1階建てで移動がスムーズな平屋ですが、新築の4LDKの平屋の間取りを検討している方は「どんな間取りにしたらいいのか」と頭を悩ませることも多いのではないでしょうか。平屋の間取りを4LDKとする場合、どんな点を意識すればいいのか、間取りで気をつけるべきポイントや費用の相場、注意点などについて、一級建築士事務所みゆう設計室の中川さんから教えていただきました。
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4LDKの平屋の広さはどれくらい?

4LDKの平屋と聞くと、ある程度広い家を想像する方が多いのではないでしょうか。主寝室以外に3つの個室があるため、4人以上でもゆったりと暮らせる間取りです。
2021年3月末時点でLIFULL HOME’Sに掲載されている4LDKの平屋を調べると、建物の面積は、24坪~56坪でした。
中川さんによると、「2階建てにする必要のない広い敷地がある」「長く同じ家に住み続けたい」「将来は孫や親戚が集まりやすい家にしたい」という人は、4LDKの平屋がおすすめだそう。個室を有効に使いたいという方には適している間取りといえるでしょう。
以下は、4LDKの平屋に住む家族構成と部屋の使い方をイメージしたものです。
- 夫婦2人+子ども(小学生2人)
- 夫婦の寝室1室、子ども部屋2室、来客用・趣味に活用できる部屋1室、LDK
- 夫婦2人+子ども(3人)
- 夫婦の寝室1室、子ども部屋3室、LDK
仮に4人以下で住む場合でも、テレワーク用の仕事部屋や趣味のための個室など、家族と程よい距離感を確保しながら部屋を使い分けることができるのが、4LDKの平屋の特徴です。
4LDK以上の広い間取りの新築一戸建てを探す4LDKの平屋におすすめの間取りは?

4LDKの平屋は部屋数が多い分、間取りを考える際はライフスタイルや部屋の使用用途についてしっかり考えましょう。ここでは家族構成から考えたおすすめの間取りについて紹介します。
4LDKの平屋の間取りを考えるときのポイント
部屋数が多い分、「どのような暮らしをしたいのか」など、住むことを具体的にイメージしながら間取りを考えることが大切です。
「4LDKの平屋の間取りを考えるときのポイントは、それぞれの個室をリビングダイニングに面した間取りにするか、リビングダイニングに近接せずに廊下から移動できる間取りにするかです。どちらにするかで大きく間取りが変わります」と中川さん。
「家族との距離が近い家に住みたい」という方は、リビングを囲んで個室を配置する間取りにしましょう。逆に「家族が多くてプライバシーを重視したい」という方は、玄関から入ってLDKを通らずに部屋へ移動できるようにしたり、LDKに面した個室を設けない間取りにしたりすることで、個室のプライバシーが保たれるでしょう。
4LDKの平屋におすすめの間取り
それでは、4LDKの平屋のおすすめ間取りについて紹介します。まずは、夫婦2人+子ども2人の4人家族におすすめの間取りです。

土地面積:49坪、建物面積:26坪の間取り例
LDKの隣に引き戸で仕切られた和室があるため、子どもが遊んだり、来客時には寝室としても使えたりする間取りです。個室まではLDKを通っていくことになるため、家族を近くに感じて生活したいという方におすすめです。

土地面積:約59坪、建物面積:約32坪の間取り例
上記の4LDKの平屋は浴室の横にある個室を家族共有のワークルームや、収納スペースとして活用できる間取りです。3室はリビングに面しておらず、玄関やトイレからそのまま個室へ移動することができるため、ある程度プライバシーは確保したいという方におすすめです。
注文住宅の事例を探す 平屋住宅の住宅カタログを探す4LDKの平屋のメリット・デメリットは?

それでは次に、4LDKの平屋のメリットとデメリットについて紹介します。
4LDKの平屋のメリット
- プライバシーの確保がしやすい
- 個室が多い
各個室をリビングと離した間取りにすることで、プライバシーの確保がしやすいことが4LDKの平屋のメリットとして挙げられます。個室が余る場合は1室を客間として利用することも可能ですし、親世帯との同居も可能な間取りです。
デメリットとしては以下の点が挙げられます。
4LDKの平屋のデメリット
- ワンフロアの面積が広い分、移動距離が長い
- 個室に日当たりのよい南面を確保しにくい
- 個室が小さくなる可能性がある
- 洗濯物を外干しする場合の場所が難しい(外部からの目線や室内からの見え方に配慮する必要がある)
- 防犯対策が必要
- 水害などの被害を受けやすい地域には不向き
建物の面積にもよりますが、4LDKの平屋は部屋数が多いため、個室に入るための廊下が長くなり、動線が悪くなる可能性があります。個室の1部屋当たりの面積が小さくなりがちなため、コンパクトな部屋を有効活用できない場合は「個室を広くして3LDKにすればよかった」と後悔してしまうかもしれません。また、LDKの日当たりを重視するとそのほかの部屋は日当たりが悪くなることもあるでしょう。
このほかにも、屋外に洗濯物を干す場合、視界に入りやすい場所に洗濯物を干さなければいけないという点もデメリットとして挙げられます。「洗濯物を外に干すこともできますが、リビングや道路から洗濯物が見えないよう配慮しましょう。さらに、室内干しも可能な広めの洗面所を確保し、衣類乾燥機を設置するのもよいでしょう」と中川さん。
浸水被害の対策としては、土地を選ぶ前に必ずハザードマップを見て、災害リスクを確認しておきましょう。
「なぜ4室の個室が必要なのか」という理由と、各個室の用途をあらかじめ決めるようにし、将来的にはリフォームしやすい間取りにすることも検討しましょう。
4LDKの平屋を建てるのにかかる費用の相場とは?

4LDKの平屋を建てる際は、基礎の面積や屋根面積が2階建て住宅よりも広くなります。そのため、同じ面積で2階建て住宅を建てるよりも、費用が高くなります。夫婦2人+子ども2人の4人暮らしで、延床面積が28~36坪、坪単価を60万円と想定した場合、合計1,700万~2,200万円程度が建築本体費用の目安となります。
壁紙や水回りの設備などをグレードの高いものにすると、費用がさらに高くなることが予想されます。坪単価はハウスメーカーによって計算方法が異なり、建築本体価格以外にも外構などの別途費用や経費が発生します。
「個室が何部屋必要なのか、どれくらいの広さの個室にしたいのか、4LDKの平屋を建てるうえでの優先順位を家族で話し合って、自分たちの暮らしに合う間取りをつくりましょう」(中川さん)
費用は建材や設備の選び方でも大きく変わるため、見積書や標準仕様の価格を確認してから、ハウスメーカーを選ぶようにしましょう。
平屋住宅の住宅カタログを探すまとめ

4LDKの平屋は家族の人数が多くても暮らしやすくお互いのプライバシーを確保しやすいことが魅力です。ワンフロアで安心して生活ができますが、4つの部屋の使い道をあらかじめ想定したうえで間取りを検討するようにしましょう。
無料で住まいの窓口に相談する更新日: / 公開日:2021.06.09










