鎌倉市の住みやすさはどう？ 移住して6年目の鎌倉の日常を語ります

海や山、歴史、文化、地域の人たちとのつながりなど、さまざまな魅力を持つ鎌倉市。コロナ禍による暮らしの変化の中で、都心部へのアクセスのよさが注目され、都内からの移住者が以前よりも増えてきました。

この記事では、鎌倉市へ来たばかりの人やこれから移住を考えている人へ向けて、鎌倉市の住みやすさをご紹介します。鎌倉の中学・高校に通い、横浜や都内での暮らしを経て2016年より鎌倉に住んでいる経験をもとにお伝えします。鎌倉の住みやすさが気になっている方はぜひ読んでみてくださいね。

鎌倉市の基本情報

鎌倉市の概要

神奈川県の三浦半島地域に含まれる鎌倉市。「鎌倉地域」「大船地域」「玉縄地域」「深沢地域」「腰越地域」の5つに分かれており、逗子市・横浜市・藤沢市が隣接しています。

令和6年12月のデータによると、人口は約169,968人です。

鎌倉市の観光スポット

12世紀末に源頼朝が鎌倉幕府を開き、約250年間、政治や文化の中心として栄えた鎌倉は、史跡や文化財などの歴史的遺産が多い古都です。鎌倉のシンボル的存在である鶴岡八幡宮をはじめ、国宝に指定されている高徳院の大仏や建長寺・円覚寺などの禅寺、造立1300年を迎えた十一面観世菩薩像がある長谷寺など、枚挙にいとまがありません。

鎌倉市は三方を山に囲まれ、南側は海に面し、自然豊かな環境もまた大きな魅力！ 市内各所には数々のハイキングコースがあります。国道134号沿いには、夏に海水浴客で賑わう由比ヶ浜海岸や材木座海岸、サーファーに人気の稲村ヶ崎、七里ヶ浜などがあります。

鎌倉市の四季

観光地として人気の鎌倉は、1年を通してさまざまな楽しみ方ができます。春は鶴岡八幡宮の参道である段葛（だんかずら）沿いに咲く桜をはじめ、各地でお花見が楽しめます。4月に鶴岡八幡宮で開催される流鏑馬（やぶさめ）も、毎年大人気です。

梅雨には紫陽花、夏には由比ヶ浜海岸と材木座海岸の海上から打ち上げられる鎌倉花火大会、鶴岡八幡宮のぼんぼり祭など。秋には鎌倉宮で行われる薪能や各地の紅葉、冬は大晦日からお正月にかけて初詣客が多く訪れます。

一年を通してイベントや見どころが尽きないので、何年住んでも飽きることはないでしょう。

四季折々の風景が見どころとあって、映画や漫画、ドラマなどの舞台やロケ地になることも少なくありません。街中で撮影現場を目撃することもしばしばありますよ。

鎌倉は食の宝庫

鎌倉市農協連即売所（通称レンバイ）では、カラフルで珍しい種類も多い鎌倉野菜が毎日並び、農家さんから直接買えます。地元民や観光客はもちろん、遠方の飲食店の方々も買い出しに訪れるほど、鎌倉野菜のおいしさは全国に広まっています。

野菜だけではなく、古くから漁業が盛んで、鎌倉産のシラスやわかめが採れるのも特徴です。生シラス丼は絶品なので、鎌倉へ来た際はぜひ食べてみてください。

鎌倉の代表的なお土産といえば鎌倉ハムや豊島屋の鳩サブレー、鎌倉紅谷のクルミッ子など。鎌倉の伝統工芸としては、鎌倉時代に禅宗寺院から生まれた鎌倉彫が挙げられます。

住みやすい鎌倉市、交通事情だけは要注意

鎌倉市に住むときに注意したいのが、道が狭いこと。大通りから一本中に入ると、車が行き交うのに渋滞ができることも。住宅街にうっかり入って行くと、出られなくなるほどの小道もあるので注意が必要です。

住むエリアによっては軽自動車を持っていないと生活しづらい可能性があるので、引越す際は周辺の道路事情のチェックもお忘れなく。私は基本的に、自転車移動が多いです。小回りが利くので山側にも海沿いにもパッと出られ、アクティブな鎌倉ライフを満喫しています。

JR鎌倉駅や江ノ島電鉄の駅が最寄りだと、観光地の中に住んでいるようなものなので注意が必要です。平日はともかく、土日・祝日は街中だけでなく電車やバスもとても混雑します。観光客を避けるようにして動かないと、快適に過ごせないこともあるのが辛いところです。

海や公園、自然が豊富な鎌倉市

交通面では注意が必要ですが、自然環境をはじめとした魅力がたくさん詰まっているので、毎日をとても楽しく過ごしています。鎌倉市には子育て世帯が多く、海でのびのびと子どもを遊ばせている人も多いです。海をはじめとした自然豊かな場所で遊ばせられるのは、ほかの地域にはない魅力かもしれません。

また、公園も豊富にあります。鎌倉中央公園や源氏山公園、鎌倉広町緑地などの広くて大きい公園があり、もう少し規模の小さい公園も住宅街に点在しています。子どもを外へ遊びに連れ出す機会が多い子育て世帯は、とても暮らしやすいでしょう。

子連れで気軽に散策が楽しめるハイキングコースもあるので、自然に触れられる環境で子育てをしたい人にはうってつけです。

マリンスポーツや山のアクティビティも魅力な鎌倉市

鎌倉市はマリンスポーツが盛んで、サーフィンやSUP（スタンドアップパドル）、ウィンドサーフィンなどさまざまな遊びができます。そのため、海を求めて移住してくる人も多いです。私自身、鎌倉に引越してきてからサーフィンを始め、これからスノーケリングを本格的に学びます！

私が鎌倉で好きなのは、とにかく手軽に、パッと海や山に行って自然に触れられること。仕事で疲れたとき、息抜きをしたいときに砂浜を素足で歩いたり、山の中にあるお寺で鳥の声に耳を澄ませたりしていると、フーッと余計な力が抜けてリフレッシュできます。

引越してきて大好きなカフェ巡りをしているうちにスタッフや常連どうしで仲良くなり、そこからさらにつながりができていきました。歩いていれば知り合いにばったり会える、困ったときに助け合える人がいる安心感は、これまで住んでいた別のエリアでは得られなかった魅力です。

鎌倉市はどんな街がある？ 住みやすいエリアの特徴と魅力

鎌倉市の7つのエリアを住みやすさの観点でそれぞれ紹介していきましょう。

鎌倉駅大町エリア（鎌倉地域）：駅近からハイキングコースが充実した山側まで広がる住宅街

江ノ島電鉄鎌倉駅が最寄りで、駅の東側に広がる大町。駅から歩いて約5〜10分の場所から、衣張山ハイキングコースがある山側まで広がり、海が近い材木座や逗子市小坪にも隣接する広域な町です。

山側は江ノ島電鉄鎌倉駅から徒歩30分近くかかり、逗子駅に向かうバスが大通り沿いを走るものの、住宅街の奥までは入らないため、少し不便かもしれません。このエリアに住むなら自転車が必須です。

祇園山ハイキングコースへと続く八雲神社、四季折々の自然が美しい妙本寺、苔の階段で有名な妙法寺など、寺社仏閣が多く鎌倉らしい落ち着いたエリアでもあります。山の近くで静かに暮らしたい方におすすめです。

鎌倉駅浄明寺エリア（鎌倉地域）：駅から少し遠い分ゆったりした時間が流れる閑静な場所

先ほどの大町の北側に位置する浄明寺。鶴岡八幡宮から金沢街道という大きな通りを横浜市方面に向かう途中の住宅街で、その先には鎌倉霊園、高速道路の入り口「朝比奈IC」があります。

江ノ島電鉄鎌倉駅から歩いて30分前後かかるため、移動はバスと自転車が便利です。浄明寺にはスーパーやコンビニはなく、買い物は鎌倉駅で済ませる必要があります。静かで落ち着いたエリアで、ゆったりした時間が流れているのが魅力。子育て世帯も多いです。

境内に茶室やレストラン＆カフェがある浄妙寺、竹林が人気の報国寺、大町にある衣張山ハイキングコースへとつながる巡礼古道があります。一本入った路地にひっそり佇む素敵な飲食店もちらほら。市立学校の通学区域は第二小学校、第二中学校です。

長谷駅エリア（鎌倉地域）：海が近く、飲食店でにぎわい、大仏に見守られた鎌倉らしい街

江ノ島電鉄長谷駅は、線路の南側が海に近く、北側には山が広がります。江ノ電に乗れば鎌倉駅までたった4分、歩いても約25分。長谷にはコンビニや八百屋が数軒あるものの、大きなスーパーはないため、買い物は鎌倉駅で済ませる方が多いです。

紫陽花で有名な長谷寺や高徳院の大仏が近いです。長谷駅から鎌倉駅方面に少し歩くと、鎌倉最古の神社とされる甘縄神明宮やバラ園が美しい鎌倉文学館もあります。

長谷駅から大仏に向かう通りや由比ヶ浜通り沿い、裏通りには古民家カフェから老舗和菓子店、パン屋さん、レストランなどさまざまな飲食店があり、グルメには楽しいエリア！

稲村ヶ崎駅エリア（鎌倉地域）：海岸から富士山と江ノ島、夕焼けが見られるとっておきのスポットあり

江ノ島電鉄稲村ヶ崎駅は、江ノ島電鉄鎌倉駅から電車に乗って約10分の距離にあります。天然温泉もある稲村ヶ崎エリアは、海が近い華やかさもありながら、静かな住宅街が広がります。友人いわく、朝は鳥のさえずりで目が覚めることがあるそうです。

西鎌倉駅エリア（腰越地域）：湘南モノレール沿いの落ち着いた高級住宅地

湘南モノレール西鎌倉駅は、その名の通り、鎌倉市の西部に位置します。すぐ隣は藤沢市です。

近くには桜が美しい鎌倉山や生き物の観察ができて子どもたちに人気の鎌倉広町緑地があり、お散歩やトレッキングができます。

北鎌倉駅エリア（大船地域）／今泉台：滝や湖があり、静かな山暮らしができる

JR北鎌倉駅から円覚寺、明月院などを通り、急な坂を登った先にある閑静な住宅街が今泉台です。駅から徒歩で20分前後、周辺にスーパーやコンビニはありません。ただ、商店が充実しているJR大船駅へのバスが多く出ているため、買い物に不自由はしないでしょう。

大船駅エリア（大船地域）：ショッピングや飲み歩きにも都心に出るにも便利

JR東海道線や横須賀線、湘南新宿ライン、京浜東北線が走り、都心部に出るのに便利なJR大船駅。江ノ島が終点の湘南モノレールもあり、北鎌倉駅・鎌倉駅方面、横浜市側に出るバスが数多く走っています。

JR大船駅からも見える観音像で有名な大船観音寺、大船フラワーセンター、鎌倉芸術館などの文化施設があります。
JR大船駅周辺は、駅ビルの大船ルミネウィング、横浜市側にグランシップなどの商業施設、昔から賑わう商店街が充実。買い物に困ることのないエリアですし、居酒屋も多いのでお酒が好きな人もきっと楽しめるはず！

鎌倉市にはどんな住まいがある？

観光スポットや四季折々の風景が楽しめる鎌倉市。家賃相場はどのくらいなのでしょうか。

鎌倉市の家賃相場

移住するならインターネット環境は大切

自然とともにある暮らしと、素敵な出会いも生まれる鎌倉