注文住宅は、予算によって建てられる住宅のプランが異なります。そのため、いくらでどんな住宅が建てられるのか、あらかじめ理解しておくことが大切です。
今回は、注文住宅を4,000万円台で建てるケースを例に、必要な年収や費用の内訳、間取り例について紹介します。
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4,000万円台の注文住宅…費用の内訳は?

注文住宅を建てるときの費用の内訳は、本体工事費と付帯工事費、その他諸費用の主に3つです。土地を持っていない場合は、これらの費用にプラスして土地の購入代金がかかります。
住宅金融支援機構の2021年度「フラット35利用者調査」によると、注文住宅のコストの全国平均は建物部分のみで3,572万円、土地代込みで4,455万円となっています。ただし、エリアによって平均価格が異なります。
| 注文住宅・建物部分のみ | 注文住宅・土地代込み |
|---|---|---|
首都圏 | 3,899万円 | 5,133万円 |
近畿圏 | 3,778万円 | 4,658万円 |
東海圏 | 3,650万円 | 4,379万円 |
その他地域 | 3,372万円 | 3,980万円 |
すでに土地を持っていて4,000万円台の注文住宅を建てるのであれば、平均よりも高い予算で家づくりができます。
ただし、土地代も含めて4,000万円台というと、全国的に見れば平均並みの水準ではあるものの、地価の高い首都圏では実現が難しいケースもあるでしょう。
本体工事費は総額の75%、付帯工事費は総額の20%、諸費用は5%が目安とされているので、仮に、本体価格が4,000万円だとしても、付帯工事費や諸費用を合わせると5,000万円以上になることも考えられます。
また、土地代を含めて4,000万円台の場合は、建築費にあまり予算をかけられない可能性があるため、ローコスト住宅が選択肢になることもあります。
住むエリアや住宅の規模にもよりますが、予算4,000万円台で注文住宅を建てる場合、予算内に抑えられるようにコストの配分を調整する必要がある点を理解しておきましょう。
4,000万円台の注文住宅を建てるのに必要な年収は?

4,000万円台で注文住宅を建てる場合、年収はどれくらい必要なのでしょうか。今回は、下記の条件で、LIFULL HOME’S「住宅ローンシミュレーター」を使って試算してみました。
条件
- 年収:400万円、500万円、600万円、700万円の4パターン
- 毎月返済額:返済負担率25%で設定
- 返済期間:30年、35年の2パターン
- 金利:全期間固定1.5%
| 年収400万円 | 年収500万円 | 年収600万円 | 年収700万円 |
|---|---|---|---|---|
毎月の返済額 | 8万3,000円 | 10万4,000円 | 12万5,000円 | 14万5,000円 |
借入限度額 (返済期間30年) | 2,405万円 | 3,013万円 | 3,622万円 | 4,201万円 |
借入限度額 (返済期間35年) | 2,711万円 | 3,397万円 | 4,083万円 | 4,736万円 |
住宅ローンを組む場合は、返済負担率(年収に対する年間返済額の割合)が25%以内であれば、無理なく返済ができるといわれています。
毎月の返済額を返済負担率25%で設定し、上記の条件で試算したところ、次のような結果になりました。
借入額の目安
- 年収400万円:2,500万円前後
- 年収500万円:3,000万円台前半
- 年収600万円:3,000万円台後半~4,000万円
- 年収700万円:4,000万円台
頭金の額や金利の種類、返済期間によっても異なりますが、4,000万円台の注文住宅を建てる場合、必要な年収は600万円以上がひとつの目安といえそうです。
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4,000万円台の間取り例は?
それでは、新築一戸建て4,000万円台の間取り例を見ていきましょう。

こちらは、建物面積が約34坪の4LDK+S(書斎)の間取りです。
LDKは20畳近くの広さがあり、一角に書斎のスペースが設けられています。2階は部屋が4つ配置され、主寝室にはウォークインクローゼットがついています。
この間取りからも分かるとおり、予算4,000万円台で一般的な間取りのひとつとしては「4LDK・2階建て」が挙げられ、家族4人が快適に暮らせる広さの家づくりが可能です。

こちらは、建物面積が約41坪の、4LDK+カースペース2台分の間取りです。リビングには開放感が感じられる吹き抜けが付いていて、デザインに凝った間取りになっています。
住宅面積が広いので、主寝室は10畳以上、その他の居室3部屋もすべて6畳以上となっています。床暖房など設備も充実していて、ウォークインクローゼットやDEN(多目的に使える空間)など、収納スペースにも余裕があります。
すでに土地を持っているのであれば、この間取りのようにデザインや設備に凝ったり、収納スペースを各所に設ける間取りも実現可能でしょう。また、外構にこだわる余地もできます。
注文住宅の建築費用を抑えるためのポイント

注文住宅は選択肢が多いため、あらかじめ費用を抑えるためのポイントを知っておきましょう。
建築費を抑えるポイントは、下記のとおりです。
ポイント
- 家の形状を凹凸のないシンプルな形にする
- 総二階建てにする
- 床面積を減らす
- 不要な扉をなくし、空間を細かく区切らないようにする
- 水回りの位置をなるべく集約させる
- 上下階の壁の位置を合わせる
- 設備のグレードを下げる
- 窓の数を減らす、サイズを小さくする
建築費を抑えるためには、建築の手間がかからないような設計にするのがおすすめです。
家の形状や床面積については、基本設計の段階で検討する部分ですので、概算見積もりなどで総額の目安が分かったら検討してみるようにしましょう。
扉などの間仕切りや水回りの位置、設備のグレード、窓の数やサイズなどは、設計が進んでからも変更がしやすい箇所です。あらかじめ住まいに求める優先順位を決めておき、コストを削る際に検討してみましょう。
断熱性や気密性、耐震性、セキュリティなど、住まいの快適さや安全にかかわる部分については、コストを妥協せずに検討することが大切です。
また、キッチンの設備など使用頻度の高い部分についても優先度を高めに設定しておくと、入居後の後悔を減らせます。
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更新日: / 公開日:2021.06.02










