきましょう。
●トリカブト…ヨモギやもみじがさなどの山菜と間違いやすい。紫すみれのようなの花をつける。さわっただけでも危険なくらい毒性が強い。
●スイセン…ニラと間違いやすい。花の咲き方が違う。(ニラは葱坊主のような白い小花が玉状に咲く)
●イヌサフラン…行者にんにくと間違いやすい。(行者にんにくは根本が赤い。)食べると死に至る。
●福寿草…ふきのとうと間違いやすい。福寿草は黄色い花をつける。
野草の採取場所やマナーに注意!
野草を採取する場所も気をつけなければいけません。道端に食べられる野草が生えていたり、田んぼや畑の脇に生えているのを見つけたりしたときは、必ず採取していい場所かどうか考えてみてください。 個人の敷地内の庭先からいただくことはタブーです。なぜなら食べるために栽培している場合が考えられるからです。個人の敷地の周りや、田んぼや畑の脇などは除草剤がかけてある場合もあります。
道端や山、原野など自然の中で採取するときも、周りを気遣って少しだけいただき、欲張ってたくさん採ってしまわないようにしましょう。
夏の野草のおいしいレシピ
ここからは、張り切って摘んできた野草をおいしく食べるレシピをいくつかご紹介します。
オオバコのおいしいレシピ
春先から初夏までくらいのオオバコの若葉を食用にします。オオバコは少しほろ苦いので、ごま和えにすると気にならず、風味が引き立ちます。
【オオバコとささみのごま和え】
<材料>(2人前)
・オオバコの葉 100g
・ささみ 2本
・塩 ひとつまみ
・酒 大さじ1
☆ごま和えごろも
・黒ごま 大さじ2
・白ごま 適量
・醤油 小さじ2
・砂糖 小さじ2
<作り方>
(1)ささみは筋を取り、皿にのせて塩と酒をふり、ラップをする。電子レンジ500wで3分加熱し、そのまま冷ましておき、冷めたら適当に裂いておく。
(2)オオバコ若葉は根を切り落としてよく洗い、沸騰したお湯で20秒くらい茹でて、水にさらしておく。
(3)すり鉢に黒ごまを入れて半ずりにし、醤油と砂糖を混ぜる。
(4)(2)をざるにあげ、葉の水気をよく絞る。(1)とともに(3)に入れてよく和える。
(5)最後に白ごまを振りかけて完成。
ミズ(ウワバミソウ)のおいしいレシピ
ミズは歯がゴワゴワして食べづらいうえに、茎には薄皮があり、皮むきをしないと口に残ります。ミズはおひたしにすると、シャキシャキした食感があります。根元の赤いところは叩くとねばるネバネバした食感があり、不思議な食感でおいしいです。
【ミズのおひたし】
<材料>(2人前)
・ミズ 10本くらい
・鰹節 少々
☆おひたしの出汁
・水または鰹だし 90cc
・めんつゆ(3倍希釈)大さじ2
<作り方>
(1)葉をちぎるときに一緒に薄皮をつけたまま、茎の下に向かって薄皮をはぐようにして剥く。残った薄皮は、ポキポキ折りながら剥いていく。葉と薄皮は食べられないので捨てる。
(2)食べやすい長さに切り、沸騰したお湯でさっと茹で、水にさらす。
(3)(2)をざるにあげ、水気を切る。☆おひたし出汁をあわせ、ミズを浸ける。器にもり、削り節をかけたら完成。
青じそのおいしいレシピ
青じそは天ぷらや薬味などでおなじみの食材ですが、たくさん取れるので、消費できずに困ってしまうこともあります。そんなときは、青じそをペーストにすると保存もきき、大量消費もできます。シソペーストはパスタにしたり、和風ドレッシングに混ぜたり、肉料理や魚料理のソースにと大変重宝するので、ぜひ作ってみてください。
【青じそのジェノベーゼ風ペースト】
<材料>(約2人前)
・青じそ 25枚
・くるみか松の実、カシューナッツ 15g
・にんにく 1/2かけ
・オリーブオイル 50cc
・塩 小さじ1/2
・粉チーズ 大さじ1(お好みで)
<作り方>
(1)ナッツ、にんにくをフードプロセッサかミキサーにかけて細かくする。
(2)(1)に洗って水気をふいた青じそを1/3程度入れ、オリーブオイルも1/3程度入る。スイッチを押して、ペースト状にする。
(3)残りの青じそとオリーブオイルを2回に分けて入れ、その都度よくミキシングする。
(4)ボウルに移し、塩、粉チーズを入れて混ぜたらでき上がり。
季節の野草を堪能する暮らし
季節の野草を摘みにのんびり散歩に出掛けるのはいい気分転換やストレス解消になります。帰ってその野草を調理して食べるのも楽しいですし、季節の緑黄色野菜を食べるのと同じように体にもいいです。
野草に咲くかわいい花を飾れば、暮らしも心が豊かになりますよね。季節の野草を堪能できるような暮らができるおすすめの住まいもご紹介します。
専用庭付きの住まいで野草を育てる
季節の野草を摘みに町や自然の中に行くのは楽しいことではありますが、他人の敷地だったり、農薬や除草剤、排気ガスなどの汚れが気になったりすることも。自分の庭で栽培すれば、気兼ねなく季節の植物を楽しめますし、育て収穫する喜びもあります。
自給自足の暮らしをしてみる
野草を楽しみたいと考えているなら、思い切って自給自足を目指してみてはいかがでしょうか。自給自足は節約にもなるし、自宅の庭や畑で育てた植物なのでよりおいしく感じられるでしょう。通常は見つけることが難しい種類の野草であっても、自分で育てれば簡単に手に入れることもできますよ。
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料理しやすいキッチン
野草を摘んできたら、まずは食べられない部分を取り除き、泥や汚れを洗い流す必要があります。狭いキッチンだとワサワサした葉を広げるのがおっくうになりやすいですが、広いキッチンがあれば作業に不便を感じないでしょう。
コンロ三口以上の設備があり、システムキッチンやカウンターキッチンといった条件もそろえば、さまざまな料理を楽しめます。
シンクや調理台が広く、冷蔵庫やガステーブル、収納の動線が工夫されたキッチンであれば、さらに張り切って料理に取り組めますね。広いキッチンで新鮮な野草を取り入れた料理をするという趣味がある暮らし、なかなかおしゃれですよね。
夏の野草をおいしく食べよう
今回は、食べられる夏の野草を堪能する暮らしの魅力、伝わったでしょうか?
食べられる夏の野草について、野草の種類やおいしい食べ方レシピ、採取するときの注意事項についてお話ししてきました。食べられる夏の野草は意外と身近なところに生えており、調理して食べると独特の風味がおいしいですし、栄養価も高くて体にいいです。しかし、野草を取るときは、見間違えやすい毒草や採取する場所には注意しましょう。
自宅に庭があれば気に入った野草を植え替えて育ててみることもできますし、外で採取するときの心配も要りませんよね。広いキッチンで料理を楽しんだり、摘んできた野草や花を生けたり、専用の庭で植物を育てる豊かな暮らしは憧れますね。
ぜひ、この記事を参考に、季節の野草を堪能する暮らしで心も体も健やかにお過ごしくださいね。