注文住宅を建てる際に住宅ローンを利用する場合、手続きのための基本的な流れを押さえておくことが重要です。どのような段取りで住宅ローンを申し込めばよいかがわかれば、資金計画を立てやすくなるでしょう。
この記事では、住宅ローンを申し込むときの流れや注意点を解説します。
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注文住宅における住宅ローンの基本的な手続き

住宅ローンを組んで、注文住宅を購入しようとする場合、まずは基本的な流れを押さえておく必要があります。主な手順としては、次の4つです。
住宅ローンの基本的な流れ
- 事前審査(仮審査)
- 本審査
- 契約手続き
- 融資の実行
それぞれのステップについて、ポイントを解説します。
1.事前審査(仮審査)
事前審査とは、仮審査とも呼ばれるものであり、住宅ローンの本審査の前に行われる審査を指します。申込者の信用情報や世帯年収などがチェックされ、融資が可能かどうかが判断されます。
信用情報機関に確認が行われるので、他のローンでの返済が滞っていたり、自己破産をした記録があったりすると、住宅ローンを組むのが難しくなる恐れがあります。事前審査の段階で提出する書類は、収入証明書(源泉徴収票や確定申告書など)・身分証明書・借入金の返済予定表などですが、住宅ローンを取扱う金融機関によって異なるので、必要な書類はあらかじめ確認しておきましょう。
2.本審査
事前審査の後に行われる審査のことを本審査といいます。本審査では、事前審査よりもさらに詳しく内容がチェックされます。提出する書類としては、工事請負契約書・土地売買契約書・土地や建物の図面・見積書などであり、工事を依頼する担当者と連携しながら書類をそろえておきましょう。
本審査を通過することで、借入金額・金利・返済期間などが決まり、正式に契約を行うことになります。事前審査に通過しても、必ずしも本審査に通過するとは限らないので、他の金融機関での審査も検討しておくことが大事です。
3.契約手続き
本審査を通過した後に、申込者と金融機関との間で住宅ローンに関する契約が交わされます。必要書類は多岐にわたるので、金融機関の担当者にあらかじめ確認をしておく方がよいでしょう。
契約手続きに必要な書類として、主に次のものが挙げられます。
住宅ローンの契約手続きに必要な書類等
- 工事請負契約書
- 土地売買契約書
- 住民票
- 印鑑証明書
- 身分証明書
- 実印、銀行印
- 通帳 など
4.融資の実行
契約手続きを済ませたら、後は融資が実行されるまで必要な手続きはありません。ただし、住宅ローンの融資は基本的に家の引き渡しと同時に行われるという点に注意が必要です。
注文住宅の場合は、工事の途中で数回に分けて代金を支払うタイミングが訪れるので、手元の資金に問題がないかをよく確認しておきましょう。金融機関によっては融資が行われるタイミングを相談できる場合があるので、必要に応じて早めに相談を行っておくことが大切です。
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住宅ローンを組むときの3つのケース

注文住宅で住宅ローンを組む場合、以下の3つのケースに分けられます。各ケースでの流れやポイントについて解説します。
住宅ローンを組むときの3つのケース
- 土地の購入費用と建築費用をひとまとめにして住宅ローンを組むケース
- 土地の購入費用と建築費用を分けて、別々のローンを組むケース
- 建築費用のみで、住宅ローンを組むケース
土地の購入費用と建築費用をひとまとめにして住宅ローンを組むケース
土地の購入費用と建築費用をひとまとめにして住宅ローンを組むケースは、多くの金融機関で取扱いがあります。住宅ローンの審査において特別なことはありませんが、事前審査と本審査では、土地と建物それぞれに対して審査が行われる点に注意が必要です。
土地と建物の審査が同時に行われるため、提出する書類が多くなる点に気をつけておきましょう。
土地の購入費用と建築費用を分けて、別々のローンを組むケース
土地と建物のローンを別々に組む場合、土地先行融資を申し込むことになります。土地先行融資は、土地の購入費用を支払うタイミングで融資が行われる仕組みであるため、自己資金が少ない人にとっては役立つものだといえるでしょう。
ただし、土地先行融資は取扱っている金融機関が少ないので、早めに情報収集を行っておくことが大切です。土地と建物のローンをそれぞれ組む場合の手続きの流れは次のとおりです。
土地と建物のローンを組む際の流れ
- 事前審査
- 土地に関する本審査
- 土地のローン契約手続き
- 建物の本審査
- 建物のローン契約手続き
- 引き渡しと同時に融資が実行される
建築費用のみで、住宅ローンを組むケース
注文住宅を建てるときに、すでに土地を所有している場合、もしくは自己資金だけで土地を購入できる場合は、建築費用だけを住宅ローンでまかなうことになります。建築費用のみで住宅ローンを組むケースは、多くの金融機関で取扱っているので、特別な手続きは必要ではなく、一般的な流れと同じです。
つなぎ融資を利用する場合のポイント

「つなぎ融資」とは、住宅ローンの融資が行われるまでの間に必要な費用を支払うために、一時的に借りられる融資のことです。つなぎ融資を利用することで、自己資金が少ない方でも、土地と建物を購入できます。
ただし、つなぎ融資は一般的な住宅ローンと比べて金利が高い傾向にあり、住宅ローン減税の対象外となっている点に注意が必要です。また、住宅ローンとセットで借りる必要があり、つなぎ融資だけを単独では借りられない点に注意しましょう。
金利や融資条件は状況によって異なるため、つなぎ融資を利用するときは早めに金融機関へ相談することが大切です。加えて、住宅ローンとセットで借りることになるので、返済に問題がないかもよく確かめておきましょう。
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注文住宅で住宅ローンを組むときの3つの注意点

住宅ローンを組んで注文住宅を取得するときは、以下の点にも注意をしておく必要があります。
住宅ローンを組むときの3つの注意点
- 金融機関によって、取扱っているローンの範囲が異なる
- 住宅ローンの金利は変動している
- 諸費用や利息についても考えておく必要がある
まず、金融機関のすべてで「つなぎ融資」や「土地先行融資」などを取扱っているわけではない点に注意が必要です。利用を検討するときは、事前に取扱いがあるかを確認しておきましょう。
また、住宅ローンの本審査を通過すれば契約手続きに進むことになりますが、金利が変動している点を考慮しておくことも大切です。将来的な経済状況や世帯の収入状況などを踏まえたうえで、固定金利か変動金利かを選択しましょう。
住宅ローンを利用する場合は、手続きのために必要な事務手数料の支払いや、入居後の毎月の返済負担なども考えておく必要があります。無理のない返済プランを立てられるように、あらかじめ返済シミュレーションを行っておくことも大事です。
LIFULL HOME’Sの「住まいの窓口」では、家づくりに関する基本的なことから、専任のハウジングアドバイザーに相談できます。住宅ローンを含めた資金計画なども相談できるので、ぜひ活用してみてください。
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記事のおさらい
最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。
Q:住宅ローンを申し込んだ後の基本的な流れは?
A:申し込みの後に事前審査が行われ、融資の可否が判断されます。事前審査に通過すると本審査が行われ、問題がなければ正式な契約手続きとなり、物件の引き渡しのタイミングで融資が実行される流れです。
Q:つなぎ融資とは?
A:注文住宅は工事期間中に数回に分けて代金の支払いがあるので、つなぎ融資はそれらに活用できます。ただし、すべての金融機関で取扱っているわけではなく、金利も高いので利用にあたっては事前の確認が必要です。
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