- 母子家庭で家を持つメリットと注意点
- 家の購入は資産形成につながり、団体信用生命保険に加入すれば、もしものときに家を子どもへ残せるのがメリットです。一方で、使わない部屋ができないか、保育園や病院などが近くにあるかなど、間取りや住環境は慎重に検討しましょう。
詳しくは、「母子家庭で家を買うメリットは?」をご覧ください。 - 家計を助ける減税措置と助成金
- 一定の条件を満たせば、住宅ローン減税で所得税や住民税の負担を軽減できます。ほかにも、児童手当や児童扶養手当といった、ひとり親世帯向けの助成金制度が利用できる場合があります。詳しくはお住まいの自治体で確認しましょう。
詳しくは、「母子家庭で家を建てるときに受けられる減税措置と助成金」をご覧ください。 - 住宅ローン審査の年収や頭金の目安
- 住宅ローンの審査では安定した収入が重要で、年収200万~300万円程度が一つの目安です。購入費の1〜2割ほどの頭金を用意して借入額を減らすと、月々の返済負担が軽くなり、審査に通りやすくなります。
詳しくは、「母子家庭の方が住宅ローンを組む場合に必要な年収・頭金の目安」をご覧ください。
無料で住まいの窓口に相談するひとり親世帯に理解ある不動産会社を探す
母子家庭(シングルマザー)の方が家を建てる場合、どんなことを意識したらよいのでしょうか。
「どれくらいの年収が必要なのか」「住宅ローンの頭金の額は」「そもそも母子家庭で住宅ローンを組むことができるのか」など、不安に感じる人もいるかもしれません。
今回は、母子家庭の方が家を建てる際のポイントや利用できる助成金や手当について紹介します。
母子家庭の方が家を建てるには?

母子家庭(シングルマザー)の方は、実家暮らしでない場合、仕事と育児、家事を1人でこなすため、働く場所や働き方に制限があることも珍しくありません。
そのため、収入面に不安があることも多く、「母子家庭で家を建てるのは難しいかも」と考える人は多いのではないでしょうか。しかし、母子家庭でも家を建てることは可能です。
厚生労働省の2021年度の調査結果(※)によると、母子世帯で賃貸住宅に居住している世帯は36.7%。持ち家に居住している世帯は34.4%で、そのうち“母本人の名義の持ち家”に居住している世帯は15.9%となっています。
実家などの持ち家や賃貸住宅に暮らす割合が多い一方、母子家庭でも自分名義の持ち家で暮らしている人も一定数存在します。
※ 厚生労働省「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果」
母子家庭で家を買うメリットは?
母子家庭で家を買う場合のメリットは、不動産として自分の資産になること、長期間暮らすと賃貸住宅より金銭的負担が少なくなる可能性があること、などが挙げられます。また、間取りや内装を自由に変更できるので、子どもの成長に対応しやすい点も魅力でしょう。
金融機関で住宅ローンを組む場合は、団体信用生命保険(以下、団信)への加入が条件となっていることがほとんどです。団信に加入していれば、仮に母親にもしものことがあっても、住宅ローンの返済は免除され、子どもに家を残すことができます。
無料で住まいの窓口に相談する ひとり親世帯に理解ある不動産会社を探す
母子家庭で家を建てた場合に後悔しがちなポイントとは

母子家庭の方が家を建てる際に、気をつけたいのが間取りです。一戸建てはマンションよりも部屋数が多くなりがちですが、たとえば母親と子どもの2人暮らしの場合、結局は使わない部屋ができてしまう可能性があります。
また、家を建てることに集中しすぎて、保育園が遠い、近くに小中学校・病院など必要な施設がないといった不便がないように、住環境の確認も必要です。
そのほかにも、簡単に引越しができないこと、固定資産税や修繕費などの維持費がかかることも覚えておきましょう。
母子家庭で家を建てるときに受けられる減税措置と助成金

母子家庭でも住宅ローンを組み、一定の条件を満たせば減税の対象となります。住宅ローン減税は、所得税や住民税の減税が受けられるので、家計の負担軽減につながります。
そのほかには、母子家庭などのひとり親世帯が受けられる助成金制度があります。詳しい用件は自治体によって異なり、制度を利用するためには申請が必要です。
また、所得による制限限度額が設定されていることが多いので、住んでいる自治体の窓口で詳細を確認しましょう。主な制度と支給額は以下のとおりです。
主な制度と支給額
- 児童手当
- 中学校卒業までの子どもを養育している世帯:月額5,000~1万5,000円
- 児童扶養手当
18歳の誕生日から最初の3月31日を迎えるまでの子どもと同居し養育する世帯(障がい児の場合は20歳未満):月額4万5,500円(一部支給は4万5,490円~1万740円)
※収入により異なり、子どもの数により加算額が異なります。
- ひとり親家庭等医療費助成制度
- 薬局や病院で支払った負担額の助成:助成金額は市町村によって異なる
- 児童育成手当
- 18歳の誕生日から最初の3月31日を迎えるまでの子どもを養育しているひとり親家庭:月額1万3,500円
- 特別児童扶養手当
20歳未満の精神障がい、または身体障がいのある子どもを監護・養育している世帯:月額5万5,350円(1級)、月額3万6,860円(2級)
- 障害児福祉手当
重度の障がいを有する子どもがいる世帯:月額1万5,690円
母子家庭の方が住宅ローンを組む場合に必要な年収・頭金の目安

住宅ローンの審査で重要になるのが、年収と勤続年数です。母子家庭でも安定した収入と一定の勤続年数があれば、審査を通過できるでしょう。
住宅ローンの返済は、一般的に月10万円程度になることが多く、年収は最低でも200万~300万円程度が審査通過の目安となります。大手銀行などでは、年収400万円以上など、さらに高い審査基準が設けられていることがあります。
住宅ローン審査に通りやすくするポイントは、借入額を少なくすることです。つまり、頭金がいくら払えるかも重要な要素です。たとえば、3,000万円の物件を購入する際に、500万円の自己資金があれば、ローンの必要額は2,500万円で済みます。
同じ借入額であれば、頭金が多いほど月々の返済額が減り、金融機関にとっても返済が滞るリスクが低いと判断できるため、融資を受けやすくなるでしょう。
頭金の平均割合は住宅購入費の1~2割程度ですが、貯金や必要な生活費についても考慮して、無理のない範囲で決めるようにしましょう。
無料で住まいの窓口に相談する ひとり親世帯に理解ある不動産会社を探す母子家庭で家を建てる際の注意点

マイホーム購入は、人生でもっとも大きな買い物のひとつといわれています。子どもや自分自身のライフプランを考えながら間取りを慎重に決め、自治体が行っている助成金制度を利用してコスト削減につなげましょう。
家を建てるべきか、賃貸物件に住み続けるかは、個人によって適した選択が異なります。
現在の年収や勤務形態、貯蓄額、将来の家族構成の変化などを考慮しながら、長期的な視点で家を建てるかどうかを判断するといいでしょう。また、予期せぬ支出に備えて、予算は無理なく住宅ローンが返せる範囲で組むことが大切です。
家探しのタイミングは、健康状態にも注意が必要です。健康状態が悪いと団信の加入が難しくなり、万が一、亡くなった場合に、子どもが債務を引き継ぐことになるからです。
もし、団信に加入せずに住宅ローンを組む場合は、民間の生命保険などで同様の保障を受けられるようにしましょう。
無料で住まいの窓口に相談する ひとり親世帯に理解ある不動産会社を探す はじめての家づくり講座よくある質問
Q.1:母子家庭(シングルマザー)でも、家を建てることはできますか?
A.1:はい、可能です。実際に、ご自身の名義で持ち家に住んでいる母子家庭の方もいらっしゃいます。ただし、無理のない資金計画を立てることが大切です。
Q.2:家を買うことのメリットを教えてください。
A.2:家がご自身の資産になるほか、団体信用生命保険(団信)に加入すれば、万が一のことがあってもお子様に家を残すことができます。また、長期的に見ると賃貸より住居費の負担が軽くなる可能性もあります。
Q.3:住宅ローンの審査が不安です。年収はいくらくらい必要ですか?
A.3:金融機関にもよりますが、年収200万~300万円程度が審査通過のひとつの目安です。正社員でなくても、安定した収入と勤続年数があれば審査を通過できる可能性があります。
Q.4:頭金はどのくらい準備すればよいですか?
A.4:一般的に住宅購入価格の1~2割程度が目安とされていますが、多めに用意できると月々の返済額が減り、ローンの審査も有利になる傾向があります。貯蓄額なども考慮して無理のない範囲で決めましょう。
Q.5:母子家庭が利用できる手当や助成金はありますか?
A.5:住宅ローン減税のほか、児童扶養手当やひとり親家庭等医療費助成制度など、国や自治体の制度が利用できる場合があります。お住まいの自治体の窓口で詳細を確認してみましょう。
Q.6:購入後に後悔しないための注意点はありますか?
A.6:お子様の成長に合わせて間取りを考えたり、保育園や学校、病院などが近くにあるかといった住環境を確認したりすることが大切です。また、固定資産税や将来の修繕費といった維持費も考慮しておきましょう。
Q.7:団体信用生命保険(団信)とは何ですか?
A.7:住宅ローンの返済中に契約者が亡くなったり、高度障がい状態になったりした場合に、ローンの残高が保険金で支払われる制度です。万が一のとき、お子様に返済の負担を残さずに家を残せるため、加入が条件となる金融機関がほとんどです。
更新日: / 公開日:2022.01.28










