家づくりを成功させるための大事なポイントとなるのが、「効率的な動線の確保」です。動線とは、家の中を移動するルートのことで、動線計画をしっかり立てて設計された注文住宅は、家族が快適に過ごせるだけでなく、家事負担も軽減できます。

今回は、注文住宅で「家事動線」を考える際のポイントや、失敗しないための注意点などについて詳しく解説します。
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注文住宅は、間取りを自由に決められるのが大きな魅力です。しかし、快適で使い勝手の良い住まいを実現するには、家づくりの基本的な考え方を押さえておく必要があります。

特に意識したいのが、「家事動線・生活動線・来客動線」の3つの動線です。

家事動線とは、料理や洗濯、掃除など、家事を行う際の移動ルートのことです。たとえば、洗濯機と庭やバルコニーを近くに配置すれば、外干しする際に重たい洗濯物を持って移動する負担を軽減できます。また、とりこんだ洗濯物をまとめて収納できるように、干す場所と収納スペースを隣接させることで、家事動線を効率化する方法もあります。日々の家事ストレスを減らすために、家事動線はしっかり検討することが大切です。

生活動線とは、食事や入浴・トイレ・就寝といった日常生活を送るうえでの移動ルートのことです。生活動線が悪い間取りでは、たとえば「洗面台を2階だけに設けたため、帰宅後すぐに手洗いできない」「お風呂から出たあと、リビングを通らないと個室へ行けないため来客時に気まずい」「寝室とトイレの距離が遠く、夜間に不便」といった問題を生じてしまうことがあります。

快適な暮らしを実現するには、家族全員のライフスタイルや生活パターンを踏まえたうえで、生活動線を検討することが大切です。

来客動線とは、自宅を訪れる来客の移動ルートのことです。家事動線や生活動線に加えて、来客にも配慮した動線計画をすることが、快適な家づくりのポイントです。

たとえば、「玄関からリビングを通らずに客間へ移動できる」「玄関横にトイレを配置する」など、家族のプライベート空間を通らない動線を意識するとよいでしょう。

 

客間を設けない場合は、リビングに来客を迎えることを想定し、「キッチンに腰壁を設けてシンクの中が見えないようにする」などの工夫も必要です。また、片付いたリビングを維持できるよう収納スペースを確保しておくと、急な来客時に慌てることがないでしょう。

 

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効率的に家事を進められるように動線計画を立てることで、暮らしやすさは格段に向上します。ここでは、家事がしやすい間取りにするためのアイデアを4つご紹介します。

最近は、オープンな対面式キッチンが主流ですが、キッチンが壁に接していないアイランドキッチンを採用すると、キッチン回りを回遊できるため、調理や配膳、片付けなどの流れがよりスムーズになります。また、キッチンを囲んで複数人で使えるため、子どもや友人と一緒に調理を楽しめるのも魅力です。

ただし、一般的な対面キッチンに比べて、より広いスペースが必要になるため、間取り全体のバランスを考慮しながら導入を検討しましょう。

家事で頻繁に行き来する水回りは、特に動線を意識して計画することが大切です。キッチンから洗面所、浴室までを一直線につなげば、最短距離で移動でき、調理や掃除といった家事を同時進行しやすくなります。

 

さらに、洗面所からキッチン、廊下やリビングなど、2方向に出入りできるように回遊性を持たせると、生活動線と家事動線のどちらも効率化できるでしょう。

家電製品のレイアウトは、効率的な家事動線をつくるうえで大事なポイントです。特にキッチン回りは家電製品が多いため、使い勝手を考慮して配置やコンセントの数・位置を計画することが大切です。また、掃除機や充電式家電用のコンセントも設けることで、家事全般を快適に進められるようになります。

ランドリールームは、洗濯物を洗ってから、「干す、取り込む、アイロンがけ、たたむ」までを、1ヶ所で行えるスペースです。洗濯にかかわる作業を集約することで、家事負担を大幅に軽減できます。また、ランドリールームをキッチンとつなげるなど、他の部屋とのつながりも考慮して間取りを計画すると、家事全体の効率が向上します。さらに、ランドリールームの近くにバルコニーを設ければ、外干しする際にも便利です。

効率的な家事動線を実現するには、実際の事例を参考にするのがおすすめです。ここでは、家事動線が工夫された間取りの事例をピックアップし、特徴や大事なポイントをご紹介します。ぜひ、家づくりのヒントにしてください。

この事例では、1階の洗面所の隣にランドリールームを設け、短い距離で洗濯物を干せるように配慮されているのが特徴です。ランドリールームにはカウンターが設置され、干したものを畳んだりアイロンをかけたりする作業までできるよう工夫されています。

この事例では、キッチンスペースを広く確保し、アイランドキッチンを採用。回遊性を持たせることで、隣に設けたスタディカウンターや水回り、2階へのアクセスをスムーズにしています。また、階段周辺の1階・2階に水回りを集約させているため、家事を同時進行しやすい間取りとなっています。

この事例は、玄関から直接和室へアクセスできる間取りが特徴です。来客時には、リビングを通らずに和室へ案内できるうえに、すぐ隣にトイレを設置しているので、お客さまが気兼ねなく利用できるなど、細かい点に気配りされています。

 

もう一つの特徴として挙げられるのは、洗面脱衣室の回遊性です。

キッチンと玄関ホールの2方向に出入りできるため、シーンに応じて最短ルートを選べます。

 

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家事動線を考える際には、基本的なポイントを押さえたうえで、ライフスタイルやこだわりを反映させることが大切です。最後に、家事動線で失敗しないための注意点を確認しておきましょう。

家事は、水回りで行う作業が多いので、効率的な家事動線にするためには、水回りをできるだけ1ヶ所にまとめて配置するのがポイントです。キッチン・洗面所・トイレなどを集約すると、移動距離が短くなり、複数の家事を効率的にこなせます。

収納スペースは家事動線に沿って配置すると、掃除や片付けが効率的に行えるようになります。たとえば、キッチンには食材のストックを保管するためのパントリー、ランドリールームの近くには家族全員分の衣類を収納できるファミリークローゼットを設けるなど、家事をこなしやすいように配置を検討してみましょう。

ランドリールームや、家計簿をつけたりパソコン作業をしたりできる家事コーナーなど、家事に集中できる専用スペースを設けると、家事効率が向上します。収納棚やカウンターなどを設置して作業場を整え、家事に必要なアイテムを1ヶ所にまとめて収納することで、家事動線が短くなり、作業時間を短縮できます。また、生活感のあるアイテムを家事スペースに集約することで、リビングやダイニングに物が散らからず、家全体がスッキリ片付きます。

LIFULL HOME’Sの「住まいの窓口」は、注文住宅に関する幅広い悩みを丸ごと相談できる便利なサービスです。家づくりを検討中であれば、まだ具体的なプランが固まっていなくても、資金計画からハウスメーカー・工務店選びなど、さまざまな相談が可能です。

 

経験豊富なハウジングアドバイザーが、中立の立場でアドバイスをしてくれるため、理想のプランを具体化するヒントが見つかるはず。さらに、希望に応じて、要望やライフスタイルにあったハウスメーカー・工務店を紹介してもらうことも可能です。

 

理想の家づくりを実現するための選択肢として、ぜひ活用を検討してみてください。

 

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最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。

Q:住宅の動線にはどんなものがある?

A:家事をする際の動きを想定した「家事動線」、家族の日常生活での動きを想定した「生活動線」、来客の移動を想定した「来客動線」の3つがあります。とくに、来客動線は生活動線と重ならないように計画するとともに、キッチンのシンクや洗濯物など生活感が出やすい部分が見えないように、来客目線に立った配慮も大切です。

Q:家事動線を考える際の注意点は?

A:水回りをまとめて配置するのが基本です。また、「収納スペースは家事動線に沿って配置する」「家事専用のスペースを設ける」といった工夫も取り入れると、家事効率をさらに高めることができます。

 

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