寒くなってくると、つい手が伸びてしまう暖房のスイッチ。暖かさと引き換えに、冬場の電気代は上がってしまいやすいもの。
私は一人暮らしを始めたころ、冬場の電気代の請求額を初めて見たときは、予想以上の金額に驚いてしまいました。ただでさえ寒さで気が滅入りがちな冬。無駄な出費を極力抑えて、ストレスフリーに過ごしていきましょう。
この記事では、高くなりがちな冬の電気代を抑えるためのポイントや、そもそも冬の電気代が高くなってしまう理由、暖房器具別に電気代の目安などを解説します。
- 暖房費が高くなる理由とは?
- 冷房に比べ、設定温度に到達するために大きなエネルギーがかかる
- 夏に比べて在宅時間が長くなる傾向にある
- 暖房費を節約する5つのポイント
- 節約ポイント1. 室内でも暖かい服装を心がける
- 節約ポイント2. エアコンの使い方を工夫する
- 節約ポイント3. サーキュレーターを取り入れる
- 節約ポイント4. 外気を防ぐために長めのカーテンを使う
- 節約ポイント5. 電気代が低い暖房器具を選ぶ
- 暖房器具別、電気代の目安
- (1)エアコン
- (2)灯油ストーブ
- (3)電気ストーブ
- (4)こたつ
- (5)ホットカーペット
- (6)電気毛布
- (7)床暖房
- 暖房費を節約できる住まいとは?
- 断熱性能の高い住まい
- 南向きの住まい
- 冬の暖房費をかしこく節約しよう
暖房費が高くなる理由とは?
冬の電気代が高くなる原因の1つである暖房費。実は同じエアコンでも、冷房と暖房ではコストが違います。ここでは、暖房費が高くなる理由についてご紹介します。
冷房に比べ、設定温度に到達するために大きなエネルギーがかかる
エアコンは稼働中にずっと、一定のエネルギーを消費しているわけではありません。部屋の温度をリモコンで設定した温度にするまでの間に一番エネルギーを使います。
エアコンの仕組みは、空気中から集めた熱を暖かい空気や冷たい空気に変換し、温度調整を行うというもの。そのため、外気温と設定温度の差が大きいほど、消費するエネルギーも大きくなります。
多くの場合は、冷房を使うときよりも暖房を使うときの方がより大きなエネルギーを消費します。そのため、暖房をつけると電気代が跳ね上がることが多いです。
夏に比べて在宅時間が長くなる傾向にある
冬場は厳しい寒さや雪などの影響により、夏に比べて外に出るのが億劫になってしまいがち。家にいる時間が長くなれば、それに比例して暖房を使う時間や頻度も増えます。そうなると、必然的に電気代も高くなってしまいます。
暖房費を節約する5つのポイント
寒さの厳しいシーズンでも快適さを保つために欠かせない“暖房”。しかし暖房は冬場に電気代の増大する原因になっています。ここでは、少しの心がけでできる暖房費の節約のポイントを5つご紹介します
節約ポイント1. 室内でも暖かい服装を心がける
確実に効果のある方法は、“室内でも暖かい服装を心がける”ことです。暖房がついているからといって薄着にするのではなく、室内でもある程度の暖かさを保てるように工夫してみましょう。
具体例は、トップスにニットなどの暖かい素材を選ぶ、カーディガンやパーカーなどを重ね着する、肩からストールを掛けるなどがおすすめ。ボトムスに関しても、裏地のしっかりしたものや、秋冬素材の生地でできたものを選んでみましょう。
節約ポイント2. エアコンの使い方を工夫する
エアコンは設定温度や風速によって消費するエネルギー量が変化します。そのため、暖房の場合は快適さを損なわない程度に設定温度を下げてみると、節約につながります。
風向きの設定も大切なポイント。暖かい空気は上に流れていくので、風向きはできるだけ“下”を意識すると、寒さを感じやすい足元もしっかりと暖められます。
乾燥が気にならないのであれば、一時的に風向きを自分のいる場所に向けてみると良いでしょう。
節約ポイント3. サーキュレーターを取り入れる
室内の空気を効率的に循環できる“サーキュレーター”を取り入れてみる、というのもかしこい選択です。サーキュレーターは扇風機に似た見た目をしていますが、“空気を循環させる”という役割を担っています。そのため、夏以外の季節にも大活躍してくれるのです。
冷たい空気には下にたまり、暖かい空気には上にたまるという性質があります。サーキュレーターを置くとエアコンから出た空気を効率よく部屋全体に循環できるので、エネルギーの消費を抑え、節約することが可能です。
節約ポイント4. 外気を防ぐために長めのカーテンを使う
窓全体を覆うことができるサイズのカーテンを選び、冷気を遮断できるようにしましょう。防寒を重視するなら、床につくギリギリの長さのものに替えても良いかもしれません。
たとえ締め切っていたとしても、窓際から冷気が伝わってくると部屋が冷えてしまうため、カーテンで窓際をカバーすることで防寒効果を期待できます。
節約ポイント5. 電気代が低い暖房器具を選ぶ
“暖房”と聞くと、エアコンを連想する人も多いですが、部屋や身体を暖める手段はエアコン以外にもたくさんあります。暖房器具によっては、エアコンより少ない電気代で済ませられます。私は電気毛布を使うことがありますが、部屋全体を温めるエアコンに比べると省エネのため電気代も比較的安いと感じます。
暖房器具別、電気代の目安
エアコンやストーブ、ホットカーペットなど、暖房器具の選択肢は多いです。ここでは参考までに、7種類の暖房器具それぞれにかかる電気代の目安をまとめてみました。
※電気代はどれもメーカーや機種によって異なります。表記は目安になります。
(1)エアコン
エアコンの電気代は、1時間あたり3.3〜27.5円程度とされています。設定温度や風速によって、金額に大きな差が生じる印象です。寒いからといって安易に使用してしまうと、あとで痛い目を見ることも…。
エアコンは多くの人にとって一番身近で手軽な暖房器具となっていますので、工夫をしながらうまく付き合っていくのがおすすめ。たとえば、つらくない範囲で設定温度を低めに設定したり、風速を弱めに設定したりすることで、消費電力を最小限に抑えられます。
(2)灯油ストーブ
灯油ストーブの電気代は、1時間あたり13.4〜27.9円程度といいます。灯油の購入にお金や手間、時間がかかるところが懸念点です。
(3)電気ストーブ
電気ストーブの電気代は、1時間あたり10.8〜21.6円程度。灯油ストーブより電気代も抑えられています。灯油を購入する手間もないので、ストーブを使いたい場合は電気ストーブの方が金銭面や労力面、時間の面ともに負担が少ないといえるでしょう。
(4)こたつ
こたつの電気代は、1時間あたり1.2〜3.7円程度です。エアコンやストーブに比べるとリーズナブルですが、使用場所を限定されてしまうのが悩みどころ。
こたつに入った状態で作業をする分には困りませんが、暖房器具をこたつだけにするのはあまり現実的でないかもしれません。
(5)ホットカーペット
ホットカーペットの電気代は、1時間あたり3.2〜12.2円。こたつに比べると電気代は高くつきますが、その分行動範囲を広げられるという大きなメリットがあります。
ただこちらも“これ1つで防寒対策はばっちり”というより、エアコンやストーブなどの補助的な役割としての側面が強いです。
(6)電気毛布
電気毛布の電気代は、1時間あたり0.4円程度。身体を包んだ状態で移動できるので、ストールやカーディガンを発展させたようなイメージで活用すると良いでしょう。
これも、エアコンやストーブなどで部屋全体を暖めながら補助的に使うのがおすすめです。
(7)床暖房
床暖房の電気代は、1時間あたり7.5〜16.3円程度。ホットカーペットよりもコストはやや高いですが、床自体が暖房の役割を果たしてくれているのはとても魅力的。カーペットやラグなどは汚れるリスクもあるので、管理の手間を減らせるところがメリットです。
暖房費を節約できる住まいとは?
暖房によって発生する電気代を節約するためには、暖かい服装を心がけたり、コストパフォーマンスの良い暖房器具を活用したりすることが大切。しかし、そもそも部屋の中で寒い思いをしないで済めば、部屋の寒さや暖房による電気代に頭を悩ませることもありません。
ここでは、寒さに頭を悩まされにくくなる部屋の探し方のポイントについてまとめていきます。
断熱性能の高い住まい
防寒という観点でまず意識したいのは、物件自体の断熱性。暖房器具を活用することも大切ですが、建物そのものの断熱性能が高ければ、必要な対策は最小限で済みます。
比較的壁が厚くて密閉度の高い鉄筋コンクリートの物件や、専用の断熱材が使われている物件を探してみるのもおすすめ。内見時には、上着を脱いで体感温度を確認してみましょう。
南向きの住まい
住まいの日当たりも重要なポイントです。電気代や暖房の節約を考えるなら、太陽の光が当たる時間が最も長くなる南向きの物件がおすすめ。冬でも太陽の光が暖房代わりになってくれますし、南向けのベランダで洗濯物を干す場合は、乾きが早くなります。
ただし、夏場は暑くなりやすいのが難点。南向きの家に住む場合は、遮光性の高いカーテンなどを活用しながら、上手に付き合っていく必要があります。
冬の暖房費をかしこく節約しよう
冷房に比べると、暖房時のエアコンの消費エネルギーは大きく、在宅時間が長くなると暖房費は高くなりやすいです。しかし、寒さを無理に我慢してしまうと体調を崩してしまいますし、寒いという感覚自体が大きなストレスになってしまうので、快適さと出費のバランスをとることが重要です。
服装を工夫したり、使う暖房器具を見直したり、ときにはより快適に過ごせる部屋への引越しを検討するなど、今回ご紹介した節約ポイントを取り入れて快適な冬を過ごしてくださいね。