住まいにおいて、床は日常的に接する部分のため、家を建てるときにはしっかりと検討しておく必要があります。見た目の美しさだけでなく、快適性を備えた空間をつくるために、床材についても基本的なポイントを押さえておきましょう。
この記事では、ローコスト住宅における床材を選ぶときのポイントについて解説します。
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床材とは

住宅における床材とは、木質系の材料を使用した床のことを意味します。一般的には、床材のことをフローリングといい、屋内で占める面積が広いため、住空間に大きな影響を与えます。
素足で歩く季節には肌が直接触れる部分でもあるため、どの床材にするかはしっかりと検討しておきましょう。
また、選んだ床材によって室内の印象も変わってくるので、インテリアも含めて考えておく必要があるといえます。
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床材の種類

床材は大きく分けて、天然木の無垢(むく)材でつくられた「無垢フローリング」と、合板を薄くカットして貼り合わせた「複合フローリング」があります。
それぞれの特徴について解説します。
無垢フローリングの特徴
無垢フローリングとは、無垢材でつくられた床を指します。無垢材は1本の木から板を切り出したものであり、層が1つしかないことから単層フローリングとも呼ばれます。
無垢フローリングには、ブナやナラ、ヒノキやスギなどの樹種が使われることが多く、美しい木目と天然由来の色みが特徴です。
経年変化による温かみのある味わいに加え、調湿・保湿性に優れており、日本の気候や風土とマッチした素材だといえるでしょう。無垢フローリングは肌触りのよさも特徴であり、素足で室内を歩く人でも快適に過ごせます。
ただし、無垢材は天然素材である性質上、色や木目を思うようにデザインするのが難しいです。また、湿気の多い梅雨時は膨張し、乾燥した冬の時季はすき間が空いてしまうといった性質もあります。
無垢フローリングにする場合は、そうした木材の特性をよく理解した施工会社に依頼することが大切です。
複合フローリングの特徴
複合フローリングは「突き板フローリング」「挽き板フローリング」「シートフローリング」の3種類に分けられます。
それぞれの特徴をまとめると、次のとおりです。
突き板フローリング | 挽き板フローリング | シートフローリング | |
|---|---|---|---|
概要 | 天然木である木材を薄くそいで貼り合わせた「表面化粧板」のこと | 突き板フローリングよりも表面化粧板が厚くなったもの | 板の表面に天然木を使わずに、プリントしたシートを貼り合わせてつくったフローリングを指す |
メリット | 反りや収縮などの変形が少なく、品質が安定している | 木の色みを感じやすく、反りや収縮などの問題が少ない | さまざまな色合いや木目を表現でき、長期間きれいな状態を保てる |
デメリット | 木の質感や感触などはあまり感じられない | 突き板フローリングと比較すると価格が高くなる | 本物の天然木の色合いを完全に再現するのは難しい |
上記のように、複合フローリングは天然木を貼り合わせたものやプリントしたシートを貼り合わせたものなど、さまざまです。インテリアや部屋の使い方などを考慮して、適したものを選びましょう。
ローコスト住宅でも無垢材の使用は可能?

前述のとおり、無垢フローリングは調湿・保湿に優れており、経年変化による味わいが出てくるのが特徴です。無垢材を多く使った住空間は、リラックスできる温かみのある空間に仕上がるでしょう。
一般的に無垢材は高価だと考えられがちですが、さまざまな種類や価格帯があるので、工夫次第では無垢材をローコスト住宅に取り入れることが可能です。
好みのデザインや雰囲気、予算に合わせて検討してみましょう。予算内に収めるには、次の2つのポイントを押さえておくことが大事です。
工夫した間取りにする
床材にかかる費用を抑えるには、シンプルに床面積を少なくすることが大事です。
ただし、部屋の床面積を無理に狭めてしまえば、本来の用途で使えなくなる恐れがあるため、廊下や玄関などの床面積を小さくしてみましょう。
床面積を小さくすると、やや圧迫感が生じる場合もありますが、その代わりに窓を大きくしたり内装の配色を工夫したりして、できるだけ屋内を広く見せるようにしましょう。
また、間取りを細かく区切ってしまうとその分だけ工事が必要になるので、結果として建築費が高くなりがちです。壁を設けずに広々とした間取りにできるのであれば、建築費を抑えられる場合もあります。
無垢材の取扱いに実績のある住宅メーカーを選ぶ
無垢材を使いたいときは、取扱いの実績がある住宅メーカーを選ぶことが大切です。無垢材は性質上、反ったり曲がったりすることがあるため、経験が豊富な施工会社に依頼をする方が安心です。
日頃から無垢材を多く取り扱っている会社であれば、大量に仕入れることでコストダウンを図ることができ、何より無垢材についてのノウハウが豊富にあります。気になることを何でも相談できる会社を見つけましょう。
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無垢材を使うときのポイント

ローコスト住宅において無垢材を上手に使うには、いくつかのポイントがあります。押さえておきたい3つの点について解説します。
余分な収納スペースを減らして、費用を抑える
費用を抑えるためには、余分な収納スペースを減らしてみることも検討してみましょう。細かな収納をいくつもつくるより、大きな収納を1つつくる方が無垢材の使用量が減るため、建材費を抑えられます。
また、建具を付けずにオープンクローゼットとすることで、建材費を抑える方法もあります。実際に暮らしたときのイメージを持ちながら、どのような収納スペースが適しているのかを検討してみてください。
建材の等級を低いものにする
建材における等級は強度に関係するというより、見た目に関する部分が大きいといえます。低い等級の床材を選んだからといって、建物そのものの強度に影響があるわけではありません。
そのため特にこだわりがなければ、目立たない部分には安めの建材を選ぶと全体の価格をうまく抑えられるでしょう。
どこに無垢材を使うかを決める
無垢材にこだわりがあったとしても、住宅で使用する床材のすべてを無垢材にする必要はありません。
普段から長い時間を過ごす場所や目につきやすい部分だけを無垢材にして、それ以外のところはほかの建材を使うことによって全体としてのコストを削減することが可能です。
たとえば、家族でゆったりと過ごしたいリビングには無垢材を使い、ほかの部分は比較的手頃な木材を使う、というようにメリハリをつけると、予算を組みやすくなります。
床材に精通している会社を選ぼう

快適な住空間を生み出すには、床材のことに精通している会社を選ぶことが大切です。
一口に床材と言っても、種類や用途はさまざまなので、豊富な実績を持つ会社に依頼をする方が、イメージに合った仕上がりを期待できるでしょう。
LIFULL HOME’Sでは、ローコスト住宅に詳しい住宅メーカーを気軽に探せます。気になる会社が見つかったら、施工事例のカタログなどを取り寄せることも可能なので、家づくりのイメージを固める際に活用してみましょう。
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記事のおさらい
床材にはどんな種類のものがある?
床材は大きく分けると、「無垢フローリング」と「複合フローリング」があります。それぞれに色みや調湿・保湿性の違いなどがあるので、用途に合わせて使い分けることが大切です。
建材費を抑えるポイントは?
建材費をうまく抑えるには、収納スペースを1つにまとめたり、間取りを工夫して建材を使う床面積を小さくしたりすることが挙げられます。実際に暮らしたときに不便にならないよう、施工会社の担当者とよく相談して決めましょう。
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