注文住宅を建てるときに駐車場を設けるのであれば、どれくらいの広さが必要であるかをきちんと把握しておくことが重要です。後から失敗したと感じてしまわないために、事前に気をつけておきたいポイントを押さえておきましょう。

車種や台数などによって、必要となるスペースには違いがあります。この記事では、注文住宅で駐車場を設置するときの費用相場や注意点などを解説します。

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駐車場の設置に必要となる広さは、車種や車の大きさ、台数などによって違ってきます。広さの目安として、国土交通省が公表している「駐車場設計・施工指針について」の資料を基に、車のタイプ別に駐車場の広さをまとめると次のとおりです。

 

駐車場に必要な広さ(車1台あたり)

車のタイプ

奥行き×横幅

軽自動車

4.3メートル×2.4メートル

小型車

5.0メートル×2.7メートル

中型車

5.7メートル×2.7メートル

大型車

5.7メートル×3.0メートル

ワンボックスカー

5.7メートル×2.7メートル

(参考:国土交通省『駐車場設計・施工指針について』)

 

上記の広さの目安は、運転席のドアを全開したときに余裕が持てる横幅を目安としています。駐車場の中央部分に車を停めて、両側のドアから乗り降りできるようにするためには、車種を問わず横幅が3.5メートル以上あると安心です。

 

また、車の台数が増えればその分だけ敷地が必要になるため、十分な駐車スペースを確保できるかをあらかじめ確認しておきましょう。

 

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駐車場を設けるときは広さ以外の部分でもいくつか検討しておきたい要素があります。それぞれの点について詳しく見ていきましょう。

駐車場には、大きく分けて4つのタイプがあります。各タイプの特徴を解説します。

 

駐車場の4つのタイプ

タイプ

特徴

ビルトインガレージ(インナーガレージ)

住宅の一部を駐車スペースとして活用するタイプ。敷地が狭いときに有効な方法であり、車をいたずらや悪天候から守れる。住居内から車の乗り降りが可能

ガレージタイプ

三方向に壁があり、屋根が付いているタイプ。シャッターを取り付けることで、盗難やいたずらを防げる。建物との距離が近いと採光に影響が出るため、設計に注意が必要

カーポートタイプ

屋根と支柱だけで構成されたシンプルな駐車スペース。後方に壁を設けないため、車のトランクから荷物の出し入れがしやすいのが特徴。屋根はあるものの、壁がないので悪天候時は車が汚れやすくなる

オープンタイプ

屋根や壁がないタイプであり、設置費用が一番抑えられる。建物に影をつくらないため、採光に影響がない

一口に駐車場と言っても、上記のようにさまざまなタイプがあるので、敷地の広さや設置費用などを踏まえたうえで、ライフスタイルに合わせて適したものを選んでみましょう。

駐車する向きによっても、駐車場に必要なスペースは異なります。縦向き駐車の場合は、道路に対して直角に駐車することになりますが、前面道路の幅が十分にあるかを確認しておく必要があります。

 

4メートル未満の狭い道路に面しているときは、駐車スペースの横幅を広めにとる必要があり、敷地内で切り返しが行えるようにしておきましょう。また、横向き駐車の場合は道路に対して平行に駐車をすることになりますが、複数台の車を駐車するときに車間距離が短いと駐車しにくくなるので注意が必要です。

 

車間距離は90センチメートル程度を確保しておくとよいでしょう。

駐車場の地面部分の素材によっても、設置のための工事費用は異なります。一般的な素材として、砕石・土・アスファルト・コンクリートなどが挙げられます。

 

砕石は比較的安価で、人が歩くと音が鳴るので防犯性が高いといえるでしょう。しかし、砕石で車が傷ついたり、音が近隣の迷惑になったりすることがあります。

 

土の場合は砕石と比べると音は静かです。ただ、水たまりができたり、車が汚れてしまったりする点には注意が必要です。

 

アスファルトの場合は水はけの良さが特徴ですが、熱がこもりやすいので夏場は暑さを感じやすくなるでしょう。コンクリートよりも安価ですが、耐久性はコンクリートよりも低いといえます。

 

そして、コンクリートの場合は耐久性に優れており、維持費がほとんどかからないのが特徴です。一方で、工事費用が高いのが難点でもあります。

駐車場に照明を設置すれば、夜間に車の乗り降りがしやすくなり、防犯面の強化にもつながります。照明や植栽などのエクステリアにもこだわることで、おしゃれな雰囲気を演出できるでしょう。

 

また、車の盗難やいたずらを防ぐためには、防犯システムについても検討しておく必要があります。照明や防犯カメラの設置と併せて、駐車場のタイプもよく検討してみましょう。

駐車場の設置にかかる費用は、駐車場の広さや地面部分の素材、依頼する工事会社によって違ってきます。ここでは、駐車場のタイプ別に車1台あたりの設置費用について目安を紹介します。

 

駐車場の設置費用の目安(車1台あたり、広さ15平米で計算)

駐車場のタイプ

費用の目安

ビルトインガレージ(インナーガレージ)

200万~400万円程度

ガレージタイプ

100万~300万円程度

カーポートタイプ

40万円程度

オープンタイプ

20万円程度

地面部分については、カーポートタイプやガレージタイプはコンクリートでつくるのが一般的です。また、駐車場のデザインやエクステリアの取り付けなどによっても金額が大きく変わってくるので、工事を依頼する会社から詳しい見積もりをもらうようにしましょう。

 

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駐車場をつくるときに注意しておきたい点として、十分な駐車スペースを確保することが挙げられます。たとえば、敷地の関係で横向き駐車のスペースがギリギリだと使い勝手が悪いので、設計の段階でよく検討しておくことが大切です。

 

また、メンテナンスのしやすさも考慮して設計するようにしましょう。一般的に、地面部分はコンクリートの素材の方が、ほとんどメンテナンスの手間がかからないといえます。

 

そして、駐車場のタイプによっては固定資産税の課税対象となる場合があるので気をつける必要があります。ビルトインガレージやガレージタイプの駐車場は、三方向が壁に囲まれているため、固定資産税の課税対象となります。

 

また、駐車場が広くなるほど税額も増えるので、家族構成やライフスタイルなどを考えて必要なスペースを検討してみましょう。駐車場のことで悩んだときには、第三者の立場で中立的なアドバイスをしてくれるLIFULL HOME’Sの「住まいの窓口」に相談してみるのもよいでしょう。

 

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最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。

Q:駐車場に必要な広さは?

A:車1台あたりに必要なスペースで考えるなら、軽自動車の場合であれば奥行き4.3メートル×横幅2.4メートル、小型車なら奥行き5.0メートル×横幅2.7メートルなどとなります。車の大きさや駐車する台数などによって必要な広さは変わってくるので、工事会社の担当者とよく相談をしながら決めていきましょう。

Q:駐車場をつくる費用の目安は?

A:駐車場のタイプによって異なりますが、一番安いオープンタイプで車1台あたり20万円程度、ビルトインガレージだと車1台あたり200万円~400万円程度がかかります。駐車スペースとしてどれくらい敷地を確保できるかなどを考慮して、自分のライフスタイルに合ったものを選んでみましょう。

 

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