一戸建ての工法・構造の種類

一戸建ての工法や構造にはどのような種類があるのでしょうか。まずはそれぞれの特徴を表形式で見ていきましょう。

このうち、一般的に木造と呼ばれるのは「在来工法」や「2×4工法」のことであり、鉄骨造は「軽量鉄骨造」「重量鉄骨造」を指します。構造や工法によって、建てられる住まいにも大きな違いが表れるので、特徴をきちんと押さえておくことが大切です。

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木造住宅のメリット・デメリット

日本で古くから用いられてきた木造は、住宅の工法としてとても優れた特徴を持っています。ここでは、木造一戸建ての特徴をメリットとデメリットの両面からご紹介します。

メリット

木造住宅には以下のようなメリットがあります。

木には天然の断熱・調湿効果があるため、気候に応じて快適な室内環境を保てる点が大きなメリットとなります。また、鉄骨造と比べて壁や柱の数が多くなるため、隙間が少なく気密性の高いつくりになるのも特徴です。

夏は外気を遮断して涼しい環境を保ち、冬には室内の温度を外へ逃がさないため、1年を通して快適な状態が維持されるのです。さらに、木材は材料費が安く、鉄骨造と比べて建築コストを抑えられる傾向もあります。

デメリット

一方、木造には以下のようなデメリットもあります。

耐震性を確保するために、木造はどうしても鉄骨造と比べて柱や壁が増えてしまいます。そのため、大きな窓や高い吹き抜けなどの実現は難しく、間取りに一定の制限が生まれてしまう面もあるのです。

また、広大な空間を確保するのは苦手であるため、ワンフロアの広々としたリビングなども実現できない場合があります。こだわりの間取りを実現させたい場合には、鉄骨造が最適な構造となるケースも少なくありません。

さらに、木造は法定耐用年数が短く、軽量鉄骨造が27年、重量鉄骨造が34年なのに対し、22年とされています。法定耐用年数はあくまでも減価償却の際に用いられる数字であるため、建物の耐久性を直接的に示す指標ではないものの、品質を維持できる期間は短くなりやすいデメリットがあります。

もう1つのデメリットは、品質にバラつきが生まれやすいという点にあります。在来工法の場合は、部材を1つずつ組み立てていくため、職人の腕によって品質に差が生まれてしまうケースがあるのです。

鉄骨造住宅のメリット・デメリット

続いて、鉄骨造住宅のメリット・デメリットについても詳しく見ていきましょう。

メリット

鉄骨造住宅には以下のような利点があります。

鉄骨造の部材は工場で一律生産されるものが多く、組み立ても大部分が規格化されています。そのため、施工会社や職人の能力によって、品質に差が生まれる面はほとんどありません。

また、鉄骨造は構造部を頑丈な鉄骨で支えるため、木造よりも柱や壁の量を減らすことができます。そのため、広いリビングや吹き抜け、大きな窓の設置などが可能であり、間取りの自由度が高くなるのです。

もう1つのメリットは、木造よりも火災保険料が安くなる点にあります。現在の技術では、木造も鉄骨造もそれほど耐火性に差はないとされているものの、保険料を算定する際には構造の材質が計算に入れられるため、料金に若干の違いが生まれるのです。

また、木造のデメリットでもご紹介したように、法定耐用年数は比較的に長いため、耐久性が高いといえます。ただ、もちろん実際には使い方やメンテナンス状態によっても異なるため、単純に木造よりも長持ちするというわけではありません。

デメリット

一方、鉄骨造のデメリットには以下のようなものがあります。

鉄骨造は木造よりも材料費が高く、工期も長くなりやすい傾向があります。そのため、建築コストは比較的に高くなってしまいます。

また、鉄骨造では壁の厚みを減らすことが可能である半面、断熱性や気密性が低くなってしまう場合があります。間取りやデザインの関係から、壁を薄くする必要がある場合には、高性能な断熱材を導入するなどの断熱対策が重要です。

その他のデメリットとしては、地盤強化の必要性が挙げられます。木造と比べて重量のある鉄骨造では、地盤にかかる荷重も大きくなるため、軟弱な土地に建てることが困難です。

必要に応じて地盤改良を行わなければならないため、その分の工期やコストも計算に入れておく必要があるのです。

木造と鉄骨造の建築費を比較してみよう

これまで見てきたように、木造は鉄骨造と比較して建築コストが安いという性質があります。ここでは、具体的なデータを基に、両者の建築費を比較してみましょう。

国土交通省の「住宅着工統計」（2020年度）によれば、令和2年度に新築された木造の平均建築費（※）は「17.2万円/平米」、鉄骨造の平均建築費は「27.6万円/平米」となっています。なお、これらの数値を坪単価に換算すると、木造では「56.8万円/坪」、鉄骨造では「91.1万円/坪」となります。

あくまでも全国の平均値であるものの、このデータからは木造と比べると鉄骨造のほうが1.6倍程度のコストがかかることが分かります。

※全国工事予定額合計を全国床面積（坪）合計で除して計算

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家づくりに迷ったら…「住まいの窓口」を利用してみよう

ここまで、木造と鉄骨造の違いについてさまざまな面から比較してきました。しかし、家づくりにおいては、住宅の構造だけでなく、ほかにも多くの項目に目を向ける必要があります。

選択肢の多い注文住宅では、プランと予算のバランスに迷ってしまうこともあるでしょう。そうしたときには、早い段階で住宅の専門家に相談してみるのも1つの方法です。

LIFULL HOME’S「住まいの窓口」では、「家づくり・家探し」に関する幅広いテーマについて、専門的な知識を持ったハウジングアドバイザーに無料で相談ができます。「家づくりの進め方」をはじめ、「不動産会社、施工会社の選び方」「予算・住宅ローンの組み方」など、さまざまな相談内容を取り扱っているので、ぜひご利用ください。

なお、具体的なプランがほとんど決まっていない段階でも、問題なく利用することが可能です。専門家とのやりとりを通して、これまでに見えていなかった部分が明らかになり、決めるべき項目がはっきりと見えるようになるでしょう。

まとめ

• 木造は木材が備える天然の調湿・断熱効果によって快適な住環境が保たれる
• 一方、鉄骨造と比べて間取りの自由度が低い点がデメリット
• 鉄骨造は自由度の高いつくりを実現できる点や品質の安定性がメリット
• 一方、木造よりも建築コストが高く、必要に応じて地盤改良も行わなければならない
• あくまで平均値であるものの、2020年度の平均坪単価は、木造「56.8万円/坪」鉄骨造「91.1万円/坪」