長く安心して住めるマイホームを実現させるためには、建物の性能だけでなく土地の状態や立地の安全性にも目を向けることが大切です。
ハザードマップは、土地の災害リスクを確かめる重要なツールであり、正しい見方を押さえておく必要性はとても高いといえます。
今回はハザードマップの基本的な仕組みや見方、活用方法について詳しく見ていきましょう。
土地を探す注文住宅を探す無料で住まいの窓口に相談する
ハザードマップで調べられること

日常生活において、土地の災害リスクを気にする場面はそれほど多くありません。そのため、ハザードマップを見たことがないという人もいるでしょう。
ここではまず、ハザードマップに関する基礎知識を紹介します。
ハザードマップとは
ハザードマップとは、一般的に「自然災害による被害の軽減や防災対策に使用する目的で、被災想定区域や避難場所・避難経路などの防災関係施設の位置などを表示した地図」のこと。防災マップや被害予測図、被害想定図などと呼ばれているものもあります。
日本は地震や水害といった災害が起こりやすい国土であり、2011年の「東日本大震災」をはじめ、記憶に新しい2020年の「令和2年7月豪雨」などにより、甚大な被害が生まれた歴史があります。
被害が集中した地域の多くが、ハザードマップでリスクを公表されていたエリアであったこともあり、そのたびに重要性が指摘されてきました。
実際に、2020年8月28日からは宅地建物取引業法(宅建業法)施行規則の改正に伴い、不動産取引時に不動産事業者がハザードマップを提示して水害リスクを説明することが義務付けられるなど、災害対策の重要な位置を占めていることが分かります。
ハザードマップで調べられること
ハザードマップの種類は自治体によって異なるものの、主に以下のような情報をチェックすることができます。
- 浸水予想区域
- 土砂災害のリスク
- 津波、高潮のリスク
- 地震の被害程度、範囲
浸水予想区域図では、浸水被害のレベルが段階分けされて表示されているほか、各地区における避難場所なども記されています。
土砂災害については、土砂災害ハザードマップにより、土石流やがけ崩れなどのリスクがあるエリアを確かめることが可能です。
また、津波や高潮ハザードマップでは台風や地震によって海水が堤防を越えてしまったときの浸水範囲や深さ、地域ごとの避難場所が示されています。
地震ハザードマップでは、予測されている震度や被害の程度、範囲などが示されているほか、液状化現象や大規模火災のリスクなども確かめることができます。
どれも安全な住環境を確保するうえで欠かせない情報となるため、事前に住みたいエリアの詳しいデータを入手しておくことが大切です。
ハザードマップの見方

ハザードマップの仕組みは比較的シンプルなので、見方を理解しておけば有効活用できます。
ここでは、国土交通省のポータルサイトで公開されている「重ねるハザードマップ」と「わがまちハザードマップ」の具体的な使い方について見ていきましょう。
重ねるハザードマップ
https://disaportal.gsi.go.jp/maps/
「重ねるハザードマップ」では、調べたい住所を入力することで、洪水や土砂災害などの災害リスクを地図上でまとめて確認できます。
また、マップ内では指定緊急避難場所なども確認することが可能であり、万が一の際の対策を練るのにも利用できます。
わがまちハザードマップ
https://disaportal.gsi.go.jp/hazardmap/
「わがまちハザードマップ」は、各地域の行政が作成しており、重ねるハザードマップよりもさらにシンプルに情報が整理されています。使い方は調べたい都道府県と市区町村を入力するだけです。
災害への対応策も表示されており、たとえば浸水などのリスクがある場合は、場所によって何階以上に避難すべきかといった情報を知ることも可能です。
土地を探す 注文住宅を探す 無料で住まいの窓口に相談する土地探しでハザードマップを活用する方法

調べたいエリアがあれば、自分でポータルサイトや自治体のハザードマップなどを閲覧するのが基本です。しかし、土地や物件を探しながら、そのたびにハザードマップを参照するのはやや手間がかかってしまう面もあります。
そんなときは、LIFULL HOME’S の「地図から探す」機能を活用してみてはいかがでしょうか。
「LIFULL HOME’S 地図から探す」
「地図から探す」機能では、全国の賃貸や売買物件を地図上で探しながら、同時に国土交通省のデータを基にした洪水ハザードマップ(浸水想定区域図)を重ねて表示できます。
ここからは、「地図から探す」機能の使い方を紹介します。
LIFULL HOME’Sの「地図から探す」機能の使い方
「地図から探す」機能は、スマホとPCのどちらからでも利用できます。今回はPCの画面を基に手順を説明していきます。

まずLIFULL HOME’S トップページの「住まいを探す」のうち、「地図から」を選択すると、物件種別が表示されるので該当の選択肢を選びます。
土地探しの場合は、「買う」の欄から「土地」を選択しましょう。その後、都道府県と希望の条件を選択すると、該当するエリアがマッピングされ、画面上に表示されます。

この段階では、まだハザードマップが重ねられていないので、画面右上にある「洪水リスク」をONにしましょう。すると、次の画面のように浸水の深さに応じた洪水ハザードマップが表示される仕組みです。

色ごとに表示されているのは「想定最大浸水深」といい、河川などの氾濫によって浸水が想定される最大水深を示しています。予想される深さに応じて、リスクの度合いや行うべき対策も異なるため、併せて確認しておきましょう。
なお、「地図から探す」機能は、通常の物件検索サービスと同様に、この画面から細かな条件を変更することができます。たとえば、土地の場合は「角地」「南道路」といった人気の条件を設定したり、建築条件の有無を指定したりできるのです。
今後は、通常のハザードマップのようにさまざまな自然災害リスクや避難所に関する情報も追加される予定なので、土地や物件を探す際にはぜひ活用してみてください。
正しく防災意識を高めるために! ハザードマップのとらえ方

これまで、ハザードマップの見方について確認してきましたが、本来は単にその土地の危険度を調べるためだけのものではありません。
災害リスクを確かめたうえで「事前にどのような備えをしておくべきか」「災害が発生したらどのように行動すべきか」といった手段を明確にし、広く周知させるための手段として設けられているのです。
そのため、ハザードマップをもとに、避難場所や避難経路などを家族で話し合っておくことが大切です。
津波リスクがある場合は防災訓練に参加をしたり、土砂災害リスクがある場合は警告や警報の発令後に迅速な避難ができるようにしたりなど、事前準備を整えておくことが肝心なポイントとなります。
土地を探す 注文住宅を探す 無料で住まいの窓口に相談する防災に強い家づくりのポイント

ハザードマップで得た情報を生かすうえでは、災害に強い家づくりにも目を向けることが大切です。ここでは、さまざまな災害に対して、どのように備えを行うべきかについて見ていきましょう。
地震対策のポイント
地震対策の基本となるのは、まず地震に強い土地を探すことです。ハザードマップのほかに、個別の状況については、地形などからもリスクを調べることができます。
たとえば、周囲よりも低くなっている土地や干拓地、埋め立て地などでは、水がたまりやすく、地盤が軟弱になりやすいといった特徴があります。また、購入する段階に入ったら、専門家に地盤調査を依頼して地盤の強度、土質、液状化リスクなどを調べることも大切です。
建物については、免震・制震・耐震といった構造に目を向けておきましょう。
それぞれ「免震構造は、地盤の揺れを建物に伝えない」「制震構造は、振動を軽減する装置によって揺れを吸収する」「耐震構造は、揺れに耐えるために建物自体の強度を上げる」といった点がおおまかな特徴です。
構造ごとにコストやメリットに違いがあるため、それぞれの仕組みを理解しておくことが重要となります。
水害対策のポイント
洪水や浸水といった水害については、人命を最優先に守るためにも適切な避難場所と経路を確認しておくことが基本となります。
そのうえで、水害に強い家づくりを行う方法には、建物を高くする「かさ上げ」や「高床」、一定の高さまでの浸水をガードする「防水性外壁の使用」「防水性塀囲いの設置」が挙げられます。
床上への浸水を防止できれば、建物だけでなく家財を守ることにもつながるため、水災リスクのある土地では特に優先度の高い検討事項です。
土地探しに迷ったら「住まいの窓口」を利用してみよう

LIFULL HOME’Sの「住まいの窓口」では、住宅に関するさまざまな悩みや疑問について、専門的な知識を備えたハウジングアドバイザーが無料で相談を受け付けています。
また、専門家監修による無料講座も取り扱っており、テーマは家づくりから住宅ローンの悩みまで、豊富なバリエーションから選ぶことができます。
特に土地探しにおいては、「一緒に進めて効率よく『土地と建築会社の選び方講座』」が役立ちます。
「土地探しの段取りが知りたい」「土地探しに強い建築会社を知りたい」といった場合には、ぜひ利用してみてください。
土地を探す 注文住宅を探す 無料で住まいの窓口に相談する更新日: / 公開日:2021.06.22










