日本では古くから親しまれている和室ですが、近年は和室のある家は少なくなりつつあります。しかし、これから新築の注文住宅を建てるにあたり、和室を取り入れてみたいと考える人もいるかもしれません。

そこで今回は、和室のメリット・デメリットや主な使い方について紹介し、新築に和室は必要なのかどうかを見ていきましょう。
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和室

農林水産省の「いぐさ(畳表)をめぐる事情」(2020年6月※1)によると、生活様式の変化に伴い、国内での畳の供給量は年々減少傾向にあることが示されています。

 

また、住環境研究所が新築注文住宅を建てた人を対象にして行った「20~40代世帯 間取り実態調査」(2019年1月※2)によると、2010年に畳のスペースがないと答えた人の割合は18.8%でしたが、2016年には25.3%と増えています。

 

しかし、同調査では年々畳の採用率は減少している傾向があるものの、若い世帯ほど畳のある部屋を採用しているケースが多いという結果も明らかになりました。

 

小さな子どもを持つ20〜30代の世帯が、子どもを遊ばせるスペースとして畳のある部屋を選んだ可能性が高いとされています。

 

※1 農林水産省「いぐさ(畳表)をめぐる事情

※2住環境研究所「20~40代世帯 間取り実態調査

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新築で和室をつくって後悔するケース

新築の注文住宅で和室を採用した結果、後悔してしまうケースもあるといいます。

 

たとえば、日当たりの良い場所に畳の部屋を設けた結果、日光によって畳が日焼けしてしまったり、くつろげる場所が欲しくて設けたものの、結局は物置スペースになってしまったりといった失敗事例が挙げられます。

 

近年は、リビングに隣接した場所に和室を設けて、子ども部屋として活用することもありますが、小上がりの畳の場合は段差があるため、子どもがケガをしてしまうなどのリスクもあります。

和室のメリット・デメリット

それでは次に、和室を設けた場合のメリットとデメリットについて紹介します。

 

メリットとしては、客間や子ども部屋、趣味の部屋など、さまざまな活用方法があること、押し入れがある場合は収納スペースを確保できることなどが挙げられます。

 

また、畳の素材であるイグサの香りにはリラックス効果があり、断熱性と保温性に優れるため夏は涼しく冬は暖かいという特徴があります。

 

一方、デメリットとして、畳は年数を経て劣化していくため、メンテナンス費用がかかることが挙げられます。そのほかにも畳の性質上、重たい家具を置くと跡がついてしまったり、フローリングよりも汚れたときの掃除が大変だったりといった点も挙げられます。

 

和室をつくることで、ほかのスペースが狭くなることもあるので、和室の使用頻度や広さなどを考慮したうえで和室をつくるか検討するのがいいでしょう。

 

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和室の主なデザインと使い方

新築で和室を採用する場合、デザインにもいくつか種類があります。

小上がり和室

リビングに和室を併設する際は、間仕切りで区切る和室などのほかに、小上がりタイプの和室もあります。

 

気軽に腰掛けたり休んだりすることができ、畳の色を工夫することで、洋風の家にも合いやすい点が魅力です。また、小上がり和室を設けることで、収納スペースを確保できるというメリットがあります。

掘りごたつ付きの和室

直接、畳に座るのがつらいという人は、掘りごたつタイプの和室が適しています。飲食店などでもよく見られるスタイルですが、家族との食事はもちろん、本を読んだりしてくつろぐことができます。

 

そのほかにも壁紙や天井、照明、建具などを工夫することで、おしゃれな和室空間を演出できます。

リビングに隣接した和室

子育て世帯によく選ばれているのが、リビングに隣接した和室です。子どもの遊ぶ場所としてもいいですが、お昼寝させるのに、わざわざ2階の寝室まで連れていく必要もなく、見守っていられることなどが魅力として挙げられます。

 

段差をなくせばケガをするリスクも減り、使わないときは扉を開けたままにすることで圧迫感が軽減できるでしょう。

 

また、和室の位置を決める際は、仏間として利用する場合は玄関の近くへ、客人の寝室として使用する場合は寝室と離れた場所に設けることでプライバシーを守ることができます。

新築に和室がいるか、それとも和室はいらないかについては、住む人のライフスタイルによって異なります。

 

和室にはメリットもあればデメリットもあるため、両方を理解したうで和室を取り入れるかどうかを決めるようにしましょう。和室をどんな用途で使うのか、老後の暮らし方までシミュレーションしてみるのもおすすめです。

 

一般的には、和室の畳は3~5年で畳表をはがす“裏返し”を行い、裏返しから5年ほどで畳表を交換する“表替え”を行います。

 

畳を使用して10~20年で新しい畳へ交換しますが、近年は畳の種類もさまざまですので、メンテナンスが気になる人はハウスメーカーや工務店など不動産会社に確認すると安心です。

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更新日: / 公開日:2021.12.17