LIFULL HOME'Sに2022年に掲載された物件のうち、実際の検索・問合せ数から算出した
"実際に探されている街・駅"のランキング結果です。
買って住みたい街は購⼊物件の順位、借りて住みたい街は賃貸物件の順位です。
中部圏(愛知県 三重県 岐阜県)の
ランキング結果を発表します
買って住みたい
中部圏版
「買って住みたい街」ランキング 総評
マンション開発が進む「名古屋」が3年連続の1位! 名古屋中心部と“衛星都市”にニーズ二極化
中部圏「買って住みたい街」ランキングは、2020年に48位だった「名古屋」が2021年以降3年連続で1位を獲得しています。「名古屋」周辺は全国有数の事業集積地であり、これまで「名古屋」を最寄り駅とする住宅は想定できませんでしたが、2020年に約500戸のマンションが2物件分譲されたことがきっかけとなり、以降も「名古屋」を最寄り駅とするマンションが継続して分譲されています。実際には「名古屋」周辺の駅(「亀島」「太閤通」「丸の内」「国際センター」など)が物理的には最寄りですが、広域で見れば「名古屋」最寄りエリアとの認識でひもづけられており、順位を押し上げる結果となっています。
2位も2年連続して「岐阜」、3位には前回4位だった「伏見」がベスト3入りしました。前回3位だった「名鉄岐阜」は6位に後退しましたが、「岐阜」とは徒歩5分程度しか離れておらず、同じエリアでの問合せ数が両駅に振り分けられた結果が順位に表れています。事実上1つの街(駅)と考えても差し支えなく、物価や物件価格上昇の状況が続くなかで、ユーザーは岐阜中心部に注目していることが分かります。同様に3位の「伏見」も「名古屋」周辺の駅であり、中部圏での“住みたい街覇権争い”はここ数年「名古屋」vs「岐阜」の構図となっています。「岐阜」は近年10位→6位→4位→2位と順位を着実に上げ、今回も連続2位で「名古屋」の強力なライバルに成長しています。背景には「名古屋」まで快速で20分と、アクセス良好なベッドタウンであるにもかかわらず、名古屋市内よりも物価や物件価格が安価で生活しやすいというコストパフォーマンスおよびタイムパフォーマンスの良さが挙げられます。
4位は、前回5位から1つ順位を上げた「久屋大通」、以下5位は「岡崎」(前回34位)、6位「名鉄岐阜」(同3位)、7位「藤が丘」(同15位)、8位「金山」(同26位)、9位「高蔵寺」(同11位)、10位には「吹上」(同57位)がベスト10入りしました。大きく順位を上げたのは5位の「岡崎」で、「名古屋」まで約30分でアクセス可能であることから、これまで賃貸物件の供給が多かったのですが、小規模ながら駅周辺で新築マンションの分譲が複数あったことで注目度が高まりました。また8位の「金山」および10位の「吹上」もそれぞれマンション開発が活性化していることが順位上昇の要因です。
前回までは主に「名古屋」を中心として居住ニーズが高まる状況にあった中部圏ですが、コロナ禍が長期化し物価上昇傾向が強まるなかでは、徐々に“意向の郊外化”が発生していると見ることができます。状況としては「名古屋」とその周辺エリア、および「名古屋」からある程度離れたエリアにある“衛星都市”での居住ニーズ顕在化と見ることができ、その意味では“二極化”の兆しがあるといえるでしょう。
また、7位の「藤が丘」を筆頭として、12位「覚王山」(前回43位)、14位に浮上した「茶屋ヶ坂」(同25位)、15位の「星ヶ丘」(同22位)など、名古屋市内東側に位置する旧来の人気住宅地が順位を戻しており、名古屋市内でも「名古屋」周辺と名古屋東側エリアの“二極化”が発生する可能性が出てきています。中部圏においても核家族化が進行し、それに伴って一戸建てからマンションへという流れが完全に定着していることから、今後は大規模マンションやタワーマンションの開発で活性化したエリアがランキングの上位へと年ごとに入れ替わりで登場することも考えられるマーケットに変化し始めています。
借りて住みたい
中部圏版
「借りて住みたい街」ランキング 総評
「岐阜」が5年連続の1位堅持! 前回に続いて上位のニーズ固定化が鮮明に
中部圏「借りて住みたい街」ランキングは「岐阜」が5年連続で1位を堅持し、圧倒的な支持を集めています。2位および3位も3年連続して「豊橋」と「岡崎」が順位を維持し、ベスト3はここ数年名古屋市以外の“衛星都市”が独占し続けています。1位の「岐阜」は「名古屋」まで快速20分でアクセス可能で、当初はタイムパフォーマンスの良いベッドタウンとして人気が高まりましたが、近年では物価高騰に伴って名古屋市内の賃料水準が徐々に上昇しており、名古屋市内よりも物価や賃料が安価であるコストパフォーマンスの良さでも支持を集めています。駅周辺にはコンパクトに生活利便施設や飲食店などが集積しており、生活するための諸条件がバランスよく整っています。また、大規模な再開発が行われていないため落ち着いた街並みが残っており、若年層だけでなくファミリー層からの支持が高いことも人気の要因です。
2位の「豊橋」および3位の「岡崎」も「岐阜」とほぼ同じく、名古屋市内よりも賃料水準が安価なこと、また駅勢圏(駅周辺の繁華性が高いエリア)が広くて生活利便施設が整っていることなどの要因によって、上位にランクインし続けています。特に「岡崎」は駅周辺でのマンション開発も並行して進んでいて、購入と賃貸ともに居住ニーズが高まっている状況です。また同じ西三河エリアである「豊田市」が7位、「東岡崎」も12位と健闘しており、コストパフォーマンスの良さから同エリアへの注目度が全般的に高まっていることが分かります。
以下、4位「新栄町」(3年連続4位)、5位「藤が丘」(同6位)、6位「鶴舞」(同11位)、7位「豊田市」(同12位)、8位「中村公園」(同10位)、9位「一社」(同8位)、10位「今池」(同15位)という顔ぶれとなり、「鶴舞」、「豊田市」、「今池」が新たにベスト10入りしました。 3年連続して4位となった「新栄町」は、名古屋の中心市街地である「栄」および「久屋大通」に極めて近い割に住宅活用が多いエリアで、職住近接型の典型的な成功例として根強い人気と賃貸ニーズを維持しています。
また、前回5位だった「春日井」が11位に後退したのに代わって、前回15位の「今池」が10位に浮上する動きは一部ありましたが、全体としては上位の順位に大きな変動はなく、賃貸ニーズの人気がある程度固定化していることがうかがえます。
これは、上位にランクされた駅周辺の賃貸物件が単身者~ファミリー層まで幅広く豊富にあることに加え、「名古屋」「栄」「久屋大通」などの事業集積地へのアクセスがいずれも良好であること、駅周辺に生活利便施設がそろっていて暮らしやすいことなど、ベッドタウンとしての機能をバランスよく満たしていることによるもので、これらの条件が整っているエリアに人気が集中し、順位の変動要因を低くしているものと考えられます。
中部圏の特徴として、首都圏および近畿圏と比べると圏域自体名古屋市とその周辺エリアにほぼ限られているためコンパクトに構成されており、“職住近接”が実現しやすいという利点があります。したがって、コロナ禍でも移動に時間や乗り換えなどの負荷がかかりにくく、あえて中部圏の郊外方面に転居するという動機には基本的にはつながりにくいものと考えられます。それでも賃貸ユーザーの多くが「岐阜」「豊橋」「岡崎」を支持するのは、専ら生活コストと移動時間とのトレードオフによるものです。
買って住みたい・借りて住みたい街ランキング
- 対象期間
- 2022年1月1日 ~ 2022年12月31日
- 対象者
- LIFULL HOME’S ユーザー
中部圏は愛知県、三重県、岐阜県を対象とした
- 集計方法
- LIFULL HOME’S に掲載された賃貸物件・購入物件のうち、問合せの多かった駅名をそれぞれ集計
- 分析
- LIFULL HOME’S 総研
過去の住みたい街ランキング
過去に実施した住みたい街ランキングはこちらからご覧いただけます。一部調査手法が異なります。
街選びのお役立ち情報
本件に関するお問い合わせ先
株式会社LIFULL(ライフル)
メール:sumai-homes@lifull.com
更新日: / 公開日:2023.02.10





















