- 注文住宅の見積もりは複数社比較が重要
- 満足のいく注文住宅を建てるには、依頼先選びが成功の鍵です。会社ごとに強みや特徴は異なるため、一括見積もりで複数社を比較し、自分に合う会社を見つけましょう。見積もりへの対応から、会社の信頼性も判断できます。
詳しくは、「なぜ、注文住宅では複数社の見積もりがあるといい?」をご覧ください。 - 見積書の種類と読み解くためのポイント
- 見積書には「概算見積もり」と「詳細見積もり」の2種類があります。一括見積もりの段階で提示されるのは概算見積もりです。図面と照らし合わせ、標準仕様の範囲や工事費の内訳、使われる素材や設備のグレードまで細かく確認しましょう。
詳しくは、「見積書の種類と読み方」をご覧ください。 - 失敗しない一括見積もりのコツと注意点
- 一括見積もりを依頼するときは、各社に同じ条件を伝え、相見積もりである旨も共有しましょう。見積書に「一式」などの曖昧な表記があれば、詳細を必ず確認してください。不明点を質問したときの担当者の対応も、信頼できる会社か見極めるポイントです。
詳しくは、「一括見積もりを行うときのコツと注意点」をご覧ください。
満足できる注文住宅を建てるためには、どの依頼先を選ぶかがとても重要なポイントとなります。依頼先を見極める際に、大きな判断基準となるのが見積もりです。今回は注文住宅の一括見積もりにおいて、見積書の読み方を踏まえながら、押さえておくべきポイントや注意点を見ていきましょう。
なぜ、注文住宅では複数社の見積もりがあるといい?

注文住宅を建てるまでには、依頼先と細かく打ち合わせを重ねながら、数多くの工程をクリアしていくことになります。そうした意味で、依頼先選びは注文住宅の成功を左右する特に重要なポイントだといえるのです。
しかし、本当に自分に合った依頼先を見つけるのは決して簡単ではありません。会社ごとに得意とする分野が異なり、対応やノウハウにも差が生まれるため、はじめから理想どおりの依頼先を見つけられるケースは少ないのです。
だからこそ、一括見積もりを行い、複数の会社を見比べる機会をつくることが大切です。見積もりに対する対応から依頼先の信頼性を見極めることもできるため、重要度はとても高いといえます。
一括見積もりで比較をするメリット

一括見積もりとは、一度の条件入力で複数の会社に施工の見積もりを出してもらう工程のことを指します。何度も面倒な入力手続きをする必要がなくなるため、時間や労力を省略できる点が大きなメリットです。
また、依頼先によって得意とする工法などに違いがあるため、複数の会社を比較するなかで、より適した依頼先を見つけられます。
さらに、自分が実現させようとしているプランにどのくらいの予算がかかるのか、複数社を比較することで、初めて相場をつかめるようになるのです。
注文住宅カタログを探す 無料で住まいの窓口に相談する見積書の種類と読み方

一括見積もりを依頼した後は、依頼先ごとにプランに合わせた見積書を出してくれます。基本的にはその内容をとおして比較検討することとなるため、事前に見積書の読み方を把握しておきましょう。
見積書の種類
見積書には「概算見積もり」と「詳細見積もり」の2種類があります。概算見積もりとは、プランを実現させるための「参考価格」を示すものであり、主に「施工面積×単価」で計算されます。
一方、詳細見積もりは明確に図面を決定し、具体的な要望などを取り入れたうえで作成される見積書のことです。内装や部材、つくりといった細かなこだわりが反映されるため、通常は概算見積もりよりも金額が大きくなります。
一括見積もりの段階では、まだ細かな打ち合わせが進んでいないため、概算見積もりで比較をすることとなります。そして、そこから一社に絞り、しっかりと依頼先との打ち合わせが済んだ段階で、詳細見積もりを出してもらうのが一般的な流れです。
そのため、一括見積もりによって出される見積もりはあくまで「最低ライン」として認識しておくことが大切となります。
見積書を読み取るためのポイント
まずは、正確性を確かめるためにも、図面と見比べながら抜け漏れがないかどうかチェックしましょう。想定していたプランがきちんと反映されているか、ほかの会社と比較して施工内容の抜けがないかなどを確かめてください。
そこから、以下のポイントを軸に詳しく読んでいきましょう。
ポイント
- 標準仕様とオプション扱いの範囲を確かめる
- 本体工事費と付帯工事費の内訳を確かめる
- 素材や設備のグレードを確認する
合計金額を確認したうえで、「標準仕様」と「オプション」の範囲をチェックします。どこまでが標準の施工内容で、どこからがオプション扱いになっているのか、会社ごとに比べていくと理解が進みます。
また、注文住宅の費用には、大きく分けて「本体工事費」「付帯工事費」「諸費用」の3つがあります。費用のうち本体工事費が7割、付帯工事費が2割、残りの1割が諸費用となるのが一般的な目安です。
このうち、登記費用などの諸費用は、基本的に見積書に記載されることはありませんから、本体工事費と付帯工事費の2点に目を向けていきましょう。メインとなる本体工事費は、どの見積書にも記載されるため、比較的、把握がしやすい項目となります。
しかし、付帯工事費は会社によって取扱いが異なるため、注意が必要です。付帯工事費とは、建物を建てるときに必要な土地の造成工事、地盤改良工事、外構、給排水工事などをまとめたコストのことを指します。
見積書にこの費用が含まれているかどうかによって、合計金額に大きな差が生まれるため、不明確な点があれば遠慮をせずに会社へ問合せをしましょう。また、単に合計金額を比較するだけでなく、素材や設備のグレードを確かめておくことも大切です。
たとえば、ほかの依頼先よりも合計金額が高いところがあっても、設備のグレードを標準にそろえてみると、かえって安くなる場合があります。合計金額の違いが気になる場合は、素材や設備についても会社へ確かめてみるといいでしょう。
一括見積もりを行うときのコツと注意点

一括見積もりを行う際には、以下のポイントを意識しておくと、誤解や情報のすれ違いが起こるリスクを下げることができます。
見積もり依頼時のコツと注意点
一括見積もりを依頼する際には、以下の2点を押さえておきましょう。
- 必ず同じ条件にそろえて依頼する
- 異なる系統の施工会社に依頼する
一括見積もりを行う際には、必ず同じ条件にそろえて依頼しましょう。その際、それぞれの会社に相見積もりを行っていることを伝えておくと、その後のやりとりがスムーズに進みます。
また、依頼先には大きく分けて「大手ハウスメーカー」「地域密着型工務店」「独立型設計事務所」の3つのタイプがあります。それぞれ強みとする分野が異なるため、あらかじめ特徴を押さえたうえで、複数の会社に依頼しましょう。
見積書が届いてからのコツと注意点
見積書が届いてからは、以下の3点を意識しておくと、正確に比較しやすくなります。
- 「一式」「一ヶ所」といった表記は細かく内容を確かめる
- 他社と比べて項目名が著しく多い/少ない場合に注意する
- 疑問点があれば遠慮をせずに確認する
見積書については、不明な点を少なくするためにも、できるだけ遠慮をせずに確認の問合せをすることが大切です。たとえば、見積書の項目には、「一式」「一ヶ所」のように、複数の内容がまとめられている場合があります。
さらに、会社によっては項目名の量に差があることもあります。こうしたときには、正確な比較を行うためにも、担当者に細かく質問をすることが大切です。
対応の仕方や説明の内容によっても、その会社の信頼性を判断することができるでしょう。もしその会社に施工を依頼するのであれば、その後は何度も打ち合わせを重ねていくことになるため、早い段階で踏み込んだ関係性を築いておけると安心です。
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まとめ

- 注文住宅の成功は依頼先選びが左右するため、複数社を比較することが大切
- 複数の会社を見比べるうえでは、一括見積もりが便利
- 概算見積もりと詳細見積もりの違いを押さえておく
- 事前に見積書の読み方、依頼時の注意点を理解しておくと安心
- 家づくりには何度も依頼先と打ち合わせをする必要があるため、見積もり段階で遠慮をせずに相談しておく
よくある質問
Q.1:注文住宅を建てたいのですが、なぜ複数の会社から見積もりを取る必要があるのですか?
A.1:満足のいく注文住宅を建てるには、信頼できる会社選びがとても重要です。会社ごとに得意なことや強みが違うため、1社だけでは自分に合うか判断するのは難しいでしょう。複数の会社から見積もりを取ることで、費用やプランを比較でき、希望に合った依頼先を見つけやすくなります。また、見積もりへの対応から、会社の信頼性や担当者との相性も確認できます。
Q.2:複数の会社にいちいち連絡するのは大変そうです。「一括見積もり」にはどんなメリットがありますか?
A.2:一括見積もりサービスを使えば、一度の入力で複数の会社にまとめて見積もりを依頼できるため、時間や手間を大幅に省けます。複数の見積書を比べることで、建てたい家の費用相場が分かるうえ、各社の提案から理想に近いプランを見つけやすくなる点もメリットです。
Q.3:一括見積もりでもらった見積書は、そのまま建築費用になるのでしょうか?
A.3:一括見積もりで提示されるのは、詳細な打合せ前の参考価格である「概算見積もり」です。これは、あくまで建築費用の「最低ライン」と考えておきましょう。契約に向けて具体的な図面や要望を反映させると、より正確な「詳細見積もり」が作成され、通常は概算見積もりより金額が上がります。
Q.4:見積書を見比べるとき、どこをチェックすればよいですか?
A.4:まずは、希望のプランが反映されているか、図面と照らし合わせて抜け漏れがないかを確認します。そのうえで、特に以下の3点をチェックすると、各社の違いを比較しやすくなります。
1. 標準仕様とオプションの範囲:どこまでが基本料金で、どこからが追加料金になるか。
2. 工事費の内訳:見積もりに「本体工事費」だけでなく、どこまでの「付帯工事費」が含まれているか。
3. 素材や設備のグレード:同じ項目でも、会社によって標準で使われる素材や設備のグレードが異なる場合があります。
Q.5:見積書にある「付帯工事費」とは何ですか?
A.5:「付帯工事費」とは、建物の本体以外にかかる費用のことです。具体的には、地盤改良や外構(庭・駐車場など)、屋外の給排水工事などが挙げられます。この費用が見積もりに含まれているかで総額が大きく変わるため、どこまでの工事が含まれているか、必ず確認しましょう。
Q.6:見積もりを依頼するときに、何かコツはありますか?
A.6:正確に比較できるよう、依頼するすべての会社に同じ条件(予算、希望の間取りなど)を伝えましょう。また、複数の会社に依頼している「相見積もり」だと伝えておくと、その後のやりとりがスムーズに進みやすくなります。
Q.7:依頼する会社は、どのように選べばよいですか?
A.7:依頼先には「大手ハウスメーカー」や「地域密着型の工務店」「設計事務所」など、さまざまなタイプがあります。それぞれ強みが異なるため、「デザイン重視なら設計事務所」「品質の安定を求めるならハウスメーカー」など、希望に合わせて異なるタイプの会社をいくつか選んで依頼するのがおすすめです。
Q.8:見積書に「一式」と書かれている項目があります。これは何ですか?
A.8:「一式」や「1ヶ所」といった表記は、複数の細かい項目をまとめたものです。内訳が分からないと正確な比較ができないため、後々のトラブルを防ぐためにも、具体的に何が含まれているのか遠慮せずに質問し、詳細を確認しましょう。
Q.9:見積もり金額が一番安い会社に決めても問題ないでしょうか?
A.9:見積もり金額の安さだけで決めるのは注意が必要です。一見高くても、性能のよい設備が標準だったり、他社ではオプションの工事費が含まれていたりするケースもあります。金額だけでなく、工事の範囲や使われる素材・設備のグレードも細かく確認し、総合的に判断することが、満足のいく家づくりにつながります。
Q.10:見積もりについて分からないことが多くて不安です。どうすればよいですか?
A.10:見積書に少しでも疑問があれば、遠慮せずに担当者へ質問し、納得できるまで説明を求めましょう。そのときの対応の丁寧さや説明の分かりやすさは、会社が信頼できるかを見極める重要な判断材料です。家づくりでは依頼先と長く付き合うことになるため、初期の段階で何でも相談できる関係を築いておくと安心です。
更新日: / 公開日:2021.05.13










