「マイホームを購入するなら、デザインも間取りも自分の思いどおりの家にしたい」。そういう人には注文住宅がおすすめです。しかし、大きな買い物なので、予算をしっかり組むことが大切です。今回は注文住宅を建てるためにはどのくらいの費用が必要なのか、実際にシミュレーションしながら解説します。
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注文住宅にかかる費用の内訳は?

注文住宅を建てるのにかかる費用は、大きく「本体工事費」「別途工事費」「土地購入費」「諸費用」になります(土地を既に持っている場合、「土地購入費」は不要)。
本体工事費とは、住宅の屋根や壁、床など建物そのものをつくるための費用です。別途工事費は、それ以外の部分、たとえば門や塀などを含めた外まわりの工事や、照明器具やカーテン、空調などの取り付け、水道管やガス管などを敷地内に引き込む工事などです。さらに、建て替えの場合は既存の建物の解体費、地盤が軟弱な場合は強度を高めるための工事費などが発生することもあります。土地購入費は、場所や広さによって変わりますが、一般的に都市部では坪単価が高額になります。
諸費用には、登記に関する費用や、設計料、住宅ローンの保証料、地鎮祭などの祭典費用などが含まれます。さらに、新生活を始めるにあたっては、引越し費用や仮住まい費用、家具・家電購入費などもかかるので、そうした費用も含めて、余裕をもって資金を準備しておく必要があります。
注文住宅を探す注文住宅の予算はどうやって考える?

それでは、注文住宅の予算はどのように決めればいいのでしょうか。まずは参考として、データを紹介します。
住宅金融支援機構が「フラット35」利用者に対して行った調査によると、2019年度の注文住宅の所要資金(予定建設費+土地取得費)は、全国平均では土地なしで3,454万円、土地付き注文住宅の場合は4,257万円。首都圏では土地なしの場合で3,772万円、土地付き注文住宅の場合は4,993万円となっています。
また、同じく住宅金融支援機構が行った調査では、注文住宅の「年収倍率」に関するデータも明らかにされています。年収倍率とは、所要資金が世帯年収の何倍になっているかを示すものです。2019年度の年収倍率の調査では、全国平均では土地なしの場合で6.5倍、土地付き注文住宅の場合は7.3倍。首都圏では土地なしの場合で6.6倍、土地付き注文住宅の場合は7.7倍となっています。
こうしたデータも参考にしながら、予算を考えてみましょう。実際に検討する際には、次の1〜3の手順で進めるのがおすすめです。
1:住宅の購入に充てる自己資金の額を決める
まずは、住宅にかけられる自己資金を明確にすることです。貯蓄額のうち、手元にいくらくらいのお金を残しておくか決めます。新生活を始める際には、引越し代などをはじめ何かとお金がかかるものなので、ギリギリの金額で設定するのではなく、予備費も含めて確保しておきましょう。
2:住宅ローンの借入金額を決める
安定したローン返済を続けるためにも、無理のない計画を立てる必要があります。無理なく月々のローン返済を行える上限額は、一般的に年収の25%を12ヶ月で割ったものとされています。
3:住宅の購入資金限度額を計算する
自己資金と住宅ローンの借入金額を設定したら、そこから購入資金を決定することができます。土地を購入する必要がある場合は、土地代も考慮したうえで予算を考える必要があります。
注文住宅の購入可能額をシミュレーション

それでは実際に注文住宅を建てるとしたら、借入額や毎月の返済額がどのくらいになるか、シミュレーションを行ってみましょう。今回はLIFULL HOME’Sの「住宅ローンシミュレーター」を使って試算しました。先ほど紹介した住宅金融支援機構のデータによると、土地付き注文住宅の所要資金が首都圏で平均4,993万だったので、この試算でも4,000万円台で注文住宅を購入する想定にしました。
前年度の税込み世帯年収:700万円
毎月返済可能な金額:14万円(年収の25%の1/12)
住宅購入にかけられる自己資金(頭金):500万円
現在の年齢:30歳
返済期間:35年
返済金利:1.5%(固定)
借入限度額:4,572万円
※「住宅ローンシミュレーター」では、計算上、1万円単位から算出していますが、実際には各金融機関の住宅ローンの取扱いは、10万円単位からが一般的です。
このシミュレーションを踏まえると、住宅の購入に使える金額の目安は、約4,877万円(借入限度額+頭金−諸費用※)となります。
※諸費用は購入価格の2~5%くらいが目安といわれています。ここでは4%で計算しています。
ただし、たとえば注文住宅を建てる時点では共働きで収入に余裕があったとしても、子どもが生まれると子育てに関する費用や教育費がかかります。また、将来的には家族の介護費用なども考えておく必要があるかもしれません。このように、収入や支出は一定ではないので、あらかじめライフイベントを想定したうえで、計画を立てることが大切です。
LIFULL HOME’Sの「おうち予算シミュレーション」では、年齢や年収、家族構成などの条件を基に、無理なく購入できる家の予算や生活費とのバランスなども試算できるので、こちらもぜひ活用してみてください。
家計から住宅購入予算を試算する 住宅ローンについて調べる注文住宅の費用を抑えるためのポイントは?

注文住宅をつくるには、それなりのお金がかかりますが、可能であれば、少しでも費用を抑えたいものです。
建築費用に関しては、まずあまり複雑な間取りにせず、シンプルなものに変えたほうがコストを抑えやすいでしょう。使う資材を見直すことで金額が下がる場合もあります。
諸費用については、土地購入の条件などによっても変わるので、よく比較して選びましょう。たとえば、不動産会社やハウスメーカーが所有する土地を直接購入することで、土地購入の仲介手数料がかからないケースなどがあります。また、引越しのタイミングなども重要です。全国的に引越しが多い3月などは、引越し料金が高騰するので避けたほうがコスト削減になります。
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流れや注意点は理解できても、「まだ住宅購入を考え始めたばかりで何から考えてよいのか分からない」「自分で予算を試算するのは難しい」といった人もいるかもしれません。そのような場合は、「LIFULL HOME’S 住まいの窓口」の専属のアドバイザーに相談することもできます。
「住まいの窓口」では、家づくりの進め方など、初めてでは分からない知識を教えてもらえるほか、希望に合った不動産会社の紹介してくれたり、不動産会社とのさまざまな調整を手助けしてくれるなど、メリットがたくさんあります。必要に応じて提携ファイナンシャルプランナーを無料で紹介してもらえるので、資金計画についてより詳しく相談したい場合は併せて利用するのもよいでしょう。
店舗のほか、電話、LINE、オンラインでも相談を受け付けていますので、気軽に利用してみてはいかがでしょうか。
住まいの窓口に資金計画を相談するまとめ

注文住宅を建てる際には、住宅の建築費用だけではなく、別途工事費や諸費用などもかかります。それぞれどのくらいかかるのかを把握したうえで、現実的な予算を設定することが大切です。
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更新日: / 公開日:2021.02.01










