注文住宅の相場の捉え方

家づくりをスムーズに進めるには、予算に見合った建築プランを立てる必要があります。まずは、全体的な相場を把握して、予算の枠組みを考えてみましょう。

 

国土交通省が公表している「令和5年度 住宅市場動向調査報告書」によれば、新築住宅の建築資金の平均は「4,034万円」となっています。また、住宅金融支援機構が公表している「2023年度 フラット35利用者調査」では、全国平均で「約3,861万円」です。

 

土地の購入費用を除いた注文住宅の費用総額の平均は、約4,000万円といえるでしょう。そして、ハウスメーカーごとに相場を比較する方法のひとつとして、「坪単価」が挙げられます。

 

坪単価とは、1坪あたりにかかる建築費のことを指します。国土交通省の「2022年 建築着工統計調査」のデータを基に、一戸建て住宅の平均的な坪単価を見ていくと、概ね60万～80万円程度です。

 

あくまで全国的な平均値であり、坪単価の計算方法はハウスメーカーによって異なるため、単純に比較ができない点に注意しておきましょう。予算の大枠を考えるうえで参考にしてみてください。

 

（参考：国土交通省『令和5年度 住宅市場動向調査報告書』P.118）

（参考：住宅金融支援機構『2023年度 フラット35利用者調査』P.19）

（参考：国土交通省『2022年 建築着工統計調査』）

 

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ローコストのハウスメーカーの相場

坪単価をできるだけ抑えて、家づくりを進めていきたい場合は、ローコスト住宅の建築に強みを持つハウスメーカーの事例を参考にしてみるとよいでしょう。坪単価40万～６０万ほどの価格帯のハウスメーカーの場合、セミオーダー形式で家づくりを進めるケースが多いといえます。

 

一から住宅の設計を行うフルオーダー形式とは異なり、セミオーダーの場合はあらかじめ決められた間取りのプランやデザインから、自分に合ったものを選択することになります。選択肢がある程度絞られている方が決めやすいという方におすすめです。半面、選択肢が絞られているため、必ずしも自分の希望の選択肢がない場合もあります。

 

ここでは、LIFULL HOME’Sの「ハウスメーカーの人気会社ランキング」（2024年11月現在）の内容を基に、坪単価60万円未満でも建てられるハウスメーカーを紹介します。

一条工務店

一条工務店は業界トップクラスの木造注文住宅のハウスメーカーとして知られています。「最新年間でもっとも売れている注文住宅会社」「最新年間でもっとも多くの太陽光搭載住宅を建てた会社」「最大の工業化住宅工場」の3つの項目において、4年連続でギネス世界記録（TM）に認定されています。

 

坪単価の目安は、50万～60万円となっており、延床面積35坪（約117平米）の住宅で参考本体価格は1,750万円～です。

タマホーム株式会社

タマホーム株式会社は、「大安心の家シリーズ」を展開しており、自由設計・オール電化・豊富な設備仕様・長期優良住宅対応といった点を強みとしています。何世代にもわたって安心して住める住まいづくりを目指し、高耐久・高断熱・高耐震の3つの要素を特に重視しています。

 

坪単価の目安は、46.7万～54.1万円となっており、延床面積35坪（約117平米）の住宅で参考本体価格は1,632万～1,894万円です。

中堅ハウスメーカーの相場

坪単価60万～80万円程度で、フルオーダー形式で家づくりを進めたい場合は、中堅のハウスメーカーを選んでみるとよいでしょう。ただし、使用する建材や住宅設備などの要望をすべてかなえることは難しいため、家づくりに求めるこだわりに優先順位をつけることが大切だといえます。

ヤマト住建株式会社

ヤマト住建株式会社は、高気密・高断熱の「外張り断熱」と、高い耐震性能・制振装置の「地震対策」で、安心と健康を守る家づくりを目指しています。ルームエアコン1台で空調を可能とし、地球環境にやさしい、快適な住宅の提供を行っています。

 

坪単価の目安は、58.1万～70.9万円となっており、延床面積35坪（約117平米）の住宅で参考本体価格は2,033万円～です。

アキュラホーム

アキュラホームは断熱・耐震・省エネの豊富な建築プランのバリエーションを提供しています。累計実績が14万棟超となっており、優遇金利のある金融機関も紹介可能です。

 

坪単価の目安は、52.1万～72.0万円となっており、延床面積35坪（約117平米）の住宅で参考本体価格は1,824万円～です。

 

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大手ハウスメーカーの相場

大手ハウスメーカーの場合は、坪単価80万～100万円程度となっていますが、間取りのデザインを比較的、高価格帯のグレードにできるのが良い点だといえるでしょう。鉄骨造りでの建築も可能であり、長く住み続けられる家を求める方におすすめです。

住友林業株式会社

住友林業株式会社は、木や自然に対する知識や技術を長年蓄積しており、「木のスペシャリスト集団」として木の魅力を最大限に引き出した快適な住まいづくりを提案しています。営業・設計・インテリアなどの各分野の専門家がチームをつくり、理想の家づくりをサポートしてくれます。

 

坪単価の目安は、75.0万～150.0万円となっており、延床面積35坪（約117平米）の住宅で参考本体価格は2,625万円～です。

積水化学工業株式会社

積水化学工業株式会社は「地球環境にやさしく、60年以上安心して快適に住み続けることのできる住まいの提供」を理念として掲げ、家づくりを行っています。無理なく環境貢献ができる「グリーンモデル」や人生100年時代を快適に暮らす「レジリエンス100」など、多様な暮らしに合った提案を続けています。

 

坪単価の目安は、70.0万～195.0万円となっており、延床面積35坪（約117平米）の住宅で参考本体価格は2,450万円～です。

ハウスメーカーを比較するときのポイント

坪単価は工事内容をどこまで含めるかなどの条件によって金額が変わってくるため、単純に坪単価の比較だけでハウスメーカーを決めてしまってはいけません。見積もりを依頼する段階で、どのような項目が含まれているのかをチェックしてみましょう。

 

また、ハウスメーカーごとの住宅の品質や施工実績などを見比べながら、イメージの擦り合わせを行っていくことが大切です。そして、家づくりは何度も打ち合わせを重ねながら進めていくので、担当者との相性なども重要なポイントになります。

 

注文住宅の場合は、家づくりを進めるためにさまざまなことを決めなければなりませんが、どのような基準で決めればよいか迷う部分もあるでしょう。LIFULL HOME’Sの「住まいの窓口」なら、専任のハウジングアドバイザーが第三者視点の中立的なアドバイスを行ってくれます。

 

家づくりを円滑に進めていくために、ぜひ活用してみましょう。

 

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記事のおさらい

最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。

Q：注文住宅の平均的な相場は？

A：国土交通省が公表している「令和5年度 住宅市場動向調査報告書」によれば、新築住宅の建築資金の平均は「4,034万円」です。また、住宅金融支援機構が公表している「2023年度 フラット35利用者調査」では、全国平均で「約3,861万円」となっているので、予算を考えるときの参考にしてみましょう。

Q：ハウスメーカーを選ぶときのポイントは？

A：ハウスメーカーを比較するときは、単純に坪単価だけを比べずに、見積もりの内容を細かくチェックしていくことが大切です。住宅の品質や施工実績、担当者との相性なども考慮しながら検討してみましょう。

 

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