二世帯住宅に建て替える場合の選択肢は？

 

二世帯住宅に建て替える際の選択肢は、大きく分けると3つあります。どのタイプを選択するかによって、建て替え費用も大きく異なります。

「完全同居型」の二世帯住宅

まず1つ目は、「完全同居型」の二世帯住宅を建てるケースです。通常の一戸建てに2世帯が同居し、玄関から室内の設備まで、すべて2世帯で共有します。

 

プライバシーが確保しにくい点がデメリットですが、建築費用は抑えられます。

「部分共有型」の二世帯住宅

2つ目の選択肢が、「部分共有型」の二世帯住宅を建てるケースです。部分共有型とは、玄関やリビングなどの一部の設備を2世帯で共有する住宅のことです。

 

大きなメリットは、世帯ごとにプライベート空間を確保しながらも、適度にコミュニケーションの機会が保たれる点にあります。

 

建築費用はどの設備や空間を共有するかによって異なりますが、完全同居型よりも高くなります。

「完全分離型」の二世帯住宅

 

そして3つ目の選択肢が、「完全分離型」の二世帯住宅を建てるケースです。玄関は2ヶ所で室内の設備も世帯ごとに設置するため、当然ながら二世帯住宅の中でも費用がもっとも高くなります。

 

隣同士に住みながら家族がそばにいる安心感を得ることができ、将来的にどちらか一方を貸し出すという選択肢も考えられます。

 

二世帯住宅に建て替える際は、この3つのケースのどれかを選択することになりますが、住宅の構造によって間取りが異なる点を覚えておきましょう。

二世帯住宅の建て替え費用は？

 

既存住宅を建て替える際は、解体工事費や建築工事費、諸費用がかかります。それぞれの費用相場について見ていきましょう。

解体工事費の目安

 

解体工事費は、住宅の構造やエリアなどの条件によって異なりますが、費用の目安は以下のとおりです。

仮に30坪の木造住宅を解体する場合は、120万～150万円程度解体費として発生します。複数の不動産会社に見積もりを依頼し、それぞれの費用と内容を比較してみましょう。

建築工事費の目安

 

二世帯住宅の建築工事費は、完全同居型と部分共有型、完全分離型のどのタイプかによっても異なります。それぞれの建築工事費の目安は以下のとおりです。

完全分離型は2軒分の機能を備えるため、建築コストも完全同居型と比較すると3割以上高くなります。

 

そのため、複数のハウスメーカーに見積もりを依頼し、まずは相場を把握してから間取りの種類や構造を検討するのがおすすめです。

諸費用の目安

 

そのほかに諸費用として、火災保険や契約時に必要な印紙代、登記代、各種税金、住宅ローンの借り入れ費用などがかかります。

 

また、外構工事費や仮住まい費用、住宅の種類によっては住宅性能評価や長期優良住宅の申請費用などが追加でかかるケースもあります。

 

諸費用の相場は、家を建てる費用全体のうち最低でも3～6％以上かかります。

 

仮に、4,000万円の二世帯住宅を購入する場合、120万～240万円以上かかる計算になります。資金計画の際には諸費用も含めたトータルコストを把握しましょう。

 

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建て替えるよりもリフォームしたほうが安い？

 

二世帯住宅に建て替えるよりも、リフォームしたほうが安いと考える人もいるかもしれません。

 

建て替えは現在立っている家を解体し、更地にした後で基礎工事を含めて新たに家を建てます。一方、リフォームは建物の基礎や柱などを残した状態で、住宅を修繕するための工事を行います。

 

二世帯住宅として機能するように一部の設備を増やしたり、間取りを一部変更したりするだけであれば、建て替えよりもリフォームの方が安いでしょう。

 

ただし、建物の状態や立地などによってリフォーム費用は大きく変わるため、最終的に建て替えとリフォームで費用があまり変わらないということもあり得ます。

 

現在住んでいる住宅の状態を確認し、新しく建てる住まいの条件を整理したうえで、どちらにするか決めるようにしましょう。

二世帯住宅の建て替え費用を抑えるポイントは？

 

二世帯住宅の建て替え費用を抑えるためには、いくつかポイントがあります。

間取りをシンプルにする

 

二世帯住宅のなかでも完全同居型であれば、単独世帯と同じ程度に費用を抑えることが可能です。共有設備を増やして設備費用を抑え、内外装もシンプルにすれば費用を抑えられます。

 

部分共有型や完全分離型の場合は、建材や部品のグレードを下げたり、外形は凹凸がない正方形の2階建てにしたりするのも費用を抑えるポイントです。

 

また、水回りの設備を近接させて配管を短くするなど、間取りをシンプルにすることを意識してみましょう。間取りがシンプルで工事期間が短くなれば、その分、仮住まい費用なども抑えられます。

補助金制度を利用する

 

市区町村によっては、住宅解体費用の補助金制度を設けていたり、多世帯同居を対象に新築購入時の補助金制度を設けていたりするケースがあります。住んでいる地域の窓口などで利用できる補助金制度がないか確認してみましょう。

 

また、住宅を取得する際にかかる不動産所得税や固定資産税は、単独世帯とは違って2世帯当たりの軽減措置が受けられます。こちらも住んでいる地域によって軽減措置の内容が異なるので、あらかじめ自治体の窓口に確認しましょう。

 

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