住宅の老朽化、相続などによって家を建替えたいと考える人の中には、予算の問題で悩んでいる人もいるのではないでしょうか。「家を建替えたいが、いくらぐらいかかるのか」「できるだけ予算を抑えたい」など、いろいろな疑問や要望があるでしょう。
この記事では、1,500万円の予算内で建替えるために、建替え費用の内訳や費用を抑えるコツなどを解説していきます。
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予算1,500万円で家を建替えるのは現実的?

予算1,500万円以内で家の建替えは、結論としては可能です。建替えが一般的な注文住宅の建築と大きく違うのは、すでに土地があるということです。しかし、すべてのこだわりや要望を詰め込もうと思うと難しいこともあるので、いくつか制限があることを念頭に置いてください。
家の建替え費用の平均額
国土交通省の「令和4年度住宅市場動向調査報告書」によれば建替え費用の全国平均は4,487万円です。数字だけを見ると、予算内で家を建替えることは難しいと思いがちですが、まずは予算内で可能なこと、そうでないことを見ていきましょう。
予算1,500万円でできること、できないこと
さまざまな条件にもよりますが、予算を1,500万円以内に抑える場合、建替えでできることとできないことは次のように考えられるでしょう。
できること
- 家の構造をより頑丈にする
使いやすい間取りに変える
できないこと
- フルオーダーメイド
- 建材にこだわる
家の構造を、より頑強に建替えたいという希望はかなえられますが、より広くしたい、個性的なデザインにしたいという希望をすべてかなえるのは難しいといえます。
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建替えにかかる費用の内訳

建替えにはさまざまな費用が必要です。発生する費用の内訳を順番に見ていきましょう。
解体・撤去費用
まず今の家の解体・撤去作業が必要になります。以下はあくまで一例であり、家の構造や解体業者によっても、解体や撤去にかかる費用は変わってくるので注意してください。
家の構造 | 1坪あたりの金額 |
|---|---|
木造 | 約4万〜6万円 |
軽量鉄骨造 | 約4万〜7万円 |
鉄筋コンクリート造 | 約5万〜9万円 |
地盤調査・整地費用
建築基準法で家を建てる時は地盤調査が必要ですが、建替えも同じです。これは建築基準法で定められており、一般的には「スクリューウエイト貫入試験」が行われ、相場の金額は3万〜5万円程度。調査によって地盤が弱いと分かった場合は、整地を行う必要があり、1坪あたりの整地費用は約3万〜7万円程度です。
建築費用
注文住宅の土地購入資金を除いた建築費用は、前述の「令和4年度住宅市場動向調査報告書」によれば、全国平均で3,935万円。ただし建築費用は、建物の面積、デザイン、資材などによって変動します。また、大都市と地方では価格も違ってきます。坪単価70万〜120万円として考え、別途設計費がかかる場合があることも知っておきましょう。
引越し・仮住まい費用
建替えをするには、工事中の仮住まいの費用と建替え前後に2回の引越し費用が必要になります。今回は「LIFULL引越し」のシミュレーターを使って、もっとも高くなる春の引越しシーズン(3〜4月)の金額を算出したところ、18万円前後となりました。
※家族4人で同都道府県内への引越しを条件としています。
仮住まいの種類としては、賃貸物件やマンスリーマンション、ホテルが考えられます。
賃貸物件:家賃のほかに礼金や敷金がそれぞれ賃料の1~2ヶ月分、仲介手数料が賃料の1ヶ月分。一般的には入居時に共益費や火災保険などの諸経費も必要となります。
マンスリーマンション(東京の場合):
1ヶ月単位で借りられるマンションで家賃相場は月20万円程度です。
※LIFULL HOME’S内の2DK以上の物件を条件としています。
礼金や敷金は不要ですが、水道光熱費、清掃費などが必要となります。
ビジネスホテル(東京の場合):一般的には、東京を中心とするビジネスホテルの平均宿泊費用は、1泊1万5,000円程度といわれています。
税金などの諸経費
不動産取得税:家の取得時にかかる税金で税率は4%ですが、現在は特例措置により土地や住宅に限り3%で計算されます。
※特例措置は、床面積50~240m2の場合に適用されます。
登録免許税:不動産の所有権や抵当権を登記する際に納付する税金で、建物の種類や大きさ、階数などによって決まり、17万〜22万円程度が目安です。
印紙税:「建設工事請負契約書」に課される税金で、契約金額によって異なります。契約金額が1,000万〜5,000万円の場合は2万円です。
火災保険・地震保険:火災保険や地震保険は、家の大きさや構造、補償される額によって保険料は変わります。
予算1,500万円で家を建替えるコツ

建替えを1,500万円で行うことは可能ですが、さまざまな制約があります。建替え費用の中で一番大きい建築費用を抑えるために、次のようなコツを参考にしてください。
ローコストメーカーに建替えを依頼する
建築費用を抑えるためには、ローコスト住宅が考えられます。一般的にローコスト住宅の坪単価は、約30万〜50万円。一般住宅の相場よりも安く建てることができます。建材の大量仕入れや、自社工場での一括生産などによりコストを抑えられるメーカーがあるので、調べてみましょう。
ローコスト住宅とは
建材や設備を大量に仕入れることでコストダウンを実現した住宅。コストが安くなる、リフォームがしやすいなどのメリットがある一方、間取りやプランの変更は制限され、各種設備のグレードアップも難しいなどのデメリットもあります。
建坪30坪程度またはそれ以下の家にする
建築費用を抑えるためには、坪数を減らしましょう。建築費用は坪数で決まることが多いため、30坪以下にするとそれだけ費用を抑えることができます。床の面積が狭くなれば、壁や天井、屋根の工事面積も変わります。
1階と2階を同じ面積にする
家の形は凸凹や曲線が少ない四角がおすすめです。また、同じ広さで2階建てなら平屋よりも建築面積が少なくなりますから「四角い2階建て」がいいでしょう。四角い形なら壁や建材も少なくなり、その分コストを抑えられます。
間取りをシンプルにする
間取りをシンプルにすることによって、壁の数も少なくなります。壁の数が減れば、建材や施工時間も減り工費も抑えられます。たとえば、客間が欲しいと思った場合、広めのリビングをつくってスライド式の引き戸で間仕切ることで、本来壁にかかる分の工費が抑えられます。
水回りや収納はそれぞれ1箇所にまとめる
水回り設備は給排水設備工事が必要です。2階にトイレや洗面などを設置すれば、それだけ費用がかさみます。また、スペースを区切る目的で収納を設置すれば、建具の設置コストがかからず、コストダウンとスペース確保の両方がかなえられます。
妥協できる設備などはコストダウンする
設備のグレードは耐久性や建てた後のメンテナンスのしやすさなど、将来のことも考えて決定しましょう。内装材ではできるだけ定番のタイプを選び、キッチン・洗面化粧台・トイレなどのグレードも標準タイプとしましょう。給水管や排水管の長さを短くする工夫も必要です。
付帯工事費用を抑える
付帯工事費用は外構など、建物以外の部分にかかる費用です。具体的には門や塀、庭などがこれに当たります。デザイン性の高いものは費用が高額になってしまうため、付帯工事費用も抑える必要があります。
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予算1,500万円以内ならリフォームやリノベーションも検討

さらに予算を抑えたいと思う場合は、今ある建物の資源を有効活用するかたちで、リフォームやリノベーションを選択肢に入れることはいかがでしょうか。
建替えとリフォーム・リノベーションの違い
建替えは住んでいた家を解体して、基礎から建設工事して新築住宅を建築します。一方、リフォームは住んでいる家の古くなった箇所や老朽化した箇所を部分的に修復することをいいます。リノベーションは基礎部分以外を修復または改装工事を行って理想の家に近づけることです。それぞれのメリット、デメリットをおさえておきましょう。
建替えのメリット・デメリット
メリット
- 家を理想の間取りに変えることが可能
- 耐震性の補強
デメリット
- 解体の後に新築時と同じ手間がかかる
- リフォームより多くの費用が必要になる
リフォームのメリット・デメリット
メリット
- 工事期間が短く、居住しながら工事ができることもある
- 建替えに比べ、一般的に費用が安い
デメリット
- 望んだ構造や間取りにできないことがある
- 住宅の性能を改善することは難しい
リノベーションのメリット・デメリット
メリット
- 間取りや内装の変更ができる
- 耐震補強や断熱など住宅性能の改善ができる
デメリット
- 建替えに比べ自由度が低い
- 構造の変更はできない
記事のおさらい
予算を1,500万円に抑えたいけど家の建替えは可能?
1,500万円の予算ではできることとできないことがありますが、基本的に建替えは可能です。詳しくは「予算1,500万円で家を建替えるのは現実的?」をご覧ください。
家の建替えにはどれくらいの予算が必要?
建替えには建築費の他に解体・撤去、地盤調査、税金などの諸経費も必要です。詳しくは「建替えにかかる費用の内訳」をご覧ください。
予算を1,500万円に抑えるためにはどうしたらいいの?
建築費用を抑えるためにローコスト住宅の建築も考えられます。詳しくは「予算1,500万円で家を建替えるコツ」をご覧ください。
家の建替え以外に今の家を綺麗にする方法はあるの?
予算を抑えるなら、建替えの他にリフォームやリノベーションも考えられます。詳しくは「予算1,500万円以内ならリフォームやリノベーションも検討」をご覧ください。
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