ウッドデッキは、室外に広々とした空間をつくるうえで有効な選択肢のひとつです。

一般的には、1階部分に庭の延長として設けるケースが多いものの、専有スペースの関係から2階に設けられないかと考えている人もいるでしょう。

今回は2階にウッドデッキをつくるメリットやデメリット、具体的な施工例について解説していきます。
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ウッドデッキ

 

2階にウッドデッキを設けるには、さまざまな方法があります。ここでは、具体的な施工例と費用の相場について見ていきましょう。

 

2階部分にウッドデッキを設けるのに最適な場所としては、駐車場上のスペースが挙げられます。

 

2階の室外に広々としたスペースを設けられるとともに、大切な車を守るカーポートとしての役割も担ってくれるため、2重のメリットが得られるのです。

 

また、ウッドデッキの下はどうしても日当たりが悪くなってしまうものの、駐車スペースであればそれほど気になりません。夏場などは車内に熱がこもるのも避けられるため、一石二鳥だといえます。

 

2階ウッドデッキは不安定な斜面の上にも設けることができます。敷地の一方が急な斜面になっている土地では、その部分を有効利用する方法となるのです。

 

ただ、傾斜地の施工は、安全性を確保するために細かな検証が必要とされます。そのため、すべてのケースで建てられるわけではない点に注意しておきましょう。

 

ウッドデッキの施工費用は、形状や素材、土地の状態などによって大きく異なります。

 

たとえば、住居から完全に独立した「自立型カーポート」では150万円~250万円、住居から直接出入りできる「壁付け型カーポート」では170万円~300万円が目安の相場となります。

 

また、木材でつくられるウッドデッキは、どのような素材を使用するかによっても、大きく費用が異なるものです。

 

事前にどれくらいのコストをかけられるかを明確にしたうえで、施工会社と打ち合わせを進めることが大切となります。

ウッドデッキ

 

ウッドデッキを検討するうえでは、メリットとデメリットの両面をきちんと理解しておくことが大切です。

 

ここでは、ウッドデッキそのものの特徴に加えて、「2階に建てること」も踏まえたうえで、具体的な長所と短所を見ていきましょう。

 

ウッドデッキのメリット

  • ゆったりとした空間で布団や洗濯物などを干せる
  • 手軽にアウトドア気分を味わえる
  • 子どもやペットを安心して遊ばせられる
  • リビングの延長として使える

ウッドデッキの大きなメリットは、日当たりのいい広々とした空間を設けられる点にあります。バルコニーでは干しにくい布団なども、広いウッドデッキであればスペースを気にせず干すことができるのです。

 

また、ウッドデッキは家族でゆったりと過ごせる貴重な室外空間にもなります。室外用のテーブルやイスを設置すればプライベートなカフェスペース、ビニールプールなどを設置すれば遊び場に早変わりします。

 

ウッドデッキのデメリット

  • メンテナンスのコストと手間がかかる
  • 木材の腐朽リスクがある
  • 雑草や虫への対策が必要
  • 住宅密集地では周囲の視線が気になることも

ウッドデッキは常に雨や紫外線にさらされてしまうため、どうしても傷むスピードは速くなります。木材が水分の影響を受け、腐食してしまうリスクもあるため、定期的なメンテナンスは欠かせません。

 

品質を保つためにはこまめな塗装が必要であり、その分だけ手間やコストがかかってしまいます。また、住宅が密集している地域では、周囲の視線が気になり、思ったように利用できないケースもあります。

 

ウッドデッキを建てる際には、きちんと利用計画を立てておくことが大切です。

 

2階ウッドデッキのメリット

  • 地面の水分の影響を受けにくい
  • 床面の風通しが保たれやすい

2階ウッドデッキのことを「ハイデッキ」や「スカイデッキ」といったりします。

 

2階部分にウッドデッキを設けるメリットとしては、洗濯物干し場などのユーティリティスペースを新たに増やして、生活の利便性を向上させることができることです。

 

さらに、1階に比べて地面からの湿気の影響を受けにくくなる点が挙げられます。通常、木材でつくられたウッドデッキは、水分によって腐食のリスクが高まってしまいます。

 

しかし、2階部分であれば地面から距離があり、床面の風通しも保たれやすくなるため、ある程度の湿気対策が自然に行われます。また、1階に設けるときのように、デッキ下の雑草に悩まされる心配もありません。

 

2階ウッドデッキのデメリット

  • 1階居住スペースの日当たりに影響してしまう
  • 排水ルートの考慮が必要

ただ、2階にウッドデッキを設置する際には、1階部分の日当たりを考慮しておく必要があります。

 

建物の南側に設けてしまうと、1階の南側部分は日中の日当たりが遮られてしまうため、住居の間取りとのバランスに目を向けておきましょう。

 

また、建物に大量の水がかかってしまわないよう、デッキの排水ルートを考えておくことも大切です。

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ウッドデッキを設置する際の注意点

 

ウッドデッキを設けるうえでは、建ぺい率や容積率といった面積に関するポイントも押さえておく必要があります。ウッドデッキの面積上の取扱いについて見ていきましょう。

 

建ぺい率とは、土地の敷地面積に対して、建物の「建築面積」(建物を真上から見たときの面積)がどのくらいの割合を占めているのかを示す数字です。

 

土地には用途地域ごとに建ぺい率が定められており、決められた割合を超える広さの建物を建てることはできません。

 

また容積率は、土地の敷地面積に対する「延床面積」(全フロアの合計面積)の割合を示す数字です。容積率も土地ごとに具体的な数字が定められており、それ以上の広さを超えてしまうと違法となってしまいます。

 

そのため、ウッドデッキを設ける際には「建築面積や延床面積に含まれるのか」がとても重要なポイントとなるのです。

 

2階ウッドデッキは基本的に建築面積に含まれるため、建ぺい率を気にしておく必要があります。

 

たとえば、100平米の土地で建ぺい率60%の場合、建物とウッドデッキの建築面積を合計して60平米以内に収めなければなりません。

 

ただ、ウッドデッキの取扱いにはいくつかの例外があり、「階下に柱や壁がない」「3方向が壁に囲まれていない」といった場合には建築面積から除かれます。また「出幅が1m以内」のものも建築面積には含まれません。

 

さらに、自治体によっては「すのこ状の床面」であれば除外されるなどの例外もあります。そのため、事前に自治体の決まりをチェックしておくことも重要です。

 

通常、建物のうち「壁で囲まれていない部分」は延床面積から除外されます。そのため、ウッドデッキは容積率に影響を与えないケースが多いと考えておいて問題はありません。

 

ただ、屋根や庇(ひさし)を設けてしまうと、延床面積に計上されるため注意が必要です。また、建ぺい率と同様、自治体ごとにルールが異なる部分もあり、囲いの高さによっては壁とみなされてしまうこともあります。

 

そのため、建てようとしているウッドデッキが延床面積に含まれるかどうかも、事前に確かめておきましょう。

ウッドデッキに使う素材

 

ウッドデッキに利用する木材には、樹脂製と天然木製(ハードウッド、ソフトウッド)の2種類があります。ここでは、それぞれの特徴を紹介していきます。

 

樹脂製は“人工木製”とも呼ばれ、プラスチック樹脂と木粉を混ぜ合わせた素材のことを指します。虫害や湿気に強く、劣化が少ない点が大きなメリットであり、メンテナンスも比較的容易です。

 

一方、夏場は熱を吸収しやすい、規格が決められているため特殊な形状には加工しにくいといった点はデメリットとなります。

 

天然木には丈夫で耐久性の高いハードウッドと、柔らかく加工しやすいソフトウッドがあります。両者に共通する大きなメリットは、木そのものの質感や香りを楽しめる点です。

 

ハードウッドは価格が高く、加工に時間がかかるため施工費がかかってしまうのが難点だといえます。また、ソフトウッドは湿気に弱く、メンテナンスコストがかかりやすい点がデメリットです。

 

素材ごとに異なる特徴があるため、目的に合ったものを選ぶようにしましょう。

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ホースで洗う

 

ウッドデッキの耐久性は、素材や立地によって異なるものの、いずれにしても長く使うためにはこまめなメンテナンスを心がける必要があります。

 

最後に、ウッドデッキのメンテナンスに関するポイントを見ていきましょう。

 

樹脂製素材は長持ちしやすいため、メンテナンスは比較的に手軽だといえます。土汚れなどを水で洗い流し、きれいな状態を保っておくのが基本です。

 

一方、天然木製の場合には、より細かな手入れが必要となります。特にソフトウッドは定期的に表面の塗装替えを行い、木材の品質を保っておくことが重要です。

 

また、鉢植えなどを同じ場所に置いておくと、湿気がたまって腐食を起こしてしまう心配があります。定期的に配置換えを行うか、台の上に置くなどして、通気性を確保しましょう。

 

2階のウッドデッキは、広々とした室外スペースを創出し、利便性を向上できるだけでなく、木材の質感を楽しめる魅力的な場所でもあります。

 

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更新日: / 公開日:2021.02.22