私は2人の娘を育てるワーキングママです。食材にこだわり、なるべく添加物を取らないエコな暮らしを始めて12年になります。今回は、わが家のエコな暮らしに欠かせない「鉄フライパン」について紹介します。
「鉄フライパンは難しそうで使えない」「気になるけど手入れが大変そう…」
鉄フライパンはそういったイメージが強いかもしれませんが、お手入れのポイントを押さえれば、とても簡単かつ便利に使うことができるのです。
鉄フライパンがある暮らし
調理器具も長く使えるものを
学生時代の講義をきっかけに環境問題に興味を持った私は、「どうしたら大量のごみを減らせるのか」と考え、環境に関するボランティア活動を始めました。
活動に関わるうちに次第に物を大切にしたいという思いが強くなり、「将来はエコな暮らしを送りたい」と思うように。実家暮らしだった当時は自分の調理器具は持っていませんでしたが、将来のことを考えるタイミングで「ずっと長く使える鉄フライパンを使ってみたい」と鉄フライパンへの憧れを持つようになったのです。
初めて鉄フライパンを買った喜び
新婚生活を控え、念願の鉄フライパンを選ぶ時間は私にとって特別なものでした。何店もお店をまわり実際に手にとって吟味。「家族で美味しいご飯が食べたい」という思いがあったので、それを実現してくれる鉄フライパンを選べたときは本当にうれしかったです。
それから鉄フライパン集めが始まり、友人からの結婚祝いにも鉄の卵焼き器をリクエスト。今年の私の誕生日には、出産祝いも兼ねてずっと欲しかった新しい鉄フライパンを夫にプレゼントしてもらいました。どれも大切に使っています。
鉄フライパンは一生もの
鉄フライパンを選ぶときは、「一生使える」を基準に選んでいます。
鉄フライパンはコーティングがはがれる心配も、買い替える手間もありません。表面コーティングのフライパンと比べると価格は高めですが、買い替えることがないのでトータルで考えると家計にもやさしいのです。鉄フライパンがあれば、エコな暮らしに一歩近づくと私は思っています。
鉄フライパンは大小合わせて4つありますが、今でもすべて大切に使っています。
大切に手入れして毎日使うことでとても愛着が湧くようにもなります。「食べること」を大切にしたいわが家にとって、長く使える鉄のフライパンはなくてはならない存在です。
夫婦で鉄フライパンを大切に
わが家は夫婦共働きで、平日の家事はほぼ私の一人仕事です。夫は帰りが遅いので、なかなか分担できないのですが、週末は手料理を作ってくれます。
実は夫は、私よりも料理が上手。夫が得意なものは、スパイスカレーとパスタと野菜炒めです。鉄フライパンは熱伝導率が高いので、炒めものに最適。料理が趣味というくらいで、「お店に出せるくらい美味しい!」と夫は自慢しています。
ただし、洗い物は大ざっぱ。それでも鉄フライパンは調理後すぐに水洗いをすればいいだけなので、そんな夫にもぴったりなのです。鉄フライパンならではのお手入れである「油慣らし」も夫が担当しています。夫婦で鉄フライパンを大切にすることで、平日は一緒に食事ができなくても、「食べることを大切にしたい」という共通の思いをいつも共有することができています。
自分にぴったりの鉄フライパンを選ぶには?3つのポイント
鉄フライパンを選ぶポイントは3つあります。
(1) 鉄フライパンの大きさ
鉄フライパンは1人用のサイズから、ファミリー用の大きなサイズまで多種多様。ファミリーなら、26センチほどの大きさのものと、ちょっとした料理を作る用の18センチの小さなものがあると便利です。大は小を兼ねるとはいいますが、大きいフライパンだけだと一人分の目玉焼きを焼くときに効率が悪くなってしまいます。
(2) 鉄フライパンの価格
鉄フライパンは高いイメージがあるかもしれませんが、実際は手頃なものから高価なものまでさまざまです。油慣らしをしなくてもよい鉄フライパンは10,000円前後になりますが、油慣らしを自分でするタイプなら4,000円前後でも購入することができます。サビやコゲが心配な方は、ちょっと値段は張りますが、油慣らしをしなくてもよいものを選ぶといいでしょう。
(3) 鉄フライパンの重さ
鉄フライパンは、フッ素加工のフライパンと比べるとどうしても重くなってしまいます。素材が鉄だから仕方ないのですが、初めて鉄フライパンを購入する方は、実際手にとってみてどのくらいの重さなのかを確認することをおすすめします。毎日使うものなので、重いなと感じたら、段々と使わなくなってしまいますよね。そうなってしまうととてももったいないもの。なかには軽量化されているものもあるので、いくつか比較してみるといいですね。
鉄フライパンに必要なお手入れ
鉄フライパンは重たいし使い勝手が悪そうで、なかなか使い始める踏ん切りがつかないかもしれません。でも、実際はきちんと手入れをすることで、とても便利に使うことができます。
鉄フライパンの手入れのポイントは「油慣らし」です。「油慣らし」とは、鉄フライパンに油をなじませること。コーティングされているフライパンには油慣らしは不要ですが、鉄フライパンは表面加工がされていないものもあるので、油をなじませて表面に油の膜をつくる必要があります。
油慣らしをしていないとサビやコゲの原因となってしまいます。コーティングがされている鉄フライパンでも、うっすらと油を引いて保管することでフライパンを長く使うことができますよ。
フッ素コーティングされているフライパンは、焦げ付きにくく汚れ落としが簡単なイメージがありますが、コーティングが剥がれてしまうと買い替えが必要になりますよね。しかし、鉄フライパンの場合は壊れることがなければそのような買い替えは必要ありません。万が一焦げ付いた場合でも、油がちゃんと馴染んでいればすっきりとコゲを落とすことができます。
「油慣らし」をしておけば掃除も簡単
鉄フライパンは油慣らしをきちんとすれば、使用後は水で流してたわしでこするだけでOK。とっても簡単です。掃除の際の注意点として、洗剤・石けんの使用は原則NG(商品によっては洗剤・石けんを使用できるものもあります)。使ってしまうとせっかくできた油の膜が剥がれてしまいます。
調理後は熱が冷めないうちに水で洗い流し、火にかけて完全に水分を飛ばします。これがサビやコゲを防ぐ一番のポイント。
万が一コゲやサビが付いてしまった場合は、フライパンに水を張って、重曹を大さじ3杯程度入れて火にかけます。そうすると汚れが浮いてくるので、たわしで洗い流すだけ。その後は表面に油を塗り、油慣らしをして保管してください。
鉄フライパンを保管する際は、油が表面に馴染むまではうっすらと油を塗って、油の膜をつくることが大切です。保管時にサビてしまうこともあるので、表面の膜はつくるようにしましょう。
鉄フライパンを使うときのポイントをまとめます。
・自分に合ったサイズ・重さのものを選ぶ
・表面に油の膜をつくるために、油慣らしをする
・調理後はフライパンが温かいうちに水で洗い流す
・コゲやサビができても、きちんと汚れを落とす
これらの4つのポイントを押さえれば、鉄フライパンは簡単に扱えるようになりますよ。
鉄フライパンが中心のキッチン
鉄フライパンを吊り下げたいから「見せるキッチン」にフルリノベ
鉄フライパンへの憧れが強かった私は、鉄フライパンを吊り下げる「見せるキッチン」にも憧れていました。
子どもが生まれ新居を構えることになったときに、夫と考えたのは「キッチンを中心にした家」。子どもが大きくなってもキッチンでみんなが集まる家にしたい…そう思い、中古マンションを購入してフルリノベーションをすることにしました。
鉄フライパンは見せる収納を
鉄フライパンは、重たく、取っ手が取れるわけでもないので収納の場所に困りがち。そこでわが家が目指したのは、レストランのような壁掛け収納です。場所を取らないし、見た目がおしゃれになりますよね。
使用後はすぐ油を馴染ませて乾かすことができるのと、鉄フライパンは重ねて収納するよりも吊り下げて他のものとくっつかないように保管するほうがよいこともあり、一石二鳥です。
キッチンがメインの家づくりをしたので、料理を始めると自然と家族みんなが集まって会話が始まります。現在1歳になる子どもがいますが、常にアイランドキッチンの周りをくるくる歩いているので、料理をすることを身近に感じてくれていると思います。
鉄フライパンにはガスコンロがおすすめ
鉄フライパンを使う場合は、ガスコンロがおすすめです。IHでも使える鉄フライパンもありますが、ガス専用のものが多い傾向にあります。また、鉄フライパンを使うときは火力調整が大切。ガスの火を目で見ながら調節したほうがコゲも防ぎやすいと感じています。
3口コンロだと便利
鉄フライパンを使うなら、コンロは3つほしいところ。メニューによってはフライパンの大きさを選びますし、素材によっても火力を変える必要があります。
晩御飯の用意のときは、大小2つのフライパンを使うこともよくあるので、お味噌汁や他の料理のことを考えると、3口コンロがおすすめです。
一生モノの鉄フライパンとエコに暮らす
食べることを大切にしたいわが家にとって、鉄フライパンはなくてはならないもの。
こだわって作られたフライパンを、私が愛情を持って育てていく…とても時間がかかることですが、エコな暮らしをするために必要な時間です。むしろ毎日忙しく暮らす中で、ふと料理をしながら落ち着ける時間がとても心地いいです。
今回は鉄フライパンでエコに暮らすことを紹介しました。最初こそハードルが高いと感じがちですが、手入れする時間まで含めて、鉄フライパンを使った生活をゆっくり楽しんでくださいね。