LIFULL HOME'Sに2023年に掲載された物件のうち、実際の検索・問合せ数から算出した
"実際に探されている街・駅"のランキング結果です。
買って住みたい街は購入物件の順位、借りて住みたい街は賃貸物件の順位です。
中部圏(愛知県 三重県 岐阜県)
ランキング結果を発表します
買って住みたい
岐阜
JR東海道本線ほか
1アップ
金山
名古屋市営名城線ほか
6アップ
名古屋
名古屋市営東山線ほか
2ダウン
中部圏版
「買って住みたい街」ランキング 総評
「岐阜」が初の1位! 「名古屋」はマンション開発一段落で3位に後退
中部圏「買って住みたい街」ランキングは、2020年には6位だった「岐阜」が2021年以降4位→2位→2位と徐々に順位を上げ、2024年ついに初の1位に輝きました。前回まで3年連続して1位だった「名古屋」は、駅周辺のマンション開発が一段落したこともあり、3位に後退しています。2位の「金山」はJR線、名鉄線、名古屋市営地下鉄など7線が乗り入れる、中部圏有数のターミナル性の高い駅で、「名古屋」にも「久屋大通」にもダイレクトアクセスが可能な交通利便性を有しています。駅周辺は商業地で話題性の高いタワーマンションなどの分譲はほぼありませんが、それでも総戸数50戸前後の小規模な開発はコンスタントに継続しており、物件数も増えていることから問合せ数が増加し、前々回の26位から前回8位となって、今回は2位まで上昇しています。
中部圏での“買って住みたい街の覇権争い”は、ここ数年「名古屋」vs「岐阜」の構図が出来上がっているのですが、「岐阜」は近年10位以下となったことは一度もなく、今回ついに「名古屋」を抜いて1位に輝きました。背景には「名古屋」まで快速で20分と、極めてアクセス良好なベッドタウンであるにもかかわらず、名古屋市内よりも物価や物件価格が安価で、生活しやすいというタイムパフォーマンスおよびコストパフォーマンスのよさが挙げられます。また「岐阜」と徒歩5分程度の距離に位置する「名鉄岐阜」も前回6位から10位に後退したものの上位を維持しており、ここ数年の“岐阜人気”は極めて高いものがあります。特に近年、岐阜県独自に移住促進および子育て支援制度を充実させており、経済面でのサポートも効果を発揮し始めているようです。
4位は、前回13位から大きく順位を上げた「尾張一宮」、5位は「高蔵寺」(前回8位)、6位「伏見」(同3位)、7位「藤が丘」(同7位)、8位「覚王山」(同12位)、9位「豊橋」(同19位)、10位には上記のとおり「名鉄岐阜」がベスト10にランクインしました。4位の「尾張一宮」は29位の「名鉄一宮」と駅舎が同一で事実上同じ駅ですが、JR線で「名古屋」から10分の距離に位置していて「岐阜」との中間地点にあたります。所要時間わずか10分ながら、名古屋市内よりも物件価格は安価で、物価も安定しており、生活コストという点では名古屋市内に居住するよりも経済性が高いといわれています。
また7位の「藤が丘」、8位の「覚王山」、17位「八事」、20位「今池」、21位「本山」など、名古屋市内の人気住宅地がそろって順位を維持、もしくは上げており、名古屋市内でも「名古屋」周辺と名古屋東側エリアの昔ながらの住宅地に人気が“二極化”する可能性が出てきています。中部圏においても核家族化が進行し、それに伴って一戸建てからマンションへという流れが完全に定着していることから、今後は大規模マンションやタワーマンションの開発で活性化したエリア(もっぱら名古屋市中心部)がランキングの上位へと年ごとに入れ替わりで登場する、首都圏と同様のマーケットに変化する可能性があります。
前回までは主に「名古屋」を中心として居住ニーズが高まる一極集中型の状況にあった中部圏ですが、本格的にコロナ後の社会に移行している状況で人流が活性化。また、円安や資材価格高騰の長期化によって物件価格が上昇するなかで、首都圏同様の“居住エリアの郊外化”が発生していると見ることができます。状況としては「名古屋」を中心とした周辺エリアと、1位となった「岐阜」を筆頭に「岡崎」「豊橋」など「名古屋」からある程度離れたエリアにある“衛星都市”での居住ニーズが顕在化しており、その意味では“二極化”という見方も可能な状況です。
借りて住みたい
岐阜
JR東海道本線ほか
キープ
豊橋
JR東海道本線ほか
キープ
新栄町
名古屋市営東山線
1アップ
中部圏版
「借りて住みたい街」ランキング 総評
「岐阜」が6年連続の1位! 「買って住みたい街」との2冠達成
中部圏「借りて住みたい街」ランキングは「岐阜」が6年連続で1位を堅持し、圧倒的な支持を集めています。2位も4年連続して「豊橋」となりましたが、3位は前回4位の「新栄町」で、前回3位の「岡崎」が4位と順位が入れ替わりました。中部圏では以前から名古屋市内の街よりも名古屋市以外の“衛星都市”の人気が高く、ここ数年は「岐阜」「豊橋」「岡崎」の3強体制でしたが、今回はそこに名古屋市内の「新栄町」が割って入ったかたちです。
1位の「岐阜」は、「名古屋」まで快速で20分でアクセス可能と、当初はタイムパフォーマンスのよいベッドタウンとして人気が高まりました。近年では物価高騰に伴って名古屋市内の賃料水準も上昇しており、名古屋市内よりも物価や賃料が安価であるコストパフォーマンスのよさでも支持を集めています。駅周辺にはコンパクトに生活利便施設や飲食店などが集まっており、生活するための諸条件がバランスよく整っています。また、大規模な再開発が行われていないため落ち着いた街並みが残っており、若年層だけでなくファミリー層からの支持が高いことも人気の要因です。
2位の「豊橋」および4位の「岡崎」も「岐阜」とほぼ同じく、名古屋市内よりも賃料水準が安価なこと、また駅勢圏(駅周辺の繁華性が高いエリア)が広くて生活利便施設が整っていること、などの要因によって上位にランクインし続けています。最近、「岡崎」では駅周辺でのマンション開発も並行して進んでいて、購入でも賃貸でも居住ニーズが高まっている状況です。また、同じ西三河エリアである「豊田市」が10位、「東岡崎」も14位にランクインしており、コストパフォーマンスのよさから同エリアへの注目度が高まっているようです。
今回3位に浮上した「新栄町」は、名古屋の中心市街地である「栄」および「久屋大通」に極めて近い割に住宅活用が多いエリアで、“職住近接”型の典型的な成功例として根強い人気と賃貸ニーズを維持しており、今後も上位をキープし続けるであろう極めて利便性の高いエリアに位置しています。
以下、5位が「藤が丘」(前回5位)、6位「一社」(同9位)、7位「鶴舞」(同6位)、8位「今池」(同10位)、9位「大須観音」(同21位)、10位「豊田市」(同7位)という顔ぶれとなり、「大須観音」以外には大きな変化はありません。ベスト10以下も「矢場町」や「上社」が大きく順位を上げたのにとどまり、全体的に大きな変動がないため、賃貸ニーズがある程度固定化していることがうかがえます。
これは、上位にランクインした駅周辺の賃貸物件が、単身者~ファミリー層まで幅広く豊富にあることに加え、「名古屋」「栄」「久屋大通」などの事業集積地へのアクセスがいずれも良好であること、駅周辺に生活利便施設がそろっていて暮らしやすいことなど、ベッドタウンとしての機能をバランスよく満たしていることによるもので、これらの条件が整っているエリアに人気が集中し、順位の変動要因を低くしているものと考えられます。また、コロナ禍を経て、新たな賃貸物件の供給が減少しており、需要を呼び起こす魅力的な賃貸物件が限られることも順位の硬直性を高める要因となっています。
中部圏の特徴として、首都圏および近畿圏と比べると、圏域自体、名古屋市とその周辺エリアにほぼ限られているためコンパクトに構成されており、“職住近接”が実現しやすいという利点があります。ただし、圏域内の移動人口は愛知県からも名古屋市からもわずかな転出超過が続いており、もっぱら経済的な側面から郊外方面、もしくは東京・大阪などに転出するケースが増えているため、コンパクトな圏域の機能性が今後薄れる可能性も考慮する必要があります。
買って住みたい・借りて住みたい街ランキング
- 対象期間
- 2023年1月1日 ~ 2023年12月31日
- 対象者
- LIFULL HOME’S ユーザー
中部圏は愛知県、三重県、岐阜県を対象とした
- 集計方法
- LIFULL HOME’S に掲載された賃貸物件・購入物件のうち、問合せの多かった駅名をそれぞれ集計
- 分析
- LIFULL HOME’S 総研
過去の住みたい街ランキング
過去に実施した住みたい街ランキングはこちらからご覧いただけます。一部調査手法が異なります。
街選びのお役立ち情報
本件に関するお問い合わせ先
株式会社LIFULL(ライフル)
メール:sumai-homes@lifull.com
更新日: / 公開日:2024.01.31





















