ローコスト住宅とは、一般的な注文住宅と比べて、安価に建てられる注文住宅です。では、“安価”とは実際に、どのくらいの価格で住宅を建てられるものなのでしょうか。
本記事では、マイホーム購入の専門家である草野芳史さんにお話を伺い、ローコスト住宅の価格相場や安く建てられる理由、建てる際にかかる費用の内訳などについて解説します。
無料で住まいの窓口に相談するローコスト住宅の住宅カタログを探す1,000万円台のローコスト住宅カタログを探す
ローコスト住宅とは?

ローコスト住宅とは、一般的な注文住宅と比べて安い価格で購入できる注文住宅のことを指します。
目安となる坪単価は30〜50万円程度といわれており、一般的な注文住宅が坪単価60万円程度からであることを考えると、とてもリーズナブルだといえるでしょう。
ローコスト住宅は、以下のような人におすすめです。
- 所得があまり高くない
- 建物そのものにこだわりがあまりなく、コストを抑えたい
- 新居での生活や趣味にお金をかけたいので、新居そのものの費用を抑えたい
- 20代などの若い世代
20代など若い世代は、勤め始めで所得があまり高くない人も多いため、ローコスト住宅はおすすめです。
また、建物そのものにはあまりこだわらない、それよりも新居での生活や趣味にお金をかけたいという人にもローコスト住宅は向いているでしょう。
ローコスト住宅講座 ローコスト住宅の住宅カタログを探す 1,000万円台のローコスト住宅カタログを探すローコスト住宅の価格が安い理由とは?

ローコスト住宅といっても、何か欠陥があったり、手抜き工事をしていたりするわけではありません。価格が安いのは、各メーカーがさまざまな工夫を行ってコストを抑えているためです。
たとえば、以下のようなコストカットの工夫が挙げられます。
- 設備機器、仕上げ材などの選択肢を絞る
- 売れ筋の仕様をパッケージ化し、大量発注で仕入れ値を下げる
- 打ち合わせを効率化することで、人件費を抑える
- 住宅展示場(ハウジングセンター)に出店せず、独自のモデルハウスで出店費用を抑える
ローコスト住宅では、売れ筋の仕様を「標準仕様」としてパッケージングしていることが多いです。これは、選択肢を絞り込み、資材や設備を大量発注することで単価を下げる工夫です。
他にも、標準仕様があらかじめ用意されていれば、打ち合わせの時間や回数なども少なくて済み、人件費を抑えることにもつながります。
ローコスト住宅の一般的な価格相場とは?

ローコスト住宅といっても、実際の価格には幅があります。
最低限のラインとしては、たとえば坪単価35万円、延床面積30坪だとして、建物本体工事費が1,050万円、加えてオプション工事や付帯工事の費用に500万円程度、諸費用が200万円とすると、総額1,750万円程度と計算できます。
これは、ほぼ標準仕様、長方形で総二階といったシンプルな住宅の場合です。間取りや設備、仕上げ材などにこだわる場合はもっと費用が上がります。
この点も考慮すると、建物に関わる費用の目安としては、総額1,000万円台後半から2,000万円台前半が一般的な価格相場といえるでしょう。
ただし、上記はあくまで建物にかかる費用です。この他に、土地代がかかることも把握しておきましょう。土地代は地域によって大きく差があるので、事前によく調べて、建物代を合わせた総額を出して検討することが大切です。
ローコスト住宅の住宅カタログを探す 1,000万円台のローコスト住宅カタログを探すローコスト住宅を建てる際にかかる費用の内訳とは?

注文住宅を建てる際、建物にかかる費用の内訳は、大きく分けて以下の3つです。
建物にかかる費用の内訳
- 建物本体工事…壁や床、天井など、どんな建物においても必ず必要な部分の工事
- 付帯工事…地盤改良や解体、外構工事など、土地の条件などによって行う工事
- 諸費用…住宅ローンの手数料や登記費用、火災保険など工事以外の費用
ただし、費用をどのような項目で計上するかは会社ごとに異なり、決まったルールがあるわけではありません。
ローコスト住宅の場合は、建物本体の工事費用をなるべく下げるために、より細かな要望に応えたり、設備を追加したりする場合は「オプション工事」「グレードアップ工事」として別費用として計上することもあります。
建物本体価格にどのような費用が含まれるのか注意
他にも、「管理費」や「諸経費」などが含まれることもあるので、建物本体価格にどのような費用が含まれるのか、注意しましょう。
また、付帯工事に含まれる「地盤改良工事」は、地盤調査を行わないと正確な金額が分からないため、契約前の見積もり段階では工事費用が計上されていないこともあります。この場合も後から金額が上がる可能性があり、注意が必要です。
「外構工事」もまた、見積もり段階では最低限の金額しか入っておらず、後から増額になるケースは珍しくありません。
ほかにも、細かいところでは、諸費用に「契約書に貼る収入印紙代」「地鎮祭・上棟など祭事代」といった項目が計上されていないことがあるので注意しましょう。
ローコスト住宅を建てる際の注意点は?

ここまでの説明を踏まえて、ローコスト住宅を購入するときは以下のポイントに注意しましょう。
注意点
- 設備や仕上げ材などの選択肢が少ないため、好みに合うとは限らない
- 人件費削減のため、打ち合わせが不十分になることもある
- デザインや仕様にこだわる場合、追加オプション扱いで割高になることもある
ローコスト住宅は、区分としては注文住宅ですが、一般的な注文住宅の「フルオーダー」ではなく、「セミオーダー」の住宅であると考えましょう。デザインや仕様にこだわる場合は、ローコスト住宅では選択肢が少なすぎて好みに合わないことも考えられます。
加えて、各ハウスメーカーによって仕様やデザイン性、保証など内容が異なるので、まずは自分たちの求める住宅の条件をよく確認しましょう。
たとえば、耐震性・断熱性などの性能や設備、内装・外装の仕上げ材など優先順位を決め、各ハウスメーカーの仕様が希望と合っているかどうかよく確認して選ぶのがおすすめです。
ローコスト住宅の住宅カタログを探す 1,000万円台のローコスト住宅カタログを探す 無料で住まいの窓口に相談する更新日: / 公開日:2021.08.06










