一戸建てのプランを考えるとき、間取りから決めていくという人も多いでしょう。しかし、自由度の高い注文住宅では、同じ間取りタイプでも全体の広さやつくりに大きな違いが生まれます。
今回は4LDKの一戸建てを建てるのに必要な土地の広さや建築費の目安、間取りを考えるうえで注意したいことを解説します。
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4LDKの一戸建ての特徴

4LDKとは、LDK(リビング・ダイニング・キッチン)と4つの居室を組み合わせた間取りのことです。
個室が4つあるため、4人家族なら全員が個室を持て、5人家族でも夫婦の寝室を一つにしたり、子ども部屋を共用したりすれば十分快適に生活できます。
各スペースをどのくらい確保するかによって全体的な広さは変わってきますが、4LDKの住宅面積はおおむね「30~35坪前後(100~115平米前後)」になるケースが多いです。
これは、土地付き注文住宅の平均的な住宅面積(出典:2022年度フラット35利用者調査)に近い数値で、土地を買って家を建てる場合に標準的な広さであるといえます。
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4LDKの一戸建てを建てるには何坪の土地が必要?

一口に4LDKといっても、各スペースをどのくらい確保するかによって全体的な広さは異なります。ここでは、住宅面積35坪の4LDKを建てる際に必要な土地の広さを計算してみましょう。
必要な土地の広さを計算する際の注意点
土地には景観の維持や火災時の延焼防止、人口密集の予防などの観点から「建ぺい率」と「容積率」という建物の面積に関する制限が設けられています。
建ぺい率とは、平面の広さに関する制限であり、「敷地面積に対する建築面積の広さ」の上限を決める数字です。建築面積とは建物を真上から見たときの広さにあたります。
容積率とは、「敷地面積に対する延床面積の広さ」の上限を決める数字です。延床面積とは、複数のフロアの面積を合計した広さを指します。これらの上限を守らない住宅は、いわゆる違法建築という扱いになるため注意が必要です。
今回は一般的な住宅街によくある設定として、「建ぺい率50%」「容積率100%」のケースで必要な土地の広さを計算してみましょう。
平屋で建てる場合
平屋で35坪の住宅を建てるためには、35坪がそのまま建築面積となります。そのため、建ぺい率50%の場合、少なくとも土地には倍の広さである「70坪」が必要です。
70坪の土地があれば、容積率に関する条件はクリアしているため、延床面積については特に問題ありません。
2階建てにする場合
2階建てで35坪の住宅を建てる場合、総二階(1階と2階の広さが同じ)で建てるなら、建築面積は17.5坪となります。建ぺい率50%の場合、土地の広さは「35坪」で済みます。
地価の高い都市部で広い敷地を求めようとすると、土地の取得費が建築費を上回ってしまうケースもめずらしくありません。
そのため、資金にゆとりがあるケースを除けば、4LDKを実現するためには2階建て以上が基本となるでしょう。
4LDKの一戸建ての建築費目安

4LDKの一戸建てを建てるには、どのくらいの建築費がかかるのでしょうか。ここでは、建築費の計算に必要な基礎知識も含めて解説します。
坪単価の仕組みと注意点
一戸建ての建築費を計算するうえでは「坪単価」が一つの目安になります。
住宅メーカーでは参考坪単価を記載しているところも多いので、坪単価に住宅面積の坪数を乗じれば、おおまかな建築費を算出することは可能です。
ただし、坪単価には建築費全体の75%程度にあたる本体工事費しか含まれていないケースが多いため、計算時には注意が必要です。
注文住宅の建築費は以下のように構成されているので、その他の費用も計算に入れておきましょう。
建築費の仕組み
- 本体工事費:住宅本体を建てるためのコスト(全体の75%程度)
- 付帯工事費:外構や配管など別途工事に必要なコスト(全体の20%程度)
- 諸経費:住宅施工に付随して発生する運営管理に必要なコスト(全体の5%程度)
また、坪単価の算出方法は明確に決められているわけではないため、メーカーによって考え方は異なります。
バルコニーなどを除いた「延床面積」で計算する会社と、すべての施工面積を含む「施工床面積」で計算する会社とでは、坪単価に差が生まれます。正確な費用を知るためには、やはり実際に詳細な見積もりを取る必要があります。
平均坪単価の目安
国土交通省の2023年「建築着工統計調査」では、住居の工事費予定額に関するデータが構造別に公表されています。
そのデータを基に、1坪「3.3平米」として換算すると、一戸建てにおける平均的な坪単価は次のようになります。
住宅の種類 | 平均坪単価 |
|---|---|
一戸建て住宅総計 | 79.2万円 |
木造 | 75.9万円 |
鉄骨造 | 108.9万円 |
鉄骨鉄筋コンクリート造 | 99.0万円 |
鉄筋コンクリート造 | 125.4万円 |
上記のとおり、坪単価の目安は構造によって大きく異なります。鉄骨造や鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造では坪単価100万円台が目安となってくるでしょう。
ただ、一戸建てでは木造が中心となるため、総計の平均坪単価は木造に近い数値となっています。
4LDKを建てるための建築費をシミュレーション
ここまでのポイントを踏まえて、平均坪単価である79.2万円を基準に、35坪の4LDKを建てるケースを計算してみましょう。すると、建築費全体では3,696万円が目安となりました。
35坪の4LDKを建てる場合
- 本体工事費:35坪×79.2万円=2,772万円(全体の75%と想定)
- 建築費全体:2,772万円÷0.75=3,696万円(本体工事費+付帯工事費+諸経費)
もちろん、前述のように木造以外で建てる場合は、さらに費用がかさむことが予想されます。反対に、坪単価50万円以下のローコスト住宅を建てるなら、建築費を安く抑えることも可能です。
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4LDK一戸建ての間取りの考え方とおすすめパターン

4LDKの間取りを考える際には、実例を参考にするのもひとつの手です。ここでは、大事にすべきテーマごとに実例を紹介して、具体的なポイントをチェックしていきましょう。
大きなゾーニングから考える
間取りを考える際には、大きなゾーニング(用途に分けた配置)から検討することが大切です。
たとえば、以下の事例では、1階がパブリックスペース、2階がプライベートスペースになるように設計されています。

1階のLDKと居室1部屋は、家族全員で使うことを想定したパブリックスペースになっています。1階部分の居室は、子どもが小さなうちは家族から目の届くプレイスペースとして、来客時には客間としても使えます。
一方、2階の居室は独立性が高く、それぞれの個室として使うのに適しています。ただし、バルコニーへアクセスするためには、いずれかの部屋を通過する必要があるので、洗濯物を干すことを想定して部屋割りやルールを考えておく必要があるでしょう。
土地を効率的に活用する
都市部などでは敷地の確保が難しいため、4LDKを建てるには、さまざまな工夫が求められるケースもあります。
以下の間取りは、約17坪の土地に3階建ての4LDKを実現した事例です。

大きな特徴は、3階建てにすることで縦の空間を活用し、2階を丸ごと広いLDKに充てている点にあります。
また、廊下を極力少なくして効率的に間取り配置をすることで、部屋を広くとることにも成功しています。都心やその近郊エリアでは、こうしたつくりの4LDKも少なくありません。
効率的な家事動線を意識する
快適な生活空間を実現するためには、家事動線を意識して、料理や掃除、洗濯がしやすいつくりをイメージすることが大切です。
特に平屋の場合は、平面の面積が広くなるため、各スペースにアクセスしやすいつくりを心がけるといいでしょう。

この事例では、LDKを中心として各部屋が配置されているため、広さの割に掃除がしやすく家事動線も効率的になっています。
また、それぞれの個室へ行くには必ずLDKを通るため、家族間のコミュニケーションが生まれやすいのも特徴です。
家づくりの悩みは「住まいの窓口」へ

LIFULL HOME’Sの「住まいの窓口」では、中立の立場のハウジングアドバイザーが、家づくりのさまざまな悩みや不安について無料で相談に応じてくれます。
家づくりの進め方や建築会社の選び方、予算や住宅ローンに関する知識など、幅広いテーマについてアドバイスをもらえるのが魅力です。
納得のいく家づくりを実現するためにも、ぜひ「住まいの窓口」を活用してみてください。
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まとめ
・4LDKは「30~35坪前後(100~115平米前後)」の広さになることが多い
・必要な土地の広さを計算するときには、建ぺい率と容積率を考慮する
・35坪の4LDKを平均的な坪単価で建てる場合、建築費の目安は3,696万円程度
・土地の広さや家族の価値観に応じた間取りプランを考えることが大切
・家事動線を意識して、快適な住環境を実現しよう
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