注文住宅を建てるとき、敷地調査や地盤調査が必要になるケースがあります。理想の家づくりをスタートするためには、家を建てる敷地の現況確認は欠かせない第一歩となるでしょう。今回は、大切な家を災害から守ったり、住み心地のよい間取りを考えたりするうえでも重要になってくる敷地調査と地盤調査について、その概要とチェックポイントを解説していきます。

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注文住宅を建てる際に必要な調査とは?

 

家づくりには、不動産登記法や建築基準法といったさまざまな法律関わってきます。これらの法で定められた基準の確認も含め、建物の安全性や品質を確保するために行われるのが敷地調査と地盤調査です。それぞれの概要について見ていきましょう。

敷地調査とは、測量を行って敷地の正確な面積や形状を調べる調査のことです。隣地との境界杭の有無をはじめ、隣地や道路との高低差なども確認します。隣地との境界線が分からない場合には、その所有者の立ち会いの下で境界線を明確にするといった工程が必要になります。

 

また、敷地内に上下水道、ガス、電気の配管があるかどうかも調べます。こうしたライフラインの配管を新たに引き込んだり、交換したりする必要がある場合には、別途工事費が発生することになります。

 

このほかにも、その土地に建てられる住居の高さや大きさを制限した「建ぺい率」と「容積率」、周辺の環境保全のための「斜線制限」などの基準を満たしているかといった設計上の確認作業も併せて行われます。

 

一般的な敷地調査では1件につき5万~8万円の費用がかかりますが、ハウスメーカーによっては無料で行うケースもあります。期間はおおよそ1~2ヶ月ほどといわれていますが、建築許可や農地転用などの申請が必要であれば3ヶ月~半年ほどかかる場合もあるでしょう。

地盤調査とは、住宅を建てる土地の強度を測るための調査のことです。建設する住宅の重量に耐え得るのか、沈下に抵抗する力があるのかを確認します。重さに耐えられないような地盤に建設してしまうと、建物が沈下したり傾いたりすることもあり得るため、住宅に長く安全に住むためには重要な調査です。

 

調査方法は大きく分けて「スクリューウエイト貫入試験(SWS試験)」「ボーリング試験」「平板載荷試験」の3種類がありますが、一戸建ての場合に一般的なのがスクリューウエイト貫入試験です。先端がスクリュー状の鉄棒を地中に刺して回転させ、その回転数やおもりの重量で地盤の強度を測定します。費用は5万~10万円程度で、半日~1日程度で調査できます。

 

一方、マンションの建設など広い敷地に適しているのが、ボーリング試験です。機械で掘削しハンマーを落として強度を測るため、土質まで調査できるのがメリットですが、やぐらを組み立てるなど大がかりになるため、費用は20万~30万円程度、調査日数は1日~数日程度かかります。

 

また、敷地に平板を置いて建物と同程度の重量をかけて地盤の強度を測る平板載荷試験は短時間で測定可能で騒音や振動が出にくく、費用も10万円程度で済みます。しかし、深い地盤まで調査できないといったデメリットもあるため注意しましょう。

敷地調査と地盤調査で確認する項目は?

 

家づくりの第一歩となる敷地調査と地盤調査について、具体的にどんな点を確認していくのか、項目ごとに見ていきましょう。

敷地調査はこれから家を建てる土地にどんな法規制があるのかを確認するとともに、周辺の環境を把握したうえで住み心地のよい家を建てるための大切な調査となります。確認する主な項目は以下のとおりです。

敷地の形と面積

測量を実施することで敷地の正確な形と面積を把握し、測量した面積が登記簿の記載と一致するかを確認します。家を建て替える場合でも、以前の測量技術が正確でないケースもあるため、改めて面積を測定します。

敷地に面した道路の状況

都市計画区域内では幅4m以上の道路に2m以上接した土地でなければならないという「接道義務」があります。道路の幅が足りないと、敷地を後退させる「セットバック」が必要になることもあります。ほかにも、道路の幅や高低差を測定し、側溝の種類、電柱・マンホール・ガードレールなどの位置を確認します。

方位の測定

部屋の間取りを考えるうえで、日当たりや風通しのよさを設計に反映するために方位を測定します。家相や風水などを考慮した家づくりでも、正確な方位の測定は欠かせない要素でしょう。

隣家の窓や換気扇の位置

敷地の間近に隣家がある場合には、隣家の窓や換気扇の位置を確認します。隣家の窓から室内が見ないようにしたり、換気扇の排気が窓から入ってこないようにしたりと、窓の配置を工夫します。

法規制の確認

家を建てる場合、不動産登記法、建築基準法、都市計画法などの法規制に則しているかどうかの確認は欠かせません。たとえば、建築する住居が都市計画法に基づいた「用途地域」の条件を満たしているのかなどをチェックしていきます。

耐震性の高い家など、災害に強く安全な家を考えるうえで欠かせないのが地盤調査です。結果によっては、地盤改良工事などが必要になる場合もあります。主な確認項目は下記のものになります。

地盤構成や強度・支持力

地盤構成では、盛り土や埋め立てなどで人工的につくられた土地なのか、自然のままの土地なのかを調べます。併せて、住宅を支えるための基礎的な地盤の強度を調べていきます。

土質・土層の把握

砂分が多い砂質土なのか、粘土や泥を多く含む粘性土なのかといった土質について調べることで、地盤改良の必要性などを判断します。地震で引き起こされる液状化のリスクについて、土質や地下水位の高さ、砂丘地帯や埋立地といった地形の状況などから判定します。

地下水位

地下水が地盤からどのくらいの深さにあるのかを調べます。地盤改良工事が必要な場合、どんな工法が適しているのかの判断にも使われます。

液状化判定

地震で引き起こされる液状化のリスクについて、土質や地下水位の高さ、砂丘地帯や埋立地といった地形の状況などから判定します。

 

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建物の安全性や品質を確保するために必要な調査が、敷地調査と地盤調査です。詳しくは、「注文住宅を建てる際に必要な調査とは?」をご覧ください。

家づくりに欠かせない敷地調査では測量による正確な面積を、地盤調査では土地の強度などを調べます。詳しくは、「敷地調査と地盤調査で確認する項目は?」をご覧ください。

 

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