新しく家を建替える場合、工事期間中は仮住まいで暮らすことになります。建替えにかかる期間は住宅の規模などによって異なりますが、数ヶ月は仮住まいでの生活になることが予想されます。

 

今回は、仮住まい先の選択肢や費用、無料もしくは安く抑えるためのポイントについて紹介します。

建替え中は仮住まいが必要になる

 

家を建替える際は、住んでいた家から荷物を運び出し、新しい家が完成するまで仮住まい先で生活することになります。

 

別の土地に新しく家を建てるのとは違い、建替えの場合は解体作業がある分、工事期間が長くなるのが特徴です。

 

そこで気になるのが仮住まいの期間ですが、一般的にはどれくらいなのでしょうか。

仮住まいが必要になる期間

 

家の建替えでは、家を取り壊す前に仮住まい先へ引越す必要があります。新築工事が終わり、引き渡しが終わるまでの期間は、仮住まい先で生活します。

 

建替え時のスケジュール

工程	内容
事前準備	情報収集 建築会社探し 設計プランの相談 住宅ローンの申し込み 解体を依頼する会社の選定
仮住まいへ引越し	仮住まい先を探す 引越しの日時を決める 引越し作業
家の取り壊し	解体作業 地盤調査、地盤改良
新築工事	各種工事
引き渡し、登記手続き	竣工検査、引き渡し 登記申請手続き 引越し後、入居開始

一般的には半年程度、長いと1年の場合も

 

住宅の規模や建築プランにもよりますが、家の取り壊しに約1ヶ月程度、新築工事は約4～6ヶ月、長くて1年程度かかるのが一般的です。

 

工事にかかる期間は、自然災害や設備・資材の到着の遅れなどにより、当初予定していたスケジュールより長くなることも想定されます。

 

特に、自然災害は予想できないため、スケジュールにはある程度余裕をもっておくことが大切です。

 

施主の希望によって工事が追加されたり、手付金や着工金の支払いが遅れたりすると、工期が遅れる要因になります。

 

担当者とこまめにコミュニケーションを取りながら、スケジュールに配慮する必要があるでしょう。

 

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建替え中の仮住まいの選択肢と費用の目安

 

仮住まいの選択肢はいくつかありますが、それぞれ特徴や費用が異なるため、よく比較するようにしましょう。ここでは、5つの選択肢について見ていきます。

実家を間借りする

 

仮住まい先の費用を一番抑えられるのが、実家で一時的に生活することです。住居費用がかからず、引越し費用のみで済みます。

 

引越しにかかる費用は、ファミリープランを申し込んだ場合で9万円程度、単身の場合は6万円程度が相場です。

 

ただし、実家に帰るという選択肢は、勤務先や子どもの通学などにも影響がない場合に限られます。

 

また、実家の部屋数が少なかったり、同居する家族に影響を与えたりする場合などは、よく話し合って決めることが重要です。

賃貸物件を借りる

 

賃貸物件を借りる場合、一般的には契約期間が1年以上の物件が多いですが、中には1年未満の契約も可能な定期借家契約もあります。

 

定期借家は契約更新ができない分、家賃が比較的安く設定されている傾向があります。

 

東京都23区内、2LDKの間取りの定期借家物件を見てみると、最も安い物件で家賃が7万～8万円台となっています。

 

仮に、初期費用が家賃の3ヶ月分とすると、21万～24万円程度となり、毎月の家賃と引越し代をプラスすると、1年間で約115万～130万円が目安となります。

 

契約期間が1年以上の賃貸物件を借りる場合は、さらに高くなることが予想されます。普通の賃貸物件よりも費用を抑えたいという人は、定期借家物件を検討してみるといいでしょう。

 

定期借家物件

マンスリーマンションを借りる

 

マンスリーマンションとは、月単位で借りることができるマンションのことです。

 

物件にもよりますが、敷金・礼金が発生することはなく、仲介手数料がかからないケースが多いため、短期間であれば一般的な賃貸住宅よりも安く済みます。

 

ただし、賃料は少し高めに設定されているほか、2LDK以上など、ファミリータイプの物件は少ない傾向があります。

 

一例として、LIFULL HOME’S内で東京都23区、2LDK以上の広さのマンスリーマンションを探すと、家賃は14.8万円でした（2024年11月時点）。

 

東京近郊に範囲を広げて探してみると、埼玉県所沢市で7.6万円（敷金・礼金なし）の物件がありました。

 

もし工事期間が短く、希望するエリアでマンスリーマンションがあるのであれば、検討してみるといいでしょう。

 

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ホテルに滞在する

 

仮住まい先としてホテルを選ぶケースはあまり多くありません。しかし、数日程度であれば、キッチンや洗濯機などがついたコンドミニアムタイプのホテルに滞在するという方法もあります。

 

ホテルに泊まるとなると、1泊だけで一人1万円以上かかることも珍しくありません。

 

1ヶ月で約30万円、3ヶ月で約90万円以上、複数人での滞在であればその倍以上はかかるため、コスト重視であればマンスリーマンションの方がおすすめといえます。

プレハブを設置する

 

敷地が広い場合は、敷地内にプレハブ（ユニットハウス）を建てて住むという方法があります。

 

プレハブ住宅は仮住まい用として短期でレンタルできるケースがあり、レンタル料は少なくとも100万円以上が相場です。

 

プレハブを設置するには、建築確認申請が必要になり、認められなければプレハブ住宅に住むことができません。

 

選択する人は多くありませんが、気になる人はプレハブ専門会社のホームページなどで詳細を確認してみるといいでしょう。

建替え中の仮住まいは無料にできる？

 

建替え中の仮住まいは、費用が高くなりがちです。仮住まいを無料にするための一番の方法は、前述した通り、住居費がかからない実家などで間借りすることです。

 

引越し費用や、別途駐車場・トランクルームを契約する場合にはお金がかかりますが、住居費を負担しなくてよいメリットの方が大きいでしょう。

 

その他の方法としては、あまり多くはありませんが、ハウスメーカーや工務店に相談し、仮住まい先を提供してもらうという選択肢もあります。

ハウスメーカーや工務店に相談する

 

地域密着型の工務店に見られるケースですが、工務店によっては、建替えを依頼すると、仮住まいを無料で提供してもらえるケースもあります。

 

あまり多くはありませんが、もし建替えをするエリアの工務店でそのようなサービスを提供していたら、検討してみるのもいいでしょう。

 

ペット可や駐車場付きといった好条件の仮住まいもあり、さらに、負担するのは引越し代と光熱費のみのケースが多いため、費用を抑えたい人におすすめです。

 

また、ハウスメーカーによっては仮住まい先の紹介をしているケースもあるため、建替え中のサポートについてはハウスメーカーや工務店に一度相談してみるといいでしょう。

不動産会社に相談する

 

仮住まい先を探す際は、ハウスメーカーや工務店に相談する以外にも、不動産会社や物件サイトなどで情報を集めるという方法があります。

 

あらかじめ、短期間での利用や予算を抑えて契約したい旨を担当者に伝えれば、無料とはいかなくても、家賃の安い物件を探すことは可能です。

 

条件に合った物件がすぐに見つかるとは限らないため、余裕をもって早めに探すことが重要です。

 

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仮住まいの費用を抑えるためのポイント

 

仮住まい費用を少しでも抑えるためには、何ができるでしょうか。費用を少しでも抑えるためにできるポイントを3つ紹介します。

繁忙期を避けて引越しをする

 

建替えの際、引越し会社に依頼すれば引越し代がかかります。引越し代は複数の会社に見積もりを依頼することで、安いプランを選択できますが、引越しのタイミングにも注意が必要です。

 

繁忙期である3～4月、連休がある5月や8月は、引越し代が高くなりがちです。可能であれば、引越しのタイミングを閑散期に合わせるようにしましょう。

あらかじめ不要な荷物を処分しておく

 

引越しをする前の荷造りでは、あらかじめ不要な荷物を処分しておくと、その分引越し代も安くなります。

 

持ち出す荷物が多ければ、それだけ費用も上乗せされていきます。必要なものとそうでないものを整理し、荷物を減らした状態で引越しをするのがおすすめです。

 

荷物が少ない方が、トランクルームを別途契約する手間を省けるだけでなく、実家などで間借りする場合にもスペースの節約になるでしょう。

 

引越しに合わせて不要な家具や家電を思い切って手放し、新居に入る際に買い替えるなど、なるべく荷物はコンパクトにすることを意識してみましょう。

補助金・助成金を利用する

 

自治体によっては、建替えの際の解体費用や新築にかかる費用の一部に対して補助金制度を設けているケースもあります。

 

数十万円から100万円以上と、補助金の額は自治体によって異なりますが、条件を満たすのであれば積極的に利用しましょう。

 

建替えや新築では、国や自治体がさまざまな補助金・助成金制度を設けています。解体会社や建築会社の担当者、専門家にも相談しながら利用できるものに申し込みましょう。

建替え中の仮住まいを借りるときの注意点

 

建替え中の仮住まいは、多くの人が短期で借りられる賃貸物件を検討するかと思います。その場合は、以下のような問題が発生する可能性があるため、注意が必要です。

一般的に、賃貸借契約は2年間というケースがほとんどです。

 

多くの場合、2年未満で解約することも可能ですが、物件によっては契約期間より短期間で解約する際の条項を設けている場合もあるため、賃貸借契約書の記載内容を確認することが大切です。

 

また、ペット可物件や、収入スペースにゆとりのある物件などは、家賃が高く、物件数が限られる可能性があります。

 

条件に合った物件が見つからない場合は、短期間だけペットを家族や知人に預ける、トランクルームを契約して荷物を保管するといった方法も検討しましょう。

 

住む場所が変わることで、通勤時間が長くなったり、子どもが通っている学校まで時間がかかったりといったことも想定されます。

 

なるべく生活に支障をきたすことのないように、物件選びは慎重に進めるようにしましょう。

 

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よくある質問

Q1：建て替え中の仮住まいは、どのくらいの期間必要になりますか？

A1： 住宅の規模や建築プランによって異なりますが、一般的には半年から最長1年程度かかることが多いです。家の解体には約1ヶ月、新築工事には約4～6ヶ月が目安とされています。自然災害や資材の遅延などで期間が延びる可能性もあるため、余裕を持ったスケジュールを立てることが大切です。

Q2：仮住まいの費用を抑えるには、どのような方法がありますか？

A2： 仮住まいの費用を抑えるには、いくつかの方法があります。実家を間借りできれば、住居費を抑えられます。その他、引越しを繁忙期ではない時期に行う、不要な荷物を事前に整理して引越し費用を削減する、自治体などが提供している建て替えに関する補助金・助成金を利用する、といった方法があります。

Q3：仮住まいの選択肢には、どのようなものがありますか？

A3： 仮住まいの選択肢としては、実家を間借りする、賃貸物件を借りる（定期借家契約を含む）、月単位で借りられるマンスリーマンション、短期間であればコンドミニアムタイプのホテル、敷地が広い場合はプレハブを設置する、などがあります。それぞれの特徴や費用を比較して、ご自身の状況に合ったものを選ぶことが重要です。

Q4：ハウスメーカーや工務店に、仮住まいについて相談することはできますか？

A4： はい、相談できます。地域密着型の工務店の中には、建て替えを依頼すると仮住まいを無料で提供してくれるケースもあります。ハウスメーカーによっては、仮住まい先の紹介サービスを行っている場合もありますので、建て替えの相談をする際に、仮住まいのサポートについても確認してみるといいでしょう。

Q5：短期で借りられる賃貸物件は、見つけやすいですか？

A5： 一般的に賃貸借契約は2年間が多いため、短期間で借りられる物件は数が限られる傾向があります。また、ペット可物件や荷物を置くスペースにゆとりのある物件は、さらに選択肢が少なくなる可能性があります。希望するエリアや条件に合った物件を見つけるためには、早めに不動産会社に相談し、余裕を持って探すことが大切です。