今住んでいる20坪程度の土地に古い家があり、そろそろ建て替えを検討しているという方もいるでしょう。この記事では、20坪の家を建て替える費用の目安や費用を抑えるコツなどを解説していきます。

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建て替えとは、家の基礎部分から解体し、新しく家を建てることです。国土交通省の2023年度「住宅市場動向調査」によると、住宅建築資金(建て替え)の全国平均は5,745万円となっています。

 

建て替え後の住宅の延床面積は全国平均で約37坪(121.3平米)なので、5,745万円を37坪(延床面積)で割ると、坪単価は約155万円です。この坪単価を基に20坪の住宅を計算すると、建築費は約3,100万円となります。

 

ただし、建て替えには建築費だけではなく、住んでいた家の解体費用や税金などの諸経費も必要になります。費用の内訳について詳しく見ていきましょう。

 

建て替えの際にかかる建築費以外の費用としては、下記のものが挙げられます。

費用名

費用の相場

解体工事費

80万〜180万円(家の構造による)

地盤調査・地盤改良費

調査:5万〜10万円/整地:30万〜50万円(表層改良工事の場合)

引越し・仮住まい費用

・引越し:36万円前後

・仮住まい:100万〜200万円程度(期間は10ヶ月、賃貸物件を借りる場合)

税金などの諸経費

・不動産取得税:10万〜100万円(建物の固定資産税評価額による)

・登録免許税:10万円程度(建物の固定資産税評価額や住宅ローンの借入額による)

・印紙税:2万円程度

・設計料:一般的に建て替え費用全体の10~20%が相場(今回のケースは約310万〜620万円)

〈解体工事費〉

1坪当たりの金額では、木造で4万〜6万円、軽量鉄骨造で4万〜7万円、鉄筋コンクリート造で5万〜9万円程度が相場です。

 

〈地盤調査・地盤改良費〉

建築基準法で定められているとおり、家を建てるときは地盤調査が必要です。一般的なスクリューウエイト貫入試験の金額は5万〜10万円程度。

 

地盤調査の結果、整地が必要になった場合は表層改良工事が30万〜50万円、より深い地層まで工事が必要になる柱状改良工事の場合は70万〜100万円程度となります。

 

〈引越し・仮住まい費用〉

建て替えには、工事中の仮住まいの費用と建て替えの前後2回の引越し費用が必要です。

 

今回は参考までに、「LIFULL引越し」のシミュレーターを使って、もっとも高くなる春の引越しシーズン(3〜4月)の金額を試算してみました。

※家族4人での引越しを条件としています。

 

繁忙期(3〜4月)、同都道府県内:約18万円前後(引越し1回当たりの金額)

 

費用は人数や荷物の量、そして依頼する引越し会社によっても異なりますが、目安としては36万円程度(18万円×2)という結果になりました。家具や家電の購入や処分を行う場合は、さらに費用が必要になります。

 

また、仮住まい先としては、賃貸物件やマンスリーマンション、ホテルなどが考えられます。

 

〈税金などの諸経費〉

不動産取得税:家の取得時にかかる税金で税率は4%ですが、20坪の土地の場合は特例措置により3%で計算されます(土地や住宅に限る)。

※条件:床面積50〜240平米の場合

 

登録免許税:不動産の所有権や抵当権を登記する際に納付する税金で、建物の種類や大きさ、階数などによって決まり10万円程度が目安です。

 

印紙税:「建設工事請負契約書」に課される税金で契約金額によって異なり、契約金額が1,000万〜5,000万円の場合は2万円です。

 

諸費用:建て替えの際には工事以外にも、火災や住宅ローンの保険料、近隣の挨拶代、行政手続きにおける申請費用などがかかります。相場は費用全体の5%程度を考えておきましょう。

 

設計料:建物の設計と監理に関する費用。多くの場合、設計事務所が独自に算出して定めていますが、一般的には全体の10~20%が相場です。

 

建て替えにかかる費用の支払いは一括精算とはなりません。どのタイミングで何の費用を支払うのか、事前に確認しておきましょう。

 

STEP1:建築会社を選び建築請負契約を締結する

…建築費の10%程度の契約金、印紙税の支払いが発生

 

STEP2:仮住まいへの引越し

…引越し費用、仮住まいの家賃が発生

 

STEP3:建て替え工事の開始

…建築費の30%程度×2回(着工金・中間金)

 

STEP4:建て替え工事完成

…建築費の残金、登記費用、住宅ローン関係費用、火災・地震保険料が発生

 

STEP5:新居に住み始める

…引越し費用、不動産取得税が発生

 

※依頼する建築会社によって支払いタイミングなどが変わってくるので、事前に確認してください。

 

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20坪の土地内で家の建て替え費用を抑えるには、次のようなコツを参考にしてみてください。

 

建て替えのなかでいちばん大きな建築費を抑えるためには、まず複数の建築会社から見積もりを取ることです。

 

会社によってプランや工事の内容、使う材料などが違うため、提案内容と価格をしっかりと比較検討しましょう。複数のプランを検討することによって、暮らしに合ったプランが見つかる場合もあるでしょう。

 

建築費を抑えるポイントとしては、間取りをシンプルにすることです。壁や間仕切りが多いと、それだけで工事の手間と材料費が増えてしまいます。シンプルな間取りにすることで、手間や材料代が節約できるでしょう。

 

建材や壁・床の素材は、グレードによって価格が大きく変わります。建築会社から提案された素材のグレードが適当かどうかを見極め、こだわるところとそうでないところを明確に分けましょう。

 

また、キッチンやバスルーム、トイレ、洗面所などの設備もデザインによって価格は異なるので、予算に応じたものを選びましょう。

 

解体には老朽化により倒壊の危険性がある住宅を対象に、自治体から「老朽危険家屋解体工事補助金」が給付される場合も。支給額は解体工事費の5分の1から2分の1の額です。

 

また、省エネ性能の高い住宅を新たに建てる場合はZEH補助金、耐震性能を強化する場合は耐震化補助制度などの補助金を受けることができます。

 

これらの制度は更新・終了することもあるので、常に各補助金のホームページなどで最新の情報を確認してください。

 

建て替えとリフォームやリノベーションにはどういった違いがあるのでしょうか。

 

建て替えとリフォームやリノベーションの大きな違いは、基礎部分を一度壊してから建てるか、基礎部分を残した状態で建てるかです。

〈メリット〉

  • ライフスタイルの変化に応じて間取りを変えることが可能
  • 最新の住宅性能や耐震性を備えた住まいが手に入る

〈デメリット〉

  • 引越しと仮住まいが必要
  • 新居の建築費とは別に解体工事費がかかる
  • 土地によっては建て替えができないケースもある

〈メリット〉

  • 工事範囲が狭いため短い工期で完了し、コストも抑えられる
  • 工事箇所以外は使えるため仮住まいへの引越しは不要
  • 耐震リフォームやバリアフリーリフォームなどの減税制度もある

〈デメリット〉

  • 部分的な工事のため建て替えに比べて自由度が低い
  • 工事開始後に劣化部分に追加工事が必要になることもある

〈メリット〉

  • 2LDKを1ルームにするなど間取りの変更ができる
  • 自分の好みで室内のデザインや設備を変えることができる
  • 建て替えに比べ工期が短くコストも安い

〈デメリット〉

  • 基礎部分はそのままなので耐久性などの改善はできない
  • 理想の住まいにするためには時間がかかる

 

今後の家族の暮らしや理想の生活を思い浮かべながら、どの選択が最善策なのかを考えてみてください。

 

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