6LDKは一戸建ての間取りとして、部屋数が多い部類に入ります。そのうえで、平屋は2階建て以上に広い敷地が求められます。
今回は6LDKの平屋を建てるのに必要な土地の広さと、間取りや費用の考え方について見ていきましょう。
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6LDKの平屋を建てるのに必要な広さ

建坪は50~60坪が目安
まずは、6LDKの平屋を建てるのに、どのくらいの建坪(建築面積を坪数に換算したもの)数が必要なのか見ていきましょう。各部屋やLDKの広さによっても異なりますが、結論からいえば50~60坪は確保したいところです。
住宅金融支援機構がフラット35の利用者を対象に行った、2021年度の調査(※)によると、注文住宅の住宅面積は全国平均で123.8平米。これは、坪数でいうと37坪程度に相当し、間取りは広めの3LDK~4LDKとなるのが一般的です。
6LDKはそれよりも2~3部屋分のスペースが必要なので、少なくとも50坪程度の建坪にはなると考えておくとよいでしょう。
※ 住宅金融支援機構「2021年度 フラット35利用者調査」
6LDKの平屋の例
参考までに、部屋割りのイメージから逆算して、6LDKの平屋に必要な建坪を考えてみましょう。
たとえば、建坪が50~60坪の場合、具体的には以下のようなつくりになります。
| 坪数 | 畳数 |
|---|---|---|
玄関 | 2 | 4 |
玄関収納 | 0.5 | 1 |
バス | 1.5 | 3 |
洗面所 | 1 | 2 |
トイレ | 0.5 | 1 |
収納(各部屋分の合計) | 3 | 6 |
廊下 | 3 | 6 |
階段 | 2 | 4 |
リビング | 8 | 16 |
ダイニング | 3 | 6 |
キッチン | 3 | 6 |
居室1(和室) | 8 | 16 |
居室2 | 5 | 10 |
居室3 | 5 | 10 |
居室4 | 4 | 8 |
居室5 | 3 | 6 |
居室6 | 3 | 6 |
ウォークインクローゼット | 1 | 2 |
その他 | 0.5 | 1 |
合計 | 57 | 114 |
必要な土地の広さは「建ぺい率」によって変わる
原則として、土地には敷地いっぱいに建物を建てることができません。
火災時の延焼を防止したり、景観を守ったりするために、土地にはそれぞれ「この割合を超える広さの建物を建ててはならない」という数値が決められているのです。
これは、「建ぺい率」と呼ばれるルールであり、具体的には「敷地面積に対する建築面積の上限割合」を指す言葉です。建ぺい率は土地ごとに設定されており、具体的な割合には30~80%と幅があります。
また、角地に家を建てる場合や、防火地域において耐火建築物(マンションなど)を建てる場合には、一定の割合で建ぺい率が緩和されることもあります。
このように、建ぺい率は土地によって差があるため、土地選びの時点でチェックしておく必要があります。
たとえば、同じ100坪の土地でも、建ぺい率30%なら建築面積30坪までしか認められません。それに対して、建ぺい率80%なら80坪まで認められるので、倍以上広い家を建てられる計算になります。
◇60坪の平屋を建てる場合…建ぺい率50%だと120坪の土地が必要
60坪の平屋を建てるケースで考えると、一般的な住宅街に多い「建ぺい率50%」の場合、少なくとも土地には120坪の広さが必要であると計算できます。
6LDKの平屋で考えたい間取り配置のポイント

ワンフロアですべての生活空間が収まる平屋は、2階建てにはない魅力や利便性があります。しかし、平屋は十分な広さを確保するのが難しいからこそ、間取りに工夫が必要になるでしょう。
6LDKを考えたうえで大切なのが、部屋の配置や収納スペースです。収納に関しては、土間収納やキッチン近くにパントリーを設置、そして各部屋にクローゼットなどを配置すれば、プライバシーを守りつつ荷物を収められるでしょう。
また、生活動線を考えながら部屋の配置を考えることも大切です。部屋数が多くなれば、どうしても生活動線が長くなってしまいがちです。
1つの方法としては水回りを1ヶ所にまとめ、動線をコンパクトにしてみましょう。家族構成を考えながら、世帯人数に応じた暮らしやすさを追求していくことが大事です。
平屋住宅の住宅カタログを探す 平屋住宅の事例を探す6LDKの平屋を建てるときにかかる費用は?

平屋の住宅を建てる際に、2階建て住宅との建築コストの違いについても目を向けておきましょう。
平屋の建築コスト
2階建てに必要な足場の組み立てが少ないので建築コストを抑えられる面もありますが、平屋は基礎や屋根の面積が同規模の2階建てよりも広くなります。
そのため、トータルコストは2階建てよりも1~2割程度高くなると考えておきましょう。目安として坪単価は60万~80万円程度ですが、間取りや仕様によって費用が変わるので、一概にいくらとはいえない部分もあります。
細かな費用については施工会社によっても異なるので、複数の会社に見積もりを依頼して比較することが大切です。
平屋を建てる際のポイント

平屋を実際に建てる際、注意しておきたい点がいくつかあります。住みやすい家を手にするためにも、事前に気をつけておきたいポイントを把握しておきましょう。
生活動線を考える
日々の家事を行う視点から、どのようなルートで動くのかをきちんと考えて間取りを決めることは重要なポイントです。
水回りや洗濯物を干す場所、家族のライフスタイルに合わせた部屋の配置など、実際の生活を想定しながら、家族と相談して決めましょう。
また、家族構成の変化についても、考えておくことが大切です。子どもが自立した後のことや親らと同居したりする可能性を考慮しながら住まいの間取りを考えましょう。
周りの環境
住宅を建てる土地や周辺環境がどのような状況なのかを把握しておくことは大切です。
隣の家との距離が近かったり道路が近かったりする場合、平屋を建てる土地によっては、プライバシーや防犯面での不安に加えて、風通しや日当たりが悪くなってしまう可能性もあります。
建てる土地の環境に左右されやすい点に注意し、事前に現地の様子を確認してから家づくりを進めましょう。
建築費用は比較と決断
建築費用に関しては、ハウスメーカーや工務店などによって異なります。また、建築する住宅のグレードによっても金額が上下するでしょう。
そのため、標準仕様の価格をそれぞれ比較する必要があるので、複数の会社から見積もりを取ることが重要です。過去の施工実績などを踏まえて、どの会社に依頼するのかを決めてみましょう。
ハザードマップの確認は大切
平屋は洪水などの災害が起こった場合、階上への避難ができない点にも注意しておきましょう。床上浸水となると、その後住み続けるのが困難になることもあります。
まず土地を探すときには「ハザードマップ」やその土地の「浸水履歴」を調べてみましょう。
国土交通省がハザードマップポータルサイトを運営しているので、住んでいる土地やこれから住む土地の災害リスクがどの程度かをあらかじめ把握しておくことが大事です。
平屋住宅の住宅カタログを探す 平屋住宅が得意な会社を探す6LDKの平屋で暮らすのに向いている人とは

6LDKは、2階建て以上の一戸建てであっても部屋数は多い方です。
その分、土地にはかなりの広さが必要となるため、「広い土地を持っている人」「相続で広い土地を取得する人」「地価の安い場所に住む人」など、実現できるケースはある程度限られます。
そのうえで、複数世帯が一緒に暮らせる十分なスペースが持てるので、「二世帯や三世帯での同居を考えている人」に適した選択肢といえるでしょう。
ワンフロアで段差のない平屋は、高齢の親と同居することを考えても安心かつ快適な環境です。
土地に十分な広さがあれば、建物の形状をコの字形にして中央をリビング、左右それぞれを異なる世帯に振り分けて、家族同士のプライバシーを確保することもできます。
それ以外には、「在宅で仕事をする機会が多い人」や「趣味の部屋がほしい人」などにも向いています。
特に、平屋は庭とのつながりを設けやすいのも魅力なので「ペットを飼っている人」や「バーベキュー、ガーデニングを楽しみたい人」などには理想に当てはまる可能性が高いです。
記事のおさらい
平屋を建てるのにどれくらいかかる?
平屋は基礎の面積や屋根の面積が広くなるため、同じ延床面積の2階建てよりもコストがかさみがちです。トータルコストは2階建てよりも1~2割程度は高くなる傾向があります。
平屋を選択するときの注意点は?
日々の生活動線や周辺環境などに気を配る必要があります。また、複数の会社から見積もりをとって建築費用を比較したり、災害に強いエリアであるかを確認したりすることも重要です。
6LDKの間取りの平屋はどんな人に向いている?
地方などに住んでいて広い土地を持っている人や、相続などで土地を取得した人などが想定されます。また、世帯人数が多い家庭や二世帯住宅で住むことを考えている人なども向いているといえるでしょう。
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