ローコスト住宅を建てる際は、見積もりの内容について正しく理解をしておくことが大切です。後から予算オーバーとなってしまわないためにも、見積書のそれぞれの項目がどのような内容であるのかを押さえておきましょう。
この記事では、ローコスト住宅における見積もりの内訳と見方、安く抑えるためのポイントなどを解説します。
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ローコスト住宅の相場はどれくらい?

ローコスト住宅の見積もりについて考えるとき、まずはどれくらいの費用で家を建てられるのかの相場観を把握しておきましょう。
ローコスト住宅は一般的な注文住宅よりも、比較的リーズナブルな住宅を指しますが、建物の構造や広さなどによって実際の建築費用は異なります。
住宅金融支援機構が公表している2022年度「フラット35利用者調査」によれば、土地付き注文住宅の平均坪単価は、約95万円(住宅面積111.5平米、建築費用3,194.6万円)です。
ただし、坪単価はすべての工事費用を含むものではなく、住宅メーカーによって盛り込まれる項目が異なってくるため、事前によく確認しておく必要があります。
ローコスト住宅の場合は、一般的な注文住宅の坪単価よりも安く家を建てられるでしょう。大手住宅メーカーのなかには、坪単価50万円台でローコスト住宅を建てられるところもあります。
ただし近年は、建築資材の高騰によって、ローコスト住宅であっても以前より建築費用がかかる恐れがあるので注意が必要です。複数の会社から見積もりを取って、それぞれの項目について精査し、不明点があれば質問するようにしましょう。
また、家づくりにかかる総費用は土地の価格に大きく左右される部分があるので、土地選びを含めて相談できる会社を選ぶことも大切です。

建築費用の内訳
ローコスト住宅の見積書に記載される項目は、住宅メーカーによってさまざまですが、大きく分けると「建物の本体工事費(本体価格)」「付帯工事費」「諸費用」の3つに分けられます。

全体の費用で見たとき、建物の本体工事費が70~80%、付帯工事費が15~20%、諸費用が5~10%程度の内訳となります。
それぞれの費用項目について、さらに細かく見ていきましょう。
建物の本体工事費
建物の本体工事費は、住宅そのものを建てるための費用です。本体工事費に含まれる項目の例としては、以下のものが挙げられます。
費用項目 | 内容 |
|---|---|
仮設工事費 | 工事作業中の一時的な設備や施設を設置するための費用。足場や仮囲い、仮設トイレ、仮設電気など |
基礎工事費 | 建物の基礎をつくるための工事費。布基礎やベタ基礎など |
木工工事費 | 木材を使用して、建物の構造部分を組み立てていくための工事費。木造住宅においてもっとも大事な工事 |
屋根・板金工事費 | 屋根に用いる素材によって費用が異なる |
内装工事費 | 室内のクロスを貼る作業など |
外装工事費 | 外壁などの外装に関わる部分の工事費 |
電気・水道工事費 | 電気や水道に関する工事費 |
建具工事費 | ドアや障子などの取り付けにかかる費用 |
金物工事費 | ドアノブや階段の手すりなどの取り付けにかかる費用 |
ガラス工事費 | 窓などのガラスに関する工事費 |
左官・タイル工事費 | 水回り設備などにタイルを張るための工事費 |
防蟻(ぼうぎ)工事費 | シロアリの発生や構造部分の腐食を防ぐための工事費 |
付帯工事費
付帯工事費は別途工事費とも呼ばれるもので、建物本体以外の設備にかかる費用をいいます。主なものとして、塀などを設置する外構費用や地盤改良工事費などが挙げられます。
どのような費用項目があるのかをまとめると、以下のとおりです。
費用項目 | 内容 |
|---|---|
外構工事費 | 敷地を囲う塀やフェンス、駐車場などの整備費用 |
地盤改良工事費 | 地盤改良の必要がある場合にかかる費用 |
造園工事費 | 庭を整備するときにかかる費用 |
特殊設備工事費 | 太陽光パネルや蓄電池などを設置するときにかかる費用 |
照明器具工事費 | 室内の照明を取り付けるための費用 |
空調設備工事費 | エアコンや室外機などを取り付けるための費用 |
解体工事費 | 建物を建てる土地に、古い家などがある場合の解体費用 |
設計費 | 住宅のデザインなどを依頼したときにかかる費用 |
諸費用
諸費用は住宅ローンなどに関する事務的な手続きに関する費用です。主なものとして、以下が挙げられます。
費用項目 | 内容 |
|---|---|
登記費用 | 建物や土地を取得したときにかかる登記費用 |
住宅ローン保証料 | 住宅ローンを組むときに信用保証会社を利用するための費用 |
仲介手数料 | 土地を購入するときに、不動産会社に支払う手数料 |
各種税金 | 固定資産税や不動産取得税、消費税など |
ローコスト住宅の建築費用を抑えるためのポイント

ローコスト住宅を建てるときに、なるべく費用を抑えるためには、いくつかチェックしておきたいポイントがあります。どのような点で気をつければよいかを解説します。
建物の形状や間取りをシンプルにする
建築費用を抑えたいのであれば、建物の形状や間取りはシンプルなものにしましょう。
具体的には、家の外観を凹凸のない四角いデザインにし、部屋の間取りも正方形のデザインにすれば、建築費用を抑えられます。建物全体や部屋の形状を四角にすることで耐震性も高まるので、全体的なメリットを踏まえて検討してみましょう。
また、屋根の形状や内装もシンプルなものにした方がコストダウンにつながるので、施工会社の担当者とよく話し合って決めましょう。
複数の住宅メーカーから見積もりを取る
ローコスト住宅を建てるときには、複数の住宅メーカーから見積もりを取ることが大事です。同じような住宅設備やデザインであっても、いくつかの会社に見積もりを取れば、費用の違いなどを比較できます。
ローコスト住宅の建築に実績のある会社であれば、さまざまな部分でコストダウンのノウハウを備えているはずです。気になる住宅メーカーから見積書を出してもらい、じっくり時間をかけて検討してみましょう。
住宅性能に関わる予算は削らない
住宅性能とは耐震性や断熱性、気密性などに関わる部分であり、これらは住み心地だけなく、入居後の光熱費や住まいの耐久性にも関わる項目なので、無理に費用を削るべきではありません。
たとえば、断熱性が低い住宅だと冷暖房費が余分にかかってしまい、入居後のランニングコストが高くつくケースがあります。
住宅性能を高めるための工事は、快適で安心して暮らせる住まいを得るために有用なので、前向きに検討してみましょう。
豊富なノウハウを持った住宅メーカーに依頼をしよう

ローコスト住宅を選んで、家づくりをスムーズに進めるには、豊富なノウハウを持つ住宅メーカーに依頼をすることが大切です。見積書に記載された費用項目について、ていねいに説明してくれる会社を選んでみましょう。
LIFULL HOME’Sでは、ローコスト住宅の建築を得意とする住宅メーカーを手軽に探せます。気になる会社から、住宅カタログや施工事例も請求できるので活用してみましょう。
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記事のおさらい
ローコスト住宅の建築費用の内訳は?
大きく分けると、建物の本体工事費と付帯工事費、諸費用の3つに分けられます。さらに細かな費用項目については、それぞれの住宅メーカーから見積書を取り、不明点があれば担当者に尋ねてみましょう。
ローコスト住宅の建築費用を抑えるポイントは?
建物の外観や内装、間取りをできるだけシンプルなものにすれば、コストを抑えられます。断熱性・気密性といったポイントは入居後の光熱費や住まいの耐久性にも関わる項目なので、無理にコストカットを行わないようにしましょう。
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