家づくりの成功は、いかにして「予算の範囲で快適な住環境を実現させるか」が重要なポイントとなります。そのためには、叶えたい条件の優先順位を決めながら、妥協できるポイントを明確にしておくことが大切です。今回は注文住宅の妥協点を見つけるコツについて、妥協してはいけないポイントと併せて見ていきましょう。
注文住宅を探すローコスト住宅の住宅カタログを探すローコスト住宅講座
注文住宅で妥協点を見つけておいたほうがいい理由

注文住宅は土地・間取り・性能・設備といった多くの項目から、自由に希望を組み合わせられる点が魅力です。しかし、選択肢が豊富であるからこそ、理想を実現させようとするうちに、予算オーバーしてしまうこともめずらしくありません。
そうした状態で、無理に予算の枠を広げようとすると、どうしても住宅ローンの借入額が増えて返済が厳しくなってしまいます。そのため、事前に妥協できるポイントを探りながら、コストダウンできる選択肢を見つけておく必要があるのです。
後からの変更がしやすいポイントと変更が難しいポイント

予算がオーバーしてしまったときには、できるだけ理想の住宅づくりに影響の出ない範囲で妥協点を見つけたいところです。そのため、事前に「変更しやすいポイント」と「変更が難しいポイント」を押さえておくことが大切です。
後からでも変更しやすいポイント
以下の項目は、ある程度打ち合わせが進んでからも比較的変更がしやすいポイントです。
ポイント
- 設備の種類やグレード
- フローリングや壁紙の種類
- 造作家具、造作収納
これらは予算に応じて後からグレードを下げたり、反対にゆとりがあればグレードを上げたりと、柔軟に対応が可能な項目です。そのため、特別な希望がない限りは、あまり早い段階でこだわらなくても問題はありません。
比較的変更が難しいポイント
一方、以下の項目は打ち合わせが進んでからは変更が難しく、場合によってはその他の箇所に影響が及んでしまう可能性が高いでしょう。
ポイント
- 間取り、部屋数
- 広さ
- 建物の配置
- 水回りの配置や階数
これらのポイントは、具体的な予算が出てくる工事直前のタイミングでは、変更が難しいといえます。
たとえば、水回りの配置については、設備の移動とともに配管設備の大がかりな変更が必要となるため、慎重に検討する必要があるのです。こうした変更が難しい部分については、なるべく早い段階で調整できるようにしておきましょう。
注文住宅を探す ローコスト住宅の住宅カタログを探す ローコスト住宅講座選択肢は意外に多い? コストダウンの方法

住宅のコストダウンには意外にも多くの選択肢があります。ここでは「大規模なもの」と「小規模なもの」に分けて、詳しく見ていきましょう。
大規模なもの
大がかりなコストダウン方法としては、以下のような選択肢があります。
- 家の形状をシンプルな正方形や長方形にする
- 総2階にする
- 床面積を減らす
- オープン外構にする
一般的に、住宅の構造がシンプルであるほど人件費や建材などが省略できるため、コストはダウンします。複雑な形状よりも正方形や長方形などの整った形のほうが、建築コストを抑えられるのです。
2階建て住宅の場合は、「総2階」を選択することで、さらに形状がシンプルになります。総2階とは、1階と2階を1つの柱でつなげて同じ広さにする構造のことであり、1階部分の屋根や余分な柱などを省略できる点がメリットです。
また、室内以外では、フェンスや塀を設置しない「オープン外構」にするといった方法があります。敷地をフェンスや塀で囲う構造にすると、材料費だけでもかなりの費用がかかるため、予算を圧迫しやすいポイントの1つとなるのです。
ただ、車両通行量が多い土地や、交差点に面する角地ではしっかりとした外構が必要となるため、状況に合わせて慎重に判断しましょう。
小規模なもの
大がかりな変更ができない場合でも、以下のような小規模な変更を組み合わせることで大幅なコストダウンにつながるケースは少なくありません。
ポイント
- 窓の数を減らす、サイズを小さくする
- バルコニーを縮小する
- 階段をリビング内に設ける
- 部屋の間仕切りを減らす
- 収納をあちこちにつくらず、数ヶ所にまとめる
- 設備のグレードを下げる
- トイレの数を減らす
- 水回りを一ヶ所に集約させて、配管の距離を省略する
窓については、方角に合わせた工夫を考えておくといいでしょう。たとえば、西日の強い西側の窓は減らす、日当たりに恵まれにくい北側の窓はサイズを小さくするといった方法があります。
さらに、バルコニーも数を減らしたり、サイズを小さくしたりすることでコストダウンが見込めます。費用の節約だけでなく、外観がスッキリするといったメリットもあるため、必要性を見極めながら判断しましょう。
また、室内においても、できるだけシンプルなつくりを心がけるのが節約の基本です。階段をリビング内に設ける、間仕切りを減らす、収納スペースをまとめるといった方法は、いずれも建材を省略できるため、コストダウンにつながります。
無理な節約には注意! 妥協しないほうがいいポイント

ここでは、多少のコストがかかっても、妥協をしないほうがいいポイントについて見ていきましょう。
住まいの安全性に関する項目
長期にわたって安心して居住できる住まいを実現させるためにも、安全性に関する項目は妥協せずに検討することが大切です。「耐震性」「耐火性」「セキュリティ」に関わるポイントは、安全に生活するうえで欠かせない項目となります。
住まいの快適性に関する項目
住まいの快適性を左右する項目としては、「断熱性」や「気密性」があげられます。これらのポイントは、快適な住環境を整えるうえでとても重要となるため、過度な節約は避けるべきだといえます。
また、断熱性や気密性が高ければ冷暖房効率が向上し、ランニングコストの節約につながる点もメリットです。
外壁
外壁は塗料の種類によってコストが変化するため、節約しやすいポイントではあります。しかし、外壁の耐久性が低いと雨漏りやシロアリ被害などのリスクが高まり、かえってメンテナンスコストがかかってしまいます。
また、どの塗料を選ぶかによって塗り替えの目安時期も変化するため、事前に細かな情報を教えてもらいながら判断しましょう。
キッチンの設備
キッチンはさまざまな設備のなかでも、使用頻度が高いため、なるべく妥協をせずに理想の条件を実現させたいところです。ただ、工夫次第でコストダウンできる方法もあるので、できるだけ幅広く情報を収集しておきましょう。
たとえば、収納スペースが不足してしまう場合は、キッチン自体の広さを変えなくても、床下収納や壁面収納などを設けることで対応できます。また、ビルトイン食洗機などのオプション設備は、後から変更することも可能なので、必要性をじっくり検討しましょう。
注文住宅を探す ローコスト住宅の住宅カタログを探す ローコスト住宅講座予算を抑えるコツがわかる。ローコスト住宅講座を受けてみよう

予算を抑えて注文住宅を建てるうえでは、コストダウンのコツを専門家に教わるのも有効です。
LIFULL HOME’Sの「住まいの窓口」では、専門家の監修による講座を無料で開催しています。なかでも、「ローコスト住宅講座」は、「予算内で建てられる建築会社を知りたい人」や「なるべく予算をかけずに家づくりをしたい人」に適した講座です。
店舗だけでなくオンラインによるビデオ通話でも受講ができ、受講時間も60~90分程度なので、家づくりについて迷ってしまったときには気軽に利用してみましょう。
まとめ

- 予算オーバーに対応するためにも、事前に妥協点を見つけておくことが大切
- 妥協点のうち、後からの変更がしやすいポイントと変更が難しいポイントを押さえておく
- コストダウンの方法には、大がかりなものから小規模なものまで数多くの選択肢がある
- 妥協しないほうがいいポイントも理解しておくと安心
- 予算を抑えて快適な家づくりを実現させるために、「ローコスト住宅講座」を利用してみるのも1つ
更新日: / 公開日:2021.04.28










