快適な住まいづくりを目指すなら、住宅の「断熱性能」にこだわることが大切です。断熱性が高い住宅であれば、過ごしやすい室内環境を保てるだけでなく、光熱費の削減などにもつながります。
断熱性能は法律によって指標が定められているため、住宅を建てるときの重要な判断材料の一つになるでしょう。この記事では、注文住宅における断熱等級や高断熱住宅の特徴を解説します。
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断熱性能と断熱等級とは

国土交通省の定義によれば、建物の断熱性能とは「建物からの熱の逃げやすさ」と「建物への日射熱の入りやすさ」の2つの点で決まるとされています。
住宅を建てる際に、断熱材などを使用して外気の影響を遮断することによって、室温を一定に保ち、快適な住まいを生み出すことにつなげます。
その断熱性能を表わす指標が「断熱等級(断熱等性能等級)」です。断熱等級は品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)で定められている基準であり、2022年に等級5、6、7が新設されました。
等級の数値が高いほど断熱性能が高いことを示しており、等級別の違いは次のとおりです。
断熱等級の違い
断熱等級 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
断熱等級7 | HEAT20 G3レベル | 2022年10月に新設 |
断熱等級6 | HEAT20 G2レベル | 2022年10月に新設 |
断熱等級5 | ZEH水準 | 2022年4月に新設 2030年以降の最低基準 |
断熱等級4 | 1999年の次世代省エネ基準 | 2025年以降の最低基準 |
断熱等級3 | 1992年の新省エネ基準 | – |
断熱等級2 | 1980年の旧省エネ基準 | – |
断熱等級1 | 1980年の基準に満たないもの | 無断熱 |
上記のように、2025年以降の新築住宅においては、断熱等級4以上が求められています。
さらに、2030年以降は断熱等級5が最低基準となるため、家づくりを進める際は将来のことも踏まえて検討する必要があるでしょう。
高断熱住宅の特徴を紹介

断熱性能が高い住宅では、主に次のようなメリットを得られます。
高断熱住宅の4つのメリット
- 快適な室内環境を保てる
- 光熱費の削減につながる
- ヒートショックが予防できる
- 補助金や優遇措置が期待できる
快適な室内環境を保てる
高断熱住宅は外気による影響を受けにくく、熱が外に逃げにくいため、室内全体を一定の温度に保つことが可能です。
そのため、年間を通じて快適な室内環境を得られるというメリットがあります。季節による温度変化が少ないため、体調管理もしやすくなるでしょう。
光熱費の節約につながる
高断熱住宅は冷暖房に使用するエネルギーを抑えられるので、結果的に光熱費の節約につながります。
建物自体の保温・保冷効果により冷暖房機器の負担も軽減でき、機器の寿命を延ばすことにもなります。
ヒートショックが予防できる
ヒートショックとは、急激な温度差が原因で血圧が大きく変化し、身体にダメージをもたらす健康被害のことです。
暖房の効いたリビングから室温の低い浴室などに移動したときに起こるものであり、高齢の方がいる世帯などでは特に注意が必要です。
断熱性能が高い住宅であれば、住宅全体の温度を一定に保ちやすくなるため、部屋ごとの温度差から生じる負担を軽減できます。
補助金や優遇措置が期待できる
断熱性能を含めた省エネ性能が高い住宅であれば、補助金の対象となったり、住宅ローン金利や住宅ローン控除の優遇措置を受けられたりする場合が多いです。
補助金としては、省エネ住宅等を新築・リフォームするときに対象となる「子育てグリーン住宅支援事業(2025年新設)」などが挙げられます。
また、住宅ローン金利においては、断熱等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6の住宅であれば、住宅金融支援機構の「フラット35S」が利用できる可能性があります。
フラット35Sでは当初5年間の金利が引き下げられるため、金利負担を軽減することが可能です。
住宅ローン控除については、住宅の省エネ性能等に応じて控除額の上限が決められています。
入居が2024年1月以降の場合は、原則として省エネ基準への適合が必須要件となるため、省エネ基準に適合しなければ住宅ローン控除そのものを受けられなくなってしまいます。
逆に言えば、省エネ性能が高い住宅は住宅ローン控除が優遇されているということです。節税効果も視野に入れて、高断熱住宅の建築を検討してみましょう。
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断熱性能の高い家を建てるときの注意点

高断熱の住宅を建てるメリットは多くありますが、あらかじめ気をつけておきたい点もいくつかあります。どのような点に注意したらよいかを見ていきましょう。
建築費用が上がる
まず、高断熱住宅を建てようとすると、建築費用が高くなる傾向が見られます。断熱性に優れた建材の使用や施工品質が求められるからです。
ただし、建築費用そのものは少し高くなってしまっても、入居後の光熱費などのランニングコストは低くなるため、トータルで見れば負担が軽くなるケースが多いでしょう。
長く住み続けることを考えれば、断熱性能が高い住宅の方がメリットは大きいといえます。
湿気や結露に注意が必要
断熱性能が高い住宅は気密性も高くなるのが特徴です。気密性が高いということは、室内の空気と外の空気が交換されにくいということであり、湿気がたまりやすくなってしまいます。
対策をおろそかにした場合、表面的な結露にとどまらず、建物の構造部の腐食や劣化につながることもあります。
湿気や結露を防ぐには、適切な換気計画が必要です。設計時にそれぞれの部屋の給気口から排気口への空気の流れや、換気システムや換気扇の能力が十分であるかを検討しましょう。
また、浴室やランドリースペースなど特に湿気が発生しやすい場所については、排気のための窓の設置やその位置、大きさやガラスの種類などについても考えてみましょう。
換気計画には専門的な知識が必要になることが多いため、ハウスメーカーの担当者と相談しながら、気になる点を一つずつ解消していくことが大切です。
高断熱住宅の建築を得意とするハウスメーカーを選ぼう

住宅の断熱性能を高めたいときは、高断熱住宅の建築を得意とするハウスメーカーに相談しましょう。
家づくりを決めた早い段階で相談をすれば、高断熱住宅のメリット・デメリットを理解したうえで建築プランを立てられるようになるでしょう。
しかし、初めて家づくりを行う場合は、どこのハウスメーカーに相談をすればよいか迷う部分もあるでしょう。
LIFULL HOME’S「住まいの窓口」なら、希望すれば豊富な実績を持つハウスメーカーを紹介してもらえます。
ハウジングアドバイザーが、家づくりの基本的な部分から第三者の中立的な立場でアドバイスしてくれるので、家づくりをスムーズに進められます。
断熱性能の高い住まいをつくりたいと思ったら、まずは気軽に相談してみましょう。

記事のおさらい
高断熱住宅の特徴は?
断熱性能の高い住宅にすることで、快適に過ごせる住まいを手に入れられるだけでなく、光熱費の節約やヒートショックの予防にもつながります。また、補助金制度を利用できたり、住宅ローン金利や住宅ローン控除の優遇措置を受けられたりするなどの利点もあります。
断熱性能の高い住宅にするときの注意点は?
高断熱住宅は気密性が高くなるため、湿気や結露に注意が必要です。換気システムをはじめ、窓の位置や大きさ、ガラスの種類などをよく検討し、換気計画をしっかりと立てましょう。
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