今住んでいる家を老朽化や間取り変更などの理由で建替える場合は、解体費用・新築費用・仮住まい費用など、一定の費用がかかります。支出額を少しでも抑えたい方におすすめなのが、助成金です。
住宅の建替えで受け取れる助成金はいくつか種類がありますので、今回は主な助成金の種類や利用する際の注意点について紹介します。
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住宅の建替えにかかる費用の相場は?

住宅の建替えは解体と新築の主に2つの工程があります。まずは解体にかかる費用ですが、木造の場合は坪単価約4~5万円、軽量鉄骨造は坪単価6~7万円、鉄筋コンクリート造は坪単価6~8万円が相場です。解体中は仮住まい費用もかかるため、工事期間が長いとその分費用が高くなります。
新築費用は、本体工事費・付帯工事費・諸費用がかかります。住宅金融支援機構の「2020年度フラット35利用者調査」では、注文住宅における購入費用の全国平均は3,534万円ですので、仮に30坪の木造住宅を建替えるとすると解体費用に150万円(坪単価5万円の場合)、新築費用と合わせると3,700万円程度と試算できます。
さらに、これに加えて建替えにあたって発生する税金・保険料・各種手数料がかかりますので、思っていた以上に費用が高くなる可能性があります。そのため、できるだけコストを安く抑えたいという方がぜひ利用したいのが、住宅の建替えで受け取れる助成金です。
リフォームVS建て替え講座住宅の建替えで受けられる助成金とは?

住宅の建替えは一定の条件を満たすと助成金制度を利用できます。ここでは、主な助成金について紹介します。
解体費用助成金
老朽化している古い住宅を取り壊す場合、自治体によっては解体費用助成制度を設けているケースがあります。たとえば東京都品川区では、1981(昭和56)年5月31日以前に建てられた木造2階建て以下の一戸建て住宅等に対して、耐震診断費用(半額助成)・耐震改修工事費用(助成限度額150万円)・木造住宅除却工事費(一戸建て住宅・150万円)の助成制度を設けています。
自治体によって要件は異なりますが、耐震化目的で建替える場合は自治体の助成金を利用できる可能性がありますので、問合せてみるといいでしょう。
ブロック塀解体費用の補助金
道路に面したブロック塀を解体する場合は、自治体の助成金対象となるケースがあります。たとえば東京都練馬区では、道路等に面したブロック塀で高さが80㎝以上の場合は、横の長さ1m当たり8,000~1万7,000円(危険度による)の解体費用を助成しています(2023年5月31日まで。それ以降は一律8,000円/m)。
ブロック塀の撤去に伴った生け垣化や狭あい道路拡幅の助成制度等(東京都練馬区の場合)もありますので、工事内容によっては複数の助成金を受け取ることが可能です。
新築住宅の購入に伴う助成金
新築住宅を建てる場合は、住宅の種類によっては助成金対象となります。ここでは主な助成金・補助金についてまとめています。
主な助成金・補助金
- ZEH支援事業…省エネ性とエネルギー性に特化した住宅を新築する場合に補助金を支給
- 例:一戸建て住宅(55万円/戸)、ZEH+に対する補助金(100万円/戸)
- 地域型住宅グリーン化事業…省エネルギー性能や耐久性能等に優れた木造住宅を対象とした補助金制度
例:長期優良住宅(150万円/戸)・認定低炭素住宅、性能向上計画認定住宅(110万円/戸)・ゼロ・エネルギー住宅(140万円/戸) など
- こどもみらい住宅支援事業(新設)…子育て世帯や若者夫婦世帯が高度省エネ性能住宅を購入または住宅の省エネ改修等に対して補助金を支給
例:補助額60万~100万円(住宅の性能による)
住宅ローン控除(減税)は適用期間が4年間延長
建替えで新しく家を建てる際は、住宅ローン控除を利用する方もいるかもしれません。住宅ローン控除の制度は期間が4年間延長されて2025年までの適用が発表され、控除率は0.7%に、借入上限額は一般住宅のみ4,000万円から3,000万円へと引き下げになった一方で、長期優良住宅は5,000万円に引き上げるなど、環境性能に応じて異なる形となりました。
環境に配慮した高性能住宅や省エネ住宅は控除額が大きくなるため、これから住宅ローンを利用して購入する方が増えるかもしれません。制度が新しくなったタイミングで新築を検討している方は、専門家にも相談しながらローンのシミュレーションをしてみましょう。
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建替えだけでなく、新しく設備を追加することで受けられる助成金も

解体費用や新築購入で受け取れる助成金以外にも、住宅に設備を追加することで受け取れる補助金制度があります。こちらも自治体によって要件や設備の種類が異なりますが、ここでは東京都の事例をいくつか紹介します。
東京都の事例
- 太陽光発電システムの導入…家庭用の場合、1キロワット当たり3万円を助成
- 家庭用燃料電池(エネファーム)を設置…補助率:機器費の5分の1、上限額7万~10万円(機器によって異なる)
- 合併浄化槽の設置…設置や掃除費用の補助
- 生け垣の設置、壁面や屋上を緑化…設置費用の一部を補助 など
上記は一例となります。どんな住宅を建てるかにもよりますが、住宅の種類や導入する設備によってさまざまな助成金があります。国の助成金制度が終了していても、自治体独自の助成金があるケースがありますので、住まいづくりの際は担当者に相談しながら上手に助成金を利用しましょう。
建替えで助成金を利用するうえでの注意点

助成金を利用する際は審査には時間がかかるため、注意が必要です。助成金自体は後で支払われるため、最初は支払い負担が発生します。
また、住宅の建替えで注意したいのが、再建築不可物件です。再建築不可物件とは、建物を取り壊した場合は新しく家を建てることができない物件です。部分的なリフォームは可能ですが、建替えができません。特に1950年より前に建てられた住宅の建替えは、再建築不可物件でないかどうか確認するようにしましょう。
新築に建替える際は、建替えの住宅カタログを参考にするのもおすすめです。ハウスメーカー選びや間取りの参考に活用できます。建替えたいエリアからカタログを検索できますので、ぜひ利用してみてください。
リフォームVS建て替え講座まとめ

住宅の建替えは解体費用と新築費用が発生し、出費が大きくなります。自治体ごとに建替えで利用できる助成金制度を設けることがありますので、助成金や補助金制度を賢く使用してコスト軽減に役立ててください。
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更新日: / 公開日:2022.05.23










